温泉ライター、小暮淳の公式ブログです。雑誌や新聞では書けなかったこぼれ話や講演会、セミナーなどのイベント情報および日常をつれづれなるままに公表しています。
プロフィール
小暮 淳
小暮 淳
こぐれ じゅん



1958年、群馬県前橋市生まれ。

群馬県内のタウン誌、生活情報誌、フリーペーパー等の編集長を経て、現在はフリーライター。

温泉の魅力に取りつかれ、取材を続けながら群馬県内の温泉地をめぐる。特に一軒宿や小さな温泉地を中心に訪ね、新聞や雑誌にエッセーやコラムを執筆中。群馬の温泉のPRを兼ねて、セミナーや講演活動も行っている。

群馬県温泉アドバイザー「フォローアップ研修会」講師(平成19年度)。

長野県温泉協会「研修会」講師(平成20年度)

NHK文化センター前橋教室「野外温泉講座」講師(平成21年度~現在)
NHK-FM前橋放送局「群馬は温泉パラダイス」パーソナリティー(平成23年度)

前橋カルチャーセンター「小暮淳と行く 湯けむり散歩」講師(平成22、24年度)

群馬テレビ「ニュースジャスト6」コメンテーター(平成24年度~27年)
群馬テレビ「ぐんまトリビア図鑑」スーパーバイザー(平成27年度~現在)

NPO法人「湯治乃邑(くに)」代表理事
群馬のブログポータルサイト「グンブロ」顧問
みなかみ温泉大使
中之条町観光大使
老神温泉大使
伊香保温泉大使
四万温泉大使



著書に『ぐんまの源泉一軒宿』 『群馬の小さな温泉』 『あなたにも教えたい 四万温泉』 『みなかみ18湯〔上〕』 『みなかみ18湯〔下〕』 『新ぐんまの源泉一軒宿』 『尾瀬の里湯~老神片品11温泉』 『西上州の薬湯』『金銀名湯 伊香保温泉』 『ぐんまの里山 てくてく歩き』 『上毛カルテ』(以上、上毛新聞社)、『ヨー!サイゴン』(でくの房)、絵本『誕生日の夜』(よろずかわら版)などがある。

2018年01月17日

赤兎馬、宙を舞う。


 それは、昨年の5月のことでした。

 僕のことを 「先生」 とか 「師匠」 とか呼んでくださる自称 “弟子” たちが集まり、新刊 『金銀名湯 伊香保温泉』(上毛新聞社) の出版を祝ってくれました。
 その時、祝いの品として手渡されたのが、幻の芋焼酎といわれる限定品の 「赤兎馬(せきとば)」 でした。
 ※(2017年6月3日 「赤兎馬に願いを込めて」 参照)


 あれから8ヵ月。
 僕は、弟子たちの思いが込められた焼酎のボトルを仕事場に飾って、願をかけ続けてきました。

 “温泉といえば群馬”

 観光大使として、温泉大使として、いえいえ、群馬の温泉をこよなく愛する一人のライターとして、全国区へ導きたい……
 ただひたすらに、その思いだけを念じ続けてきました。
 そして、その願いが叶った時、このボトルの封を切ろう。
 それも、3人の弟子たちの前で……


 「カンパイ!」
 「今年もよろしくお願いします!」

 カウンターに、4人が勢揃いしました。
 昨晩は、今年最初の 「弟子の会」 会合でした。
 場所は、ご存知、我らの溜まり場、酒処 「H」。

 「みんなのおかげで、少しずつだけど、願いが叶えられつつあります。ありがとうございます。今日は新年会ということもあり、ここで赤兎馬を開けたいと思います」


 昨年は、NHKBSプレミアムの旅番組に出演して、群馬の温泉を全国に紹介することができました。
 また、観光ガイドブックの 『d design travel 群馬』(ディアンドデパートメントプロジェクト) では、群馬のキーパーソンの1人として、紹介していただきました。
 インタビューの中では、しっかりと “温泉といえば群馬” のメッセージを全国へ発信することができました。

「それでは、あらためて、カンパイ!」

 キィーーーーー!! しみる!
 これこれ、この味。
 鼻孔をくすぐる芳醇な香り、口に含んだときのピリッとした刺激、そして胃に流し込んだときのカーッと湧き上がる熱い高揚感。
 3人の思いと、僕の8ヶ月間の願いが、今、全身を駆けめぐっています。


 1杯が2杯、2杯が3杯。
 4杯、5杯……

 ふわり、フワリ、ふわり、フワリ
 身も心も軽くなり、宙を舞い出しました。

 僕も、弟子たちも、ママも、カウンターの客も、一緒になって揺れています。
 見れば、赤兎馬のボトルまでもが、ユラリ、ゆらり、ユラリ、ゆらり……


 いい酒、いい店、そして、我に友あり。
   


Posted by 小暮 淳 at 12:41Comments(0)酔眼日記

2018年01月15日

御用だ!! 「小暮」


 「こんなもの、高崎駅でもらっちゃった」
 義姉から手渡されたものは、A5判の小さなチラシでした。

 <御用だ!! 「小暮」>
 <懸賞金上限額 300万円>


 みなさんは、覚えていますか?
 平成10年1月14日夜、旧群馬町(現高崎市) で発生した一家3人殺人事件を!

 <事件から20年となった14日、県警はJR高崎駅でチラシやポケットティッシュを利用客らに配り、殺人容疑で指名手配されている元トラック運転手、小暮洋史(48)の情報提供を呼びかけた。>(今日の毎日新聞より)


 やっぱり、一族としては気持ちのいいものじゃありませんって。
 もちろん、親戚でもなく、縁もゆかりもない赤の他人ですけど、同姓というのは……。

 でも、それだけではないのです。
 20年前、我が家は大騒ぎになりました。
 というのも、オヤジが同姓同名だったからです。

 「おいおい、その昔は大久保清とも間違われたこともあるし、散々だな」
 とは、当時のオヤジの弁です。
 あれから20年、認知症を患った現在のオヤジにチラシを見せたら、なんと言うのでしょうか?


 好奇心が旺盛な僕とアニキは、ニヤニヤしながら、そっとオヤジにチラシを手渡しました。
 目が不自由なオヤジでも、十分読めるほどの大きな活字です。

 「ゴヨウダ、コグレ……。なんだい、これは?」
 「ここも、読んでごらんよ」
 「コグレ ヒロシ? これは俺かい?」
 「じいさん、人を殺しちまったんかい?」
 「…………、わかんない」

 もう、おかしくて、おかしくて、アニキと2人して、腹がよじれるほど笑いました。
 「かわいそうだよ、もう、やめようよ」
 「だな、罪の意識を持たれると困るものな」

 「同姓同名の人だよ。じいさんじゃないよ」
 「そーかい、それは良かった」
 と、本人も安堵したようでした。


 御用だ! 小暮!!

 一日も早い事件の解決を祈っています。
   


Posted by 小暮 淳 at 13:45Comments(0)つれづれ

2018年01月13日

猪ノ田温泉 「久惠屋旅館」⑨


 <何度、訪ねても飽きることがない、私の好きな風景である。
  春先に訪ねたときは、庭一面のカタクリの花に迎えられた。秋に部屋の窓を覆い尽くす深紅のモミジ。そして今回は、オレンジ色の可憐な花をたわわに咲かせたキンモクセイの芳しい香りに包まれていた。>

 これは2016年5月に出版した 『西上州の薬湯』(上毛新聞社) の猪ノ田(いのだ)温泉 「久惠屋旅館」(群馬県藤岡市) の記事の冒頭文章です。
 取材をしたのは、前年の秋のこと。
 それ以来ですから、2年3ヶ月ぶりに訪ねてきました。
 この2年間で変わったこと、それは 「たまご湯」 と呼ばれた名薬湯を孤軍奮闘しながら復活させた先代主人が亡くなったことです。


 「たくさんある温泉の中から、いつもうちを選んでくださり、ありがとうございます」
 と、女将の深澤信子さんが出迎えてくれました。
 「ご無沙汰して、申し訳ありませんでした。今日は取材ではありませんので、何も考えず、ゆっくり湯に浸からせていただきます」
 あいさつの後、そそくさと仲間の待つ客間へと向かいました。

 昨日は、僕が所属するフリーランスのクリエイター集団 「プロジェクトK」 の新年会でした。


 今回は11人の気の置けないメンバーが出席。
 誰もが、部屋の窓からの景色を眺めては、「いいところですね」 「前橋から、こんなに近いところに、こんな秘湯の宿があるなんて知りませんでした」 「本当に静かな森の中なので驚きました」 と口々に絶賛しています。
 紅葉の季節も過ぎて、カタクリの花もキンモクセイの花も咲いていませんが、冬木立の森は、これはこれで水墨画のように美しいのであります。

 眼下に望む猪ノ田川の渓流と、時おり枝葉を揺らして通り抜けていく風の音が、なんとも風雅なのであります。


 一服したら、浴衣に着替えて、三々五々、浴室へ。
 「みなさん、驚かれますよ。ここの湯はpH9.1 の強アルカリ性温泉です。その浴感を存分に楽しんでくださいね」
 との僕の説明が終わらないうちから、
 「おお、す、すごい!」
 「湯が、トロトロだ~!」
 「なんだ、こりゃ! 体をさするとヌルヌルだよ」
 と、これまた口々に絶賛のお言葉をいただきました。


 「今年もよろしくお願いしまーす!!」
 新年のスタートを祝い、にぎやかな宴が始まりました。


 いい湯、いい宿、いい仲間あり。
   


Posted by 小暮 淳 at 17:19Comments(4)温泉地・旅館

2018年01月12日

フラッシュバック


 またしても、高齢者ドライバーによる悲惨な事故が起きてしまいました。
 しかも、僕が住んでいる前橋市内で!
 しかも、しかも! 被害者の女子高生は、次女の友人でした。


 「交通事故」 「高校生」
 この二文字に、僕の体は過敏に反応します。
 目にした途端、全身を鳥肌が覆い、寒気が走り抜けます。
 PTSD (心的外傷後ストレス障害) っていうやつですかね?
 あの日の光景が、フラッシュバックするのです。

 もう9年前のことですが、長男が高校生の時に交通事故に遭いました。
 今回の女子高生と同じ、朝の通学途中でした。
 自転車は “くの字型” に曲がり、相手の車のフロントガラスは割れ、ボンネットは陥没していました。
 ※(詳細は、当ブログの2017年3月6日 「通れない道」 参照)

 <高校生、はねられ重傷>
 翌日の新聞記事の見出しです。

 「運が良かっただけです。打ち所が悪ければ死んでいましたよ」
 現場検証に立ち会ったときの警官の言葉が忘れられません。


 でも今回の事故では、被害者の女子高生2人は、<頭などを強く打ち意識不明の重体> だといいます。
 3日経った現在も、まだ意識はもどっていません。
 見守る家族の心中を察すると、胸が苦しくなります。
 どうか、一日も早く意識がもどり、快復に向かい、家族を安心させてあげてください。
 ただただ、祈るばかりです。


 それにしても、加害者のドライバーは85歳という超高齢者です。
 すでに兆候があり、物損事故をくり返していたといいます。
 なぜ家族は、もっと強く、もっと早く、制することができなかったのでしょうか?

 実は僕とアニキは、オヤジが満80歳の時に、強制的に運転免許を取り上げました。
 だって、兆候があったからです。
 一時停止を止まらずに、バイクと衝突事故を起こしたからです。

 本人は、「まだ大丈夫だ」 と駄々をこねましたが、僕らの判断は間違っていなかったと思います。
 子としては、80歳を過ぎた親を刑務所へ送るわけにはいきませんからね。


 どうか、高齢者と暮らす家族のみなさん。
 強い意志を持って、免許の返納を強制的に行ってください。
 それが、悲しい事故を1件でも減らす近道です。

 お願いします。
  


Posted by 小暮 淳 at 12:15Comments(2)つれづれ

2018年01月10日

老神の逆襲


 現在、僕は群馬県内の4つの温泉地の 「温泉大使」 をしています。
 みなかみ18湯(みなかみ町)、老神温泉(沼田市)、伊香保温泉(渋川市)、四万温泉(中之条町) です。
 イベントや式典などに参加し、マスコミやメディアに対しての広報活動を行っています。

 おかげさまで、このところ各温泉地とも、大変評判が良いようです。
 昨年発表された 『温泉総選挙2017』 では、四万温泉が最高賞の地方創生担当大臣賞に輝きました。
 また女子旅部門でも全国2位と、素晴らしい成績を修めています。

 みなかみ18湯も、前年のリフレッシュ部門1位に続き、4位の座をキープしています。
 伊香保温泉は、チームで温泉活性化賞を受賞。
 さらにファミリー部門4位と女子旅部門4位も獲得しました。

 昨年は 『にっぽんの温泉100選』 も発表されました。
 1位は王者、草津温泉が15年連続の1位でしたが、他の群馬勢もがんばりました。
 15位伊香保温泉、25位万座温泉、30位みなかみ18湯、40位四万温泉がベスト50以内にランクインしています。


 えっ、なにか気づかれました?
 そ、そ、そうなんですよ!
 僕が温泉大使を務める温泉地で、老神温泉だけが、どちらのランキングにも入っていないのです。
 別に僕は、えこひいきなんてしていませんよ!

 なぜなんでしょうか?
 どうしてなんでしょうか?

 そんな疑問を昨年暮れに、老神温泉観光協会で開催された講演会で、聴講者らに投げかけました。
 そしたら、なぜなんだろう? どうしてなんだろう? を真剣に考えてみようということになり、僕も温泉大使として多少なりとも責任を感じているので、一緒に解明して、知名度アップを図ることになりました。


 ということで、今日は朝から老神温泉を訪れ、会議に参加してきました。

 ・世界一の長さを誇る大蛇まつりと、マスコットキャラクターのPR
 ・インスタ映えスポットの発掘
 ・温泉の効能の徹底告知
 などなど、多岐にわたる意見が出ました。

 その昔、「脚気(かっけ)川場に瘡(かさ)老神」 といわれたほどの群馬を代表する名薬湯でした。
 瘡とは、皮膚病のことです。
 その効能は全国に知れ渡り、戦時中には、傷病兵の治療のために陸軍病院の建設が計画されたほどでした。

 もう一度、天下の名薬湯の名を全国へ!
 今年は、老神の逆襲が始まるのです。

 ぜひ、みなさん、お力を貸してください。
   


Posted by 小暮 淳 at 20:29Comments(2)大使通信

2018年01月08日

年賀御礼 ~見知らぬあなたへ~


 今年も、たくさんの年賀状が届きました。
 一時、メールで年賀のあいさつをくださる人が増えた年もあったのですが、今年はゼロ!
 すべて年賀状でした。
 平成が終わるからなんでしょうか?
 世の中が原点回帰を始めたのでしょうか?
 また年賀状の価値が、見直されてきたようです。

 僕の場合、圧倒的に仕事関係が締めています。
 取材した温泉宿やお世話になっている温泉協会、観光協会など、温泉関係が半分以上です。
 次に多いのが、新聞や雑誌、テレビやラジオ、旅行代理店などのマスコミ、メディア関係が年々増えています。

 逆に、減っているのが友人や知人などからの便り。
 同級生は、もう何十年も会っていないのに毎年来ますが、ここ数年は、親の年齢が高齢となり、喪中ハガキの人が増えました。


 そんな中、数年前から毎年、見知らぬ人から年賀状が届くようになりました。
 名前を見ても、記憶にありません。
 会社名を見ても、心当たりがありません。
 個人事務所のようで、肩書きも何もなく、名前だけが書かれています。
 手書きのコメントも一切ありません。

 3年前か、4年前だと思います。
 最初にもらった年に、名刺ホルダーのリストをめくってみたのですが、ありませんでした。
 どうも、名刺交換はしていないようです。

 でも、僕の住所と名前を知っているということは、どこかでお会いしているのだと思います。
 記憶にないからと、すっとぼけているわけにもいかず、最初の年に僕も年賀状を出しました。
 そしたら毎年、届くようになったのです。

 相変わらず印刷だけで、コメントがありません。
 よって、こちらもコメントの書きようがありません。
 ということは察するに、僕とその人は、その後、会っていないのですね。
 過去に一度会っただけで、年賀状のやり取りを続けているということです。

 でも、不思議なもんです。
 「あっ、今年も来ている!」
 と、年賀状を見つけたときに、ホッとするやら、うれしいやら、ちょっぴり喜んでいる自分がいるのです。


 あなたは、だーれ、だれでしょか?

 見知らぬ方ですが、今年も、どうぞ、よろしくお願いいたします。
   


Posted by 小暮 淳 at 18:58Comments(0)つれづれ

2018年01月06日

人生に楽園があるとすれば


 「ジュンちゃん、新しいことを始めるんだね!?」
 N先生は、そう言葉をつないだのでした。
 年賀あいさつでのことです。
 ※(当ブログの2018年1月4日 「天命元年」 参照)


 えっ?
 いえいえ、僕はただ、60歳という年齢がキリがいいので、とりあえず人生の節目にしようかと思っただけでして……
 別に新しい何かを始めようなんてことは、これっぽっちも思ってはいませんで……

 “天命” という言葉を出した途端に、思わぬ方向に話を向けられてしまい、あたふたしてしまいました。
 だって、還暦過ぎてから新しいことを始めるって、『人生の楽園』 じゃないんだから……
 なんて、考えてしまったのであります。


 『人生の楽園』 とは、毎週土曜日の夕方にテレビ朝日系列で放送されているドキュメンタリー番組のことです。
 俳優の西田敏行さんと、菊池桃子さんがMCをしている人気番組です。
 (確か、初代のパートナーは伊藤蘭さんでした)

 で、この番組は、主に定年退職後に第二の人生を歩み出した夫婦の日常を追いかけています。
 趣味の工房を造ったり、自給自足の農家民宿やペンションの経営を始めたりと、人生を謳歌しているシニア世代が登場します。
 ある意味、悠々自適の老後を送っている人たちで、なんともうらやましい限りであります。

 でもね、僕の老後は、そんな時間もお金もありません。
 ましてや、趣味に没頭したり、夫婦で旅行三昧なんていう優雅なことは、あまりに非現実過ぎて想像すらできません。

 もし僕に “新しいこと” が始まるとすれば、それは仕事であり、もしくは仕事の延長線上にある何かです。
 なぜなら、それがフリーランスで生きてきた、そして今後も生きてゆく定めだからであります。


 生涯現役!

 もし僕に、人生の楽園があるとすれば、その四文字に尽きると思います。


 ジャーナリストの木部克彦氏は、著書 『続・群馬の逆襲』(言視舎) の中で、僕のことをこんなふうに書いています。

 <ここまで 「人生のすべて」 を温泉につけこんでしまう人は、なかなかいません。まさに 「温泉バカ一代」。「天下無敵の温泉フリークの星」 になるまで、彼の体当たりの 「修業」 は続くのです。>

 そして最後は、こんな僕のセリフで締めくくっています。

 <「こうなったら、自分の人生も、いやいや死に場所だって温泉以外にねえってもんさね。酒エ飲んだくれて、湯船で息絶えたら、『温泉葬』 にしておくんなさい。遺影はもちろん、湯につかっている写真だいねえ……」>

 これぞ! 僕が目指す人生の楽園であります。
  


Posted by 小暮 淳 at 12:04Comments(2)つれづれ

2018年01月04日

天命元年


 「今年は、天命元年ですか。いいですね」

 毎年決まって、年賀のあいさつに伺うと、先生の第一声は、この “元年” 話から始まります。
 先生とは、木彫家で絵本作家のN先生のことです。
 先生と出会った30数年前から、僕は年賀状に “○○元年” と題して、必ずその年の目標を記しています。


 ちなみに昨年は、「マルチ元年」 でした。
 本業であるライターの枠を超えて、与えられたものは何でも挑戦して、こなして行こう!と、宣言しました。
 結果、昨年は新年早々から某ミュージシャンのレコーディングに参加したり、某銀行での温泉講座講師を引き受けたり、ラジオやテレビのコメンテーターや旅番組のナビゲーター、雑誌や新聞からインタビューされる機会が増えました。

 まさに “○○元年” は、僕にとって有言実行への指針となるキーワードなのであります。


 で、今年、僕が選んだ言葉は、「天命元年」 です。

 <人事を尽くして天命を待つ> といいます。
 また、孔子は <五十にして天命を知る> といいました。

 孔子と違い、僕は凡人ですから50歳では、天命を知ることはできませんでした。
 でも、僕もやっと人並みに、“天命” を知る齢(よわい) を重ねる歳となりました。

 今年、還暦(60歳) を迎えます。


 もっともっと、あれも、これも、やりたかったとは思います。
 でも、若い頃のように、あれも、これも、やりたいとは、もう思いません。

 60年も生きてきたんだもの。
 やるだけのことは、やってきた。
 と、思うのです。
 だってサラリーマンだったら、定年退職する歳ですからね。

 とりあえず僕も、ここらで人生の “第一章” に、責任をとろうと思います。
 すべての評価を、甘んじて受けます。
 60年間の僕の生き方に、世間が出してくれた答えが、結果であると……。

 良くも、悪くも、それが僕の人生の第一章とします。


 さて、審判の年が明けました。
 もう、逃げも、隠れもしません。

 さあ、みなさん、僕の半生をご自由に評価してください。
  


Posted by 小暮 淳 at 13:41Comments(2)つれづれ

2018年01月02日

1+1が9になる日


 明けまして おめでとう ございます。
 本年も よろしく お願いいたします。

 新しい年、2018年(平成30年) がスタートしました!
 2018 = 「フロいーわ」
 なんて温泉好きが喜ぶ語呂合わせでしょうか!!
 今年も、どんな温泉が待っているのか、とても楽しみであります。


 さて、みなさんは、どんなお正月を過ごしていますか?
 僕は、今年も年に一度の不思議な体験をしました。

 1月1日は、毎年特別な日であります。
 だって、こんな狭い家に、わんさか人が集まって来るのですから……。


 普段は、僕と家内と次女の3人暮らしです。
 そこへ、「おめでとうございまーす!」 と、耳をつんざくような大声とともに、長女一家が現れます。
 8年前に嫁いだ長女とムコさん、そして小学校1年生になる孫のK君です。

 さらに一昨年、所帯を持った長男夫婦が登場!
 これで8人なのですが、それは去年までの話。

 そうなんです!
 今年からは、プラス1が加わりました。
 昨秋、長男夫婦にも第一子が誕生したのであります。
 S君、0歳(2カ月半) です。


 「ちいさーい!」
 「見て見て、この手手」
 「かわいいー!!」

 完全に、今年からアイドルの座は、K君からS君に変わりました。
 だもの、さぞかしK君は、すねているだろうと思いきや……
 さにあらず、K君は、どこへ行くにもS君に付きっ切りです。

 「おい、ジイジと遊ぶか?」
 「いい」
 「なんで?」
 「だって、Sちゃん、かわいいんだもの」
 と、離れません。
 お手手をモゾモゾ、ほっぺをスリスリ、おつむをナデナデ……

 しまいには、クンクンと嗅ぎまわっています。
 「赤ちゃん、そんなに気に入っちゃったのか?」
 「うん、だって、いい匂いがするんだもの」


 なんて、不思議な光景なんでしょうか!?
 みんな僕の家族なんでしょうが、なんだか実感がありません。

 若い頃から唯我独尊で、我がままで、家族なんて持つ資格がないと思いながら生きてきた僕です。
 父親らしいことも何一つしてあげられず、子どもたちは勝手に育ってくれました。
 「うちのお父さんて、変わっているよね」
 子どもたちは3人ともが、友だちの親と比べては、コンプレックスを感じながら生きてきたと思います。

 そんな負い目があるものだから、僕も “父親風” を吹かせることはありませんでした。
 しつけも教育も、すべてが家内任せ。
 だから、なおさらなんです。
 1月1日の光景は、なんだかとっても面映いのであります。

 ああ、オレらしくないよなって……


 1+1=2
 それが33年経った今、9になっていました。
 「野球チームが作れるな」
 何気に言った僕の冗句に、
 「だね」
 と言葉を返してくれたのは、新米パパの長男だけでした。

 やっぱ、らしくないか……
  


Posted by 小暮 淳 at 13:37Comments(2)つれづれ

2017年12月31日

今年も最後はゲゲゲのゲ~!


 「大晦日」 と書いて、「おおつごもり」 とも読むそうです。

 「つごもり」 とは、「つきごもり(月隠)」 の略で、月の光が隠れて見えなくなること。
 元は月の三十番目の日(30日) のことで、転じて、月の終わり(下旬) をいうようになったようです。

 それに “大” の字が付くわけですから、一年の最終日となります。


 今日が、その大晦日であります。
 2017年(平成29年)、最後の日となりました。
 あと数時間で、新しい年を迎えます。

 なんだか、ドキドキしますね。
 ちょっぴり、ワクワクもします。
 なぜでしょうか?
 何か根拠でもあるのでしょうか?

 いえいえ、なーんにもありません。
 でも毎年、年越しは、ワクワク、ドキドキします。
 去り行く年を惜しむよりも、迎える年に期待することが多いからかもしれませんね。

 あっ、あれもしたかった!
 これも、し忘れた!
 あれも、これも、それも、みーんな、来年におあずけです。


 読者のみなさんにとって、今年は、どんな1年間でしたか?
 超ハッピーだった人も、ちょっぴり残念だった人も、リセットして気分一新!
 待望のニューイヤーを迎えましょう!

 と、いうことで、今年も最後は、あの恒例の“ゲゲゲのゲ” で1年を締めたいと思います。
 故・水木しげる先生の 『幸福の七ヶ条』 であります。
 さあ、みなさんもご一緒に、復唱ください。


 <第一条>
 成功や栄誉や勝ち負けを目的に、ことを行ってはいけない。
 <第二条>
 しないではいられないことをし続けなさい。
 <第三条>
 他人との比較ではない、あくまで自分の楽しさを追及すべし。
 <第四条>
 好きの力を信じる。
 <第五条>
 才能と収入は別、努力は人を裏切ると心得よ。
 <第六条>
 怠け者になりなさい。
 <第七条>
 目に見えない世界を信じる。


 今年も1年間、お付き合いをいただき、ありがとうございました。
 来年もよろしくお願いいたします。
 良いお年を、お迎えください。
                 大晦日 小暮 淳
   


Posted by 小暮 淳 at 18:03Comments(0)つれづれ

2017年12月30日

マロの独白 (34)  オイラの年が来る!


 ♪ もういくつ寝ると お正月
    お正月には散歩して
    ドッグフード食べて 昼寝して
    いつもと変わらぬ お正月 ♪


 こんにちワン! マロっす!!
 ここんちの飼い犬、チワワのオス、11才です。

 読者のみなさん、お久しぶりでやんした。
 しっかし、1年が経つのは、早いっすね。
 今年も、あと1日しかありません。
 ということは、もう2つ寝るとお正月でーーーすっ!

 うれしいなったら、たのしいなぁ~♪

 えっ、なにを浮かれているのかって?
 だって来年は、戌年ですよ。
 しかもしかも、オイラは来年12才になります。
 と、いうことは?

 そうです、オイラは戌年生まれの年男なんでやんす!
 ね、めでたいでしょう!?

 で、で、でね、オイラの大好きなご主人様も、戌年なんですよ!
 ダブルで、すごいでしょ!?
 仲良しなんだなぁ~。
 来年は、きっと良い年になりますよ。
 いえいえ、戌年生まれの犬としては、なにがなんでも戌年に戌年生まれのご主人様の人生をバックアップするでやんす。


 でね、新年を迎えるにあたり、3つの誓いを立てました。

 ① 「無駄に吠えない」
 若い時は、孤独に耐えられたんですけどね。
 最近、部屋にひとりぼっちにされると、ついつい吠えてしまうんです。
 ご主人様には、毎回、「うるさい!」 と叱られています。

 ② 「おやつをねだらない」
 オイラにおやつをくださるのは、ご主人様だけなものですから、ついつい、ご主人様の顔を見ると 「おやつ、おやつ」 と催促してしまいます。
 やはり、そのつど、「あげたばっかりだろ!」 と叱られています。
 今後は、散歩が終わってからと、お留守番ができたときだけにします。

 ③ 「大主人様との散歩復活」
 実は秋以降、大主人様と散歩をしていません。
 というのも、ご高齢ゆえ、大主人様の体力が落ちてきたのと、寒くなってきたので、ご主人様が大主人様の散歩を中止にしたのです。
 でもね、春が来て、暖かくなれば、きっと大丈夫ですよ。
 大主人様だって、元気になって、外を歩きたがるに決まっています。
 その日まで、オイラは待っているワン!


 では、みなさん、良いお年をお迎えください。
 来年も、ご主人様同様、オイラのことも、よろしくお願いいたしまする。
  


Posted by 小暮 淳 at 12:19Comments(2)つれづれ

2017年12月27日

今年のベスト10


 今年も残り少なくなりました。
 テレビや新聞では、恒例の10大ニュースを発表しています。
 “ニュース” というくらいですから、良い事も悪い事もあるわけです。

 でも、せっかくですから今年1年間を振り返って、良い事だけ選んでみようと思います。
 題して、「2017年 私のベスト10」。
 こんな感じになりました。



 第1位  3つの温泉大使 (5月・7月)

 昨年いただいた 「みなかみ温泉大使」 と 「中之条町観光大使」 に続いて、今年は 「老神温泉大使」 と 「伊香保温泉大使」 と 「四万温泉大使」 に任命されました。
 Old boys, be ambassador.(中年よ、大使になれ) なんていう言葉も生まれました。(ウソです)


 第2位  シリーズ9弾 『金銀名湯 伊香保温泉』 刊行 (5月)  

 2009年から始まった 「群馬の温泉シリーズ」(上毛新聞社刊) です。
 いよいよ天下の名湯、伊香保温泉が出版されました。
 44軒すべての宿の湯に浸かると、知っているようで知らなかった伊香保温泉の魅力が見えてきました。


 第3位  紀伊国屋書店でサイン会 (6月)

 『金銀名湯 伊香保温泉』 の出版を記念して、紀伊国屋書店前橋店様が 「群馬の温泉シリーズ フェア」 を開催してくださいました。
 フェア開催にあたり、「著者来店サイン会」まで開いてくださいました。
 それまでに講演会場でのサイン会というのはありましたが、書店でというのは人生初の体験でした。
 当日、会場に来てくださった読者のみなさま、ありがとうございました。


 第4位  群馬銀行記念講演会 (3月)

 講座やセミナーなどを含めると、年間20~30回の講演活動を行っています。
 一番多いのは、市町村公民館での高齢者を対象とした “温泉教室” です。
 聴講者の数も30~50名ほどです。
 でも、群馬銀行様主催となると違います。約200人!
 翌日の地元紙にも、大きく記事が載りました。


 第5位  NHKBSプレミアム出演 (7月)

 NHKBSプレミアムの人気番組 「ニッポンぶらり鉄道旅」 に、ナビゲーターとして出演し、イケメン俳優の渡邉剣さんと、草津温泉~沢渡温泉を旅してきました。
 さすが全国放送ですね。すごい反響でした。
 山口県に暮らすいとこが、あわてて電話をかけてきました。
 「ビックリしたよ! テレビ見てたら、突然、ジュン坊が出てきてさ」


 第6位  「ミュゼ」 にて企画展&文化講演 (7月)

 中之条町歴史と民俗の博物館 「ミュゼ」 にて、企画展 『世のちり洗う四万温泉』(7月1日~8月30日) が開催されました。
 企画展では僕の作品が展示され、開催にあたり文化講演を行いました。
 この講演会の壇上にて、四万温泉協会より温泉大使に任命されました。


 第7位  群馬のキーパーソン (11月)

 デザイン活動家のナガオカケンメイ氏が編集長を務める観光ガイドブック 『d design travel 群馬』 で、“群馬のキーパーソン” 4人のうちの1人に選ばれました。
 編集長自らが、群馬まで取材に来てくださいました。
 現在、全国の主要書店で絶賛発売中です!


 第8位  第2回公開パネルディスカッション (9月)

 NPO法人 「湯治乃邑(くに)」 を設立して、3年になります。
 意気込みのわりには、なかなか目に見える活動ができていなくて、歯がゆいかぎりです。
 そんな中で、今年もパネルディスカッションを開催することができました。
 ゲストパネラーに、(株)エムダブルエス日高代表の北嶋史誉氏と、みなかみ町観光協会理事長の深津卓也氏を招き、湯治場の復活をテーマに熱く語り合いました。


 第9位  冠連載スタート (5月)

 群馬県が企画し、上毛新聞社が編集・発行する県の広報誌 「グラフぐんま」 5月号から 『温泉ライター小暮淳の ぐんま湯けむり浪漫』 の連載がスタートしました。
 朝日新聞の 『小暮淳の温泉考座』 以来、久々の自分の名前がタイトルに付いた冠連載です。
 公民館や銀行、病院の待合室に置かれていることが多い雑誌なので、たくさんの人が読んでくださっているみたいですね。


 第10位  2人目の孫誕生 (10月)

 1つぐらいはプライベートの出来事を入れておきます。
 長男夫婦にも、男児が誕生しました。
 すでに長女夫婦には小学1年生の男の子がいますから、これで孫が2人になりました。
 あわてても、うろたえても、正真正銘の “ジイジ” です。



 以上、今年の私的ベスト10でした。
 みなさんは、どんな1年間でしたか?
   


Posted by 小暮 淳 at 12:38Comments(2)つれづれ

2017年12月25日

2つの老後


 ご無沙汰していました。
 4日ぶりに、パソコンに向かいました。
 何をしていたのかって?
 はい、恒例の “魔の3日間” を過ごしていました。

 「魔」 なんて言ったら、オヤジに失礼ですね。
 「切磋琢磨」 の “磨” ぐらいにしておきましょうか。
 ひたすら介護の心を磨いておりました。


 ご存知、重度の認知症を患ったオヤジの面倒です。
 また先週末から我が家に連れてきて、寝食を共にしました。

 オヤジは93歳。
 認知症の症状が出てから、かれこれ10年になります。
 最初は、人の名前が判らなかったり、食事をしたことを忘れる程度だったんですけどね。
 加齢とともに記憶が無くなりだして、今では、僕のことさえ誰だか分かりません。
 ていうか、自分に子どもがいるのか、いないのかさえ、分からなくなってしまいました。

 最近は、幻覚が見えるようで、壁に向かって話しかけたり、子どもの頃に返ってしまったりしています。

 目が見えず、耳も聞こえないため、やることがないので、一日のほとんどは寝ています。
 それに伴い、体力が衰え、ついに一人では歩くことも不自由になってしまいました。
 だから、目を離すと、いつも転んでいます。

 「じいさん、何してるんだよ?」
 床に仰向けになって、カメのように手をバタバタさせています。
 これだから24時間、目が離せないのです。


 一方、オフクロは、半寝たきりの車イス生活です。
 脳梗塞と脳出血を立て続けに患い、一時は半身不随となり、言語障害もありましたが、持ち前のガッツでリハビリにはげんだおかげで、とりあえず今は、生きていく上には支障はありません。

 何よりも、オフクロは認知症を発症していませんので、コミュニケーションがとれます。
 これは、ありがたいことです。
 会話ができるということは、介護する側にもストレスがたまりにくいということです。

 身体は不自由ですが、目も耳も正常ですから、ラジオを聴いたり、CDで好きな音楽も聴いています。
 今夏、白内障の手術をしてからは、さらに目が見えるようになり、暇さえあれば読書をしています。
 お気に入りは、西村京太郎のサスペンス。
 話題の芥川賞作家の本なども読んでいます。


 オヤジとオフクロ、実に対照的な老後を送っています。

 ふと、どちらが幸せなんだろうかと思うときがあります。
 五体不満足だけど、好きなことができて、人とコミュニケーションがとれるオフクロと、悩みも無く、考えることも無く、ただ一日中、寝て暮らすボケ老人のオヤジと……。

 介護する側からすると、オフクロのほうが楽なんですけどね。
 でも本人は、「生きていても何の役にも立てなくて申し訳ない」 という負い目があるようです。
 ひきかえオヤジは、誰に何をされても 「ありがとうございます。お世話になります」 と天下泰平の毎日を送っています。


 どっちも、どっちかな?
 人生の終わり方に、正解なんてないのかもしれませんね。
   


Posted by 小暮 淳 at 15:27Comments(3)つれづれ

2017年12月21日

「もう一度」 と 「一度は」


 今年も、旅行会社などの “旅のプロ” という人たちが選ぶ全国の温泉地ランキング 『にっぽんの温泉100選』 が発表されました。
 1位は今年も草津温泉(群馬県) でした。
 これで15年連続の1位です。

 群馬に草津温泉あり! 絶対王者の風格であります。

 ちなみに2位は下呂温泉(岐阜県)、3位は別府八湯(大分県)、4位は指宿温泉(鹿児島県)、5位は有馬温泉(兵庫県)。
 以下10位までは、道後温泉(愛媛県)、由布院(大分県)、登別温泉(北海道)、黒川温泉(熊本県)、城崎温泉(兵庫県) と続きます。
 他の群馬県勢はというと、15位に伊香保温泉、25位に万座温泉、30位にみなかみ18湯、40位に四万温泉が入っています。
 やはり県内外とも、名の知れた温泉地ばかりですね。
 “旅のプロ” といえども、マスコミへの露出が多い有名温泉地ばかりを選んでしまうのでしょうか?


 もう1つ、最近発表された気になるランキングがあります。
 観光に関する調査研究機関 「じゃらんリサーチセンター」 による 『じゃらん人気温泉地ランキング2018』 です。
 この中の 「もう一度行ってみたい温泉地」 でも3年連続、草津温泉が2位になったということです。

 1位は12年連続で箱根温泉(神奈川県)、3位は別府温泉郷と由布院温泉(共に大分県) です。
 やはり、誰もが知っている温泉地が揃いました。

 誰もが知っているということは、テレビや雑誌などマスコミが取り上げる頻度が高いということです。
 有名=行ったことがある
 だから、もう一度行ってみたい
 となるわけでして、行ったことも、聞いたこともない温泉地はランキングに入ることも、ノミネートされることもないわけです。

 でもね、せめて 「一度は行ってみたい温泉地」 というランキングがあったならば、法師温泉や宝川温泉、霧積温泉といった群馬を代表する秘湯の温泉地も上位に名前を出すのではないでしょうかね。


 群馬県内だけでも約100の温泉地があり、全国では3,000ヶ所もあるのですから、そのほとんどは知られていない温泉地ばかりということになります。
 1つでも多くの温泉地を知ってもらい、行ってみて、「もう一度行ってみたい」 と思ってもらえるよう、これからも地道な普及活動を続けていきたいと思います。
   


Posted by 小暮 淳 at 19:03Comments(3)温泉雑話

2017年12月20日

美ヶ原温泉 「ホテル翔峰」


 長野県松本市の美ヶ原温泉に、行って来ました。
 しかも、訪ねたのは 「ホテル翔峰(しょうほう)」。
 9年ぶりのことでした。


 2008年5月、突然、長野県温泉協会から電話がありました。
 内容は、「総会での特別講演講師をお願いします」 というものでした。

 正直、困り果てました。
 断ろうとも思いました。
 だって、僕が初の温泉本を書いたのは、1年以上先の2009年9月のことですからね。
 まだ1冊も温泉の著書がない、無名のライターです。

 なんで、僕なの?

 その後の先方とのやり取りで分かったことは、群馬県温泉協会からの紹介だったということです。
 その年の2月、僕は、群馬県健康福祉部薬務課の主催による 「温泉アドバイザー フォローアップ研修会」 の講師をしていたのです。
 たぶん、そのあたりの情報が長野県まで届いていたのかもしれませんね。

 で、その時、講演会の会場となったのが、美ヶ原温泉の 「ホテル翔峰」 だったのであります。


 今回も僕は、講師として 「ホテル翔峰」 を訪れました。
 といっても、講演会ではありません。
 温泉講座の講師としてであります。
 NHK文化センター前橋教室主催によるこの講座も、今年で9年目を迎えています。


 JR前橋駅と高崎駅で受講生らを乗せたバスは、上信越自動車道~長野自動車道とひた走り、松本ICで降りて、松本市内へ。
 国宝、松本城を車窓に眺めながら、美ヶ原温泉へと向かいました。

 美ヶ原温泉は、美ヶ原高原西麓の丘陵地に湯煙を上げる、湯の原、御母家(おぼけ)、藤井などの温泉の総称です。
 昭和40年頃までは、山辺温泉と呼ばれていました。
 湯開の歴史は1300年前と古く、日本書紀に記されています。
 なかでも湯の原地区は、奈良時代には時の天武天皇により 「束間(つかま)の湯」 と呼ばれ、以来、代々の松本城主の庇護を受けた由緒ある名湯です。


 とかなんとか、講釈を述べながら、バスはホテルへ。
 すぐさま旅装を解き、脱兎のごとく大浴場へ!
 その名も 「束間の湯」 であります。
 大きな内風呂と、露天風呂が2つ。
 1300年の時の流れを感じつつ、弱アルカリ性のサラリと肌を流れる古湯に、身を沈めたのでありました。

 「先生、今年の講座を締めくくるのに、ふさわしい宿ですね」
 「さっき、ロビーから雪を頂いた北アルプスの山々が見えました」

 各々が、今年一年を振り返りつつ、平成29年の “湯納めの儀” を行いました。


 受講生のみなさん、今年も1年間、大変お世話になりました。
 良い年を、お迎えください。
 そして来年も、よろしくお願いいたします。

 たくさん温泉を、めぐりましょうね!
   


Posted by 小暮 淳 at 12:23Comments(0)温泉地・旅館

2017年12月18日

温泉県なのに


 「なんで最下位なんでしょうか?」
 先日の講演会後、質疑応答の場で出た質問です。

 「小暮さんの力で、なんとかしてくださいよ」
 直々に、県内の温泉関係者から電話がありました。

 なんのことかと言えば、先月発表された 『ニッポン美肌県グランプリ』 のことです。
 相変わらず群馬県が、最下位なのです。
 ※(詳しくは、当ブログの2017年11月10日「温泉で美しくなれ!」を参照)


 考えられる理由としては、日照時間が長く、湿気と気温が低く、空気が乾燥している風土であること。
 さらに冬になると 「空っ風」 と呼ばれる強い北風が吹き荒れます。
 肌にとっては、劣悪な環境ということになります。

 ここまでは納得なのですが、1つだけ疑問が残ります。
 47都道府県中、47位は群馬県ですが、なんと! 46位が大分県なのであります。
 そう、どちらも全国屈指の “温泉県” です。

 なぜだ?

 大分県も、群馬同様、劣悪な風土なのでしょうか?
 でも九州ですからね。
 温暖で、雨も多くて湿気があり、肌の環境には大変よろしいように思われるのですけどね。
 しかも、温泉があります!


 で、僕は前述の質問に、なんと答えたかというと、
 「灯台もと暗しで、群馬県民は温泉が身近にあり過ぎて、ありがたみを感じていないのではないか」 と……。

 でも、うがった見方をすると、「温泉に入り過ぎているから」 という答えもありそうです。
 入り過ぎて、肌の脂分と水分を持っていかれてしまったのではないか?(笑)
 強アルカリ性泉の場合、無きにしもあらず、です。

 それにしても、日本を代表する温泉県2つが下位というのも、不思議な話であります。

 なんとかしたいところですが、なんとも理由が分かりません。
 知っている方がいらしたら、ぜひ、お教えください。
  


Posted by 小暮 淳 at 12:02Comments(3)温泉雑話

2017年12月15日

老神温泉 「金龍園」②


 老神温泉(群馬県沼田市) へ行って来ました。
 前回、祭りにバンドのメンバーとして参加したのが8月ですから、約4ヶ月ぶりになります。
 今回は、温泉大使としての公務であります。

 僕は2015年に 『尾瀬の里湯』(上毛新聞社) という著書を出版しました。
 このとき、1年間かけて老神温泉へ通い、15軒すべての宿を取材しました。
 これが縁となり、老神温泉の観光協会や旅館組合のみなさんと親しくなり、なにかとイベントに呼ばれるようになりました。
 そして今年の5月、名誉ある“温泉大使” の称号をいただいたのでありました。


 昨日は、観光協会主催による忘年会が開催されました。
 それにあたり、協会員や組合員を対象とした講演会が行われ、僕が講師として招かれました。
 今回の演題は、『効能あつき湯の国ぐんま』 であります。

 「脚気(かっけ) 川場に瘡(かさ) 老神」 という言葉は、ご存知ですか?
 これは群馬の北部、利根地方に伝わる温泉の効能です。
 昔から川場温泉(利根郡川場村) は脚気患者が集まり、老神温泉は瘡(皮膚病) に効き目がある温泉場として湯治客でにぎわっていました。

 戦後、経済成長とともに日本の温泉地は、どんどん観光化されてしまいました。
 でも、温泉は湧き続けているのです。
 もう一度、原点にもどって、温泉自体が持つ “湯力(ゆぢから)” を見直してみませんか?
 そんなテーマで、お話をさせていただきました。


 たかだか50分の講話でしたが、乾燥していたこともあり、ノドはカラカラです。
 早く飲みたい! でも、その前に温泉も入りた~い!
 ということで、宴会場となっている 「金龍園」 へ直行!

 知る人ぞ知る、温泉ファンには全国的に有名な宿であります。
 なにが有名かというと、男性専用風呂がありません。
 あるのは女性専用風呂と混浴の大浴場と露天風呂です。

 女性は混浴風呂へ行く場合、女風呂で入浴衣に着替えて移動します。
 男性は男性専用脱衣場から、そのまま混浴風呂へ入りますが、但し書きがあります。
 <婦人が入浴中は、これを腰に巻いてください>
 トランクスのような入浴衣が用意されてます。

 おそるおそる、中をのぞき込みましたが、女性らしき姿は見当たりません。
 先ほどの講演を聴講されていた協会関係者の男性が入っているだけです。
 と、いうことで、腰巻きは付けずに、生まれたままの姿で、堂々と湯をいただくことにしました。

 泉質は、単純温泉とアルカリ性単純硫黄温泉の2種類の浴感を楽しむことができます。
 しかも、加水なし、加温なしの完全放流式です(露天風呂は加温あり)。
 老神温泉の中でも、1、2を競う良質な湯を提供していることで知られる宿です。


 宴会は、ご想像にお任せします。
 毎度毎度のことですが、ビールから焼酎、日本酒と流れ、2次会場のスナックではウィスキーをあおり、カラオケで舞い上がり、最後は宿にもどり、締めに、また日本酒をいただきました。

 老神温泉のみなさん、今年も大変お世話になりました。
 来年もよろしくお願いいたします。
  


Posted by 小暮 淳 at 18:51Comments(2)温泉地・旅館

2017年12月13日

今年の漢字


 今年も1年間の世相を反映する漢字一文字が発表されました。
 「北」 だそうです。

 昨年が 「金」 でしたからね。
 なんとも落差を感じます。
 北朝鮮の脅威におびえた年だったということでしょうか。


 さてさて、僕も恒例の個人的今年の漢字を発表したいと思います。
 一昨年が 「労」、昨年が 「奔」 でしたからね。
 疲れて、走り回ったあげくに、手にしたものとは?
 では、発表です!

 今年の漢字一文字は、「活」 です!


 理由は……
 その前に、ざっと1年間を振り返ってみたいと思います。

 なんといっても今年は、3つの “温泉大使” に任命されたことでしょうね。
 老神温泉大使(群馬県沼田市)、伊香保温泉大使(群馬県渋川市)、四万温泉大使(群馬県吾妻郡中之条町) です。
 昨年、みなかみ温泉大使(群馬県利根郡みなかみ町) と中之条町観光大使に任命されていますから、これで5つの大使を兼務することになりました。

 また今年は、シリーズ9冊目となる著書 『金銀名湯 伊香保温泉』(上毛新聞社) を出版しました。
 それに付随して、テレビやラジオの出演、講演会やセミナーの講師依頼が増えました。

 群馬テレビやエフエム群馬の生放送、NHKBSプレミアムの旅番組にも出演させていただきました。
 また講演会も多く開いていただきました。
 各温泉地のほか、群馬銀行様をはじめ、県内企業からも講師として呼ばれ、温泉の話をさせていただきました。
 ライフワークとして行っている市町村公民館での講座も、年々増えています。

 そうそう、今年は生まれてはじめて、サイン会を行いました。
 新刊 『金銀名湯 伊香保温泉』 の発売を記念して、紀伊国屋書店様が開催してくださいました。
 なんとも照れくさい、初体験でありました。

 変りダネでは、グループサウンズのザ・キャプテンズのレコーディングにも参加しました。
 メンバーとラジオ番組で知り合い、意気投合したのがきっかけです。
 『吾妻線~中之条バージョン』
 ぜひ、聴いてくださいね。
 僕は、コーラスを担当しています。

 テレビやラジオのほか、日経新聞と観光ガイドブック『d design travel 群馬』(ディアンドデパートメント) から取材を受けました。
 群馬の温泉の魅力を全国に知ってもらうことができたと、大変喜んでいます。


 と、いうことで今年の漢字は、活発に活動したということで、「活」 に決めました。

 みなさんの今年は、どんな漢字になりましたか?
   


Posted by 小暮 淳 at 12:01Comments(0)つれづれ

2017年12月11日

3つのキーワード


 「ご両親は、お元気ですか?」
 「えっ?……はい」

 「マロちゃんのファンなんです」
 「あっ、……ありがとうございます」

 「今日も、H へ行かれるんですか?」
 「……、いえいえ」

 最近は初対面の人や、久しぶりに会った知人などから、たびたび、このようなことを言われることが多くなりました。
 なんのことかって?
 熱心な読者様なら、おわかりですよね。


 “両親” とは、認知症のオヤジと車イス生活のオフクロのことです。
 “マロ” とは、我が家の愛犬、チワワのオスであります。
 そして “H” とは、僕らのたまり場、酒処 「H」 のことです。

 すべて、このブログに登場するキャラクターおよびキーワードであります。
 ということは、みなさん、しっかりとチェックされているということなんですね。
 ブログなんて、読まれてナンボですからね。
 ありがたいことであります。

 初対面でも、いきなり両親の介護話やマロのネタから始まれば、コミュニケーションが取りやすいというものです。
 思わぬところで、ブログが潤滑油の役割を果たしているということですね。
 たかがブログ、されどブログであります。


 過日のこと。
 酒処 「H」 のママからメールが来ました。
 「ついに、H を探し当てた客がいた!」
 という内容でした。

 後日、聞いた話によれば、ある日、知人に連れられてやって来たイチゲンの客が、店内を見渡して、僕の本が何冊も飾られていることに気づき、ビックリ仰天して思わず、

 「えーーーっ!」

 と叫び、あわてて外へ飛び出して、看板の店名を確認。
 戻るなり、

 「ここが、“H” だったんですかぁ~~!!!」

 と、また叫んだといいます。
 

 さぞかし、まわりのお客さんたちは、驚いたことでしょうね。
 興味のない人には、なんのことだか、さっぱり分からない話ですもの。

 でも、ママいわく、
 「あまり有名になっちゃうと、困っちゃうな~」
 ですって。
 「だって、うちは昭和で時間が止まっちゃってる時代遅れの店だから」

 いえいえ、だからこそ、たどり着けたときの喜びも、ひとしおなのでありますよ。

 今どきでも、“H” だけの情報では、なかなか、たどり着きませんって。
 それでも、探し当てる読者がいること自体が、“昭和”なのであります。


 読者のみなさま、これからも当ブログを、ごひいきくださいますよう、お願い申し上げます。
  


Posted by 小暮 淳 at 14:42Comments(2)執筆余談

2017年12月09日

冠を正す


 僕は現在、週刊・月刊・不定期を合わせて、6本の連載記事を書いています。
 うち2本が、“冠記事” です。

 冠記事とは、タイトルに筆者の名前が付いている記事のことです。
 「グラフぐんま」(企画/群馬県、編集・発行/上毛新聞社) に 『温泉ライター小暮淳の ぐんま湯けむり浪漫』、「ちいきしんぶん」(発行/ライフケア群栄) に 『小暮淳の はつらつ温泉』 を連載しています。
 今月、『ぐんま湯けむり浪漫』 は第6回、『はつらつ温泉』 は第20回を迎えました。


 ご存知かも知れませんが、新聞や雑誌の記事には2種類あります。
 「無記名」記事と「記名」記事です。
 無記名記事は、新聞社や雑誌社の記者や編集者、専属ライターなどが書いた記事で、文責はすべて発行元にあります。
 一方、記名記事は、特定の作家や著名人に書いていただいた依頼原稿が一般的です。
 最近は、新聞などでは自社の記者が書いた記事の文末に、筆者の名前が掲載されていることが多くなりました。
 たぶん、やりがいと文責を持たせるためだと思いますが。

 無記名記事の場合、文体が三人称の視点で書かれています。
 これに対して記名記事は、一人称で書かれることが多くあります。
 自分の名前を出して書いているわけですからね。
 見たこと、感じたことを、他人の視点を気にせずに書けるわけです。
 一般論ではなく、自論を主張することができます。

 “ナンバーワン” の文章を求めるのではなく、とことん “オンリーワン” の文章に徹することが可能になります。
 いわば記名記事は、ライターにとって理想の仕事といえるかもしれません。

 ただ、オンリーワンには、責任がもれなく付いています。
 間違った情報を書けば、編集社ではなく、筆者に責任は求められます。
 時にはクレームにへこむこともありますが、それでもオンリーワンの仕事をしている充足感は、他では味わえない宝物です。


 僕はよく、「李下の冠」 という中国のことわざを思い浮かべます。
 「李下に冠を正さず」 ともいいますね。
 李(すもも) の木の下では、たとえ冠が曲がっていても、手を上げて直そうとしてはいけない。
 なぜなら、すももを取ったと疑われるからとの意です。
 転じて、他人に疑われるような行動はしないほうがよいということです。

 意味は、まったく異なりますが、なぜか 「冠を正さず」 と 「いずまいを正す」 の語感が似ていることから、頭の中で勝手に 「冠を正す」 という造語を作っているのです。

 「冠を正す」 とは、縁あって冠の称号をいただいているのだから、常に品行方正であれ。
 どこで誰が見ているか、分からないんだぞ!
 と、自分を戒める言葉として使っています。

 これからも、おごらずに、されど臆することなく、オンリーワンの記事を書き続けていきたいと思います。
 読者のみまさま、末永く、ご愛読のほど、よろしくお願いいたします。
   


Posted by 小暮 淳 at 12:29Comments(0)執筆余談