温泉ライター、小暮淳の公式ブログです。雑誌や新聞では書けなかったこぼれ話や講演会、セミナーなどのイベント情報および日常をつれづれなるままに公表しています。
プロフィール
小暮 淳
小暮 淳
こぐれ じゅん



1958年、群馬県前橋市生まれ。

群馬県内のタウン誌、生活情報誌、フリーペーパー等の編集長を経て、現在はフリーライター。

温泉の魅力に取りつかれ、取材を続けながら群馬県内の温泉地をめぐる。特に一軒宿や小さな温泉地を中心に訪ね、新聞や雑誌にエッセーやコラムを執筆中。群馬の温泉のPRを兼ねて、セミナーや講演活動も行っている。

群馬県温泉アドバイザー「フォローアップ研修会」講師(平成19年度)。

長野県温泉協会「研修会」講師(平成20年度)

NHK文化センター前橋教室「野外温泉講座」講師(平成21年度~現在)
NHK-FM前橋放送局「群馬は温泉パラダイス」パーソナリティー(平成23年度)

前橋カルチャーセンター「小暮淳と行く 湯けむり散歩」講師(平成22、24年度)

群馬テレビ「ニュースジャスト6」コメンテーター(平成24年度~27年)
群馬テレビ「ぐんまトリビア図鑑」スーパーバイザー(平成27年度~現在)

NPO法人「湯治乃邑(くに)」代表理事
群馬のブログポータルサイト「グンブロ」顧問
みなかみ温泉大使
中之条町観光大使
老神温泉大使
伊香保温泉大使
四万温泉大使
ぐんまの地酒大使
群馬県立歴史博物館「友の会」運営委員



著書に『ぐんまの源泉一軒宿』 『群馬の小さな温泉』 『あなたにも教えたい 四万温泉』 『みなかみ18湯〔上〕』 『みなかみ18湯〔下〕』 『新ぐんまの源泉一軒宿』 『尾瀬の里湯~老神片品11温泉』 『西上州の薬湯』『金銀名湯 伊香保温泉』 『ぐんまの里山 てくてく歩き』 『上毛カルテ』(以上、上毛新聞社)、『ぐんま謎学の旅~民話と伝説の舞台』(ちいきしんぶん)、『ヨー!サイゴン』(でくの房)、絵本『誕生日の夜』(よろずかわら版)などがある。

2021年03月07日

1985.8.12 の真実


 例えば、鎌倉幕府の成立。
 僕らは歴史の授業で、「イイクニ (1192) 作ろう鎌倉幕府」 と教わりました。
 でも今は違います。
 「イイハコ (1185) 作ろう」 だそうです。
 近年の研究によって、訂正されています。

 例えば、足利事件。
 平成3(1991)年、栃木県足利市で女児が行方不明になり、翌朝、遺体で発見された事件です。
 容疑者として逮捕された男性は、裁判で無期懲役が確定し、服役していましたが、その後、遺留物のDNAの再鑑定の結果、一致しないことから無罪となりました。

 このように何年、何十年、何百年と時が経ってから真実が判明することがあります。


 昭和60(1985)年8月12日、群馬県上野村の山中で発生した航空旅客機史上最悪の死者を出した 「日本航空ジャンボ機123便墜落事故」 は、36年経った今でも、私たちの中に生々しく重い影を落としています。
 当時、事故原因は “圧力隔壁の損壊” と発表されました。

 この事故原因については、当時から疑惑報道がされていましたが、真実は36年間、闇の中でした。
 でも、ここに来て、ついに動きがありました!

 遺族の一部が事故の全容解明を求め、任意団体 「日航123便墜落の真相を明らかにする会」 を立ち上げ、日本航空に対し、墜落機のボイスレコーダー (音声記録装置) とフライトレコーダー (飛行記録装置) の生データの開示を求め、東京地裁に提訴する方針を固めたとの報道がありました。
 遺族で原告人の1人は 「日航は遺族にデータを知らせる必要がある。本当の墜落原因を知りたい」 とコメントしています。


 果たして、真実は明かされるのでしょうか?

 叶うなら、歴史が変わる瞬間を見届けたいものであります。
  


Posted by 小暮 淳 at 11:34Comments(0)つれづれ

2021年03月06日

正解者続々! 「消えた日本一」


 <とうとう見つけました!>
 <謎を解きました>
 そんなメールが頻繁に届くようになりました。

 何のことかといえば、以前、このブログで明かした “取材に行ったら思わぬ真実に出合ってしまい、結局、記事にはできなった” 「消えた日本一」 の話です。
 ※(2021年2月10日付 「消えた日本一」 参照)

 その後、「消えた日本一って、なに?」 「どこにあるの?」 といった問い合わせがあったため、僕は追記として、4つのヒントを公表しました。
 ※(2021年2月23日付 「消えた日本一の反響」 参照)

 どうも、この追記した “ヒント” が逆に、火に油を注いでしまったようであります。
 ますます問い合わせが増え、それに比例して “正解” を誇らしげに告げて来る人もいました。


 でも、こんなこともありました。
 某企業へ仕事の打ち合わせに出向いた時のこと。
 担当部署へ行く間に廊下で、その社の偉いお方とすれ違いました。
 面識のある方ですから当然、丁重に、ごあいさつをいたしました。

 すると、突然!

 「小暮さん、教えてくださいよ。“消えた日本一” って、どこ?」

 えっ、絶句であります。
 ま、ま、まさか、こんな偉い方が僕のブログを読んでくださっているなんて!?
 しかも、僕が問いかけた謎に、完全にハマっているじゃありませんか!


 なんだか知らないところで、謎が謎を呼んで独り歩きを始めているようです。
 そろそろ、この辺で止めないと、イライラが伝播して、暴動を起こしかねません。
 でも、ここで、真実を公表することもできないのです。

 あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ーーーーーーっ、どうすれば、いいんでしょうか?


 ということで、思案の末、みなさんのモヤモヤ解消のため、さらなるヒントを差し上げることにしました。
 前回、第4のヒントで出した 「ある部分では、今でも日本一」 の “ある部分” をお教えします。

 それは、「顔」 です!

 いかがでしょうか?
 これで、だいぶ検索でも絞り込めたと思います。

 さあ、Let's Try!

 (ただし、分かっても内緒にしておいてくださいね)
  


Posted by 小暮 淳 at 12:00Comments(0)謎学の旅

2021年03月05日

あっぱれ! 尾瀬の里湯


 驚きました。
 「あっぱれ!」 としか言いようがありません。


 2015年5月、僕は 『尾瀬の里湯』(上毛新聞社) を出版しました。
 この本では、老神温泉 (沼田市) の15軒の宿と、片品村内10温泉地の39軒の宿を取材しました。
 すべて尾瀬の玄関口にある温泉郷です。

 老神温泉を除けば、すべて小さな温泉地です。
 それゆえ群馬県内でもマニアックな温泉ファン以外には、あまり知られていないエリアと言えるかもしれません。

 でも、それが魅力のエリアでもあります。
 丸沼温泉や白根温泉といった秘湯の一軒宿から街道筋に軒を連ねる鎌田温泉まで、個性豊かな温泉地が点在します。
 また尾瀬戸倉温泉や片品温泉は、アルカリ性の硫黄泉が湧くことで知られ、昔から温泉ファンには人気があります。

 ただ、魅力的な温泉が多い割には、今一つ、知名度の低いエリアで、“知る人ぞ知る温泉郷” と言われていました。
 だからこそ僕は、一度、根こそぎ取材して、本にまとめよう思ったのです。


 そんなマイナーだった温泉郷に、突如として、脚光が当たるニュースが飛び込んで来ました!
 新型コロナウイルスの感染拡大で影響を受けた観光業の振興策として、尾瀬国立公園を抱える片品村観光協会が販売したプレミアム付きの宿泊券 『いい旅かたしなプレミアム宿泊チケット』 です。

 内容は、1,000円分の宿泊券6枚つづりと 「道の駅」 での買い物券500円分など計6,500円相当のセットを半額以下の3,000円で販売するというもの。
 有効期間は来年の3月21日まであり、1人10冊まで購入ができ、インターネットでも申し込みが可能でした。

 そうなんです!
 “でした” と過去形のニュースなんです!


 新聞やネットの報道によれば、なんとなんと!
 今月1日に発売を開始するやいなや、その日の午後2時には完売してしまったといいます。
 同協会では8,000冊を用意し、販売期間を4月末までとしていただけに、反響の大きさに驚きを隠せません。

 「詳細は分からないが、首都圏の緊急事態宣言が解除予定で、自粛ムードが緩和されていることも影響しているのではないか」
 とコメントしていますが、それにしても “あっぱれ!” であります。


 ここに来て、また緊急事態宣言が延長されるかもしれないとの懸念はありますが、有効期限は1年間もあります。
 解除されたら、ぜひ、群馬の秘湯エリア 「尾瀬の里湯」 へ、お越しください。

 お待ちしています。
  


Posted by 小暮 淳 at 12:53Comments(0)大使通信

2021年03月04日

温泉考座 (71) 「半地下構造の浴場」


 大正11年(1922)年10月、歌人の若山牧水は、老神温泉 (沼田市) から金精峠を越えて日光へ向かう途中で、白根温泉 (片品村) に投宿しています。
 この晩のことを著書 『みなかみ紀行』 (大正13年) の中で、こう記しています。

 <湧き溢れた湯槽(ゆぶね)には壁の破れから射す月の光が落ちていた。湯から出て、真赤な炭火の山盛りになった囲炉裏端に坐りながら、何はともあれ、酒を注文した。>

 ところが宿に酒はなく、牧水は12歳と8歳の宿の子ども (兄妹) を遠くの店まで買いに走らせます。
 その後、天候は一変して雨となり、ずぶ濡れになった兄妹が大きな酒ビンを持って帰ってきます。
 生涯、旅と酒をこよなく愛した牧水ならではの、なんとも我がままなエピソードであります。


 当時、数軒あったという宿屋は、今はもうありません。
 昭和5年(1930)年創業の 「加羅倉館(からくらかん)」 ただ一軒が、湯を守り継いでいます。
 不思議な言葉の響きを持つ宿名ですが、栃木県境にある日光白根山の加羅倉尾根に由来するとのこと。
 渓流と国道をはさんで建つ別館には、昭和27(1952)年に皇太子時代の天皇陛下が御来遊した際に泊まられた部屋が、今もそのまま残されています。

 別館の並びに半分地下に埋まった一風変わった建物があります。
 これが浴場です。
 管理人によれば、半地下構造になっているのは 「かつて宿のオーナーが所有していた競走馬の温泉治療場に使っていた頃の名残」 とのことですが、理由は、それだけではありません。


 浴槽は約8畳分もあり、熱めの湯が惜しみなく、かけ流されています。
 しかし源泉が注ぎ込む湯口は、天窓の下に突き出た筒から勢いよく落下する打たせ湯のようなものしかありません。
 そして、その位置は、ちょうど源泉が湧出するあたり。
 自噴する源泉を一切の動力を使わずに、高低差だけを利用して浴槽に流し入れているのでした。

 毎分約600リットル、約60度という湯量豊富で高温の温泉が湧く宿だから可能な、自然の理にかなった浴場です。


 <2014年11月26日付>
  


Posted by 小暮 淳 at 11:59Comments(4)温泉考座

2021年03月03日

エスカレートする不機嫌な大人たち


 以前、『コロナに惑う子どもたち』 (2021年2月20日付) というタイトルで、コロナ禍の思わぬ弊害として、子どもの自殺が急増していることを書きました。
 自粛により、行き場を失った子どもたちが、逃げ場の選択肢として “死” を選ぶという、なんともやるせない現状です。

 では、大人の世界は、どう変わったのでしょうか?


 リモートやキャッシュレスの急速な普及により、便利にはなりましたが、その反動でしょうか?
 コロナ禍のストレスは、たまる一方のようです。
 こんなデータがあります。

 労働組合の調査で、新型コロナウイルスの影響とみられるカスハラ (カスタマーハラスメント) を受けたと感じる人の割合が、コロナ前より増えているといいます。
 これは全国の流通・サービス業に携わる233組合の従業員を対象に、昨年の7~9月に実施したもので、結果、約20%が 「新型コロナの影響による迷惑行為があった」 と回答しました。


 一番顕著だったのは、ドラックストアの店員でした。
 「汚い手で触るんじゃねえ!」
 と、ペットボトルのふたの部分を持った瞬間に、客に怒鳴られたといいます。

 また多かったのが、マスクが品切れであることへのクレーム。
 「自分たちの分は確保しているんだろう。早く出せ!」
 中には、
 「マスクが売れているからって、いい気になるな!」
 といった見当違いなクレームもあったといいます。

 こうなると、もうクレームなどではなく、ただの言いがかりです。


 では、コロナとカスハラの増加には、どんな因果関係があるのでしょうか?
 さる大学教授 (社会心理学) は、こう分析しています。
 「不安感が高まることで、普段なら許容できることが許せなくなることがある」
 (毎日新聞より)

 教授によれば、ほかにも 「釣銭の渡し方が悪い」 「『ポイントカードを持っているか』 とレジのたびに訊かれる」 などのささないことがきっかけで、クレームや店員への罵声にまで発展するケースが増えていると言います。


 いやはや、なんとも、情けない話であります。
 ストレスの発散場所を探して街をうろつき、弱者である店員に対して言いがかりをつけるなんて……。
 こんなコロナ禍だからこそ、もっと相手を思いやる行動が取れないものでしょうか?

 自殺する子どもたちといい、すぐにキレる大人たちといい、人間って、なんて弱い動物なんでしょうかねぇ。
  


Posted by 小暮 淳 at 12:50Comments(0)つれづれ

2021年03月02日

もしも誰かと入れ替われるなら……


 昔なら映画 『転校生』、最近ではアニメ映画の 『君の名は。』 やテレビドラマ 『天国と地獄』。
 共通するのは、主人公の男女が入れ替わってしまうという奇想天外なストーリーです。

 でも、“入れ替わり” といえば、少々地味ですが、僕は北村薫の小説 『スキップ』 を思い浮かべます。


 舞台は、昭和40年代の初め。
 主人公の少女は17歳の高校2年生。
 ある日、学校から帰って家でレコードを聴いていると……

 うたた寝から目覚めると、そこは!
 なんと25年後の未来。
 しかも、タイムスリップなどではなく、42歳になった自分だったのです。

 初めて見る未来の自分。
 体はオバサンで、心は17歳のまま。
 しかも、夫がいて、娘もいます。
 娘の年齢は自分と同じ17歳、高校2年生だったのです。

 その日から主人公の少女は、25年の時間を取り戻そうと、懸命に生きだします。


 この小説を読んだとき、未来の自分と入れ替わってしまうという、なんとも自由な発想に脱帽しました。
 でも、その時、僕は思いました。
 未来の自分と入れ替わるのは嫌だけど、過去の自分となら入れ替わりたいかも……と。

 実は最近、富に、そう思うようになりました。
 理由は、“老いた肉体” に手こずり始めたからです。

 目、歯、腰、膝……
 加齢とともに、劣化が進んでいます。
 加えて最近では、記憶力にも難が出始めました。

 人の名前や固有名詞が、なかなか思い出せません。


 そんなとき、小説 『スキップ』 が頭をよぎりました。
 「未来の自分は見たくないが、若い頃の肉体には戻りたい」

 でも、“あの頃に戻りたい” わけではないんです。
 時代は “今” で、心も “今”、だけど肉体だけは “あの頃” に戻りたい!

 と考えて、ハタと気づきました。
 それって、ただのアンチエイジングじゃねーか!って。
 僕が一番嫌っている自分の姿をイメージしていたんですね。


 いかん、いかん!
 やっぱ自然に逆らっては、いかん!
 人間だって自然の一部なのですから、“あるがまま” で生きるべきなのだ!

 妄想した自分を恥じ、“入れ替わり” は映画やドラマ、小説の中だけで楽しむことにしました。
   


Posted by 小暮 淳 at 10:57Comments(0)つれづれ

2021年03月01日

猪ノ田温泉 「久惠屋旅館」⑪


 宅配便で段ボール箱が1つ、届きました。
 開けてみると中には、ペットボトルが4本。
 ラベルには、「絹の湯」 と書かれています。

 手紙が同封されていました。

 <この度は、ちいきしんぶんに掲載頂き、ありがとうございました。心ばかりの品ですが、源泉で乾燥肌を潤して下さい。また、ぜひ絹の湯へいらして下さい。お越しを心よりお待ちしております。>

 と、丁寧な文字で、したためられていました。
 差出人は、群馬県藤岡市の猪ノ田(いのだ)温泉 「久惠屋(ひさえや)旅館」 の若女将です。


 なぜ、突然、ペットボトルが送られてきたのか?

 それについてお話しする前に、いくつかのキーワードを説明をする必要があります。
 まず 「絹の湯」 ですが、これは猪ノ田温泉の源泉名です。

 猪ノ田は西上州で最も古い湯治場として、江戸の昔より地元民に利用されていました。
 明治時代には 「皮膚病に効く」 という評判が高まり、県外からも医者に見放された病人がやって来るようになったといいます。

 源泉は硫化水素を含む独特の腐卵臭がすることから 「たまご湯」 と呼ばれていましたが、現在は、その浴感のなめらかさから 「絹の湯」 といわれ、ふたたび傷ややけど、アトピー性皮膚炎に効く薬湯として、全国からうわさを聞きつけた湯治客が訪れています。


 次に、「ちいきしんぶん」 掲載についてです。
 「ちいきしんぶん」 は、高崎市内に配布されているフリーペーパーです。
 僕は、この情報紙に 『小暮淳のはつらつ温泉』 というコラムを連載しています。
 その第58回 (2021年2月19日号) で、「復活した西上州の湯治場」 と題して、猪ノ田温泉の湯について書きました。

 そして記事の中で、効能の1つとして実体験に触れました。
 それが、「乾燥肌」 です。

 冒頭で、
 <私は子どもの頃から、冬になると乾燥肌に悩まされています。風呂から上がり、布団に入ると、体中がかゆくて、なかなか寝つけません。>
 と触れ、末尾で、
 <私は毎年、冬になると就寝前に、この源泉を肌に塗っています。おかげで今年も快適に過ごしています。>
 と結びました。


 すると、途端、反響があり、この記事を持ってやってくる入浴客が何人もいたそうです。
 それで、女将と若女将が相談して、僕に源泉を送ってくださったそうです。

 そろそろ源泉の在庫が切れそうだった頃だったので、大変助かりました。
 でも、なんだが、催促しちゃったようですね。
 申し訳ありません。

 コロナが終息したら、寄らせていただきます。
 その時まで、お元気で!
  


Posted by 小暮 淳 at 09:51Comments(0)温泉地・旅館

2021年02月27日

忠治と落語


 「“酒は百薬の長” なんてことをよく申します。でも、呑み過ぎはいけません。呑み過ぎはいけませんが、“ほどほど” に呑んでいただけますと、体のためになるという。これは医学的にもそう言われているそうでございまして……。お酒ってえのは、大変ありがたいものでございますが、中には、ありがたくもないお酒というのもございまして……」
 <落語 『末期の酒』 より>


 「瓢箪 (ひょうたん) から駒が出る」 といえば、冗談ごとが真実になることで、思いもよらぬことや、あり得ないはずのことが現実になることです。
 僕の人生、行き当たりばったりのわりには、時々、この瓢箪から駒が飛び出します。

 今回は、一編の記事から “落語” が飛び出しました。


 読者のみなさんは、覚えていますでしょうか?
 昨年9月に、高崎市内に配布されているフリーペーパー 「ちいきしんぶん」(ライフケア群栄) に連載している 「ぐんま謎学の旅」 というシリーズに、『忠治外伝 末期の酒 「牡丹」 を探しに』 という記事を書いた話を?
 ※(当ブログの2020年10月3日 「忠治が呑んだ酒」 参照)

 この記事で、江戸時代後期の侠客、国定忠治が嘉永3(1850)年12月21日、大戸の関所 (群馬県東吾妻町) を破った罪により、関所近くの処刑場にて、磔(はりつけ)の刑に処せられた際、忠治が “末期の酒” に選んだのは、「牡丹(ぼたん)」 という酒だったことを書きました。
 そして、その酒を造っていたのは、大戸村の 「加部安」 こと加部安左衛門という大富豪でした。

 すでに、その酒蔵は無く、「牡丹」 は、幻の酒と呼ばれています。


 昨年9月、僕は、この記事を行きつけの呑み屋で会う常連客の1人に見せました。
 彼の名は、都家前橋 (みやこや・ぜんきょう)。
 アマチュアの落語家さんです。

 アマチュアといっても、落語の腕前は玄人はだし。
 僕も何度か、落語会に寄せていただきましたが、いつだって彼は “取り” を飾っています。
 その彼が、記事を読むなり、
 「いいですね! この話は、そのまま落語になりますよ」
 と、絶賛してくださいました。

 そして2人は意気投合し、僕が彼に資料を送り、彼が物語を作り上げるという作業を続けてきました。
 「完成したら、来年の春にでも、お披露目会を開きましょう!」
 と話し合っていたのですが、なかなか新型コロナウイルスの感染が収束へと向かいません。

 いつしか2人の間では、「来年の春」 が 「コロナが収束したら」 という口約束になっていました。


 ところが思わぬ所から、2つ目の駒が瓢箪から飛び出しました!

 ご存じ、群馬テレビの謎学バラエティー番組 『ぐんま!トリビア図鑑』 です。
 僕は、この番組のスーパーバイザーをしています。
 昨年末の企画会議の時に、この忠治が呑んだ 「末期の酒」 の話をすると、
 「面白いじゃ、ありませんか! それ、番組でやりましょう!」
 と、手を挙げたディレクターがいて、トントントンと話が進み、今週、番組の収録をしてきました。


 リポーターは、「トリビア博士」 の異名を持つ、そうです!
 僕です(笑)。

 寒風吹く中、忠治が破った関所跡や磔の刑に処せられた処刑場跡、加部安の屋敷や酒を造った井戸をめぐり、そして加部安代々の墓がある菩提寺の住職にも話を聞いてきました。

 夕方、ロケを終えた一行は、都家前橋さんが待つ、テレビ局のスタジオへ。
 ほとんどワンテイク (一発撮り) に近い完璧な落語を披露してくださりました。


 酒と忠治が結んだ縁は、170年の時を経て、またしても酒が落語との縁を呼びました。

 さてさて、どんな番組になったのかは、放送を観てのお楽しみであります。




          ぐんま!トリビア図鑑
     #239 「伝説のお大尽 『加部安』 とは!?」

 ●放送日  2021年3月16日(火) 21:00~21:15
 ●再放送  3月20日(土) 10:30~10:45 22日(月) 12:30~12:45
 ●放送局  群馬テレビ (地デジ3ch)
   


Posted by 小暮 淳 at 12:51Comments(0)テレビ・ラジオ

2021年02月26日

続々決定! アンコール口演


 <海なし県なのに、なぜ浦島太郎?>
 <乙姫様からもらった玉手箱がある!?>
 <浦島太郎の墓があった!>

 2018年に出版された拙著 『ぐんま謎学の旅 民話と伝説の舞台』(ちいきしんぶん) にも収録され、紙芝居になった民話 『いせさき宮子の浦島太郎』。
 1月に街頭紙芝居として、地元伊勢崎市の神社境内で披露したところ、新聞やテレビでも報道され、話題となりました。

 その後、「まだ観てないので、ぜひ、もう一度口演を!」 との声が上がり、今月28日(日) にアンコール口演が決定したことは、過日、このブログでも報告いたしました。
 ところが、うれしいことに、さらに、反響の輪が広がりつつあります。


 地元FMラジオ局での民話紙芝居の収録……
 地元商店街でのポスターやチラシの配付……

 なんだか作者や演者の知らぬところで、小さなムーブメントが起きているようです。


 ということで、今後もしばらく月1回のペースで、「神社かみしばい」 を開催することになりました。
 会場である伊勢崎神社様の協力を得て、開催日には、昔なつかしい駄菓子やおもちゃ、作者の著書やイラスト、ポストカードなどの作品も販売されます。

 ぜひ、民話や伝説に興味のある方、また昭和レトロな雰囲気が好きな方は、お越しください。
 1日4回、口演いたします。



       神社かみしばい
    『いせさき宮子の浦島太郎』

 文/小暮 淳 (フリーライター)
 画/須賀りす (画家、イラストレーター)
 演/石原之壽 (壽ちんどん宣伝社 座長)

 ●日時  2021年2月28日(日)、3月14日(日)、4月11日(日)
        10時、11時、12時、13時 ※悪天候の場合中止
 ●会場  伊勢崎神社 境内 (群馬県伊勢崎市本町21-1)
 ●入場  無料 (投げ銭制)
 ●問合  壽ちんどん宣伝社 TEL.090-8109-0480
   


Posted by 小暮 淳 at 09:22Comments(0)ライブ・イベント

2021年02月24日

温泉考座 (70) 「江戸より伝わる洗眼処」


 このカテゴリーでは、ブログ開設10周年 (2020年2月) を記念した特別企画として、2013年4月~2015年3月まで朝日新聞群馬版に連載された 『小暮淳の温泉考座』(全84話) を不定期にて、紹介しています。
 (一部、加筆訂正をしています)


 霧島温泉 (鹿児島県)、姥子温泉 (神奈川県)、浅間温泉 (長野県)、貝掛温泉 (新潟県) など、全国には眼病に効くといわれる温泉があります。
 泉質は、それぞれ異なりますが、殺菌作用のあるホウ酸やミョウバンが含まれている場合が多いようです。

 群馬県内では浅間隠(あさまかくし)温泉郷の温川(ぬるがわ)温泉 (東吾妻町) が、昔から 「目の湯」 といわれ湯治場として親しまれてきました。
 湯の歴史は古く、江戸中期、安永 (1772~1781) の頃に発見されたと伝わります。


 ある時、村人が家路を急ごうと近道をした草むらで、偶然に湯だまりにカエルの群れを見つけたのが最初といわれています。
 囲炉裏や炊事の煙に悩まされていた村の女たちが、この湯で丹念に目を洗ったところ、たちまち治り、村から村へとその効能が伝わり、「目の湯」 と呼ばれるようになったといいます。

 明治23(1890)年、浅間隠山の大洪水によって一瞬にして埋没してしまいましたが、73年後の昭和38(1963)年に再掘され、幻の薬湯がよみがえりました。


 泉質はナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩温泉。
 1㎏中のメタホウ酸の含有量が78.4㎎と多いのが特徴です。
 ホウ酸は目薬の成分としても知られ、結膜炎やトラホームなど感染症が多かった時代は、洗眼薬としても治療に用いられていました。

 宿から露天風呂へ向かう温川沿いに、源泉を引いた 「洗眼処」 があります。
 医学が進み、抗生物質などの治療薬が普及した現代でも、洗眼のために湯をペットボトルにくんで持ち帰る客が後を絶ちません。


 湯は、ややぬるめで、しばらく浸かっていると、体中に小さな泡の粒が付き出します。
 昔から “病を教える湯” といわれ、体の悪い所には泡が付かないといいます。
 また泡の出る温泉は、骨の髄まで温まるといわれ、湯冷めをしない温泉としても珍重されてきました。

 ※現在、一軒宿は廃業し、露天風呂も閉鎖されています。


 <2014年11月19日付>
   


Posted by 小暮 淳 at 11:31Comments(0)温泉考座

2021年02月23日

「消えた日本一」 の反響


 過日、このブログで 『消えた日本一』 (2021年2月10日付) というタイトルで記事をアップしたところ、大変反響をいただきました。
 「ブログを読んだ」 という方から、「どこだか気になる」 「何が消えたんだ?」 「その日本一を教えてほしい」 という問い合わせが多く寄せられました。

 やっぱ、気になりますよね~!

 直接、問い合わせていただいた方には、あくまでも 「ここだけの話ですよ」 と前置きをした上で、プライベートな世間話として、教えて差し上げました。
 でも、いくら個人的なブログであっても、やはり、この場では申し上げられません。
 倫理的、社会的な側面を考慮しまして、控えさせていただきます。

 「もっいぶって、なんだよ!」
 「だったら、ブログなんかに書くな!」
 という読者の声が聞こえてきそうですが、これだけは “ネット上のモラル” ですからお許しください。


 ただ、ヒントならば差し上げられます。
 謎解きゲームのようですが、これから提示する4つのヒントをキーワードに、検索するなり、図書館で調べるなり、知恵と足を駆使して、答えを導き出してみてください。

 まず、第1のヒントです。
 ① その日本一は、昭和60(1985)年5月に完成しました。
 その後、マスコミが騒ぎ出し、新聞や雑誌などマスコミにもてはやされました。

 第2のヒントは、場所です。
 ② 群馬県西部の町です。
 観光名所としては、大きな庭園と宿場跡が残っています。

 第3のヒントは、本当の “日本一” について。
 ③ 現在、公式に発表されている日本一は、大分県にあります。

 最後のヒントは、なぜ、“日本一” のフェイクニュースが生まれたか?
 ④ 全体ではなく、ある部分だけの大きさならば、現在でも日本一だとされています。


 さあ、以上4つのヒントを参考にして、探してみてください。

 ただし、もし分かっても、このブログのコメント欄に、地名や固有名詞は書き込まないでくださいね。
 (書き込まれた場合、すぐに削除します)

 では、Let's Try!
  


Posted by 小暮 淳 at 12:02Comments(0)謎学の旅

2021年02月22日

なぜか里山


 便利な世の中になりました。

 僕にとって図書館は、仕事をする上で必要不可欠な存在です。
 特にフリーランスになってからは、より頻繁に図書館を利用しています。

 最近は、何でも簡単にネット検索できる時代です。
 僕も簡単な事柄や度忘れした言葉を思い出すときには、検索機能を利用しています。
 でも、仕事となると、そうはいきません。

 「ネットで調べられることは、記事にするな!」
 というのが、雑誌の編集長時代の口グセでしたからね。
 「必ず現場へ行け、現地の人の話を聞け、それでも分からないことがあったら図書館で調べろ!」
 ってね。


 で、その図書館ですが、群馬県内だけでも、あまたとあります。
 県立図書館、市立図書館、さらに公民館の図書室……

 僕の場合、まずは県立と市立を訪ねます。
 希少や貴重な書物は、ほとんどは禁帯出なので、資料室で調べ、必要な個所だけコピーを取っています。
 中には、マニアックな特定の地域のみで発行された郷土史の類いもあり、その場合は、あらかじめ電話を入れ、所蔵を確認した上で、町村の図書館や教育委員会の資料室などへも足を運びます。

 それでも、やっぱり最近は、便利になりました。
 自宅に居ながらネットで、図書館の所蔵や貸し出し状況が確認できるのですから。
 昔に比べたら無駄足が減り、だいぶ効率が良くなりました。


 で、図書館には、僕の著書も置いてあるわけです。
 僕も物書きの端くれですからね、自分の本が貸し出されているかどうか、興味があります。

 まず、「著者名」 で検索してみます。
 図書館によっては、ズラ~ッと10冊以上の書名が出てきます。
 市立図書館などは、本館だけでなく分館 (公民館図書室など) の在庫状況まで表示されます。

 「ほほう、うちの近くの公民館にも置いてあるんだ!」
 なんて、今さらながら気づいて、驚いたりします。


 僕は今までに14冊の著書を出版しています。
 うち温泉本が9冊で、これらがメインで所蔵されている図書館がほとんどです。
 で、検索を続けると、このコロナ禍の影響でしょうか?
 ある法則に気づきました。

 「貸出中」 の文字が一番多く付いていた僕の本って、何だと思いますか?

 これが2011年1月に出版した 『電車とバスで行く ぐんまの里山 てくてく歩き』(上毛新聞社) だったんです!


 この時季、まずキーワードは “里山” でしょうね。
 里山 (低山) は、高山と違い高温になるため真夏の登山には向きません。
 また、夏はヤブが深くなるため、草枯れする冬登山に適しています。
 さらに広葉樹の多い里山は、冬場は葉を落とすため、山頂の眺望が開けるという利点もあります。
 なんといっても平野部に近いので、滅多に積雪がありません。

 そして、今はコロナ禍です。

 3密を避けて、個人で自由に歩き回れる “里山ハイク” が見直されているのかもしれませんね。
 と、著者ながら勝手に推測してみました。

 いずれにせよ、出版から10年経った今でも愛読していただけているようで、うれしい限りであります。
 読者の皆さま、ありがとうござます。

 お気を付けて、里山ハイクをお楽しみください。
   


Posted by 小暮 淳 at 14:34Comments(0)著書関連

2021年02月21日

カメラマンの目


 <さすが、記者のカメラじゃないよなぁ>

 地元紙に記事が掲載された日の午前中、“彼” を知る友人から早々にメールが届きました。
 そう言われて、朝刊を広げると、確かに他の紙面の写真とは、一見して分かる “画力” を放っていました。


 先月末、伊勢崎市の神社で催された 「神社かみしばい」 の記事です。
 当日は、『いせさき宮子の浦島太郎』 という、ご当地民話の初披露がされ、新聞やテレビなどの地元メディアが多数、取材に駆けつけてくれました。
 出典が拙著 『ぐんま謎学の旅 民話と伝説の舞台』(ちいきしんぶん) ということもあり、物語 (文) は僕が書きました。

 で、翌日、某紙に掲載された新聞記事の写真が、他紙に比べ、ダントツのリアリティーをもって、場の雰囲気を伝えていたのであります。
 その写真を撮った “彼” とは、僕の中学~高校時代の同級生です。
 また、紙芝居を口演した、ちんどん芸人も同じ高校の同級生です。


 彼は現在、地元新聞社のカメラマンをしています。
 若い頃は東京へ出て、フリーのカメラマンとして活躍していました。
 結婚と同時に帰郷し、地元の新聞社の写真部に就職しました。

 あれから30余年。
 彼は組織の中であがきながらも、カメラだけは手放しませんでした。
 部署は転々としましたが、それでも 「ここぞ」 という記事では、彼の写真が名入りで掲載されました。


 僕の同級生ですから、すでに彼は一度、定年退職しています。
 でも彼は定年間際に、自ら役職を捨て、「最後はカメラマンとして終わりたい」 と所望し、人生のスタート地点である写真部に戻りました。

 そして定年。
 さらに再雇用となり、現在は若手の育成に尽力しています。


 その彼が、「同級生2人が演じるならば」 と、記者とは別に、わざわざカメラを手に、やって来てくれたのです。

 「悪いね、わざわざ巨匠に来ていただいちゃって(笑)」
 と言えば、
 「相変わらず、お前らはヤンチャだな(笑)」
 と返された。
 高校時代の “3馬鹿トリオ” は、今も健在です。


 そんな彼が撮った写真には、その日のドラマが、すべて映り込んでいます。
 紙芝居を語る演者の姿、それを食い入るように見つめている子どもたち。
 さらに、この場が神社の境内であることが、ひと目で分かるように社殿や灯ろうまでもが、きっちりフレームに納まっています。

 さすが、臨場感があります。
 ともすると、紙芝居のアップ写真だけになり、“開催された” という報告だけになりがちです。
 でも彼の目線は、限られた新聞記事の紙面では表現しきれない細部の描写までも、1枚の写真に収めているのです。

 我が同級生ながら、見事としか言いようがありません。
 まさに、職人技であります。


 つくづく、歳は重ねるものだと知らされました。
 彼を見習い、人の心に届く仕事をしていきたいものです。
   


Posted by 小暮 淳 at 11:48Comments(0)つれづれ

2021年02月20日

コロナに惑う子どもたち


 東京駅八重洲中央口、タクシー乗り場。

 先日、僕は講演会場へ急ぐため、改札口を抜けると、タクシー待ちの列を探して、走りました。
 「えーっと、えーっと、最後尾は……、えっ!」
 タクシー乗り場に、ズラリとタクシーは並んでいるものの、乗車待ちをする客の姿は、まったくありません。
 「ここって、東京駅だよね? 前橋駅じゃないよね?」
 そんな不安を抱えながら、先頭車両へ。

 スーッとドアが開きました。
 「乗っても、いいんですか?」
 「はい、どうぞ」
 「あ……、ビックリしました。お客が並んでないんで」
 そういうと、運転手は、
 「これが現状ですよ」
 と苦笑いをしました。

 まざまざと、コロナ禍の影響を目の当たりにしました。


 コロナ禍では、目に見える影響と見えない影響があります。
 飲食店などには、“時短営業” が余儀なく求められましたが、その代わり補償金が出されています。
 そもそも売り上げの少ない店では、思い切って店を閉めたほうが 「実入りが良い」 などという話も聞きます。

 飲食店に限らず、このコロナ禍では、ほとんどの業種で収入が落ちていることは確かです。
 私たちは今、大変な世の中にいるんだと、つくづく思います。
 でも、それらは、すべて大人の世界の話。

 大人は、経験もあり、知恵もあり、他人に相談することもできます。
 では、子どもたちは?


 先日、ショッキングな統計が発表されました。

 <2020年の全国の小中学生と高校生の自殺者数は、前年比140人 (41.3%) 増の479人 (暫定値) となり、過去最多を更新した。>
 (2021年2月16日付 毎日新聞)

 小学生14人 (前年比8人増)
 中学生136人 (同40人増)
 高校生329人 (同92人増)

 高校生では、特に女子が前年の約2倍の138人と急増しています。


 これについて文部省 (児童生徒課) は、
 「新型コロナウイルスの感染拡大による社会不安が影響した可能性がある」
 とコメントしています。
 でも、なぜ、子どもたちが?

 その問いに、さる大学教授 (生徒指導論) が、こう話しています。
 <子どもの自殺が急増したのは複合的な要因が考えられる。コロナ禍で社会不安が広がり、「新しい生活様式」 によって孤立化も進んだ。長期間の休校とそれに伴う学習の遅れの挽回で、家庭に問題を抱えている子と学校が苦手な子の両方に負荷がかかった。コロナ禍が終息するまでは、これまで以上に自殺リスクが高い状態が続く可能性が高い。>


 大人たちには、なんらかの救済があるのに対して、未成熟な子どもたちに差し伸べる手はないということなのだろうか?
 本来ならば、大人が子どもの異変に気づき、フォローしていたことが、このコロナ禍で大人たちも手いっぱいで、意識が届かなくなってしまったということなのか?

 自粛により家族時間が増えたこと、それ自体が 「地獄だ」 と言った子どもがいました。

 コロナの弊害は、まだまだ続きそうです。
   


Posted by 小暮 淳 at 12:13Comments(0)つれづれ

2021年02月19日

日本一の埴輪県 “ぐんま”


 群馬県立歴史博物館 「友の会」 運営委員からお知らせです。


 まず、「友の会」 会員のみなさんへ

 日頃、当会の事業にご協力いただき、感謝申し上げます。
 現在、「友の会」 では、会員の感染防止対策の観点から本年度事業 (講座や見学会) の中止や繰り延べを決定し、友の会事業を中断しております。
 このことを踏まえ、本年度会員 (令和2年度会費納入者) は、令和3年度の会費を無料といたします。
 なお、令和3年度の新しい会員証は、3月中にお送りいたします。
 ※(すでに令和3年度会費を納入していただいた方には、後日返却いたします)
 何卒、よろしくお願いいたします。


 と、少々堅苦しいあいさつで始まってしまいましたが、ここからは一般の方へのお知らせです。

 群馬県が 「日本一の埴輪県」 と呼ばれていることを、ご存じですか?
 なんと、国の重要文化財に指定されている埴輪の半分以上が、群馬県からの出土品なんですって!
 しかも、国宝第一号の 「武人像埴輪」 も群馬県太田市から出土しました。

 群馬県立歴史博物館では、“日本一” の名にふさわしい多彩な埴輪を収蔵・保管しています。
 今回の展示では、国重要文化財の 「上野塚廻り古墳群出土埴輪」 をはじめとする本県出土の埴輪を一堂に、ご覧いただけます。
 また、東京国立博物館所蔵の群馬の埴輪8点も里帰りし、一挙公開されます。
 ぜひ、この機会に、古墳人たちによって創り出された “すばらしき群馬の埴輪” の躍動感を、ご堪能ください。



         春の特別展示
     「新・すばらしき群馬のはにわ」

 ●会期  2021年2月27日(土)~5月9日(日)
        ※毎週月曜日、3月16日~19日は休館
 ●開館  9時30分~17時 (入館は16時30分まで)
 ●会場  群馬県立歴史博物館 企画展示室
        (群馬県高崎市綿貫町992-1)       
 ●料金  2/27~3/14 一般500円、大高生250円、中学生以下無料
        ※企画展示室のみ開館
        3/20~5/9 一般600円、大高生300円、中学生以下無料
        ※企画展示室、常設展示室とも開館
 ●問合  群馬県立歴史博物館 TEL.027-346-5522
  


Posted by 小暮 淳 at 11:36Comments(0)ライブ・イベント

2021年02月18日

温泉考座 (69) 「美人の湯めぐり」


 以前、「日本三美人湯」 と呼ばれる温泉があることを書きました。
 ※(2020年8月6日、温泉考座16 「4つある三美人湯」 参照)

 龍神温泉 (和歌山県)、湯の川温泉 (島根県)、そして群馬県の川中温泉 (東吾妻町) です。
 3つの温泉の泉質は異なりますが、共通する美肌作用の条件は、弱アルカリ性でナトリウムイオン、カルシウムイオンを含んでいること。
 とりわけ川中温泉はカルシウムイオンが多く、湯上りはベビーパウダーを塗ったようなスベスベ感があると評判です。


 これとは別に 「三大美人温泉」 といわれる泉質の湯があります。
 古い角質をやわらかくする炭酸水素塩泉、高い保湿効果を持つ硫酸塩泉、紫外線から肌を守る作用のある硫黄泉です。
 また水素イオン濃度 (pH) の高いアルカリ性単純温泉は、トロンとしたローションのような浴感があることから 「美人の湯」 と呼ばれ、女性に人気の温泉です。

 ちなみにpH6以上7.5未満を中性泉、それ未満を酸性泉。
 7.5以上8.5未満を弱アルカリ性泉、それ以上をアルカリ性泉といいます。


 群馬県北部、利根川上流に位置するみなかみ町には、なぜか、このアルカリ性泉単純温泉が多く点在しています。
 上の原(うえのはら)温泉はpH9.1という強アルカリ性で、湯上りの肌がツルツル、スベスベになることから 「美肌の湯」 とも 「ツルスベの湯」 とも呼ばれています。

 向山(むこうやま)温泉はpH9.2、保湿効果があり、肌にうるおいを与えることから 「若返りの湯」。
 真沢(さなざわ)温泉は驚異のpH9.6を誇り、化粧品の成分として使用されているメタけい酸を多く含んでいるため、地元では 「美人の湯」 の愛称で親しまれています。

 また 「三大美人温泉」 の1つ、硫酸塩泉が湧く上牧(かみもく)温泉も昔から 「化粧の湯」 と呼ばれてきました。


 みなかみ町に限らず、県内には 「仕上げ湯」 や 「なおし湯」 といわれてきた、肌にやさしい、やわらかい泉質の温泉がたくさんあります。
 寒さが増し、ますます温泉が恋しくなる季節です。
 美肌効果を求めて、“美人の湯めぐり” を楽しんでみてはいかがですか。


 <2014年11月12日付>
  


Posted by 小暮 淳 at 17:22Comments(0)温泉考座

2021年02月17日

東京だヨ おっ母さん


 「うわぁ~、こわいよ~! 倒れて来んかね?」

 もう40年以上も昔のこと。
 オフクロが、東京で暮らしていた僕を訪ねて来たことがありました。
 あまりにも昔過ぎて、なんで、やって来たのか理由は忘れましたが、オフクロを連れて、東京見物をした思い出だけは残っています。

 冒頭のセリフは、新宿へ連れて行ったときのオフクロの第一声でした。
 副都心の高層ビル群を見上げた途端、めまいでも起こしたのか、路上に、うずくまってしまいました。

 あの時、オフクロは、いつくだったのだろうか?
 そう思って計算してみると、ナント! 51歳でした。
 僕の記憶では、もっと年老いていたイメージがあったんですけどね。


 今日、久しぶりに東京へ行って来ました。

 港区・汐留に本社がある某企業が主宰する関東地区特別講演会の講師に選ばれ、群馬県代表として講話をしてきました。
 もちろん、テーマは温泉です。
 でもコロナ禍のご時世ですから、数名の社員とスタッフの前で話し、その様子をビデオカメラで撮影。
 後日、リモート配信されることになりました。


 講演自体は、滞りなくサクサクッと終わり、社員やスタッフらと雑談の後、タクシーに乗り込みました。
 無事、大役を終えた安堵からでしょうか、行きには気にならなかった車窓からの風景を、改めて、まじまじと見入ってしまいました。

 ビルが高い……

 そう思ったとき、死んだオフクロの声が聞こえたのです。

 「倒れて来んかね?」


 あの時、僕は、ビルの谷間にうずくまるオフクロに、なんと声をかけたのだろうか?
 「大丈夫だよ、ちゃんと設計されて、建ってるんだから」
 とでも言ったのかもしれませんね。


 東京駅に着いた僕は、早々に新幹線に乗り込んでしまいました。
 ビル街が消え、まばらな住宅地となり、遠方に山影が見えてくると、ホッとしている自分がいます。

 やっぱり僕は、オフクロの子です。
 田舎もんです。
 なんだか都会が、こわいんです。
   


Posted by 小暮 淳 at 18:24Comments(0)講演・セミナー

2021年02月16日

今年も開催! 老神温泉 びっくりひな飾り


 老神温泉大使から、うれしいお知らせがあります!

 昨年、小松姫の没後400年を記念して大々的に開催された老神温泉 (沼田市) の 「びっくりひな飾り」 が、今年も開催されることになりました。
 このコロナ禍で、各地でイベントが中止になる中、何よりの朗報であります。

 ただし、今年は来場者および運営スタッフの 「三密」 を避け、感染拡大防止のためできうる限りの対策を講じた上で、原点に返り、規模・内容を開催当初に近い形で実施することになりました。
 ※(新型コロナウイルス感染状況によっては、中止または内容が変更されることがあります)


 では、今年の展示内容は?

 ① 利根観光会館ロビー・客席・大蛇みこし展示館内に約7,000体のひな人形を展示
 ② 「小松姫人形」 (沼田市東倉内町飛組保存会所有) 特別展示
 ➂ 小松姫ゆかりの遺品 (正覚寺所蔵) 特別展示

 と、今年も盛りだくさんの内容ですが、きっと、みなさんは、ある疑問を持ったことでしょうね?
 「小松姫とひな飾りは、何の関係があるのか?」 って!


 それは第1回が開催された平成26(2014)年に、埼玉県の鴻巣市から500体のひな人形が寄贈されたことに始まります。
 すでに鴻巣市は、「日本一のピラミッド型ひな壇」 があることで知られていました。
 実は、鴻巣市と沼田市には、意外な共通点があったのです。

 それが、小松姫でした。

 沼田城の初代城主・真田信幸の奥方、小松姫は、元和6(1620)年に鴻巣の地で亡くなりました。
 そして小松姫の遺骸は、鴻巣市と沼田市と上田市 (長野県) の寺に分骨されました。

 ですから、いわば、この 「びっくりひな飾り」 は、小松姫が縁で開催されたイベントなのです。


 今回で第8回目となります。
 まだ見たことのない人は、ぜひ一度、その圧巻なひな壇 (幅18m、高さ3.8m) と、ひな飾り (約7,000体) を間近に感じてください。
 そして歴史ファンには、さらに深く、小松姫を知ることができる特別な出会いの場となることでしょう。



     2021 老神温泉 びっくりひな飾り
  「真田信幸正室 小松姫 (没401年) を偲んで」

 ●期間  2021年2月20日(土)~3月28日(日)
 ●会場  沼田市利根観光会館 (メイン会場)
        および老神温泉参加旅館・南郷曲屋ほか
 ●開館  午前9時30分~午後4時20分
 ●入場  運営協力金 100円
 ●問合  老神温泉観光協会 TEL.0278-56-3013
   


Posted by 小暮 淳 at 18:05Comments(0)大使通信

2021年02月15日

小銭のぬくもり


 以前、このブログに 「無表情の時代」(2020年11月24日付) と題して、スーパーのレジで戸惑う老婆の話を書いたところ、その後、ブログを読んだ方から 「私もそうです」 という声が多く寄せられました。


 続くコロナ禍、世の中は急速に変化しています。
 オンラインやリモート、テレワーク……
 食品や衣料、生活必需品の宅配……
 キャッシュレスにも拍車がかかっています。

 すべては、“非接触で安全” だからです。


 過日、新聞の読者投稿欄に寄せられた21歳のアルバイト男性からのコメントに、目が止まりました。
 こんな書き出しから始まっています。

 <新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、人々と距離を取るソーシャルディスタンスは当たり前になり、さまざまな場所で見られるようになった。>

 その一例として、彼は近所のコンビニに導入された自動精算機に触れています。

 <金銭を介した店員と客の接触は限りなくゼロになった。店員は手間がかからなくなって便利になる。客も非接触で安全。両者ともにメリットのある素晴らしい対策だ。>

 と現状に納得するも、彼は、自分が勤務する百円ショップの業務になぞり、一抹の不安をいだきます。
 それは、いつも店に通って来る幼い子どものこと。
 小さい手で、力いっぱい強く握った “110円” から伝わって来る熱い思いを……。

 そして最後に、こう締めくくっています。

 <あのぬくもりが感じられなくなってしまうドライな時代は、もうすぐそこまで来てしまっているのだろうか。コロナは僕らから日常だけでなく、人のぬくもりまで奪うつもりなのか。>


 かつて、昭和の人々が夢に描いた21世紀の世の中が、現実になりつつあります。
 しかし、皮肉なことに進歩に拍車をかけたのは、コロナという人類の敵でした。

 “小銭から伝わる人のぬくもり”

 どんなに便利な世の中になっても、忘れたくないものです。
  


Posted by 小暮 淳 at 13:29Comments(0)つれづれ

2021年02月14日

ハナシのハナシ


 いつまでも若々しく生きる 「アンチエイジング」 に対して、ありのままに老いを受け入れる生き方を 「ウィズエイジング」 というのだそうです。
 僕は還暦を迎えるにあたり、その数年前から髪を染めることを止め、老いにまかせた生き方をすることにしました。

 結果、大変、楽になりました。
 ありのままの自分をさらけ出す解放感は、残りの人生への指針にもなっています。


 ところが精神的には楽になりましたが、老いにまかせていると、どうしても避けては通れない弊害もあります。
 それは、“肉体の老化” です。

 目や膝が、加齢とともに年々、悲鳴を上げ出しました。

 目は老眼が進み、読み書きの際には眼鏡が手放せません。
 また、ここに来て、突然、膝の関節が痛み出しました。
 日によって痛みは異なりますが、寒い日は、足を引きずる始末です。

 「じいさんになったね」
 と娘に嫌味を言われれば、
 「孫が2人もいるんだ、正真正銘のじいさんだよ」
 と開き直ってしまいます。


 いかん! いか~ん!
 これは 「ウィズエイジング」 ではないぞ!
 老いに寄り添っても、老いを加速させてしまっては、ダメじゃないか!

 と、自分に活を入れて、鼓舞した矢先……

 昨年の暮れに、ポロリと前歯が半分、欠け落ちました。


 幸い、今はコロナ禍です。
 マスクを取って、馬鹿笑いしない限りは、前歯がないことは、他人には分かりません。
 ということで、放っておいたのであります。
 (年内に行なった講演は、マスク着用だったのでセーフ!)

 ところが今月になって、立て続けにテレビと動画の出演依頼が来ました。
 しかも1本は、僕がリポーターとして番組を進行することに……
 ということは、マスクを取って、カメラの前に立つことに……

 それにしても収録までに、時間がありません。
 間に合うのでしょうか?
 いえいえ、躊躇は無用だ!
 とばかりに、脱兎のごとく、歯医者に予約を入れ、その日のうちに診察をしてもらい、「かくかくしかじかの理由でして」 と事情を話すと、先生いわく、「差し歯が入るまで、10日は必要です」。

 「10日……えーと、えーと、ぎりぎりセーフです。お願いします! 最短スピードで!」


 で、なんとか先週末、前歯が入り、今週の収録に間に合いました。

 “歯なし” の “話し” なんて、シャレにもなりませんものね。

 わがままを聞いてくださった先生、ありがとうございました。
   


Posted by 小暮 淳 at 11:28Comments(0)つれづれ