温泉ライター、小暮淳の公式ブログです。雑誌や新聞では書けなかったこぼれ話や講演会、セミナーなどのイベント情報および日常をつれづれなるままに公表しています。
プロフィール
小暮 淳
小暮 淳
こぐれ じゅん



1958年、群馬県前橋市生まれ。

群馬県内のタウン誌、生活情報誌、フリーペーパー等の編集長を経て、現在はフリーライター。

温泉の魅力に取りつかれ、取材を続けながら群馬県内の温泉地をめぐる。特に一軒宿や小さな温泉地を中心に訪ね、新聞や雑誌にエッセーやコラムを執筆中。群馬の温泉のPRを兼ねて、セミナーや講演活動も行っている。

群馬県温泉アドバイザー「フォローアップ研修会」講師(平成19年度)。

長野県温泉協会「研修会」講師(平成20年度)

NHK文化センター前橋教室「野外温泉講座」講師(平成21年度~現在)
NHK-FM前橋放送局「群馬は温泉パラダイス」パーソナリティー(平成23年度)

前橋カルチャーセンター「小暮淳と行く 湯けむり散歩」講師(平成22、24年度)

群馬テレビ「ニュースジャスト6」コメンテーター(平成24年度~27年)
群馬テレビ「ぐんまトリビア図鑑」スーパーバイザー(平成27年度~現在)

NPO法人「湯治乃邑(くに)」代表理事
群馬のブログポータルサイト「グンブロ」顧問
みなかみ温泉大使
中之条町観光大使
老神温泉大使
伊香保温泉大使
四万温泉大使



著書に『ぐんまの源泉一軒宿』 『群馬の小さな温泉』 『あなたにも教えたい 四万温泉』 『みなかみ18湯〔上〕』 『みなかみ18湯〔下〕』 『新ぐんまの源泉一軒宿』 『尾瀬の里湯~老神片品11温泉』 『西上州の薬湯』『金銀名湯 伊香保温泉』 『ぐんまの里山 てくてく歩き』 『上毛カルテ』(以上、上毛新聞社)、『ぐんま謎学の旅~民話と伝説の舞台』(ちいきしんぶん)、『ヨー!サイゴン』(でくの房)、絵本『誕生日の夜』(よろずかわら版)などがある。

2019年02月15日

マロの独白 (46) いじめないで!


 こんにちワン! マロっす。
 ここんちの飼い犬、チワワのオス、12才です。


 先日、リビングで昼寝をしていると、テレビのワイドショーを観ていたご主人様が、突然、大声を上げてオイラを呼んだのです。
 「マロ! 観てみろ! これこれこれ~!!!」
 あわてて飛び起きて、テレビの画面を観ると、女性が犬を散歩をしている映像が流れているだけでした。
 「これが、なんだっていうんですか?」
 とオイラが言い返した、次の瞬間、
 「ああ、あ゛あ゛あ゛あ゛ーーーーー!!!!」

 絶句です!
 何を思ったのか、その女性はいきなり、散歩している白くて大きな犬(ラブラドール) を蹴ったのです。

 「ご、ご、ご主人さま~、こ、こ、これは、いったい、なんですか~?!」
 映像を観る限り、白い犬は何も悪いことをしていないんすよ。
 ただ一緒に散歩をしているだけなんでやんす。
 なのに、なのに、突然……

 「虐待だよ。動物虐待っていうやつだ」
 「虐待って、なんですか?」
 「自分の抑えられなくなった感情を、自分より弱いものにぶつけているんだ。ま、動物だけじゃないけどな」

 オイラ、知っていますよ。
 最近、テレビで観ましたもの。
 親が自分の子どもに暴力をふるって、殺しちゃったという話を。


 「ご主人様、1つ訊いてもいいですか?」
 「なんだい?」
 「なんで人間は、そんなことをするんですか?」
 「なんでするのか? 難しい質問だな。ただ、これだけは言えると思うよ。虐待は、“弱い人間” がやることなんだ」
 「弱い人間ですか?」
 「そう、自分が弱いことを知られたくないから、自分より立場の弱い人や動物に対して、暴言を吐いたり、暴力をふるうんだよ」
 「なるほど、自分を “大きく” “強く” 見せたいんですね」
 「ま、そんなところだと思うよ」

 そこでオイラは、疑問がわいてきました。
 だって、虐待を繰り返す人は、ごく一部の人たちですよね。
 ということは、それ以外の人は、みーんな強い人間なんでしょうか。


 「ご主人様、もう1つだけ訊いてもいいですか?」
 「いいけど、どうしたんだい? 今日のマロは、いつもと違うね」
 「ええ、まあ……。あのー、ご主人様は暴言も吐かないし、暴力もふるわないですよね。それは、ご主人様が強いからですか?」
 すると一瞬、ご主人様は、困った顔をして、「うーん」 と、うなりだしてしまいました。
 やがて、意を決したようにオイラを見つめなおして、
 「あのな、誤解をしないで聞いておくれ。俺だって弱い人間なんだよ。だから若い頃には、暴言を吐いたこともあるし、手を上げたこともある。でも、それでは何も解決しないんだよ。自分が変わらない限りはね」
 「……」
 「おい、マロ! 聞いてんのか?」
 「は、はい。ただオイラには、ちょっと難しすぎて……。でも……、ということは、犬を蹴っていたオバサンは、変われなかった人ということですね」
 「だね。まわりに、注意してくれたり、教えてくれる人がいなかったのかもね。だから、どんどん自分の行為を正当化してしまうんだろうね」


 「最後に、あと1つだけ訊いてもいいですか?」
 「まだあるのかい? 今日のマロは、やっぱりヘンだね」
 「オイラには、ご主人様は弱い人間には見えないんですけど、どこが弱いんですか?」
 「えっ、それを訊くかい?」
 「はい、ぜひ、教えてください」
 「ズバリ、金だよ。金が無いことが俺の最大の弱点だ」

 「ハハハハハ(笑)」
 オイラ、笑っちゃいました。
 ご主人様ったら、本気で弱点だと思っているのかしらん。
 だからオイラ、言ってやりましよ。
 「ご主人様、お金なんか無くても、毎日楽しく生きているじゃありませんか!」
 そしたら、ご主人様ったら、
 「マロ~、お前は、いいヤツだな~」
 て言いながら、オイラを強く強く抱きしめましたとさ。


 全国、いいえ、世界中の飼い主のみなさん、絶対にオイラの仲間をいじめないでください!
 オイラの仲間を怒らせると、しっぺ返しに遭いますよ!! ワン!

  


Posted by 小暮 淳 at 14:45Comments(0)マロの独白

2019年02月13日

どこかで 誰かが⑫ 縁は異なもの


 「やっとお会いすることができました。グリーンドームで講演をなさりましたよね? お話に大変感動しました」


 今日、僕は久しぶりにオヤジを見舞いに、施設を訪ねました。
 ちょうど3時のおやつの時間で、オヤジはベッドで半身を起き上がり、若い介護師の男性に、ゼリー状のお菓子をスプーンで、やしなってもらっていました。

 彼は僕と会うなり、4年前の秋にヤマダグリーンドーム(前橋市) で開催された 「ぐんまリビングフェア」 の話をし出しました。
 「確か、石田純一さんのトークショーの前でしたよね。お名前と介護のお話を聞いて、すぐに小暮さんの息子さんだと分かりました」

 そうなんです。
 そのイベントで、なぜか僕は俳優でタレントの石田純一さんの前座を務めたのでした。
 しかも話のテーマは温泉ではなく、“介護” です。
 演題は 『不孝をすると親は長生きをする』。
 当時、在宅介護をしていた両親の苦労話や笑い話をさせていただきました。
 ※(当ブログの2015年10月15日 「2つのセミナー」 参照)

 「えっ、あの時、会場にいたのですか?」
 「はい、実は家族と石田純一さんを見に行ったんですけどね」
 「でしょうね(笑)」
 「いえ、感動しました。小暮さんの話に! 偶然にも私は小暮さんのご両親を担当していたものですから」


 なんて縁とは、異なものなのでしょうか。
 両親がデイサービスやショートステイでお世話になってる施設の介護師さんが、その両親の介護話をしている僕の講演を聴いていたなんて!
 そして今、僕の目の前で、その介護師さんは、僕と話をしながらも、オヤジに食事をさせてくださっているのです。

 「こちらこそ、両親が大変お世話になっています。いつもありがとうございます」
 そう礼を言って、オヤジを見たとき、ふだんは無表情のオヤジが、かすかに微笑んだように見えました。
 自分のことを話していることが、分かったのかな?

 たぶん気のせいだと思います。
 重度の認知症を患っているオヤジが、分かるわけがないのです。
 でも、なぜか笑ったように見えたのです。


 じいさん、良かったね。
 いい人に介護してもらえて!
   


Posted by 小暮 淳 at 20:58Comments(2)つれづれ

2019年02月12日

ご褒美の行方


 定年退職を迎える友人が、新車を購入しました。
 なんでも、長年勤め上げた自分への “ごほうび” なんだそうです。
 驚いたのは、その金額です。
 600万円!
 ま、価値観は人それぞれですから、その金額が高いのか、安いのかは、一概には申しません。
 が、「車は動けばいい」 と中古車を日々乗り回している僕からしたら、ただただ驚くばかりであります。


 もう、何年も昔のことですが、法要の席で、いとこの男性から、こんな話を聞きました。
 彼は定年退職を機に、新しい趣味を始めることにしました。
 「若い頃さ、カメラが好きだったんだよね」
 と退職金をつぎ込んで、最新のカメラと機材一式をそろえたと言いました。

 それから数年経った法要の席でのこと。
 「そういえば、カメラはどうなりました。撮ってますか?」
 と問えば、意外や意外。返ってきた言葉は、
 「いやね、始めてはみたんだけどさ。何を撮ったらいいのかが分からなくてね」
 結局、2、3回撮影に出かけただけで、趣味は終わってしまったとのことでした。

 時間とお金はあっても、“情熱” は手に入れられなかったということでしょうか?


 はてさて、気になるのは、友人です。
 ピカピカの新車に乗って、どこへ行くのでしょうか?
  


Posted by 小暮 淳 at 11:45Comments(0)つれづれ

2019年02月10日

大使と行く温泉ツアー


 読者のみなさんは、覚えていますか?
 以前、某国立大学のOBによる全国総会が群馬県で開催されることになり、群馬支部より開催地の選択の依頼を受けたという話を?
 ※(当ブログの2017年3月21日 「3つの温泉地の3つの温泉宿」 参照)

 その時、その選択の条件として、4つの難題が出されていました。
 ① 150~200名を収容できる宿であること。
 ② 電車と車の交通の便が良いこと。
 ③ 近くでアウトドアレジャーができること。
 ④ 草津温泉と伊香保温泉を除く(過去に開催しているため)

 以上の条件をクリアし、かつ、3っの温泉地の3つの温泉宿を候補に上げることでした。


 あれから2年の月日が経ち、開催地が決定しました。
 まず僕が当日はナビゲーターを務めるため、現在、温泉大使に任命されている4っの温泉地から選択することになりました。
 その中で、上の条件をすべて満たしている温泉地は?
 ということで、「みなかみ18湯」 に決定しました。

 昨晩は、決定を受け、1泊2日の温泉ツアーの行程会議に出席してきました。
 参加したのは、某国立大学OB会群馬支部の20~50代の部員と僕です。

 当然ですが、「シラフでは、いい意見が出ません」 という暗黙のルールのもと、酒を飲みながらでの会議となりました。
 そこで決まったことは、2日間丸々、僕も行動を共にするということ。
 初日は、全国から集まった150名以上のOBたちを前に、“湯の国ぐんま” の魅力を伝える講演会を開きます。
 その後の懇親会では、みなかみ町観光協会のスタッフと一緒に、余興として歌と踊りを披露することになりました。
 そして翌日は、周辺の秘湯めぐりのツアーに一日同行することになりました。


 これは温泉大使として、責任重大な任務であります。
 全国から集まる方々に、群馬の温泉の魅力を余すことなく伝えられよう、頑張りたいと思います。

 OBのみなさん、群馬の温泉に、いらっしゃ~い! 
 心より、お待ちしております。
  


Posted by 小暮 淳 at 15:22Comments(0)大使通信

2019年02月08日

世界に誇れる 『GUNMA』


 このブログでも、たびたび話題に触れているので読者の方々は、すでにご存知だと思いますが、ユネスコ無形文化遺産に日本の温泉文化の登録を進める動きが、昨年、群馬から沸き起こりました。
 この活動に、微力ながら僕も参加しています。

 ユネスコの活動には、「世界遺産」 「世界の記憶、」 「世界ジオパーク」 「エコパーク(生物保存地域)」 「ラムサール条約」 「無形文化遺産」 の認定・登録があります。
 すでに群馬県内には、このうち5つがあります。
 残るは、無形文化遺産のみです。


 ということで、この日本の温泉文化をユネスコ無形文化遺産に登録を進める動きを追った特別番組が、群馬テレビにて放送されます。
 もちろん、僕も出演しています。
 ぜひ、ご覧ください。



  群馬銀行特番 「世界に誇れる 『GUNMA』」

 ●放送局  群馬テレビ (地デジ3ch)
 ●放送日  2019年2月10日(日) 19:00~20:00  


Posted by 小暮 淳 at 22:54Comments(0)テレビ・ラジオ

2019年02月08日

こんな世の中だから


 高田純次、所ジョージ、柳沢慎吾、勝俣州和

 彼らに共通するのは、“無駄に明るい” こと。
 そして、僕の敬愛するタレントさんです。


 <努力してでも軽く生きる>
 これは僕の座右の銘の一つです。
 作家でタレント、元東京都知事の故・青島幸男氏の言葉です。
 初めて、この言葉を聞いたとき、落雷に打たれたほどの衝撃を受けました。

 だって若い頃、僕は自分の “軽さ” を嫌っていた時期がありましたから。
 どうにか、払拭したかったのです。


 幼稚園でのアダナは、「太陽ちゃん」or 「おてんとうくん」 でした。
 えくぼがあって、いっつもニコニコしていたからです。
 小学校から中学にかけては、その明るさと賑やかさに拍車がかかり、教師からは 「便所の100ワット」 なんて呼ばれていました。
 無駄に明るく、さわがしい存在だったようです。

 高校生になると、これに “いい加減さ” が加わります。
 現実逃避が、はなはだしく、夢想家なことから、友人たちからは 「楽天貴族」 などと揶揄され、からかわれていました。
 本人は、いたって真面目だったんですけどね。
 他人には、お調子者に映っていたようです。


 大人になると、この “軽さ” が、何かと邪魔します。
 一歩間違えれば、“落ち着きのない人” と捉えられ、信憑性に欠ける人格と評価されかねません。
 だから大人っぽく見られるようにヒゲを生やしてみたり、教養が増すように無理して外国語のスクールに通った時期もありました。

 でもダメなんです。
 持って生まれた性格は、大人になってからでは、そうそう直りませんって!


 そんな時に出合ったのが、青島氏の言葉です。
 <努力してでも軽く生きる>
 「これだ!」 と思いました。
 他の努力は苦手でも、この努力ならできるぞ!
 と、一瞬にして、人生が開けた思いがしたものです。

 難しい顔をして、悩んでいるふりをしているより、明るく生きてるほうが楽しいですものね。
 もっともっと、軽~く生きたいと思うようになりました。


 いじめ、虐待、あおり運転、ストーカー etc
 殺伐とした世の中では、それらが自殺や殺人までも招いています。

 だから、もっと軽く生きましょうよ!
   


Posted by 小暮 淳 at 12:16Comments(0)つれづれ

2019年02月06日

元気なシニアに温泉を!


 先月、自己最長記録となる “3時間” の講演を経験しているからでしょうか?
 今日の2時間のセミナーは、あっという間でした。

 僕は、かれこれ10年前から、ライフワークとして 「出張温泉講話」 の活動を行っています。
 依頼主は、企業だったり団体だったり、自治体からだったりさまざまです。
 でも、ここ数年は、公民館主催による高齢者を対象としたセミナーの講師に呼ばれることが多くなりました。
 「熟年講座」 「元気講座」 「長寿教室」 「いきいきセミナー」 など、名称は各公民館によって異なりますが、内容はほぼ同じです。
 地域のお年寄りを元気にするセミナーです。
 で、僕は温泉の上手な利用の仕方や効能などを、わかりやすく説明しています。


 今日の午前中、高崎市内の公民館からの依頼により、シニアのための温泉講座を開いてきました。
 公民館事業の場合、通常は会場も公民館のホールや会議室で行うのですが、今回は違いました。
 同区域内にある 「長寿センター」 の大広間でした。

 長寿センターとは、地域のお年寄りが無料で自由に利用できる施設です。
 しかも高崎市の場合、市内に11ヶ所もあり、すべてに入浴施設(大浴場) が併設されています。
 この利用も無料です。
 だから大人気で、9時半のオープン前から入館待ちをしている人が毎日いるそうです。

 で、その利用資格年齢ですが、聞いてビックリ!
 “60歳以上” ですって!!
 ガッビーーーーーン!!!!
 ぼ、ぼ、僕も利用資格があるということなんです(地域住民ではないので、実際には利用できませんが、年齢だけはクリアしています)。

 入口に貼られている告知が、これまた刺激的です。
 <60歳未満の入館を禁ず>
 す、す、凄過ぎる~!
 ここは、シニアパラダイスなのです。


 そして、セミナーでもシニアパワーが炸裂。
 事前申込の定員を20名も超える大盛況となりました。
 「参りました。当日の駆け込み参加の人が多くて」
 と、職員も大あわてで、足りなくなった資料の増刷コピーに追われていました。

 そんな、うれしい誤算もあり、予定より5分遅れて開講しました。
 対象が60歳以上とはいっても、実際の聴講者の年齢は70~80代の人が大半です。
 まあ、僕からみたら人生の大先輩たちです。
 ということは、残りの人生は僕より短いわけで。
 だったら、教えちゃいましょう!
 “残り少ない人生で、死ぬまでに一度は入りたい温泉” を!!

 とかなんとか、毒蝮三太夫さながらのネタを織り込みながら、楽しい2時間を過ごしてまいりました。

 聴講者の中には、僕の著書を持参してくださった人もいて、終演後には、ミニサイン会をさせていただきました。
 寒い中、大勢の方々に集まっていただき、ありがとうございました。
 また、素敵な会場を用意してくださった職員のみなさん、お疲れさまでした。
 そして、ありがとうございます。


 群馬県内のシニアのみなさん!
 待っていてくださいね。
 今度は、あなたの町へ、“温泉大使” がお邪魔しますよ!
  


Posted by 小暮 淳 at 18:48Comments(2)講演・セミナー

2019年02月04日

高崎観音山温泉 「錦山荘」⑤


 あれから、もう9年も経ったんですね。
 それからは、ただただ介護の日々でした。


 今日は、我が家から2番目に近い温泉地(宿泊施設のある温泉) へ行ってきました。
 1番近い温泉旅館は、先日、ブログに記した大胡温泉(前橋市) です。
 2番目は隣街、高崎市で昭和4年(1929) より商いを続けている老舗旅館 「錦山荘(きんざんそう)」 であります。
 雑誌の取材で行ってきました。

 ここは、僕のお気に入りの温泉の1つです。
 アクセスが良く、そのわりには竹林に囲まれた閑静な地にあり、建物も歴史があり立派で、何よりも眺望が素晴らしい!
 高崎市街はもちろん、遠く前橋市まで望め、さらに裾野を広げる赤城山の全景が見渡せるのです。
 今日も撮影の後、しばし展望風呂のテラスから絶景を満喫してまいりました。


 そして、ここ錦山荘は、僕が生涯忘れることのできない思い出の温泉地となりました。
 9年前、まだオヤジの認知症が軽い頃に、一緒に入った温泉です。
 ※(当ブログの2010年2月25日 「老人と温泉」 参照)

 思えば、あれが親子で入った最後の温泉となってしまいました。
 現在、オヤジは94歳。
 老衰が過度に進み、昨年暮れからは施設のお世話になっています。


 湯に浸かると、あの時、オヤジと2人で眺めた景色が広がります。
 遠くに、かすみ見える赤城山の雄姿に、「キレイだね」 と言ったオヤジの言葉がよみがえります。

 「また来ようね」 と言った僕の言葉が、風に飛ばされて、カラカラと空回りしながら景色の中に消えていきました。
 “ウソをついてしまったね。ごめんね”
 もう、二度と一緒に見ることのない景色です。

 “それでも、一度はオヤジの背中を流してあげられたのだから、まあ、いいか!”
 なんて、めぐる想いの中で、湯を浴んでいました。
  


Posted by 小暮 淳 at 18:53Comments(0)温泉地・旅館

2019年02月03日

おかげさまで9周年


 このブログを開設したのが2010年の2月ですから、丸9年が経ちました。
 今月から10年目に入りました。
 飽きっぽい性格の僕としては、我ながら良く続いていると思います。
 これも、ひとえに読者あっての継続であります。
 この場をお借りして、心より御礼を申し上げます。

 9年間とひと言で言っても、やはり、とてつもなく長い歳月です。
 ざっと数えて、3,200日余りもあります。
 オギャーと産まれた赤ん坊が、この春には小学4年生になる年月です。

 僕、個人で言えば、50代のほとんどの出来事を、このブログに記してきたことになります。
 生意気にも“温泉ライター” と名乗り出したのも、この期間です。
 その間、著書も11冊 (温泉関連9冊、その他2冊) 上梓することができました。
 これらも、読者あってこその産物であります。
 重ねて、お礼を申し上げます。
 ありがとうございます。


 昨年、“還暦” という大台に乗ったからかもしれませんが、これまでの人生を振り返ることが多々あります。
 そして、つくづく人生とは 「稲作」 に似ていると思うのです。

 土壌を耕した10代
 種を蒔いた20代
 苗床を育てた30代
 田植えをした40代
 やっと穂を付けた50代
 そして60代は、いよいよ稲刈り、収穫の時を迎えます。

 はたして、どんなお米が採れるのでしょうか?
 できばえは、いかがでしょうか?
 どんな味がするのでしょうか?


 これからは、そんな収穫された日々の出来事を綴っていこうと思います。
 今後とも、末永く、お付き合いのほど、よろしくお願いいたします。
  


Posted by 小暮 淳 at 20:39Comments(2)執筆余談

2019年02月01日

恋のおまじない


 「ア、キ、ス、ト、ゼ、ネ、コ」

 いつからかは判然としないのですが、何年も前のある日、突然、この呪文のような言葉が脳裏によみがえりました。
 どこかで、聞いたことがあるのです。
 それも、遠い昔の記憶の奥のほうで眠っていたフレーズです。

 「ア、キ、ス、ト、ゼ、ネ、コ」

 なんだっけ?
 女の子が使っていたような……
 でも僕も知っているんだから、男の子もたまには使っていたのかもしれない。
 何かの遊びの時に歌う唄の一節かもしれない……

 ♪ せっせっせーのよいよいよい
 ♪ ずいずいずっころばしごまみそずい
 ♪ おちゃらかおちゃらかおちゃらかほい
 ♪ じゃんけんぽっくりげたひおりげた
 ♪ ゆうびんやさんのおとしもの

 いくつかのなつかしいフレーズが浮かびますが、それらは、どんな遊びかも同時に思い出せます。
 なのに、この呪文のような言葉だけは、何年経っても思い出せませんでした。


 ところが!
 ある日、突然、ひらめいたのです。
 「きっと、何かの頭文字だ!」
 すると、今までのナゾが、するすると解け出しました。

 「ア」=愛してる
 「キ」=嫌い
 「ス」=好き
 「ト」=友だち
 「ゼ」=絶交
 「ネ」=熱愛
 「コ」=恋人

 これは、恋のゆくえを占う “おまじない” だったのです。

 でも、ここから先が、どうしても思い出せません。
 この “おまじない” を、どのように使った遊びだったのか?

 どなたか、知りませんか?

 ま、知ったところで、この歳になって占う相手もいないんですけどね(笑)。
  


Posted by 小暮 淳 at 18:19Comments(2)つれづれ

2019年01月31日

マロの独白 (45) 立ち漕ぎ王子 


 こんにちワン! マロっす!!
 ここんちの飼い犬、チワワのオス、12才です。


 「あけましておめでとうございます」
 なんですね。
 今年、はじめての登場でやんす。
 読者のみなさんは、元気に新年を迎えましたか?

 オイラっすか?
 オイラは、生まれてからこのかた、毎日が日曜日ですから、相も変わらず平々凡々と生きています。
 ま、オイラに仕事があるとすれば、“癒やし” ですからね。
 楽なもんです。
 ご主人様のご機嫌をとっていればいいんですから。
 でもねぇ~。


 「おい、マロ! 散歩に行くぞ!!」
 「……」
 「なんだよ、毎回、グズルなよ。サッサと出かけて、サッサと歩いてくれ。こっちは忙しいんだから」
 「分かりました。行けばいいんでしょう、行けば……」
 「なんだ、その態度は! それが飼い主に対する態度かッ!!」
 「はいはい、行きますよ」
 と、シブシブ散歩に行く、今日この頃です。

 だって、オイラはメキシコ原産の埼玉生まれですからね。
 群馬の冬は、ニガテなんでやんす。
 先日、ご主人様はブログで、「群馬の空っ風は、昔に比べたら弱くなった」 なんて書いてましたけど、いえいえ、十分強いですよ。
 オイラなんて、チビ助だから、散歩の途中で何度、飛ばされそうになったことか……


 「ご主人様、今日も風が強いですね」
 「こんなのは空っ風じゃないぞ。ただの北風だ」
 「えっ、空っ風って、もっとスゴイんですか?」
 「ああ、特に赤城山南面に吹く “赤城おろし” は、ハンパねーぞ!」
 「どのくらいスゴイんでやんすか?」
 「ああ、自転車が進まない」
 「えっ?」
 「だから群馬の人は、みんな立ち漕ぎをする」
 「立ち漕ぎ?」
 「そう、お尻をサドルから離して、立ったまま全体重をペダルに乗せて踏み込む、群馬県民御用達の高度な走法テクニックなんだぞ」

 なんでも、ご主人様は、昔からこの立ち漕ぎが得意で、ちまたでは 「立ち漕ぎ王子」 と呼ばれていたらしいのです。

 「でもさ、最近は立ち漕ぎをしている人を、あまり見かけないんだよな」
 「なぜでしょう?」
 「学生さんは、時々見るけどさ。大人は皆無だな。この間も、北風に向かって立ち漕ぎをしていたら、おばあさんの自転車がスーッと追い抜いて行ったんだ」
 「ええっ、お、お、おばあさんがですか~?!?!?!」
 「そうだ、かなり高齢のおばあさんだ。なんでだか、分かるか?」
 「……、えーと、もしかして、そのおばあさんは、元競輪の選手だったとか?」
 「そんなわけないだろう! 電動アシスト付き自転車だよ」


 たわいのない話ですが、オイラは、文明の利器に頼らずに、懸命に生きているご主人様が大好きでやんす。
 よっ、立ち漕ぎ王子!
 
 ご主人様は、今日も半径5キロ以内なら車を使わず、元気にペダルを漕いでおります。
 オー、ワンダフル!
  


Posted by 小暮 淳 at 12:09Comments(2)マロの独白

2019年01月30日

君と歩いた海岸通り


 地球上では、戦争と暴力犯罪の犠牲者の総計よりも、自殺により亡くなる人のほうが多いんだそうです。
 しかも、この傾向が特に顕著なのが、日本です。

 年間の自殺者は、約2万人。
 殺人による死者は約300人、交通事故死は約4000人。
 ※(2016年のデータより)

 日本の自殺率は世界で6番目に高く、主要7ヶ国で10位以内に入っているのは日本だけです。


 自殺の原因は、人それぞれです。
 病気だったり、借金だったり、失恋だったりもします。
 これは、何かで読んだ受け売りなのですが、自殺の原因は何であれ、自殺する人には、ある共通項があるといいます。

 それは、“友人”の存在です。

 自殺を思いとどまった人の大半は、「友人に救われた」 と言っているのです。
 残念ながら “家族” では、ないんですね。
 ましては、“仕事関係” ではありません。
 いうなれば、“価値観を共有する他人” が、いるか、いないか。
 なんです。

 この話を聞いたとき、変に納得している自分がいました。


 昨日は、2ヶ月に一度、奇数月に開いている 「弟子の会」 の定期交流会でした。
 講演や講座などで知り合い、僕のことを勝手に “先生” とか “師匠” とか呼んでいる人たちが集まり、大好きな温泉談義をしながら、酒を飲み交わすという会です。

 早くも結成してから、3年目を迎えました。
 いつもは飲み屋をハシゴして、飲んだくれているだけですが、今年は結成3周年を記念して、「温泉に泊まってやろう!」 という話で、大いに盛り上がりました。


 一次会は、メンバーが予約を入れておいた焼き鳥屋で軽く酔いをつけ、全員で河岸を替えることに。
 これが、いつものパターン。そして、お約束です。
 二次会は、そう、みなさん、よくご存じの酒処 『H』 であります。

 とにかく、いつ行ってもHは混んでいます。
 入った時には、すでに常連客らがカラオケ大会の真っ最中!
 そのノリのまま、我々 「弟子の会」 も、マイクを回され、大熱唱大会となりました。

 「弟子の会」 のメンバーは、みんな同世代です。
 70年代に青春を過ごした仲間です。
 なぜか昨晩は、「かぐや姫」 や 「風」 時代の伊勢正三作品に集中しました。

 『22才の別れ』 にはじまり、『君と歩いた青春』 『海岸通り』 『あの唄はもう歌わないのですか』 etc ……

 自分の思い出と重ね合わせたのでしょうか?
 歌いながら、涙ぐむ場面もあったりして、なんとも心がポッコリと温かくなったひと時でした。


 で、思ったのです。
 僕は、絶対に自殺をしないなって!
 また、“弟子” たちも絶対にしないって!

 価値観の同じ他人だからこそ、分かり合えることがあるのです。
   


Posted by 小暮 淳 at 12:07Comments(0)酔眼日記

2019年01月28日

空っ風と人情


 今の季節、北陸や東北から群馬を訪れた人と話すと、決まって、こう言われます。
 「よっぽど、群馬のほうが寒いですよ」
 なんでも、雪は一度降ってしまえば、無風の日が多く、体感は、さほど寒くないといいます。

 比べ、群馬は、この時期、名物の “空っ風” が吹きます。
 空っ風とは、シベリア方面から水分を含んだ北西の風が、日本海側で雪を降らせた後、乾燥した冷たい風となって上越国境の山々を越えて関東平野に吹き降ろす風のことです。
 特に、前橋市や伊勢崎市は赤城山のふもとにあり、関東平野の始まりに位置しています。
 そのため 「赤城おろし」 と呼ばれる空っ風界の横綱級の強風が吹き下ろすのです。
 風速1メートごとに体感温度は1度下がるといわれていますから、この風の強さには、雪国の人でも音を上げてしまうということです。


 でも、前橋に生まれ育った僕には、なんだか最近の空っ風は、昔に比べたら弱くなっているように思えるのですが、気のせいでしょうか?
 「昔は、こんなもんじゃなかったよ。自転車がバタバタと、なぎ倒されたもんだ」
 という先輩たちの意見もあり、やはり気だけのせいではなさそうです。

 以前、赤城南面で大凧(おおだこ) を揚げる 「凧の会」 の人たちを取材したことがありました。
 20畳以上もある大凧を制作し、空っ風を利用して飛揚している人たちです。
 その時、代表の方から大変興味ある話を聞きました。

 蔵から、大正時代に作られた大凧が発見されたといいます。
 さっそく、会で組み立てて、飛ばそうと試みたそうですが、重た過ぎて現在の風では、飛ばなかったようです。
 「昔は今よりも、よっぽど風が強かったんだいね」
 そう言って笑った顔が、なんとも印象的でした。


 そういえば、雷も少なくなりました。
 僕の子どもの頃は、夏は毎日決まって、夕立が来ましたもの。
 そして夕立が通り過ぎたあとは、グ~ンと気温が下がり、とてもしのぎやすかったのを覚えています。
 これも地球温暖化の影響なんでしょうか。

 『雷(らい) と空風(からっかぜ) 義理人情』

 ご存じ、「上毛かるた」 の 「ら」 の札です。
 昔から “義理人情にあつい” といわれてきた群馬県人の気質を、気象現象の雷と空っ風にたとえて読み込まれています。


 こちらは、いかがでしょうか?
 雷と空っ風は、めっきり弱くなりましたが、上州気質は、まだ健在なんでしょうか?
 気になるところです。
    


Posted by 小暮 淳 at 12:05Comments(0)つれづれ

2019年01月26日

インフルの壁


 <前橋の特養 5人死亡>
 <前橋の病院 1人死亡>
 そして、「集団感染」 の文字。

 連日、新聞では猛威を振るうインフルエンザのニュースを報じています。
 しかも、身近なエリアで発生しています。
 ご多分に漏れず、我が家にも影響が出始めています。


 僕は、かれこれ3週間以上も両親に会っていません。
 オヤジは昨年暮れから市内の病院に入院しています。
 オフクロも同じ敷地内にある関連のリハビリ施設に入所しています。
 正月に、家族で会いに行ったのが最後です。

 原因は、インフルエンザの流行!
 病室への面会が不可となってしまいました。
 着替えや洗濯物の受け取りは、1階の受付で済ませています。


 先日、長男が写真を持ってきました。
 正月に撮った、孫やひ孫らに囲まれたオフクロの写真です。
 中央で、車イスに乗って、嬉しそうに笑いながら写っています。

 さっそく、写真を見せてあげようと思い、届けに行ったのですが、案の定、病室までは入れませんでした。
 仕方なく、職員に手渡し、会えずじまいで帰って来ました。


 はーるよ、こい。はーやく、こい。

 もう少し暖かくなれば、規制も解除されることでしょう。
 そしたら、また孫、ひ孫らを連れて、元気な顔を見に行こうと思います。

 じいさん、ばあさん!
 それまで、達者で暮らせよ~!!
   


Posted by 小暮 淳 at 13:56Comments(0)つれづれ

2019年01月25日

大胡温泉 「三山の湯 旅館 三山センター」⑫


 我が家から一番近い温泉地(宿泊施設のある温泉) は、どこかというと、
 旧勢多郡大胡町の大胡温泉です。
 平成16年12月、市町村合併により、現在は前橋市となりました。

 それ以前は市内に温泉地はありませんでしたが、この合併により大胡温泉を含む4つの温泉地が前橋市となりました。
 ちなみに、あとの3つは、赤城温泉(旧宮城村)、滝沢温泉(旧粕川村)、赤城高原温泉(旧宮城村) です。


 大胡温泉は、平成7年に突然、誕生した “奇跡の温泉” です。
 それまでは、源泉を保有しない普通の旅館でした。
 ※(温泉誕生までの秘話は、拙著や当ブログの過去記事をお読みください)

 知る人ぞ知る(前橋市民でも知らない人は多い)、住宅地の中の秘湯ですが、僕の読者ならご存じですよね。
 そうです、「3.11 の宿」 です。
 平成23年3月11日、僕はここで東日本大震災に遭いました。
 それから7年間、必ず毎年、この日の午後2時46分を、ここで迎えるようにしています。
 ※(震災当日の様子は、拙著 『新ぐんまの源泉一軒宿』 を参照ください)


 昨晩、車で約30分の我が家から一番近い温泉旅館に泊まってきました。
 取材ではありません。
 テレビのロケでもありません。
 ただの新年会です。

 集まったのは、ふだんから仕事で付き合いのあるフリーランスのクリエイターたちです。
 デザイナー、カメラマン、イラストレーター、ライター、絵本作家、書家、建築家ら総勢14人。
 歳は、下は20代から上は70代まで。
 それはそれは幅広い年齢層の集団なのです。

 でも、我々には、共通項がとても多いのです。
 ① 無から有を生み出すクリエーターであること。
 ② 組織に属さない一匹狼であること。
 ③ でも一人では仕事が成り立たないため、仲間と手を組み、作品を作り上げていること。
 そして、これが一番大切なことなのですが、
 “のん兵衛” であることです。


 「今年もよろしくお願いいたします」
 「カンパーイ!」

 誰もが10年以上の付き合いがある気心知れた “相棒たち” です。
 飲むほどに、酔うほどに、笑いの輪が大きくなっていきます。
 腹の底から笑うって、こういうことなんですね。
 おかしくて、おかしくて、腹の皮がよじれて痛いほどです。

 みーんな、歳を重ねたことなんて忘れています。
 おじさんの着ぐるみを着た少年と、おばさんの着ぐるみを着た少女たちのよう。


 我に、良き友、良き酒、良き温泉あり!
   


Posted by 小暮 淳 at 18:24Comments(0)温泉地・旅館

2019年01月24日

出張講演 <番外編> 赤兎馬と跳ねる


 名古屋→東京→高崎
 新幹線を乗り継いで、約3時間。
 日本が狭くなったのではなく、便利が加速しているのだとつくづく感じました。

 JR高崎駅に降り立った時は、まだ夜の8時前です。
 本来ならば、在来線のりかえ口を通って、両毛線に乗るはずなのですが……
 あっ、と気が付いたら、改札口を出ていました。


 この高揚感は、なんだろう?
 あれ、同じ場所で、同じ感覚を味わった記憶があるぞ!
 えーと、えーと、そうだ! 東京ビッグサイトだよ!!

 2年前、やはり僕は東京で講演会を終えて、夜、高崎駅に降り立ったのでした。
 あの時も、「このままでは終われない」 という高揚感に包まれていました。
 あの時は、東京ビッグサイトというメジャー会場だったこと。
 今回は、本人最長時間である3時間の講演を成し遂げたことへの高揚感だったようです。

 そして今回も、あの時と同じ3つの漢字が、脳裏をグルグルと回りだしていました。
 「赤」 「兎」 「馬」
 そう、幻の芋焼酎 「赤兎馬(せきとば)」 であります。


 高崎には、僕に赤兎馬の魔力 (味) を教えた、悪い (?) マスターのいる居酒屋 『T』 があるのです。
 そういえば、年賀状が届いていたな……。ご丁寧に新年のあいさつメールももらったっけ……。
 なんて考えていたら、店の前まで歩いていました。

 『T』 は、駅前の大通りに面しているものの、イチゲンさんには、かなり入りにくい難関があります。
 雑居ビルの2階、しかも狭く急な階段。
 手すりに、しがみ付くようにして昇った者しか、たどり着けないパラダイスなのです。


 「あれ、小暮さんじゃないですか!」
 変わらぬ個性的な風貌のマスターが、カウンターの奥から顔を出しました。
 「ご無沙汰して、申し訳ありません」
 「もしかして、また講演会の帰りですか?」
 「よく分かりましたね(笑)」

 カウンターに座り、まずは生ビールで喉をうるおして、いよいよ、本腰を入れることに。
 「マスター、赤兎馬!」
 「あいよ、ロックだいね」
 「それと、塩もつ煮」


 これで今宵の主役が揃いました。
 赤兎馬の鼻に抜ける芳醇な香りと、ピリリと舌を刺激したあとの喉ごしの良さ。
 胃に落ちてから、カーッと湧き上がる熱い躍動感。

 これ、これこれこれだーーーーッ!!!!

 自分に甘いだとか、他人になんと言われようが、これが僕流の、頑張った自分へのご褒美なのであります。
 一日に千里走るという伝説の馬に乗って、ポーンと飛び跳ねてみました。
  


Posted by 小暮 淳 at 12:36Comments(0)酔眼日記

2019年01月23日

老神温泉 「伍楼閣」③


 2009年4月に開講したNHK文化センター前橋教室の 「野外温泉講座」。
 早いもので、今年の3月で10周年を迎えます。
 僕は、この講座の講師を務めています。

 全国にあるNHKのカルチャースクールで、温泉講座があるのは前橋教室だけです。
 さすが、日本を代表する “湯の国ぐんま” だと思いませんか!?
 (こんな講座を引き受けるヒマな講師が、他県にはいないだけという声もありますが…)
 理由は何であれ、全国唯一の講座なのであります。
 そして、その講座が廃講されることもなく、こうして10年間も続いている事実!
 やっぱり群馬は、日本を代表する “湯の国” だと思うのです。


 そんな記念すべき10周年を迎える新年第1回目の講座が、昨日開講されました。
 高崎駅と前橋駅から受講生を乗せたバスが向かったのは、群馬県沼田市利根町にある老神温泉です。
 「ろうじん」 では、ありませんよ。
 「おいがみ」 と読みます。
 由来は、日光の神と赤城の神が戦った伝説にあります。
 ※(詳しくは、拙著 『尾瀬の里湯』または 『ぐんま謎学の旅 民話と伝説の舞台』 をお読みください)

 で、たびたび取材をして、本を書いているという縁もあり、僕は老神温泉の 「温泉大使」 を務めています。


 今回、講座でお世話になったお宿は、「伍楼閣(ごろうかく)」 であります。
 「伍楼閣」 といえば、“山紫水明” と名付けられた 「五湯めぐり」 が有名です。
 館内には、混浴露天風呂が2つ、男女別の内風呂が2つ、貸切風呂が1つあります。
 内風呂は時間により入れ替えとなるので、宿泊をすれば、5つの湯すべてを制覇することができます。

 もちろん、僕は何度も取材で訪れているので、すでに 「五湯めぐり」 は制覇してますが、受講生らは、初めての人がほとんどです。
 ということで、まずは一番大きな庭園風露天風呂の 「岩鏡」 へ案内しました。

 野趣に富んだ脱衣所(あずま屋) からして、風情があります。
 3つある湯舟は、上が熱く、下がぬるめになっていて、好みの温度を選べます。

 「どうですか? 最高でしょう?」
 「ええ、気持ちがいいですね」
 「何より、景色が抜群です」
 片品渓谷を望む眺めは、まるで一幅の水墨画のようであります。

 湯は、硫黄温泉とアルカリ性単純温泉の混合泉。
 浴槽により、色も香りも異なります。
 だから何度入っても飽きることがありません。


 温泉って、いいなぁ~!
 群馬って、いいなぁ~!
 湯の国ぐんま、バンザーイ!!

 受講生のみなさん、今年もよろしくお願いいたします。
   


Posted by 小暮 淳 at 14:13Comments(0)温泉地・旅館

2019年01月21日

出張講演 <後編> 昼に舞う


 通常、講演会といえば、1時間半から2時間というのが、お決まりです。
 が、しかし!
 今回は、我が講演人生未曾有の “3時間” であります。

 3時間とは、かなりの長丁場です。
 これは講演というよりは、講義の域! 
 ということで、1時間に1回、休憩を入れさせていただきました。


 聴講の対象者は、三重県内の銀行に勤務する営業マン。
 “知識をお客様との会話に活かす” という研修の一環として、僕が講師に呼ばれました。

 演題は、『温泉はもっと楽しめる』

 1部、温泉とは何か? 温泉地の成り立ちと歴史
 2部、温泉の入り方 宿に着いてから入浴まで
 3部、良い温泉の選び方 湯守のいる宿とその仕事

 いつもは群馬県内の温泉の話をたっぷりするのですが、ここは三重県です。
 群馬県が、どこにあるのかも知らない人たちが対象です。
 (ほとんどの人が、東北地方だと思っています)
 なので、群馬ネタは一切話さず、全編温泉うんちくで通しました。


 さすがに3時間のトークは、疲れます。
 聴いている人は、もっと疲れているだろうと思いきや、さにあらん。
 みなさん、来た時よりも生き生きした感じで、笑顔の人が多かったようです。

 「僕も三重県の温泉、全50ヶ所を回って、本を書いたら、先生みたいになれますか?」
 30代と思われる男性が、講演終了後に声をかけてきました。
 彼は、僕が群馬県内約100ヶ所の温泉地すべてをめぐって本を書いたことが、温泉ライターになるきっかけになったという話に触発されたようです。
 「もちろん、すぐに講演の依頼が飛び込んできますよ」
 と答えると、
 「でも、文章書くのニガテだからなぁ~」
 と言って、周囲の笑いを誘いました。


 「お疲れさまでした。昼食がてら、一杯いかがですか?」
 会場を出ると、この講演を企画してくださった出版社の担当者が、すかさず声をかけてくれました。
 「いいですね。喉がカラカラです」
 「では、とりあえず、名古屋まで出ましょう」

 ということで、近鉄線に乗り、特急で名古屋へ。
 案内されたのは、郷土料理を食べさせる駅前の大きな居酒屋でした。
 まだ午後の1時過ぎだというのに、店内はほぼ満席状態です。

 「大都会は、違いますね。群馬では5時過ぎないと、なかなか酒は飲めませんよ」
 「名古屋は、いつでも大丈夫ですよ(笑)」
 それにしても、活気がある。
 若者のグループから女子会、ビジネスマン、中高年にいたるまで、老若男女でいっぱいです。

 「ありがとうございました。大成功です」
 「こちらこそ、お世話になりました」
 「大変、お疲れさまでした」
 「乾杯!」


 しみる、しみる!
 3時間もの間、酷使した喉は、まるで砂漠状態です。
 あっという間に、ジョッキの生ビールが続けざまに2杯、しみ込んでいきました。

 手羽先、どて味噌煮込み、味噌おでん……
 テーブルの上には、テレビでは見て知っているけど、初めて食べるコテコテの名古屋名物が並びました。
 群馬も焼きまんじゅうに代表される、甘辛の味噌ダレ文化ですからね。
 口には合います。

 当然、締めは、地酒を冷やでいただき、まだ日の高いうちに新幹線に乗りました。


 今回の出張講演で分かったこと、それは、
 「みーんな、温泉が大好きなんだ!」
 てこと。
 これからも温泉大使として、ジャンジャン温泉の魅力を伝えていくぞ~!!!
   


Posted by 小暮 淳 at 12:23Comments(2)講演・セミナー

2019年01月20日

出張講演 <前編> 夜に翔ぶ


 三重県四日市市へ行って来ました。
 昔、社会科の授業で習ったコンビナートの街。
 そして最近では、ゆるキャラグランプリで話題となった 「こにゅうどうくん」 のいる街です。

 何をしに?
 はい、地元の銀行主催による講演会の講師として招かれました。


 講演会は、昨日の午前中だったため、前泊しました。
 夕方、近鉄四日市駅に降り立つと、すごい人の波!
 ここは東京か? 名古屋? と思ってしまうほど、大きくて、にぎやかな街です。
 前橋や高崎と、人口はさほど変わらないのにね。

 ホテルにチェックインを済ませると、はやる気持ちを抑えきれずに、早々に旅装を解いて、いざ、出陣!
 フロントで地図をもらい、おすすめ店にいくつかマルを付けていただきました。

 どうせなら地場のモノを食したい!
 当然、地酒も飲みたい!
 その勘は、見事に的中しました。


 串焼き店のカウンターで、まずは生ビールで喉をうるおす。
 適当に、串物を3~4品注文して、しばらくは講演の下準備に用意しておいた地元のパンプレットに目を通していました。

 「よろしかったら、こんなのもどうぞ!」
 カウンターの中から焼き物の手を止めた、店長らしき男性が、パンフレットをくれました。

 <四日市 とんてき、たべてき。>

 「とんてき?」
 「ええ、ここの名物なんですよ。うちは串で出しています」

 とんてきとは?
 <「四日市とんてき」 は、単なる豚のステーキではなく、分厚い豚肉をにんにくと一緒に濃い目のたれでソテーし、たっぷりのキャベツの千切りをそえた料理です。> パンフレットより


 にんにくの風味と、甘めのたれが、ビールによく合います。
 「おいしいですね」
 「ありがとうございます」
 そんな会話から始まり、気が付けば1時間以上も、あんな話やそんな話を店長と交わしていました。

 生まれも育ちも四日市市だという店長。
 互いの素性を明かしたところで、翌日の予習を行うことに。
 「ところで三重県の人は、温泉というとどこへ行くの?」
 「やっぱり、岐阜へ行ってしまいますかね。下呂など有名な温泉が多いですから」

 なるほど、確かに、三重県=温泉県のイメージはありませんものね。
 榊原温泉、湯の山温泉、長島温泉くらいは聞いたことがありますが……
 でも温泉地の数では約50ヶ所もあり、全国でも22位なんです。
 ま、温泉に頼らなくても、伊勢や志摩など大観光地があるということなんでしょうか。


 締めは、これまた名物だという油揚げをカリカリに焼いて、塩でいただく 「やみつき揚げ」 を肴に、地酒 「宮の雪」 を、キューっと冷やで二合ほどいただき、店を後にしました。

 これで準備は万端!
 あとは、翌日の講演を迎えるだけであります。
 (つづく) 
  


Posted by 小暮 淳 at 11:37Comments(0)講演・セミナー

2019年01月17日

Hの次はAでしょう!


 昨晩、やっと “H初め” を済ませてきました。
 Hとは、読者のみなさん、ご存じの酒処 「H」 のことです。
 (違うことを考えた人、いませんか? エッチではなくエイチですよ)
 早い話が、Hでの今年の “初飲み” であります。


 いゃ~、まだ夕方5時半だというのに、先客がいるではありませんか!
 さすがみなさん、自由業であります。
 今日の仕事は、さっさと切り上げて、バスに乗ってやって来たようであります。

 「おめでとうございます」
 「今年もよろしくお願いします」
 「では、カンパーイ!」


 1時間もすると、次から次へと常連客が集まり、カウンターしかない小さな店内は、早くも満席であります。
 最初のうちは、方々で、雑談を交わしていましたが、あるテーマになると、店内が一丸となって、1つの “謎” を解き出しました。

 それは、「改元」。
 平成の次は、いったい、どんな漢字二字の元号が来るのか?
 暗黙のうちに、明治、大正、昭和、平成の頭文字であるM・T・S・Hは除くというルールのもと、さまざまな漢字が飛び出しました。


 ちなみに、日本でこれまでに使われた元号は247。
 ところが、使われた漢字は意外に少なくて72字だそうです。
 使用回数が一番多いのは 「永」、次は 「元」。
 以下、「天」、「治」、「応」 の順となっています。

 ということで、これらの漢字も除いてみました。
 で、カウンター内アンケートの結果、セレクトされた漢字は!

 まず、「安」 でした。


 「平成はさ、災害が多い時代だったからね。“安らかに” なるように」
 というのが、大方の意見でした。
 ちなみに調べてみると、過去には 「安」 を使った元号は、安和(あんな)、保安、仁安、安元、安貞、弘安、文安、安永、安政など、たくさんあるのです。

 討論の結果、「頭文字は “A” に決めよう!」 ということになり、「安」 の次の漢字一字の絞込みに入りました。
 が、その頃には、みんな酒が回ってしまっていて、ついに最後まで満場一致となる漢字は出て来ませんでした。


 酒処 「H」 で見つけた 「H」(平成) の次に来る元号の頭文字は 「A」 でした。
 そして漢字は、「安」。

 ぜひ、どなたか、次に続く漢字を考えてみてください。
   


Posted by 小暮 淳 at 20:56Comments(2)酔眼日記