温泉ライター、小暮淳の公式ブログです。雑誌や新聞では書けなかったこぼれ話や講演会、セミナーなどのイベント情報および日常をつれづれなるままに公表しています。
プロフィール
小暮 淳
小暮 淳
こぐれ じゅん



1958年、群馬県前橋市生まれ。

群馬県内のタウン誌、生活情報誌、フリーペーパー等の編集長を経て、現在はフリーライター。

温泉の魅力に取りつかれ、取材を続けながら群馬県内の温泉地をめぐる。特に一軒宿や小さな温泉地を中心に訪ね、新聞や雑誌にエッセーやコラムを執筆中。群馬の温泉のPRを兼ねて、セミナーや講演活動も行っている。

群馬県温泉アドバイザー「フォローアップ研修会」講師(平成19年度)。

長野県温泉協会「研修会」講師(平成20年度)

NHK文化センター前橋教室「野外温泉講座」講師(平成21年度~現在)
NHK-FM前橋放送局「群馬は温泉パラダイス」パーソナリティー(平成23年度)

前橋カルチャーセンター「小暮淳と行く 湯けむり散歩」講師(平成22、24年度)

群馬テレビ「ニュースジャスト6」コメンテーター(平成24年度~27年)
群馬テレビ「ぐんまトリビア図鑑」スーパーバイザー(平成27年度~現在)

NPO法人「湯治乃邑(くに)」代表理事
群馬のブログポータルサイト「グンブロ」顧問
みなかみ温泉大使
中之条町観光大使
老神温泉大使
伊香保温泉大使
四万温泉大使



著書に『ぐんまの源泉一軒宿』 『群馬の小さな温泉』 『あなたにも教えたい 四万温泉』 『みなかみ18湯〔上〕』 『みなかみ18湯〔下〕』 『新ぐんまの源泉一軒宿』 『尾瀬の里湯~老神片品11温泉』 『西上州の薬湯』『金銀名湯 伊香保温泉』 『ぐんまの里山 てくてく歩き』 『上毛カルテ』(以上、上毛新聞社)、『ぐんま謎学の旅~民話と伝説の舞台』(ちいきしんぶん)、『ヨー!サイゴン』(でくの房)、絵本『誕生日の夜』(よろずかわら版)などがある。

2018年12月02日

金は出すが口は出さぬ


 “いい湯は料金に反比例する”

 そんなことを以前、ブログに書いた記憶があります。
 講演会などで、「料金の高い宿は、お湯もいいんですか?」 という質問を受けることが多々あるからです。
 ズバリ、宿泊料金と温泉の良し悪しは、無関係です!
 いえいえ、逆かもしれませんね。
 だって、外湯(共同湯) なんて無料なのに、あんなにも新鮮な湯が随時、かけ流されているのですから。


 では、宿へのクレームは、どうでしょう?
 料金の安い宿と高い宿、どちらが多いと思いますか?
 これまた “反比例” なんです。

 以前、同系列の2つの旅館の支配人に、それぞれ話を聞いたことがありました。
 料金の安い大衆旅館では、クレームの嵐だといいます。
 「部屋が汚れている」 「料理の量が少ない」 「サービスがなっていない」 など、挙げたらキリがないほど細かいクレームが日常茶飯とのことでした。

 これに対して、1泊10万円以上する高級旅館では、「ほとんどクレームがない」 とのことでした。
 それだけ料理もサービスも徹底しているからなのかもしれませんが、どうも理由は、それだけではないようです。
 支配人いわく、
 「金持ちは、滅多に文句を言いません」

 思わず、納得してしまいました。
 貧乏人の僕には、到底たどり着けない境地であります。
 懐があたたかいと、心まで広くなるんですね。

 ま、僕の場合、取材で行って、タダで泊めてもらっていますから文句なんて言える立場ではないんですけど。
 それでも時には、「この料理、冷めているけど、どうよ?」 「なんだ! この従業員の態度」 なーんて腹の中では憤慨することがありますもの。
 だもの “安かろう、悪かろう” は承知していても、クレームを言う客の気持ちも分かります。

 でも金持ちは、“金は出すけど、口は出さない” のであります。
 ただ、本音は分かりませんよ。
 口には出さないけれど、態度に出るかもしれません。
 “二度と来ない” という態度に。

 比べ、貧乏人は、散々文句を言っても、しっかり元を取って帰ります。
 そして、またやって来て、常連ぶったりするものです。
 それが、貧乏人の処世術なのであります。


 でもね、一度でいいから仕事ではなくて、自分のお金で高級旅館に泊まってみたいものです。
 きっと家族に、尊敬されるだろうなァ~~~~!!!
  


Posted by 小暮 淳 at 13:37Comments(0)温泉雑話

2018年11月21日

美肌と温泉と空っ風


 今年も最下位でした!
 毎年、化粧品会社が発表している 「ニッポン美肌県グランプリ」 です。
 これで群馬県は、3年連続の最下位です。

 昨年までは、テレビや新聞から取材を受けたんですけどね。
 「全国屈指の温泉県なのに、どうしてなんでしょう?」 的な。
 さすが3年目となると、温泉とのこじつけ取材は来ませんでした。

 だから、あえて大きな声で言います。
 「美肌ランキングと温泉は関係ありません!」


 このグランプリ、上位の県をみれば、理由は一目瞭然です。
 1位は島根県、2位は秋田県、3位は石川県……
 そのあとも日本海側が続きます。
 いわゆる、日照時間が短く、湿気の多い土地です。

 一方、群馬県は日照時間が長く、紫外線を浴びやすく、湿気が少なく、冬には乾燥した “空っ風” が吹き荒れます。
 肌にとっては、劣悪な環境なのです。
 「温泉があるのにね」 と言われても、それ以上の過酷な土地ということです。

 でも、恩恵もあります。
 日照時間が長いということは、農作物の生育には好条件です。
 だから群馬の野菜はうまいんです!
 年間の生産量だって、全国5位以内の品目が20種もあるといいますから、まさに太陽の恵みを十分に活用している県なのです。


 もし、これに温泉の効能が加わったら……

 群馬県は肌には劣悪な土地なのに、美肌県グランプリのランキングは常に上位!
 なーんてことになったら、群馬の “湯力(ゆぢから)” を証明できるんですけどね。

 県民のみなさん、いかがですか?
 もっともっと温泉に入って、美肌ランキングを上げましょう!
  


Posted by 小暮 淳 at 14:10Comments(2)温泉雑話

2018年10月17日

冬はニオイに御用心!


 初めて万座温泉(群馬県嬬恋村) に行ったときのこと。
 さる旅館の内風呂に入って、大変驚いた記憶があります。
 浴室の換気扇が、足下で回っていたのです。
 また、排気窓も天井近くではなく、浴槽脇の床の高さで開いていました。 

 のちに知ったのですが、万座温泉は “硫黄の含有量が日本一” の温泉地だったのです。
 硫黄の含有量が多いということは、それだけ有毒ガスである硫化水素を多量に含んでいるということです。

 ちなみに、よく 「硫黄臭がする」という表現を使いますが、正しくは 「硫化水素臭」 です。
硫黄自体は、無臭です。
 でも、硫化水素臭という言葉は、あまり馴染みがないので、僕もつい分かりやすく表現するために 「硫黄の臭い」 と言ってしまうことがあります。
 そんなとき、テレビなどでは画面の下に、“硫化水素臭” と正しくキャプションを入れてくださいます。
 ま、一般的には 「硫黄臭」 と言ったほうが、温泉のイメージが伝わりやすいですけどね。


 今日の新聞に、こんな記事が載っていました。

 <北海道足寄町の温泉施設の浴室で2013~14年、2人が死亡、1人が意識不明となった事故で、道警は硫化水素中毒が原因とみて50代の施設経営者の男を業務上過失致死傷容疑で近く書類送検する方針を固めた。>
 温泉施設の浴室内で発生した硫化水素による中毒事故で、刑事責任が追及されるのは初めてのことだそうです。

 5年も前の事故ですが、僕は良く覚えています。
 その時も、初めて万座温泉に言ったときのことを思い出しました。

 なんで、あんなところに換気扇が付いていたのか?
 今となれば、当然のこととして理解しています。
 硫化水素は、空気より重いからです。
 よって、浴槽の周りに溜まりやすいのです。
 だから換気扇や換気窓が足下に付いていたです。

 この施設経営者は、そんな基本中の基本をおこたっていたということです。


 また記事には、こんな事実が添えられていました。

 <国は、温泉に含まれる硫化水素を空気に触れさせて濃度を抑えるため、注水口を湯面より上に設置するよう安全対策を定めているが、同施設の注水口は浴槽の底にあり、対策を怠っていた。>

 まさに本末転倒、お粗末な管理です。
 確かに、浴槽の底から温泉を引き入れる給湯法は、湯の鮮度を保つ上では理想的ですが、それは一般の温泉の場合です。
 硫化水素を含む硫黄泉で、空気に触れない給湯法を利用していたとは、やはり管理者としては、お粗末と言わざるをえません。


 これからの季節、浴室は密閉されがちになります。
 温泉の“ニオイ ” には敏感になって、少しでもおかしいと思ったら、施設に告げてくださいね。

 もちろん換気が充分な露天風呂だって、油断は禁物です。
 温度差によるヒートショックが、待ち受けています。

 いずれにせよ、冬は温泉に御用心ですぞ!
   


Posted by 小暮 淳 at 13:02Comments(0)温泉雑話

2018年06月01日

熱き心に湯の花が咲く


 「小暮さん、企画が通りました! 全編、群馬の温泉でいきます。それもゴールデンの放送ですよ!!」
 某テレビ局のディレクターが、興奮気味に電話をかけてきました。

 読者のみなさんは、覚えてらっしゃいますよね。
 先日、わざわざ東京から僕を訪ねてきたテレビのディレクターがいたことを。
 ※(当ブログの2018年5月29日 「どこかで誰かが⑨」 を参照)

 「ついては、また会っていただけませんか? いつでもいいです。小暮さんの都合に合わせます」
 と今週、また彼は東京から、わざわざ前橋まで僕に会いにやって来ました。

 喫茶店のテーブルには、僕の著書が2冊置かれています。
 確か前回会った時は 『新ぐんまの源泉一軒宿』 だけだったのですが、『西上州の薬湯』 が増えています。
 僕が、そのことに気づくと、
 「ええ、昨日、買いました。小暮さんの話を聞いて、冷鉱泉にも興味を持ったものですから」

 そして、前回より、さらにコアでマニアックな質問をしてきました。
 一軒宿のこと、自然湧出のこと、ぬる湯とあつ湯、その効能の違い……
 先週まで、草津温泉と伊香保温泉しか知らなかった “にわか温泉ファン” とは思えないほどの熱量です。
 ひしひしと、彼の番組に対する意気込みが伝わってきます。

 「この後、みなかみ町へ取材に行ってきます。しばらくは群馬県内にいますので、また会ってもらえますか?」
 「もちろん、いつでもどうぞ。全面協力するって言ったでしょう」
 「ありがとうございます。じゃあ、行ってきます。また連絡します」


 昨晩、彼からメールが来ました。
 <先日はありがとうございました。何から何まで頼りっぱなしで恐縮です。今日はO温泉に日帰りで入り、明日はK温泉に宿泊することにしました。>

 ぬる湯の一軒宿を回り出したようです。
 その行動力に、心を打たれました。


 熱い男の心に、湯の花が咲き出したようです。
 どんな番組がになるのか、ますます楽しみになりました。
  


Posted by 小暮 淳 at 11:40Comments(2)温泉雑話

2018年04月20日

K温泉殺人事件


 「K温泉に行ったことがあるんですけど……」

 知り合いの青年(20代) が、話しかけてきました。
 温泉の話をするにしては、なんだか浮かない顔をしています。

 「いい湯だったろ?」
 「それが、途中で帰ってきちゃったんですよ」
 「なんで?」
 「ええ、なんだか怖くなっちゃって」


 数年前のこと。
 彼は彼女と、ドライブに出かけたといいます。
 一度は聞いたことがある秘湯のK温泉を訪ねてみることにしました。
 ところが、国道から山道に入った途端……

 「なんだかヘンな気分になったんです。誰かに見られているような、ずーっと後をつけられているような」
 「それで?」
 「あの道、行き止まりになるでしょ?」
 「だね、そこからは歩くんだよ」
 「ええ、それは知っていたんだけど、その行き止まりに廃墟があって……」
 「君が行ったのは、何年か前のことだね? 今は、もう更地になっているよ」
 「そうなんですか……」
 「で、帰ってきちゃったの?」
 「ええ、廃墟を見た途端、急に頭痛と吐き気までしてきて。こりゃ、ヤバイと思って、引き返しました」

 彼との会話は、これで終わりではありませんでした。

 「小暮さんは、知ってましたか?」
 「何を?」
 「あそこで殺人事件があったこと」
 「もちろん、知っているよ。有名な話だからね。でも、君が生まれる、はるか昔のことだよ」

 彼との会話は、ここで終わりです。
 彼は帰宅後、「あそこは絶対、何かある」 と思い、ネットで検索をして事件を知ったといいます。


 昭和47(1972)年8月に、事件は起こりました。
 K温泉に泊まった20代の女性が、下山途中に、何者かに殺害されました。
 遺体は作業小屋で発見されましたが、刃物でメッタ刺しにされた猟奇殺人だったといいます。

 当時、僕は中学生でしたが、おぼろげに事件のことは覚えています。
 長じて、ライターとして温泉取材で訪れた時に、資料により詳細を知りました。
 そして、この殺人事件は、46年経った現在でも未解決のままです。


 この事件、とても謎が多いため、今でも時々話題に上ることがあります。
 その謎とは……

 ●なぜ、被害者は1人で温泉へ行ったのか?
  最初は、家族や知人と行く予定だったといいます。

 ●なぜ、歩いて山を下りたのか?
  宿の送迎車があるのに、断っています。最寄りの駅までは徒歩2~3時間かかります。

 ●残された写真は誰が撮ったのか?
  所持品のカメラには、下山途中に写された本人の写真が残っていました。
  事件後、警察や報道機関の呼びかけで、「私が撮った」 と名乗り出た男がいたそうですが、のちに実在しない人物であることが判明しました。

 ●なぜ、遺体は移動されたのか?
  殺害現場である作業小屋の中で、犯人が死体を引きずった痕跡があったといいます。

 ●なぜ、メッタ刺しなのか?
  これが最大の謎です。
  通り魔なのか、怨恨なのか?
  凶器は、見つかっていません。


 先日、十数年ぶりに未解決の殺人事件の犯人が、DNA鑑定により逮捕されました。
 一日も早い事件の解決と、犯人逮捕を願っています。

 でないと、彼のように霊感の強い人が、成仏できない霊魂に脅かされて、温泉にたどり着けなくなってしまいますから。
  


Posted by 小暮 淳 at 16:27Comments(2)温泉雑話

2018年03月29日

やっぱ横綱でしょう!


 別に僕の手柄ではありませんが、そして草津温泉の知名度による結果だということも重々承知の上ではありますが、やっぱり、うれしいのであります。

 先日、インターネット接続大手のビッグローブ(東京都) が、同社運営の温泉検索サイトなどで投票を募った 『第10回みんなで選ぶ温泉大賞』 の温泉番付(都道府県ランキング) を発表しました。
 この番付で、群馬県が東日本エリアの最高位となる 「東の横綱」 に選ばれました。
 6年連続です。

 投票は2017年12月から18年2月まで実施され、「これまで訪れた中で良かった温泉地や温泉宿」 「その満足度」 について、検索サイトやアプリの利用者が投票し、2万7750票が集まりました。
 群馬県が 「東の横綱」 に選ばれた要因として、同社は 「人気の温泉地が多く、安定した得票だった」 とコメントしています。
 また、2位の「東の大関」に選ばれた北海道に、約1.6倍の得票差をつけての圧勝だったとのことです。

 ちなみに、東日本ランキングは以下のとおりです。
 横綱=群馬県、大関=北海道、関脇=神奈川県、小結=静岡県
 前頭=長野県、栃木県、宮城県、山形県、秋田県、福島県


 で、当然、「西の横綱」 は大分県と思いきや、これが兵庫県だったのであります。
 大関が大分県、関脇に岐阜県、小結は熊本県でした。
 さっするに、やはり有名温泉地を有している県が、圧倒的に有利だということですね。

 ま、いずれにせよ、群馬県が日本を代表する “おんせん県” であることには違いありません。

 「群馬といえば温泉」 から 「温泉といえば群馬」 へ

 微力ながら僕も、“湯の国ぐんま” を全国へPRしていきたいと思います。
  


Posted by 小暮 淳 at 11:25Comments(0)温泉雑話

2018年02月09日

どこかで 誰かが⑧ 湯中にて


 温泉に入るのが、僕の仕事です。
 ですから、家では風呂に入りません。
 シャワーで体を洗うくらいです。

 でもね、さすがに冬は……
 でも、なかなか家族と入浴時間が合わないのです。
 そのたびに、湯を溜めたり、沸かし直したりするのも不経済です。
 そんなとき僕は、ぷらりと近くの日帰り入浴施設へ出かけます。


 行くなら、平日の一番風呂です。
 湯はキレイだし、なにより、すいていますから。
 で、その日も、かけ湯をしてから内風呂に入り、いったん上がって、体と頭を洗い、締めの露天風呂に浸かっているときでした。

 客は、僕と離れた所に、もう一人。
 そこへ、高齢の男性がやって来ました。
 ウロウロ、ウロウロ……
 なかなか湯舟に入ろうとせず、僕の前を行ったり来たりしています。
 やがて、中央から入ったと思うと、そのままスーッと、こちらに向かってやって来て、僕の隣に沈みました。

 あれ、あれれれれ????
 ヘンだよ、このジイサン。
 こんなに、すいているのに、なんで、わざわざ俺の隣に来るんだよ!?
 も、も、もしかして、あっち系の趣味の人かしらん!
 と、身構えていると、

 「失礼ですが、小暮さんではありませんか?」

 えっ、誰?
 知らないよ、こんなジイサン。
 それとも、俺がド忘れしているだけだろうか?

 「はい、そうですけど……。どちらさまでしょうか?」
 「私は、○×銀行のYと申します」

 ますます分かりません。
 ○×銀行には、そんな名前の知り合いはいないし、年齢的に現役の銀行員とは思えません。
 さらに警戒をしていると……

 「あ、あ、申し訳ありません。初めて、お会いします。えーと、いつも新聞や本で、文章を読ませていただいています」

 なーんだ!
 読者だったんですね。
 あ~、驚いた。


 それから、その人は、僕の文章について、実に詳しく分析した感想を話し出しました。
 やがて、根掘り葉掘りと僕のプライベートにまで質問をするようになりました。
 「今日も取材なのか?」「住まいは、どこなのか?」「年齢は?」

 もうダメです。
 限界です。
 何がって?
 湯あたり御免!
 完全に、のぼせてしまいました。

 「温泉ライターのくせして、長湯が苦手なもので。すみませんが、先に上がらせていただきます」
 「あ、あ……、お引止めして、もーしわけありませんでした」


 ありがたいことではありますが、長湯の湯中話はいけません。
 もう少しで、<温泉ライター 入浴施設で湯あたり> の見出しが新聞に載るところでした。

 それにしても、どこで、誰が見ているか、分からないものですね。
   


Posted by 小暮 淳 at 18:12Comments(0)温泉雑話

2017年12月21日

「もう一度」 と 「一度は」


 今年も、旅行会社などの “旅のプロ” という人たちが選ぶ全国の温泉地ランキング 『にっぽんの温泉100選』 が発表されました。
 1位は今年も草津温泉(群馬県) でした。
 これで15年連続の1位です。

 群馬に草津温泉あり! 絶対王者の風格であります。

 ちなみに2位は下呂温泉(岐阜県)、3位は別府八湯(大分県)、4位は指宿温泉(鹿児島県)、5位は有馬温泉(兵庫県)。
 以下10位までは、道後温泉(愛媛県)、由布院(大分県)、登別温泉(北海道)、黒川温泉(熊本県)、城崎温泉(兵庫県) と続きます。
 他の群馬県勢はというと、15位に伊香保温泉、25位に万座温泉、30位にみなかみ18湯、40位に四万温泉が入っています。
 やはり県内外とも、名の知れた温泉地ばかりですね。
 “旅のプロ” といえども、マスコミへの露出が多い有名温泉地ばかりを選んでしまうのでしょうか?


 もう1つ、最近発表された気になるランキングがあります。
 観光に関する調査研究機関 「じゃらんリサーチセンター」 による 『じゃらん人気温泉地ランキング2018』 です。
 この中の 「もう一度行ってみたい温泉地」 でも3年連続、草津温泉が2位になったということです。

 1位は12年連続で箱根温泉(神奈川県)、3位は別府温泉郷と由布院温泉(共に大分県) です。
 やはり、誰もが知っている温泉地が揃いました。

 誰もが知っているということは、テレビや雑誌などマスコミが取り上げる頻度が高いということです。
 有名=行ったことがある
 だから、もう一度行ってみたい
 となるわけでして、行ったことも、聞いたこともない温泉地はランキングに入ることも、ノミネートされることもないわけです。

 でもね、せめて 「一度は行ってみたい温泉地」 というランキングがあったならば、法師温泉や宝川温泉、霧積温泉といった群馬を代表する秘湯の温泉地も上位に名前を出すのではないでしょうかね。


 群馬県内だけでも約100の温泉地があり、全国では3,000ヶ所もあるのですから、そのほとんどは知られていない温泉地ばかりということになります。
 1つでも多くの温泉地を知ってもらい、行ってみて、「もう一度行ってみたい」 と思ってもらえるよう、これからも地道な普及活動を続けていきたいと思います。
   


Posted by 小暮 淳 at 19:03Comments(3)温泉雑話

2017年12月18日

温泉県なのに


 「なんで最下位なんでしょうか?」
 先日の講演会後、質疑応答の場で出た質問です。

 「小暮さんの力で、なんとかしてくださいよ」
 直々に、県内の温泉関係者から電話がありました。

 なんのことかと言えば、先月発表された 『ニッポン美肌県グランプリ』 のことです。
 相変わらず群馬県が、最下位なのです。
 ※(詳しくは、当ブログの2017年11月10日「温泉で美しくなれ!」を参照)


 考えられる理由としては、日照時間が長く、湿気と気温が低く、空気が乾燥している風土であること。
 さらに冬になると 「空っ風」 と呼ばれる強い北風が吹き荒れます。
 肌にとっては、劣悪な環境ということになります。

 ここまでは納得なのですが、1つだけ疑問が残ります。
 47都道府県中、47位は群馬県ですが、なんと! 46位が大分県なのであります。
 そう、どちらも全国屈指の “温泉県” です。

 なぜだ?

 大分県も、群馬同様、劣悪な風土なのでしょうか?
 でも九州ですからね。
 温暖で、雨も多くて湿気があり、肌の環境には大変よろしいように思われるのですけどね。
 しかも、温泉があります!


 で、僕は前述の質問に、なんと答えたかというと、
 「灯台もと暗しで、群馬県民は温泉が身近にあり過ぎて、ありがたみを感じていないのではないか」 と……。

 でも、うがった見方をすると、「温泉に入り過ぎているから」 という答えもありそうです。
 入り過ぎて、肌の脂分と水分を持っていかれてしまったのではないか?(笑)
 強アルカリ性泉の場合、無きにしもあらず、です。

 それにしても、日本を代表する温泉県2つが下位というのも、不思議な話であります。

 なんとかしたいところですが、なんとも理由が分かりません。
 知っている方がいらしたら、ぜひ、お教えください。
  


Posted by 小暮 淳 at 12:02Comments(3)温泉雑話

2017年11月15日

温泉が足りないんじゃないの?


 「芸術は爆発だ!」
 と言ったのは、岡本太郎氏ですが、なんだか最近は、“感情が爆発” する事件や事故が多いですね。

 高速道路でカッとなって、追い回して、進路妨害して、難癖つけるとか。
 仕事にストレスを感じていたからと、母親を乗せたまま車で商店街を暴走したりとか。
 と思えば、タクシーの中では、酒に酔った弁護士が暴れて、金を払わずに逃走しました。

 いったい、何が、そんなに、気に食わないのですか?
 何が、そんなに、プライドを気づけたのでしょうか?
 きっと、大した事ではないんでしょうね。

 たぶん、我慢の沸点が低いのだと思います。 
 いわゆる、“キレやすい” のです。


 タクシーの件でいえば、この状態を 「仮想的優越感」 というのだそうです。

 “俺は客だ” “今、俺は金を払って、お前を雇っているのだ”
 という 「一時的雇用関係」 が 「支配欲」 を招き、それに従わなかったことにより、“感情が爆発” して暴力に走るようです。
 でも、この弁護士は、結局、金を払ってないのだから “雇用関係” は成立していないんですけどね。


 これは温泉ライター的、極端なこじつけ論ですが、現代人がキレやすくなったのは、“本物の温泉” に入らなくなったからじゃないですかね。
 あくまでも “本物の温泉” ですよ。

 戦前から商いを続けている老舗旅館に取材に行くと、ご主人や女将さんから決まって同じ言葉が返ってきます。
 「お客が変わった」 と。
 昔の客は 「泊めていただく」、今の客は 「泊まってやる」 なのだそうです。
 温泉に対しても、同じだといいます。
 “湯が神様” だったころは、湯は 「いただくもの」 だったといいます。
 ところが今は、「湯が熱い」 だの 「ぬるい」 だの、「露天風呂がない」 だの 「貸切風呂がない」 だの、不平不満ばかりです。
 いつしか“客が神様” になってしまったんですね。

さる秘湯の宿のご主人は言いました。
 「今の時代、温泉なんて珍しいもんじゃないからね。大都会の真ん中でも入れるんだもの、あって当たり前。温泉の良し悪しなんて、誰も気にしない。だもの感謝なんて気持ちは、生まれないんだよ」


 やっぱ、“感謝の気持ち” なんですよ!
 “あることが当たり前” になると、人は我慢の沸点が低くなってしまうのかもしれません。
 便利になればなるほど、人の感情は、爆発しなやすくなるようです。

 現代人のみなさん、本物の温泉に入って、我慢の沸点を上げましょうね。
  


Posted by 小暮 淳 at 13:14Comments(2)温泉雑話

2017年11月10日

温泉で美しくなれ!


 ちょうど去年の今頃でした。
 某テレビ局からコメントの取材を受けました。

 「群馬県には、いい温泉がたくさんあるのに、どうして美肌ランキングで最下位なんでしょうか?」

 “美肌ランキング” とは、毎年この時期に某化粧品会社が行っている 『ニッポン美肌県グランプリ』 のことです。
 全国の店舗で20~100歳の顧客から集めた肌データを分析しているようです。
 「毛穴が目立たない」 「キメが整っている」 「シワができにくい」 などの項目から偏差値を出して、都道府県別のランキングを発表しています。

 先日、今年のランキングが発表されました。
 1位は富山県、2位は石川県、3位は秋田県です。
 日本海側の北陸、東北エリアが上位を占めています。

 で、最下位は……、今年も群馬県でした!(残念)

 同社の分析によれば、最下位の理由は、
 「水蒸気密度と気温が低く、日照時間が長い。秋冬には乾燥する風が強く吹き、肌にとって大変厳しい環境」
 とのことです。
 いわゆる、空っ風に吹かれて、紫外線にさらされやすい“過酷な環境” ということです。


 でも、群馬には温泉があるじゃないか!

 そうです、だからテレビ局の人は、不思議がっているのです。
 「群馬の人は、温泉に入らないのですか?」 って。
 だから僕は、こう答えました。
 「灯台もと暗し、宝の持ちぐされ、なんでしょうね。身近に温泉があり過ぎて、ありがたみを感じていないのかもしれませんね」 と。

 ああ、もったいない、もったいない。
 群馬には、“美肌の湯” “美人の湯” といわれる温泉が、たくさんあるのにね。


 ちなみに 「三大美人泉質」 と呼ばれる温泉がありますが、県内にはすべてあります。

 炭酸水素塩泉は、石けんのように肌の汚れを落とし、肌表面の古い角質を取り除く作用があります。
 ※鹿沢温泉(嬬恋村)、赤城温泉(前橋市)、滝沢温泉(前橋市) など

 硫酸塩泉は、保湿力に優れ、化粧水のような仕上がり効果があります。
 ※伊香保温泉(渋川市)、四万温泉(中之条町)、沢渡温泉(中之条町)、上牧温泉(みなかみ町)、川中温泉(東吾妻町) など

 硫黄泉は、紫外線を防ぎ、シミの原因であるメラニンの排出を助ける効果があります。
 ※草津温泉(草津町)、万座温泉(嬬恋村)、老神温泉(沼田市)、尾瀬戸倉温泉(片品村)、高原千葉村温泉(みなかみ町) など

 ほかにもアルカリ性や弱アルカリ性の単純温泉なども、美肌の湯といわれます。


 さあ、群馬の女性のみなさん!
 このままでは “湯の国ぐんま” の名が泣きますぞ!
 来年こそは、汚名を返上いたしましょう!

 温泉で、美しくなれ!
 目指せ、湯上がり美人!!

   


Posted by 小暮 淳 at 12:51Comments(2)温泉雑話

2017年11月02日

好評につき 第2弾発売!


 2016年4月に発売された 『ぐんまの源泉パスポート』(上毛新聞社)。
 おかげさまで発売後、すぐに増刷となり、すでに1万部を販売しています。

 ところが、利用できる入浴割引クーポン券の期限が、2017年12月末と迫っています。
 そこで好評につき、急きょ第2弾が明日、緊急発売されることになりました。

 『ぐんまの源泉パスポート 2018-19年版』(定価 800円+税) です。


 今回もクーポン券が20枚ついています。
 大人のみ1回、1枚100円引きで利用できます。
 ということは、8回利用すれば、本代はタダになるということです。

 しかも! 利用する入浴施設の指定がありませんから、お気に入りの温泉で、何回でも利用ができます。
 なかには “2枚利用” “3枚利用” が可能な施設もあるんですよ。
 これは、お得です!


 前回は真っ赤な表紙のパスポートでしたが、今回はホワイトです。
 書店、コンビニ、入浴施設(一部旅館でも利用できます) で見かけたら、ぜひ一度、手に取ってみてください。
 いえいえ、見ているだけでは得になりませんので、お買い上げくださいね。

 ※本書には群馬県内の96温泉157施設が掲載されています。
   


Posted by 小暮 淳 at 12:11Comments(0)温泉雑話

2017年10月29日

『d design travel 群馬』 11月2日全国発売!


 読者のみなさんは、覚えているでしょうか?
 以前、僕が東京の出版社から取材を受けた話を。
 わざわざ前橋くんだりまで編集者とライターと、編集長までが直々に取材に来てくださった話です。
 ※(2017年9月3日「される側の心理②」参照)

 その本が、『d design travel 群馬』(発行/D&DEPARTMENT PROJECT) です。
 とにかく、コンセプトが凄い!

 <編集部が現地で2ヶ月、暮らすように滞在して、実際の体験から選んだ場所やものごと、そして人々。その土地のロングライフデザインを掘り下げるガイドブックです。>

 こんなガイドブック、見たことありませんって!
 47都道府県の “その土地らしさ” を探すために、編集者自らが滞在して、取材して、原稿を書いてるなんて!
 僕も、元編集者のはしくれですからね。
 この本の存在を知ったときは、オドロキ、モモノキ、サンショノキ状態でした。

 いや、驚いた。
 そして、嫉妬しました。


 本書では、群馬県を大きく6つのカテゴリーに分けています。
 「観光」 「食事」 「買物」 「喫茶」 「宿泊」 「人物」 です。
 で、その 「人物」 として、僕が登場します。

 昨晩は、出版記念パーティーが富岡市の 「富岡倉庫(おかって市場)」 で開催され、大勢の関係者が集まりました。
 僕も取材された側としてゲスト出演し、ステージで取材秘話のトークに加わってきました。


 いよいよ今週、全国発売されます。
 ぜひ一度、手にとってご覧ください。
 群馬の素晴らしさに、気づかされるはずです。

 『d design travel 群馬』 本体 1,900円+税
   


Posted by 小暮 淳 at 10:09Comments(0)温泉雑話

2017年08月03日

今日の日経新聞


 北関東のみなさん、こんにちは!
 自称 “群馬の温泉大使” です。

 てね、10年以上も前から 「自称」 で名乗っていたんです。
 なんでも、言葉に出して言ってみるものですね。
 言葉には、言霊(ことだま) が宿るといいます。
 くり返し、くり返し言い続けると、いつしか 「自称」 は 「他称」 に変わるんですね。


 今日の日本経済新聞の北関東版に、僕の記事が載りました。

 <群馬の温泉大使、魅力発信>

 おおおーーーッ!
 新聞の見出しに “群馬の温泉大使” の文字が躍っているではありませんか!
 記事では、このように書かれています。

 <4カ所の温泉大使を兼ねる小暮さんだが、気持ちはあくまでも「群馬の温泉大使」。>

 いいんです。
 気持ちがあれば、やがて夢は現実になるのです。


 半月ほど前のこと、日本経済新聞社の前橋支局長より直々に電話がありました。
 「話を聞かせてほしい」 と……。

 その後、お会いして、なぜ温泉ライターになったのか? からはじまり、延々と2時間におよぶインタビューを受けました。
 そして掲載されたのが、今日の 「人物ファイル」 という記事です。

 さすが、支局長の文章は、冴えています。
 同じ文筆業を営むものとして、惚れ惚れとしながら読ませていただきました。

 <温泉ライターの小暮淳さんはいつも数枚の名刺を持ち歩いている。自分のオフィスの住所が入ったものの他に、群馬県内各地から委嘱された「温泉大使」としての名刺だ。>

 記事は、こんな書き出しから始まります。


 ぜひ、ご一読ください。
   


Posted by 小暮 淳 at 09:36Comments(2)温泉雑話

2017年06月24日

なぜか今、オンパラなのだ!


 ♪ あの娘の魅力に 水上(皆カミング)
   俺にぁ高嶺の 花敷(はなしき) よ
   無理を承知で 老(追い)神すれば
   私ゃ人妻 猿(去る)ヶ京
   GOGO温泉パラダイス YUYU湯の国ぐんま県
   GOGO温泉パラダイス YUYU湯の国ぐんま県


 これは僕が10年以上前に作った群馬の応援ソング 『GO!GO!温泉パラダイス』(通称:オンパラ) の1番の歌詞です。
 6番まであり、群馬県内の27の温泉地名が盛り込まれています。

 ふだんはバンドのライブや講演会などで歌っているのですが、過去には緑化フェアや観光活性化フォーラムなど県のイベントに呼ばれて、歌ったり踊ったりしたこともありました。

 そうなんです!
 この歌には、振り付けがあるんです。
 ドドンパのリズムに乗せて、盆踊りのように輪になって踊れるんです。
 ※(CDのほか、踊りのDVDなんかも作っちゃいました!) 


 でもね、ここんところ、バンドのライブと講演会の最後にカラオケで歌うぐらいしか出番がなかったのですよ。
 そ、そ、そしたらーーーー!!!
 ぬぁ、ぬぁ、ぬぁんと、東京で踊られていました!

 すでに新聞記事等で、ご存知の人もいるかと思いますが、先日(20日)、都内のホテルで 「ググッとぐんまプレゼンテーションin東京」 というイベントが開催されました。
 この会場で、県内の温泉地の女将さんたちが、僕の歌(CD) に合わせて踊ったそうです。
 
 翌21日の上毛新聞には、女将さんたちがステージで踊る写真が大きく載りました。 
 で、よーく見てみると、女将さんたちの後ろのスクリーンには、何やら文字が……
 そうなんです、オンパらの歌詞が映し出されているではありませんか!

 関係者の話によると、県のマスコットキャラクターの 「ぐんまちゃん」 や 「おいでちゃん」(水上温泉のキャラ) も一緒に踊ったそうです。
 いゃ~、その場で見たかったですね。
 いや、踊りたかった~!


 会場では大沢正明知事が、「オール群馬の態勢でおもてなしする」 とコメント。
 また昨日の毎日新聞と読売新聞には、県は「『温泉といえば群馬』のイメージが定着するよう、PRを行いたい」 との記事が載ってました。

 でしょ、でしょ!
 「オール群馬」 も 「温泉といえば群馬」 も、僕が10年も前から講演やセミナーなどのイベントで言い続けている言葉じゃないですか!
 やっと分かって、くださったんですね。

 そして 「オンパラ」 の東京進出!
 もしかすると、もしかして、何かが来ているかもしれませんぞ~!!!
    


Posted by 小暮 淳 at 12:14Comments(2)温泉雑話

2017年05月21日

本妻と愛人


 「えっ、それじぁ~、愛人と暮らしているんですか!?」


 先日の出版記念祝賀会の宴席でのことです。
 僕は各テーブルを回り、来賓の方たちに酌をしていました。

 「会長は、何をお飲みですか?」
 「ウーロン茶」
 「ウーロン茶? 冗談でしょう?」

 某会長のOさんとは、長い付き合いになります。
 業界では有名な酒好き、酒豪で通っている人物であります。

 「そんな会長は、初めてですよ。なんでですか?」
 「……うん、……クルマで来ちゃったから……」
 「だったら泊まればいいじゃないですか!」
 「……う~ん、明日、早いんだよなぁ~……」

 これ以上、無理じいはできません。
 「残念です。今夜は会長とトコトン飲めると思ったんですけど」
 とかなんとか言って、場を去ろうとした時です。
 ポツリと小さな声が聞こえてきました。

 「飲んじゃおうかな……」

 「えっ、今、なんて、おっしゃいましたか?」
 「お祝いの席だものね。やっぱり、飲みましょう!」
 ということで、まわりの来賓客たちにも勧められ、Oさんは、いきなりコップで冷酒を飲み出しました。


 「小暮さんはさ、こんだけ温泉をめぐっていると、温泉と結婚したようなものですね」
 とは、同席していた某観光関係者。
 「ですね。さしずめ温泉が本妻で、酒が愛人ってとこですか!」
 そう言って、座の笑いをとったのであります。

 するとOさん、いわく、
 「俺は、完全に酒と結婚しちゃったな」
 これまた爆笑であります。

 だから僕は、すかさず、こう言ってやりました。
 「ていうことは、愛人宅で暮らしてるっていうことですね!」
 何を隠そうOさんは、有名温泉旅館のご主人なのです。


 僕は、温泉が本妻で、酒が愛人。
 Oさんは、酒が本妻で、温泉が愛人。

 さて、どちらが世の男性にとって、うらやましい存在なのでしょうか?

 その答えを探しにOさんと僕は、宴のあと2次会と称し、伊香保の温泉街へと繰り出したのであります。
  


Posted by 小暮 淳 at 14:01Comments(2)温泉雑話

2017年03月21日

3つの温泉地の3つの温泉宿


 先日、某国立大学のOBという方々とお会いしました。
 なんでも群馬で同窓会が開催されるので、いい温泉を紹介してほしいとのことでした。
 だったらお安い御用です!
 と二つ返事でお受けして、指定されたお店に出かけて行ったのであります。

 集まったのは群馬支部の30~50代の男性5人。
 なかには温泉大好きファンもいたりして、それはそれは楽しい宴の席となりました。
 でも……、これはただの飲み会ではありません。
 全国からやって来る人たちに、自慢できる群馬の温泉を選出する重大な会議なのです。
 ところが話を聞いて、ビックリ!
 かなりの難題だったのであります。


 条件その① 150~200名を収容できる温泉宿であること。
 条件その② 電車と車の交通の便が良いこと。
 条件その③ 近くでアウトドアレジャーが楽しめること。
 条件その④ 草津温泉と伊香保温泉を除く(過去に開催したため)

 ん~、いかがですか?
 かなり難易度の高い条件だと思いませんか?
 草津と伊香保という群馬の2大温泉地が使えないとなると、駒は限られてきます。
 さらに条件は加わります。

 「申し訳ありませんが、小暮さんのおすすめの温泉宿を3つ挙げてもらえませんでしょうか?」
 「み、み、みっつ~!!! しかも異なる温泉地で3つの宿ですか~!」

 でも、そこは群馬を代表する温泉ライターですからね。
 頭の中にある、ありとあらやる引き出しから情報をかき集めて、なんとか3つの温泉地から条件を満たす宿を選出しました。
 とりあえず群馬支部のOBの方々も納得されたようなので、めでたし、めでたし。

 これで全国から群馬の温泉に来てくださるのなら、やっぱりお安い御用なのであります!
   


Posted by 小暮 淳 at 13:42Comments(2)温泉雑話

2017年03月13日

まだ見ぬ読者へ


 一夜明けた昨日、大胡温泉 「旅館 三山センター」 の女将さんから電話がありました。

 「小暮さんが帰ったすぐあとにね、『小暮さんは来てますか?』 って、男性が訪ねて来ましたよ」
 「男性? 僕の知り合いですか?」
 「面識はないって言ってたから、小暮さんの読者みたい。昨日(3月11日)、小暮さんがうちに来ることを知っているんだから熱烈なファンよ、きっと」

 一昨日、僕は午後2時46分の黙とうを終えると、早々に帰ってしまったのです。
 その直後のことだったといいます。

 「今までいたのよって言ったら、とても残念がってました」
 「僕もお会いしたかったです」
 「そうそう、その人ね、去年も来たんですって!」
 「えっ、去年もですか!?」
 「そう、やっぱり来たのが遅くて、小暮さんには会えなかったみたい」


 別に僕が気にすることではないのでしょうが、なんだか昨日からモヤモヤしていたのです。
 もう少し油を売っていたら、会えたのに……。
 2年越しで会いに来てくれたのに今年も会えなかったなんて……。
 申し訳ないなぁ~って。

 でも、うれしいですね。
 そうやって読者の方が訪ねて来てくれるのって。
 そんな温泉宿がいっぱい増えて、たくさんの人が群馬の温泉に来てくれたら、“消えゆく温泉”を1軒でも多く救えるのに、なんて考えてしまいました。


 まだ見ぬ読者さんへ
 来年は、黙とう前にいらしてくださいね。
 湯に浸かりながら温泉談義をいたしましょう!
   


Posted by 小暮 淳 at 12:11Comments(4)温泉雑話

2017年01月31日

湯神様に感謝!


 講演やセミナー、講座などで、受講生からされる質問で多いのは?
 ズバリ、「一番いい温泉を教えてください」 です。

 そんな時、僕は、こう返します。
 「いい温泉って、なんですか? いい温泉は、人それぞれです。自分が好きな温泉が、一番いい温泉ですよ」 と。
 たとえ話として、ラーメンを挙げます。
 「しょう油にみそ、塩、とんこつのスープ。細麺、太麺、ちぢれ麺……。麺の硬さも、好みがあります。温泉も同じです」 と。

 ただ、美味しいラーメン屋には、共通点があります。
 それは、作りたてが出されること!
 温泉も、しかり。
 湧きたてが、一番 “美味” なのであります。
 泉質は、人によっての好みですね。


 時には、イジワルな質問を受けることがあります。
 「平成以降に湧いた日帰り温泉の湯と、何百年という歴史のある温泉地の湯は、何が違うんですか?」
 さーて、困りました。
 たぶん、泉質や効能の違いを訊いているんだと思いますが、僕は学者ではないので詳しいことは言えません。

 こんなとき、“文化” と “文明” の話をします。
 文化は、人が時をかけて育んできたもの。
 文明は、人がより便利な生活をするために作り上げてきたもの。

 歴史ある温泉地の湯は、文化です。
 人々が湯守の心を受け継ぎ、何百年と守り続けてきました。
 対する平成以降に登場した温泉は、地下1,000m以上の大深度掘削という技術により開拓した未知の領域から湧いた湯です。
 いわば、便利を追求した文明の湯です。

 では、その違いは?


 神様がいるか、いないかではないでしょうか?


 その昔、「温泉へ行く」 と言えば、それは 「湯治に行く」 ことでした。
 そして、湯は 「入るもの」 ではなく、「いただくもの」 だったのです。
 そこには、温泉に対する人々の畏敬の念と感謝の気持ちがありました。

 では、どうでしょうか?
 絶対に温泉は出ないといわれた平野部に、1,000m以上の穴を開けて汲み出した温泉に、我々は手を合わせて 「いただいて」 いるでしょうか?
 そもそも神様が祀られていないのですから、仕方がありませんよね。

 僕は、こう思います。
 1,000mを超えた地中は、“神の領域” だったのではないかと……。
 人間は、神の領域を超えたとき、畏敬の念と感謝の気持ちを忘れ去るのではないかと……。


 「湯をいただく」 気持ち、忘れないようにしたいものです。
   


Posted by 小暮 淳 at 11:20Comments(2)温泉雑話

2017年01月10日

温泉天国 ・ 群馬につかる


 「小暮さんのお名前を出しても、よろしいですか?」

 昨年の暮れに、知り合いのカメラマンから電話がありました。
 なんでも雑誌に寄稿を依頼されて、温泉について書くことになったといいます。
 もちろん、快諾しました。


 年が明けて先日、1冊の雑誌が届きました。
 ㈱ジェイアール東日本企画発行のフリーペーパー 『JR EAST(ジェイアール イースト)』 2017年1月号。

 表紙を開けると、おおっと!いきなり表2(表紙の裏面) に彼の名前が大きく出ていました。

 フォトグラファー 福田鉄也

 そして掲載されたコラムのタイトルは、『温泉天国・群馬につかる』。
 ん~、いいタイトルです。
 彼が温泉好きだというのは、たびたび仕事で一緒になった時に感じていましたが、まさかコラムを書くほどだとは知りませんでした。

 「どれどれ、どんなことを書いているのかな?」 と読み出すと、あれま!いきなり冒頭に僕の名前が出てきましたよ。
 <私の “温泉熱” に火が付いたのは、温泉ライターの小暮淳さんとの出会い>
 
 そして、読み終えて、ひと言。
 お見事です!
 群馬の温泉のことを、よく調べて、めぐっていることが分かりました。

 身近な滝沢温泉(前橋市) や下仁田温泉(甘楽郡下仁田町) などの一軒宿に触れつつ、経営不振や後継者不足による温泉宿の廃業問題にも言及しています。

 僕が感動したのは、ラストの一文です。
 <温泉通いをせっせと続けることで、群馬の温泉文化の継承を微力ながらサポートしていきたいと思っている。>


 うれしいじゃ、ありませんか!
 こうやって、ひとり、また一人と、群馬の温泉を守ろうとする輪が広がっているのです。

 “入って残そう 群馬の温泉”

 福田君、ありがとう!
 これからも、一緒に群馬の温泉を守って行きましょう。
  


Posted by 小暮 淳 at 14:38Comments(7)温泉雑話