温泉ライター、小暮淳の公式ブログです。雑誌や新聞では書けなかったこぼれ話や講演会、セミナーなどのイベント情報を公表します。
プロフィール
小暮 淳
小暮 淳
こぐれ じゅん



1958年、群馬県前橋市生まれ。

群馬県内のタウン誌、生活情報誌、フリーペーパー等の編集長を経て、現在はフリーライター。

温泉の魅力に取りつかれ、取材を続けながら群馬県内の温泉地をめぐる。特に一軒宿や小さな温泉地を中心に訪ね、新聞や雑誌にエッセーやコラムを執筆中。群馬の温泉のPRを兼ねて、セミナーや講演活動も行っている。

群馬県温泉アドバイザー「フォローアップ研修会」講師(平成19年度)。

長野県温泉協会「研修会」講師(平成20年度)。

NHK文化センター前橋教室「野外温泉講座」講師(平成21年度~現在)。

前橋カルチャーセンター「小暮淳と行く 湯けむり散歩」講師(平成22、24年度)

群馬テレビ「ニュースジャスト6」コメンテーター(平成24年度~現在)

NPO法人「湯治乃邑(くに)」代表理事
みなかみ温泉大使



著書に『ぐんまの源泉一軒宿』 『群馬の小さな温泉』 『あなたにも教えたい 四万温泉』 『みなかみ18湯〔上〕』 『みなかみ18湯〔下〕』 『新ぐんまの源泉一軒宿』 『尾瀬の里湯~老神片品11温泉』 『西上州の薬湯』 『ぐんまの里山 てくてく歩き』 『上毛カルテ』(以上、上毛新聞社)、『ヨー!サイゴン』(でくの房)、絵本『誕生日の夜』(よろずかわら版)などがある。

2016年08月26日

欲求の向く先


 “高畑裕太容疑者、逮捕”

 一報をケータイのニュースで知ったのは、温泉講座の帰りのバスの中でした。
 すぐに車内は、その話題で持ちきりとなりました。

 「群馬のホテルだって?」
 「どこだろう?」
 「私の泊まっているホテルだったりして」
 「帰ったら、報道陣だらけかもよ」
 県外から参加している受講生もいるため、そんな会話が飛び交ったのでした。

 バスは、渋川市から前橋市へ。
 県庁前の国道50号を通過した時です。
 「あっ、報道陣だ!」
 受講生の1人が叫びました。
 僕は一瞬のことだったので見逃しましたが、某ホテルの前でレポーターらしき女性がマイクを持って、カメラの前に立っていたといいます。

 「えっ、こんな小さなホテルだったの!」
 「前橋だったんだ……」
 「やだやだ、また悪いことで前橋が有名になっちゃうなんて」

 今回の温泉講座は、思わぬエンディングで幕を下ろしました。


 翌日からテレビや新聞は、この事件の報道一色であります。
 裕太容疑者は、ご存じNHK大河ドラマにも出演中の女優、高畑淳子さんの長男です。
 七光りといえども、二世タレントの中では群を抜いてドラマやバラエティーで活躍している俳優でした。
 ちょっと“天然” ではありますが、面白いキャラだと、僕も一目置いていた役者さんだったのです。

 罪名は、強姦致傷。
 許されない、とても重い犯罪です。

 「欲求を抑え切れなかった」
 これが犯行動機だったようです。

 バカに安易な理由ですが、それにしては失ったモノは大き過ぎます。
 映画撮影ストップ、ドラマ差し替え、舞台代役……

 「自覚がなさ過ぎる」
 そんな声が、テレビのワイドショーから聞こえてきますが、そもそも彼に “自覚” があったのでしょうか?
 もし、夢にまで見た役者の世界であるならば、“欲求” は仕事へ向かっていたはずです。
 日本テレビ 「24時間テレビ」 のパーソナリティーやNHK大河ドラマの親子共演など、七光りでは収まらないほどの活躍を棒に振ったわけですからね。

 自覚はなかったと思います。

 それらを失ってまで手に入れようとした“欲求” ってなんだったんでしょうか?
 とうに、そのテの “欲求” が枯渇してしまった僕には、皆目分らない事件であります。
   


Posted by 小暮 淳 at 11:49Comments(0)つれづれ

2016年08月23日

本白根温泉 「嬬恋プリンスホテル」③


 「先生、やっぱり髪を染めたほうがいいよ」
 このところ、講座で受講生から、そう言われることが多くなりました。
 そのココロは?

 “晴れ男” の妖力が落ちたからです。

 僕は2008年から丸8年間、NHK文化センターの野外温泉講座の講師をしています。
 毎月ですから、すでに100ヶ所近くの温泉地を講座で訪ねているわけです。
 でも、そのうち雨に降られた日は、ほとんどありませんでした。
 ところが……、今年度は、やたらと雨にたたられているのです。

 「先生が髪を染めるのを止めたからだよ」
 講座では、そんなウワサが、まことしやかに流れるようになっていました。


 さてさて、そんな逆風の中で迎えた本年度の第5回講座。
 今日、向かったのは本白根温泉(群馬県吾妻郡嬬恋村) の 「嬬恋プリンスホテル」 です。
 ここだけは、何がなんでも晴れてもらわないと困ります。
 だって、全国でも珍しい “露天風呂しかない宿” なんです。

 なんでか?
 それは絶景が売りだからです!
 標高1,126m(いいフロ) の高原からは、浅間山や四阿山~本白根山の山並みを望む大パノラマが広がります。
 だもの、もし、雨だったら……
 講師として、受講生たちに合わせる顔がありません。

 ところが天気予報では、台風9号が大接近!
 しかも火曜日に、ドンピシャ上陸かも!?!?
 なんていう状況で、講座開講以来初の “中止” もありえることに!

 ああ、神様、仏様、薬師如来さま~!
 我に、ふたたび “晴れ男” の妖力を授けたまえ~!
 と、この数日間は、祈り続けていたのであります。


 そして、迎えた当日。
 見事に晴れました!
 台風一過の青空です。

 「先生、面目躍如ですね」
 「もう大丈夫です。これで完全に “晴れ男” の妖力が戻りました」
 「では、髪の毛もそのままで」

 そう言って、湯舟の中で受講生たちと笑い合ったのであります。


 「カンパ~イ!」
 湯上がりは、恒例の生ビールで高原の夏を存分に満喫したのでした。

 めでたし、めでたし。
 晴れ男、復活!
    


Posted by 小暮 淳 at 21:25Comments(1)温泉地・旅館

2016年08月22日

今日の産経新聞


 『「湯の国ぐんま」全国にアピール』

 大きな見出しが付いたインタビュー記事が、今日の産経新聞群馬版に掲載されました。
 「上州この人」 というコーナーです。

 カラー写真に、プロフィールも付いています。
 写真のサイズも、タテ10.5cm×ヨコ7.9cmと破格の大きさです。
 たぶん、今まで掲載された新聞記事の中では、最大じゃないでしょうか!

 写真の中では白髪頭のニチャケタおじさんが本を手に、こちらを見つめています。
 <いま新聞を開いて、淳ちゃんとにらめっこをしています>
 そんな友人からのメールが届いたほど。
 それくらいインパクトのある写真です。

 そして手にしている本は、4年前に出版した 『みなかみ18湯』(上毛新聞社) の上巻です。
 なんで最新刊ではなく、以前の著書を手にしているのかといえば、インタビューのきっかけが 「みなかみ温泉大使」任命だったからです。
 でも記事では、温泉の魅力から現況、活動の今後まで幅広く書かれています。


 「みなかみ温泉大使」 という地方の小さな町からのスタートですが、そのウェーブは徐々に県内から県外へ伝播しようとしています。
 記事の中で僕は、記者の質問に、こんなふうに答えています。
 ──群馬は国内屈指の温泉県ながら、そのアピール度が弱いと感じる
 「群馬のブランドイメージが低いのは、あれもこれもとアピールするのが裏目に出ている。思い切って 『群馬には温泉しかない。湯の国ぐんま!』 と訴える戦略をとっていいと思う」

 良くぞ、書いてくださいました!
 「群馬は温泉 “しか” ない」
 その危機感が、群馬のブランドイメージを高めるのであります。

 記者さん、ありがとうございました。
  


Posted by 小暮 淳 at 14:04Comments(0)温泉雑話

2016年08月21日

マロの独白⑰ 犬忘症


 こんにちワン!
 マロっす。
 ここんちの飼い犬、チワワのオス、10才です。

 暑い日が続きますが、読者のみなさんはお元気でしたか?
 オイラは、ちょっぴりへこんでいます。
 暑さのせいもありますが、それだけではありません。

 このところ、ご主人様に怒られてばっかりなんすよ。

 たとえば、トイレ問題。
 以前にも話しましたが、暑いこの時季は留守番のとき、オイラは風呂場にゲージを移されます。
 タイル張りで、ひんやりと涼しくって、とっても快適なんです。
 ところが……

 ご主人様が帰って来ると、オイラはうれしくって、風呂場から飛び出します。
 すると決まって “うれション” がしたくなるわけです。
 ※(犬を飼ってる人は知ってますよね。うれしくてしてしまうオシッコのことです)

 いつもなら、ちゃーんとゲージにもどってするんですけど、そのゲージの場所が一瞬、分らなくなってしまうのです。
 つい、習慣でリビングの窓際へ走っていくのですが、そこにない!
 「あれ、あれれれ~?」
 と迷っているうちに、我慢ができなくてジョーーー!!!

 「マロ! どこでしてるんだっ!」
 ご主人様が気づいたときには、あとの祭りです。
 「トイレは、そこじゃないだろ! ゲージは風呂場だよ」

 「あっ、そうだった!」
 情けないやら、申し訳ないやら、雑巾を持ち出してカーペットを拭いているご主人様の後ろ姿を見るたびに、落ち込んでしまいます。


 「マロ、おまえ、健忘症か?」
 「……」
 「いや、犬だから犬忘症か! 急にボケたな」
 「すみません」
 「毎回じゃないか!」
 「ごめんなさい」

 でも、その後、ご主人様は必ず、こう言うのでございます。
 「まっいっか。オレも他人のこといえないし。トイレに “おしっこたらすな” の貼り紙されているものな」

 分ります、分ります。ご主人様の気持ち!
 お互い、還暦間近の初老の男同士ですもの。
 記憶は遠ざかり、下の具合も年々ゆるくなっていくのであります。

 ご主人さま~、これからも寄り添って生きていきましょうね。
 よろしくワン!
    


Posted by 小暮 淳 at 10:52Comments(2)つれづれ

2016年08月19日

ヒマワリの恩返し


 僕は10年ほど前から、講演活動を行っています。
 企業や団体、公民館など依頼主はさまざまです。
 研修目的だったり、高齢者のための生涯教育の一環だったりと、その目的もさまざまです。
 でもテーマは、一貫して“群馬の温泉” について話させていただいています。

 そして、講演の最後は必ず、お約束の唄を歌います。
 『GO!GO!温泉パラダイス』
 群馬の温泉を知ってもらおうと僕が作詞・作曲した “ご当地ソング” です。
 歌詞には、群馬県内の27ヶ所の温泉地名が出てきます。
 1つでも多くの温泉を覚えてほしいという願いを込めて作りました。

 この唄はCDにもなっていて、踊りのDVDも出ていますが、一般には販売されていません。
 「どうしても欲しい」 という方のみだけに、実費でお譲りしています。


 今日、高崎市の新町公民館にCDを届けに行って来ました。

 ヒマワリの花を見ていたら、思い出したのです。
 ※(昨日のブログ 「赤い札 青い札」 を参照)
 5月に新町で講演をした際に、公民館の関係者から 「CDは出ていないのですか?」 と声をかけられたことを……。
 そして、このヒマワリの種は、その時に公民館でいただいたものだったことも……。

 そう気づいたら、居ても立ってもいられなくなり、南へ車を走らせました。


 公民館の入口には、ヒマワリがつぼみを付けていました。
 「このヒマワリは、新町のボランティア団体が東日本被災地の復興支援活動として配った種から育てたヒマワリなんですよ」
 と館長さん。
 「すると、うちのヒマワリも東北から来たヒマワリなんですね」
 「ええ、三陸海岸の陸前高田市です」

 太陽に向かって、大輪の花を咲かせるヒマワリ。
 我が家の庭で、今日も元気に咲き誇っています。
 被災地から届いた “命のリレー”。

 いつか、ヒマワリの恩返しに、東北へ唄を歌いに行けたらと思います。
   


Posted by 小暮 淳 at 18:11Comments(0)つれづれ

2016年08月18日

赤い札 青い札


 我が家の庭には、7本のヒマワリが大輪の花を咲かせています。
 どれも丈は、すでに僕の身長より高く、一番大きな花は30cmほどに成長しました。

 夏空の下、元気一杯に咲き誇っているヒマワリの花を見上げていると、遠い日の夏休みがよみがえってきます。


 「こーぐれくーん、あーそーぼー!」
 宿題をしていると、外から友だちの声が聞こえます。
 僕は、今すぐにでも遊びに行きたくて、うずうずしているのですが……。

 「ごめんね。ジュンは今、勉強中なのよ」
 そう言って、オフクロが友だちを帰してしまいます。
 とても悔しいのですが、でも、その逆もあるのです。


 いつからだったのでしょうか?
 一学期の終わり、夏休み前になると、クラス全員が札を作ることになりました。
 片面に赤い色紙、もう片面には青い色紙を貼ります。
 短冊のような札の上に、穴を開けます。

 「いいですか。勉強中は赤い札を出すんですよ。勉強が終わったら青い札にしておきます」
 先生に言われるままに、全員が夏休みが始まると、家の玄関に札を吊るしました。

 「ああ、赤い札だ! せっかく来たのになぁ~」
 「○○くんち、青い札だったぜ! ヤツは遊べるよ」
 そんなゲームのような毎日が、1ヶ月間続くのでした。

 基本的に、午前中は赤い札、午後に青い札が出ている家が多かったと記憶しています。
 「午前中の涼しいうちに、宿題を済ませちゃいなさい!」
 誰もが、そう親に言われていたからだと思います。

 当時(50年近く昔)、真夏でも30℃以上になる日なんて、何日もなかった時代です。
 日差しのまだやわらかい午前中は、とてもしのぎやすかった記憶があります。


 カタコトと首を振る扇風機
 時おり聴こえる風鈴の音
 ツクツクボウシの声
 絵日記、縁側、朝顔、蚊取り線香……

 遠い日の夏休み

 なんで、あんなにも楽しかったのでしょうね。 
   


Posted by 小暮 淳 at 12:42Comments(2)つれづれ

2016年08月16日

マグマ大使にあこがれて


 「もしかすると “温泉大使” って、全国で小暮さん1人かもしれませんよ!」
 みなかみ町観光協会より電話がありました。
 「本当に?」
 「ええ、ネットで検索しても他の人は出てきませんね」

 まあ、日本で1人の大使かどうかの証左は別にしても、おかげさまで「みなかみ温泉大使」 に就任してからは、なんだかんだと方々からお声が掛かるようになりました。

 昨日は、産経新聞社より取材を受けました。
 大使就任までの経緯や現在の活動、今後の予定など、たっぷり1時間半ものインタビューでした。
 記事は、8月21日(日) の群馬版 『上州この人』 に掲載予定とのことです。


 また、次の2つのイベントにも講演での出演が決定しています。

 ●『ツーリズム EXPO JAPAN 2016』
   会期/2016年9月22日(祝)~25日(日)
   会場/東京ビッグサイト

 ●『オトナ博 2016』
   会期/2016年10月9日(日)・10日(祝)
   会場/ニューサンピア高崎

 詳しい日時等は、決まり次第ご報告いたします。


 これもすべて、大使効果であります。
 思えば、子どもの頃にあこがれた 「マグマ大使」。
 いつか僕も地球の平和のために、悪と闘うのだ!と……。

 地球の平和とまではいきませんが、せめて群馬の温泉のためには闘っていこうと思います。
 温泉もマグマが温めてくれた地球からの恵みですからね。
     


Posted by 小暮 淳 at 12:23Comments(4)ライブ・イベント

2016年08月14日

画家からの便り


 20代は、“なんでも見てやろう!” と放浪と挫折を繰り返した 「体験」 の時代。
 30代は、好きな世界に飛び込んで夢を追った 「経験」 の時代。
 40代は、自分の力を試したくて挑戦を続けた 「実行」 の時代。
 そして迎えた50代は、その実績を活かして 「表現」 を始めたのだが……。

 はたと、思ってしまったのです。
 失ったモノはなかったのか?
 気づけば、その50代も、あと2年しかありません。

 やり残したことよりも、失ったモノ、得られなかったモノの多さに、今さらながら愕然とします。

 たとえば、金。
 同級生たちは、そろそろ定年を迎えます。
 それなりの勤続への代償を受け取り、“第二の人生” という名の悠々自適な生活を送り出します。

 うかつ、でした。
 ついつい目の前の楽しい人生に夢中になるがゆえ、将来のことを何ひとつ考えずに、この年齢まできてしまいました。


 さー、どうするべ?
 今さら考えても遅いことなのですが、人並みに落ち込んでいたのであります。
 すると、そんな僕を知ってか知らずか、1通のメールが届きました。

 同じく人生に夢中になるがあまり、将来設計を忘れた男。
 画家を生業としている旧友からです。


 <還暦近い歳でも管理職じゃなくて、現役で仕事ができることは嬉しいことだと最近よく思います。(中略) 長い目で見れば、これから稼いで、みんなと同じになるんじゃないかなって。これから稼ぎましょう>

 なんとも心にしみる便りであります。
 「これから稼ぎましょう」 に夢をあきらめない力強さを感じます。

 それには、健康第一!
 互いに100歳まで生きて、元を取ろうじゃありませんか。

 人生は、これからが勝負だぜよ!
  


Posted by 小暮 淳 at 11:51Comments(0)つれづれ

2016年08月12日

真夏のミステリーツアー


 ふだんは雑文書きのフリーライター、でも温泉好きが高じて温泉ライターとも呼ばれ、そして、あるときはテレビやラジオのコメンテーター、また番組のアドバイザーを名乗り、その陰でオヤジバンドのボーカリストなんかもしちゃいます。
 しかし、その正体は?

 実は、数々の謎や不思議を解き明かす “ミステリーハンター” なのです!


 ということで、ミステリーハンターとしての初仕事をしてきました。
 毎週火曜日の夜9時から群馬テレビで放送されている 『ぐんまトリビア図鑑』。
 僕は、この番組のアドバイザーをしていますが、次回はリポーターとして、みなさんをミステリーの世界へご案内します。

 僕のアシスタントとして一緒に恐怖体験してくれたのは、キャスターの安蒜幸紀さん。
 彼女の恐怖におののく姿は、必見ですぞ!

 番組では、県内のミステリースポットを3ヶ所めぐります。
 ・お化け坂の白い家
 ・あの世とこの世を結ぶ橋
 ・妖怪が眠る墓石

 ご期待ください!



 ●放送局  群馬テレビ(地デジ3ch)
 ●放送日  2016年8月16日(火) 21:00~21:15
 ●番組名  『ぐんまトリビア図鑑』
         第55回 トリビア・ミステリーツアー
 ●出演者  小暮 淳 (ミステリーハンター)
         安蒜幸紀 (キャスター)
   


Posted by 小暮 淳 at 12:32Comments(2)謎学の旅

2016年08月10日

伊香保温泉 「ホテル きむら」


 伊香保温泉は、ワンダーランド!
 訪ねれば訪ねるほど、巡れば巡るほど、知れば知るほど、ますます、もっと先を見たくなります。
 僕は現在、ライフワークのように毎週、伊香保温泉を歩いています。

 昨日は、ロープウェイに乗って、温泉街を一望する物聞山(ものききやま) の山頂へ。
 標高976mの見晴展望台からは、絶景の大パノラマを堪能!
 前橋市内は猛暑でも、ここは別天地です。
 高原の午後を満喫してきました。


 山から下りれば、もちろん待っているのは温泉です。
 昨晩は、3代目主人の木村幸久さんのご厚意により、「ホテル きむら」 に泊めていただきました。
 「ホテル きむら」 は、ロープウェイから降りて、右に行った最初の宿です。

 玄関の入口に、大きなセピア色した写真が貼られているのに気づきました。
 昭和初期の伊香保石段街の風景で、富岡製糸所の女工さんたちが大勢写っています。

 目を凝らして、よーく見ると、女工さんたちが立つ石段の脇に、看板が写っています。
 「湯宿 木村利平客室」 と読めます。

 説明書きには、<時の流れを物語る貴重なケヤキ彫り看板はフロントの壁面に現物が飾られている> とあります。
 もちろん、フロントに立った僕の第一声は、
 「その看板、見せてください!」

 昭和40(1965)年、先代が現在地に移転し、現在の「ホテル きむら」 が誕生したとのことです。


 4階の大浴場にある展望露天風呂は、畳敷きの樽風呂という珍しい造り。
 子持山や小野子山の稜線を西陽が照らす夕景を眺めつつ、サラリとした 「白銀(しろがね) の湯」をのんびりと浴みました。

 湯から上がれば、目指すは1つ!
 1分でも早く、食事処にたどり着き、生ビールを注文すること。
 「カンパイ! お疲れさまでした」
 と、カメラマン氏と祝杯を上げていると……

 「レディース&ジェントルメ~ン!!」
 とステージのどん帳が上がり、マジックショーの始まりです。
 子ども連れの多い夏休み期間中は、毎日、ショーがあるのだとか。
 それも大掛かりな、イリュージョンマジックです。

 美女の胴体がバラバラになったり、箱に入れられた女性と外の男性が一瞬に入れ替わったり、絵に描かれたハトが突然本物になって飛び出したり……。
 子どもでなくても、ハラハラドキドキしながら見ちゃいましたよ。
 だって、ふだんはテレビの中でしか見たことのないマジックが、実際に目の前で起きているのですからね。

 お子さんたちには、いい夏休みの思い出になったことでしょうな。


 小さな宿から大きなホテルまで、石段街から大自然まで、いろいろあって伊香保は楽しいのです。
   


Posted by 小暮 淳 at 21:42Comments(0)温泉地・旅館

2016年08月08日

アイツが許さない


 ♪ 何回目かの記念日が 今年も明日やってく
    もう一つ歳を重ねるわけだね 祝ってなんかくれるなよ ♪
     ( 『誕生日』 by 吉田拓郎)


 おかげさまで今日、58回目の記念日を迎えました。
 と、いうことは……。
 長年、お付き合いいただいている読者は、ご存知かと思いますが、毎年、誕生日になると “アイツ” がやってきます。
 そう、“20歳の自分” です。

 今朝も目覚めた時から、ずーっと、背後霊のように僕に張り付いています。

 「よっ、久しぶり! 38年後のオレは、元気にやってるかい?」
 「まぁな」
 「あれ、白いものが急に増えたね? 苦労、しているわけ?」
 「いや、髪の毛を染めるのをやめただけだ。若ぶるのもやめた。歳相応に生きることにした」
 「ふ~ん、で、どうよ。オレの夢は順調かな?」
 「可もなし、不可もなしっていうところかな」


 38年前、僕は20歳の自分と約束をしたのです。
 「生きざまは変えない」 と。
 たとえ、どんな事情があっても、道を変えてしまった未来があったら、その時は 「いつでも殴りに来い」 と。


 ♪ ひけ目を感じているけれど 違った奴が一人居てもいい
    あいつもこいつもどいつも同じなら 人間やってる気がしない ♪


 でも、20歳の僕は生意気で、しかも理想論を振りかざしてくる。
 大人の事情や家庭の事情なんて、到底、理解してくれない。
 「要は、やるか、やらないかでしょう!」
 と、情熱だけをぶつけてくるのです。

 あれから何十年と生きてきたわけですから、今の僕のほうが経験も知識も豊富なはず。
 正しい考え方だって、できているはずです。
 でも、アイツは許してくれません。

 「ああ、オレって、その程度の人生しか歩めないのかよ」
 と、上から目線で攻め寄ります。
 きっと僕は、彼のことが恐くて仕方がないのですね。
 すべてを見透かされていそうで……。


 ♪ あいつは変わった時代も変わったと 話している奴 臆病なんだよ
    自分の心を確かにしておこう 20歳の頃もきっとそうだった ♪


 あと半日、僕はアイツと過ごします。
 また1年間、会わずに済むように。
 今の自分をさらけ出して、納得して過去へ帰ってもらえるように。
  


Posted by 小暮 淳 at 14:11Comments(3)つれづれ

2016年08月06日

祭りだ! ライブだ! 花火大会だ!


 夏、真っ盛り!
 今年も、やって来ます!
 老神温泉(群馬県沼田市利根町) で開催される 『とねふるさと風のまつり』。

 この祭りは、老神の武尊(ほたか)神社境内にある 「お諏訪さま」 の祭り。
 お諏訪さまは、風から農作物を守ってくれる神様です。
 さわやかな風が吹くことを祈って、毎年8月の終わりに開催されています。

 昨年、僕は老神温泉の全宿を取材して、『尾瀬の里湯』(上毛新聞社) を出版しました。
 そんな縁もあり、今年もこの祭りに参加します。

 昼間は、神輿が温泉街を練り歩き、お祭り広場では屋台が集まり、メインステージでは終日、歌謡ショーが開催されます。
 地元の郷土芸能や高校生による吹奏楽の演奏、ご当地アイドル 「あかぎ団」 も出演しますよ。
 そしてそして、我らがスーパーローカルオヤジバンド 「KUWAバン」 も登場します!
 しかも、昼・夜の2ステージ!
 懐かしのオールディーズやグループサウンズ、もちろんオリジナル曲もたっぷり披露します。
 そして、我々が歌い終わった途端、カウントダウンとなり、ファイナルの大花火大会が始まるのです。

 とても感動的な夏の祭典なのであります!


 湯上がりに、浴衣姿で、ビール片手に、遊びに来ませんか?
 待ってまーす!!!



     『とねふるさと風のまつり』

 ●日時   2016年8月21日(日) 13:30~21:00
 ●会場   沼田市利根老神多目的広場 ※入場無料
       ・KUWAバン 15:30~ 19:30~
       ・花火大会   20:00~
 ●問合   利根町観光協会 TEL.0278-56-2111
   


Posted by 小暮 淳 at 21:23Comments(0)ライブ・イベント

2016年08月05日

群馬の温泉に行こう!


 首都圏のみなさん、こんにちは!
 はじめまして、「みなかみ温泉大使」 の小暮です。
 今度、みなさんを群馬の温泉に案内することになりました。
 よろしくお願いいたします。

 と、いうことで僕が長年、講師をしているNHK文化センター前橋教室の野外温泉講座が、いよいよ県外へ進出することになりました。
 これは、僕が今年の4月に群馬県みなかみ町の温泉大使に就任したことを記念して企画された、スペシャル講座であります。
 これを期に、ぜひ、県外のみなさんに、群馬の温泉の魅力を知っていただきたいと思います。

 たくさんの方々の参加をお待ちしています。



          『群馬の温泉に行こう!』
         2016 シリーズ① みなかみ
    ~温泉大使が直伝! 名湯・秘湯の楽しみ方~

 ●日程・行き先(全3回)  10月17日(月) 宝川温泉
                 11月14日(月) 谷川温泉
                 12月12日(月) 湯宿温泉
 ●講師       小暮 淳 (みなかみ温泉大使、温泉ライター)
 ●集合・解散   ソニックシティビル前 (JR大宮駅西口より徒歩5分)
 ●受講料(3回)  NHK文化センター会員 10,368円  一般 11,340円
            ※バス代・入浴代等別途 各回 12,000~15,000円
 ●定員       25名 (最少開講人数15名)
 ●持ち物      事前配付資料、筆記用具、入浴道具、飲み物 ※昼食付き
 ●問合・申込    NHK文化センター前橋支社 TEL.027-221-1211
   主催:NHK文化センター前橋教室 後援:みなかみ町観光協会
  


Posted by 小暮 淳 at 18:06Comments(0)講座・教室

2016年08月03日

伊香保温泉 「ホテル松本楼」 「洋風旅館 ぴのん」


 松本楼といえば、「10円カレー」 で知られる東京・日比谷公園にある老舗レストランの 「松本楼」 が有名です。
 でも、全国には同じ名前の旅館や食堂はあまたとありますから、別段、気にしてはいませんでした。

 それでも話は聞いてみるものですね。
 「ええ、私の曽祖父が大正時代に修業をしていた店なんです。伊香保に帰って店を出すときに、のれん分けをしてもらったと聞いています。偶然にも苗字が松本だったということもありまして」
 と、若女将の松本由起さんが歴史を紐解き出しました。

 西洋料理の店 「松本楼」 は、伊香保温泉街でも評判を呼び、大変に繁盛したといいます。
 戦後、高度成長の波に乗り、観光ブームがやって来ます。
 昭和39年(1964)、彼女の祖父母が屋号を継いで現在の場所に旅館をオープンしました。
 わずか16室の小さな宿でした。

 旅館の歴史っていうのは、面白いものですね。
 一朝一夕には成し得ない、その時代、時代での年輪を重ねて、新たな歴史を造り上げていくのです。

 3代目の由起さんが、本場のホテル業を学んだイギリス留学の経験を生かし、「伊香保にない施設」 「自分が泊まりたい旅館」 を作りたいと平成9年にオープンさせたのが洋風旅館の 「ぴのん」 でした。

 「“ぴのん” 聞きなれない言葉ですが、何語ですか?」
 「PINON は、スペイン語で 『松ぼっくり』 のことなんですよ。松本の松、松本楼の松。なによりも曽祖父が大正時代に築いた洋食店のイメージを再現したかったんです」


 昨日僕は、とても贅沢な取材をしてきました。
 若女将のご厚意により、本館と姉妹館の両方を自由に利用させていただきました。
 風呂と夕食は、松本楼。
 宿泊と朝食は、ぴのん。

 それ以外にも、坂を上ったり下りたり、行ったり来たりしながら、2日間たっぷりと和と洋のもてなしを満喫してきました。
 もちろん、温泉もすべての風呂に入ってきましたよ。
 どちらの宿にも 「黄金(こがね)の湯」 と 「白銀(しろがね)の湯」 の2つの源泉が引かれていますから、まさに温泉三昧の2日間でした。


 湯の数だけ歴史があり、宿の数だけ物語があります。
 2つとして同じ湯、同じ宿はありません。
 だから、取材って楽しいのです。
   


Posted by 小暮 淳 at 21:46Comments(2)温泉地・旅館

2016年08月01日

さらば、ウルフ!


 永六輔、大橋巨泉と次々に昭和のテレビを彩った巨星たちが逝ってしまい、このところ落胆していました。
 ら、昨晩、突然、ニュース速報で訃報のテロップが流れました。
 「えっ」 と声を上げたのは、きっと僕だけではないはずです。
 日本全国で、「えっ」 のウェーブが起きていたことでしょうね。

 「小さな大横綱」 と呼ばれた、元横綱 「千代の富士」 の九重親方であります。
 その精悍な顔立ちから 「ウルフ」 のニックネームで愛された、まさに昭和の大横綱でした。
 享年61歳。
 死因は、すい臓がんでした。

 永六輔も大橋巨泉もショックでしたが、お2人とも80歳を過ぎていました。
 もっともっとテレビやラジオで活躍して欲しかったけど、年齢を考えると 「遅かれ早かれ人は死ぬんだ」 と、自分なりに死を受け入れていました。
 でも、ウルフは若過ぎる!
 いくら病気だったとはいえ、永さんや巨泉さんは、何度も病から生還したじゃありませんか!
 たった1度の闘病で逝ってしまうなんて、ウルフらしくないぞ!


 今、僕の頭の中では、若かりし頃の僕と暮れなずむ東京の街が、走馬灯のようにめぐっています。
 甘酸っぱい、青春の香りとともに……。

 1978,年の夏。
 音楽の道を目指して、僕は東京で暮らし出しました。
 ひょんなことで知り合った女性がいました。
 横浜生まれの横浜育ち。
 その垢抜けた風貌に、群馬の田舎から出てきた青年は、すぐに恋をしてしまいました。

 新宿、渋谷、原宿、吉祥寺、そして横浜……
 毎週のようにデートに出かけました。
 でも、1つだけ、僕には馴染めない彼女の趣味があったのです。

 それは “相撲” でした。
 しかも、熱狂的な千代の富士ファン!

 どんなに楽しいデートも、「あっ、相撲が始まっちゃう!」 と、場所中は夕方までしか会えません。
 やがて親しくなって、僕のアパートに来るようになっても、場所中は夕方からテレビに釘付けです。
 気が付いたら、まったくの相撲音痴だった僕も、相撲ファンになっていました。

 だから僕にとっては、千代の富士=横浜の彼女、なんですね。
 そして、千代の富士が初優勝した年('81) に、僕らは別れました。


 さらば、ウルフ!
 青春をありがとう!

 ご冥福をお祈りいたします。
  


Posted by 小暮 淳 at 21:05Comments(2)つれづれ

2016年07月31日

サラリーマンの垢


 僕は29~36歳までの7年間だけ、会社勤めをしたことがあります。
 それ以前は?
 ええ、まあ、なんといいますか、世間からはフリーターとか呼ばれていましたが、自分では “専業主夫” と名乗っていました。

 炊事、洗濯、掃除、育児…、すべてこなしていましたよ。
 「イクメン」 なんていう言葉が、まだ無かった時代です。
 先取りしていたのかって?
 いえいえ、ただジョン・レノンにあこがれていただけであります。


 で、36歳の時、会社を辞めて、フリーの文筆業に転身したときのことです。
 すでに作家活動をしていた人生の先輩に相談したところ、こんなことを言われました。
 「一度付いたサラリーマンの垢(あか) は、なかなか落ちないぞ! 落ちるまでに、丸々付いた年数はかかるからな。それだけは覚悟しておきなよ」

 その先輩は、9年間のサラリーマン生活を経て、作家の道へ進んだのですが、9年間は長年身に付いてしまった組織の呪縛から逃れられなかったといいます。
 最初は、なんのことを言っているのだか、まったく分りませんでしたが、いざ自分が組織を離れてみると、徐々に意味を知ることになります。

 まず、平日の昼間に自宅に居ることへの罪悪感との葛藤!
 そして、毎月々、決まった収入が入らないことへの不安!
 その中で仕事を増やしつつ、なおかつ、クリエーターとしての質の向上を求め続ける試練!
 いかにサラリーマンが、守られていたかを痛感しました。

 その守られていた呪縛の期間が長いほど、呪縛から解けるまでの期間も長いということです。
 まさに先輩の言うとおり、僕も胸を張って 「フリーライターです」 と言えるようになるまで、優に7年はかかりました。


 あれから20数年。
 今では、サラリーマンをしていた頃の自分が他人のように思えます。

 「類は友を呼ぶ」 といいますが、気が付けば現在付き合いのある友人、知人はみんなフリーランスの人間ばかりです。
 サラリーマンの知り合いは、たまに会う昔の同級生くらいのもの。
 その同級生たちは、あと2年で定年退職を迎えます。

 「小暮は、いいよな。定年が無くて」
 「その代わり、死ぬまで働かなくてはならないよ」

 同窓会やクラス会では、そんな会話が聞かれる年齢になりました。

 「退職したら、どうするの? 再就職も考えているの?」
 僕のほうが、彼らのこれからの人生に興味津々です。
 「今まで、やりたくてもできなかった好きなことをして暮らすよ」
 とは、うらやましい限りです。

 でもね、僕には、その発想がよく分かりません。
 だって、やりたいことがあったのに、なんで今までしてこなかったのですか?
 それって、定年退職しないとできないことなんですか?
 ということは、お金と時間さえあれば、誰でもできることなんですか?

 何よりも、自分の好きなことをやらずに40年近くも我慢していたなんて、その忍耐力に完全脱帽してしまいます。

 そして思い出すのは、先輩の言葉です。
 サラリーマンの垢を落とすのには、同じ年数かかるということ。
 60歳+約40年=!
 頑張って100歳まで生きないと、垢は取れませんね。
   


Posted by 小暮 淳 at 12:37Comments(2)つれづれ

2016年07月29日

おじいさんが転んだ


 「斉藤です。ぺっ!ぺっ!」

 人気のお笑いコンビ 「トレンディエンジェル」 のギャグを盛り込んだ 『斉藤さんゲーム』。
 イケメン俳優、綾野剛のCM効果もあり、ブームになりました。

 その第2弾が、先日発表されました。
 新ゲームのタイトルは、『斉藤さんが転んだ』。
 要は、「ダルマさんが転んだ」 の斉藤さんバージョンです。
 なんだか、これも流行りそうな気配であります。


 そんな折、うちのオヤジが転んでケガをしました。
 91歳、認知症、要介護認定2のボケ老人であります。
 目も見えず、耳も聴こえません。
 なのに、家の中では何不自由なく暮らしているんですけどね。

 散歩の途中で転倒したようです。
 それもアニキが一瞬、目を離したすきに。
 脇を通り過ぎた車の風圧に、よろけたようであります。

 「骨折もなく、大した事はない」 と聞いていたので2日後に会いに行きました。


 「じいさんは?」
 「2階にいると思うよ」
 「転んだんだって?」
 「うん、かわいそうにね。手の腫れは引いたけど、顔がアザになってるよ」
 89歳、要介護認定2の手足に障害を持つオフクロが、ベッドの中から返事をしました。

 はたして、2階のオヤジの部屋へ行くと……

 「アッハハハ! なんだ、その顔は?!」
 座椅子で、うたた寝をしているオヤジの顔を見て、思わず吹き出してしまいました。
 だって、ケンカで殴られたマンガのような顔をしているのです。
 左目ののまわりに、黒い輪ができています。
 転んだ時に、顔を地面に打ち付けたようです。

 「じいさん、その顔どうしたん?」
 「うん?」
 「転んだんだって? 痛くないんかい?」
 「誰が転んだんだい?」
 「じいさんだよ。散歩の途中で」
 「オレがかい?」
 「そーだよ、痛くないん?」
 「痛くない」
 本人は、すでに転んだことも、痛かったことも、記憶にないようです。

 「散歩、行こうか?」
 「うん、行くよ。連れてってくれるのかい?」
 「ああ、行こう。もう、転ぶなよ」


 「オヤジと散歩に行ってくら(来るよ)」
 「ダメだよ。イヤだよ。お父さん、また転ぶよ」
 と心配するオフクロに、
 「絶対に手は離さないよ。本人も転んだことは忘れているし。大丈夫だよ」
 僕は、そう説き伏せました。

 「じいさんは、散歩が好きだね?」
 「ああ、楽しいからね」
 「そうだよね。楽しいものね」

 何度転んでも、好きな散歩だけは、続けさせてあげようと思います。
  


Posted by 小暮 淳 at 22:50Comments(2)つれづれ

2016年07月27日

尻焼温泉 「ホテル光山荘」


 <それでも湯は熱いのだが、不思議とクールな浴感であることに気づいた。まるでミントの入浴剤に入っているような清涼感である。その感覚は、湯から上がっても変わらない。体が火照ることなく、汗も噴き出さない。なんとも涼しい湯である。>
 (『群馬の小さな温泉』(上毛新聞社) より)


 昨日は月に1度の野外講座日でした。
 僕は8年前からNHK文化センターのカルチャー教室で、温泉講座の講師をしています。
 平成28年度の7月講座は、尻焼温泉(群馬県中之条町) へ行ってきました。
 川が露天風呂になっていることで有名な、群馬を代表する秘湯であります。

 「先生、昔ここは新花敷温泉っていってましたよね」
 バスを降りて、長笹沢川に架かる 「尻明(しりあき)橋」 を渡っている時に、年配の受講生が話しかけてきました。
 「よく、ご存知ですね。尻焼(しりやき) の名を嫌った時代があったんですよ」

 温泉の発見は古く、嘉永7年(1854) の古地図には、すでに記されています。
 村人たちが利用していたらしいのですが、入浴よりも主に “ねどふみ” という作業に利用していたようです。
 “ねどふみ” とは、この土地に生える菅(すげ) や萱(かや) などを川底から湧き出す温泉に浸して、足で踏んでやわらかくする作業のことです。
 その菅や萱で編んだ草履(ぞうり) や筵(むしろ) は、丈夫で水に強くて通気性も良いため、農作業や家庭で大変重宝されたといいます。
 ちなみに “ねどふみ” の 「ねど」 とは、温泉に草を寝かせる所の意味だそうです。

 この地に温泉旅館が建ったのは、昭和元年(1926) のこと。
 手前にある花敷(はなしき) 温泉で経営していた関晴館本館が、別館として新築開業したのが始まりでした。
 ※(現在、本館は廃業し、別館のみが営業しています)

 花敷温泉が古くから開けていたのに比べ、なぜ尻焼温泉の開発は遅れたのでしょうか?
 これには諸説ありますが、道が急峻だったことと、温泉のまわりにヘビがたくさん生息していて、人々を寄せ付けなかったからだといわれています。

 また一時、「尻焼」 の文字を嫌って、温泉名を 「尻明」 や 「白砂(しらす)」、「新花敷」 などと名乗った時代がありました。
 ちなみに「尻焼」 とは、川底に座ると、尻が焼けるように熱くなるからです。


 現在、尻焼温泉には3軒の宿がありますが、今回は唯一、自家源泉を保有している「ホテル光山荘」 にお世話になりました。
 冒頭の文章は、僕が6年前に著書の中で書いたものです。
 “湯上がりに汗が出ない不思議な清涼感” そんなコピーまでタイトルに付けました。

 「小暮さんの本を読んだ方が、湯の検証に来られますよ。みなさん、本当だ!って感動して帰られます」
 とは、出迎えてくれたオーナーの小渕哲也さん。

 はたして、今でもそうでしょうか?
 受講生たちも興味津々です。

 源泉の温度54℃と高温です。
 それが加水なしでかけ流されているのですから、熱い!
 ので、備え付けの “湯かき棒” で、かき回しながら湯をもんでやります。
 すると、さっきまでは足しか入れなかった体が、スーッと湯の中に入っていきます。

 それでも湯は熱いのですが……
 あとは冒頭の文章のとおりです。
 湯上がりが爽快な、まさに夏にピッタリの温泉であります。

 「先生、本当だ!」 「汗が出ないよ」 「さわやかだね」
 受講生たちの声が、浴室に響きます。

 これぞ、生きた講座なのであります。
  


Posted by 小暮 淳 at 17:57Comments(0)温泉地・旅館

2016年07月25日

ハチ難去ってまたハチ難


 「おとう、ハチがさぁ……」
 「えっ、ハチだ~!?」
 僕は、もう “ハチ” という言葉を聞いただけで、全身に悪寒が走るのであります。
 完全なるハチアレルギーになってしまいました。
 ※(理由は昨日のブログ 『小次郎も死んだのさ』 を参照)

 昨夕、四万温泉から帰った僕に、高校生の次女が突然、言い出しました。
 「ハチが、なんだよ?」
 「ハチがさぁ、そこに巣を作ったよ。こんなに大きいの」
 「ウソだろ?」
 「自分の目で見てくりゃいいじゃん。取っといてよね。コワイんだから!」

 恐る恐る庭に出ると、ベランダの下、ちょうど娘が自転車を止めている真上に、直径10cmほどのハスの実型したハチの巣を発見!
 そのまわりに、ビッシリとハチが張り付いて、何匹かは飛び回っています。

 アシナガバチです。


 ああ、昨日はスズメバチで、今日はアシナガバチかよ…
 ああ、なんかオレって、“ハチ難の相” があるのかなぁ…
 なんて言いながら、頭の中では撃退の戦略をあれこれと考えていたのであります。

 「わかった。明日退治しておくから」
 と娘には伝えたものの、あまり自信はありません。
 でも、プロの駆除業者を呼ぶほどでもないし、困ったものです。


 そして今日、決戦の時は来ました。

 まずは、いつでも逃げられるように逃走経路を確保し、片手に殺虫剤を持ち、片手にはうちわを握り締めて、敵陣地へと攻め込みました。
 シューーーー!
 と、ひと吹きすると、何十匹ものアシナガバチが一斉に散りました。
 襲いかかって来るかと、うちわで防御しますが、全匹空へと舞い上がり消えて行きました。

 「今だ、チャンス!」
 とばかり、巣に向けてジェット噴射をお見舞いしてやりました。


 数時間後、巣の下に行って見ると……
 ゲッ、ゲゲゲーー!
 自転車置き場の床一面に、白い物体がウヨウヨ動いています。

 そう、ハチの幼虫です。
 殺虫剤が効いて、巣からみんな落ちたようです。
 親のアシナガバチも戻ってくる気配はありません。
 あっ気ない終わりでした。

 その後、巣も叩き落とし、完全勝利を収めました。


 「ハチ、退治しておいたからね」
 「サンキュー」
 「そんだけ?」
 「えっ、ほかに何を言うの?」
 今夜の僕と娘の会話です。

 ま、いいか。
 “親の恐怖、子知らず”であります。

 どうかハチさん、もう2度と僕の前に現れないでくださいな。
  


Posted by 小暮 淳 at 22:08Comments(2)つれづれ

2016年07月24日

小次郎も死んだのさ


 ♪ ハチのムサシは死んだのさ
    畑の日だまり土の上
    遠い山奥 麦の穂が
    キラキラゆれてる午後でした
   (『ハチのムサシは死んだのさ』 by 平田隆夫とセルスターズ)


 今年も行ってまいりました!
 四万温泉協会主催による 『レトロ通りの懐かしライブ』 です。
 今年で第5回目を迎えたこの野外ライブ、初回からすべて出場しているのは我らがスーパーローカルオヤジバンドの 「KUWAバン」 だけであります。
 ※(今日の上毛新聞にライブの様子が掲載されました)

 自他共に認める “晴れ男” なんですけどね。
 過去4回は晴天の真夏日だったのに、昨日は初めて小雨がバラつき、気温も上がらず、ちょっと涼しめの陽気となりました。
 それでも傘をさすほどではなく、無事に今年も大トリを務めさせていたださました。

 観客のみなさん、主催者のみなさん、出演バンドのみなさん、ご苦労さまでした。
 そして、お世話になりました。
 そうそう、このブログを見て、遠路はるばる会場に駆けつけてくださった読者のWさん、Tさん、ありがとうございました。


 で、事件はライブ終了後に起きました。

 僕らのバンドは、全員がのん兵衛です。
 ステージでも缶ビール片手に演奏するのが通例なんです。
 もちろん、今回も全員がノドを潤しながらの演奏でした。

 「お疲れさまでした!」
 出番を終えてステージを下りたときでした。
 僕は、残りのビールを一気に飲み干そうと、勢いよく口の中へ……

 「うん?」
 口の中に異物を感じました。
 「なんだ?」
 と、吐き出すと!

 ハチです。
 それも大きなスズメバチ!

 「ギッ、ギェーーーーッ!!!!!!!」

 死んでいます。
 もし生きていたらと思うと、ぞっとしました。

 確かにライブ中、ステージのまわりを数匹のハチがブンブンと飛び回っていたのです。
 缶ビールの縁に止まっている姿も、見かけましたが、まさか中で溺死していたとは……。

 これぞ、“飛んで酒に入る夏の虫”であります。
 ハチもアルコールがお好きなんですなぁ~。

 「もう、いないよな?」
 と改めて、缶の中をのぞき込んで見ると……

 「ギッ、ギェーーーーッ!!!!!!!」
 2度目の戦慄が我が身を襲いました。
 もう1匹、いるではありませんか。
 彼も、琥珀色の液体の中で、プカプカと浮かんでいます。

 先ほどのが 「ハチのムサシ」 ならば、お前は小次郎か!?

 合掌!


 今年はスズメバチが大繁殖しているらしいですよ。
 みなさん、ご注意くださいね。
   


Posted by 小暮 淳 at 19:00Comments(4)ライブ・イベント