温泉ライター、小暮淳の公式ブログです。雑誌や新聞では書けなかったこぼれ話や講演会、セミナーなどのイベント情報および日常をつれづれなるままに公表しています。
プロフィール
小暮 淳
小暮 淳
こぐれ じゅん



1958年、群馬県前橋市生まれ。

群馬県内のタウン誌、生活情報誌、フリーペーパー等の編集長を経て、現在はフリーライター。

温泉の魅力に取りつかれ、取材を続けながら群馬県内の温泉地をめぐる。特に一軒宿や小さな温泉地を中心に訪ね、新聞や雑誌にエッセーやコラムを執筆中。群馬の温泉のPRを兼ねて、セミナーや講演活動も行っている。

群馬県温泉アドバイザー「フォローアップ研修会」講師(平成19年度)。

長野県温泉協会「研修会」講師(平成20年度)

NHK文化センター前橋教室「野外温泉講座」講師(平成21年度~現在)
NHK-FM前橋放送局「群馬は温泉パラダイス」パーソナリティー(平成23年度)

前橋カルチャーセンター「小暮淳と行く 湯けむり散歩」講師(平成22、24年度)

群馬テレビ「ニュースジャスト6」コメンテーター(平成24年度~27年)
群馬テレビ「ぐんまトリビア図鑑」スーパーバイザー(平成27年度~現在)

NPO法人「湯治乃邑(くに)」代表理事
みなかみ温泉大使
中之条町観光大使
老神温泉大使
伊香保温泉大使



著書に『ぐんまの源泉一軒宿』 『群馬の小さな温泉』 『あなたにも教えたい 四万温泉』 『みなかみ18湯〔上〕』 『みなかみ18湯〔下〕』 『新ぐんまの源泉一軒宿』 『尾瀬の里湯~老神片品11温泉』 『西上州の薬湯』『金銀名湯 伊香保温泉』 『ぐんまの里山 てくてく歩き』 『上毛カルテ』(以上、上毛新聞社)、『ヨー!サイゴン』(でくの房)、絵本『誕生日の夜』(よろずかわら版)などがある。

2017年06月03日

赤兎馬に願いを込めて


 今週、僕の “弟子” を名乗る有志らが集まり、新刊の出版を祝ってくれました。

 「先生、おめでとうございます」
 「これは私たちからのプレゼントです」

 と手渡された白い紙袋。
 中には、デパートの包装紙にくるまれた長方体の箱が……。
 大きさといい、持った重量といい、だいたい中身は想像がつきました。

 「開けてみてください」
 「今ここで?」
 「はい、私たちの前で」

 ゆっくり包装紙を解くと、「赤」 という漢字が飛び込んできました。
 その瞬間、僕の涙腺は壊れてしまい、コントロール不能に。

 ウグッ、ウグウグーーーーッ!!

 ダメです。
 言葉が出ません。
 黒い箱に、赤く 「赤兎馬(せきとば)」 の文字。
 僕の大好きな芋焼酎です。
 ※(詳しくは、「赤兎馬の酔夢」をブログ内検索)

 だからといって、ふだん飲めるような酒ではありません。
 一時は、“幻の焼酎” といわれ、九州の外ではなかなか手に入らなかった代物です。
 でも僕は、ある日、この酒の味を覚えてしまったのです。
 それからというもの、自分へのご褒美として、目標を達成したり、頑張った時にしか口にしていません。

 恐る恐る箱のふたを開けてみると……

 ウワッ、ウワワワワーーーーッ!!

 僕が見たこともないデザインのボトルとラベルであります。
 しかも、金の布をまとっているではありませんか!
 そして、「本数限定品」 の文字。

 「ウグッ、ウグウグ……、あ・り・が・と・う。お前たちったら……」
 お礼を言おうにも、感動が大き過ぎて言葉が出ません。

 「先生、私たちを誰だと思っているんですか!?」
 「師匠の一番弟子ですよ」
 「これからも、いい仕事をしてくださいね」


 その夜、美酒に酔いしれたことは言うまでもありません。

 で、「赤兎馬」 は、その後どうなったのかというと……
 えっ、もう飲んじゃったんだろうって?
 とーんでも、ございません。
 可愛い弟子たちからいただいた極上の 「赤兎馬」 ですぞ!
 タダで飲んでは、申しわけない。

 ということで、一つ、願を掛けました。
 今ここで明かすわけにはいきませんが、叶った時には必ずご報告します。

 叶いそうで、叶わなかった夢。
 その夢のゆくえを 「赤兎馬」 に託しました。


 一日に千里を走るという名馬よ!
 夢に向かって、突っ走っておくれ!
 私と弟子たちの熱き想いを乗せて!!
  


Posted by 小暮 淳 at 13:26Comments(2)酔眼日記

2017年04月19日

ひとりH


 <また甲冑(かっちゅう) 脱いで、遊びに来てね>

 “ひとりH” をした翌朝は、必ずママからメールが届きます。
 まだ昨晩の酒が残る気だるい午前中、そんなひと言に心がなごみます。


 年中無休、休日未定の商売を生業にしていると、他人とはスケジュールがなかなか合いません
 昔から 「ひとり酒」 はガラじゃなかったんですけどね。
 歳を重ねたということでしょうか……。
 ぶらっと、仕事からもプライベートからも逃げたくなるときがあります。

 これといって急ぎの原稿もなく、ポッカリと空いてしまった平日の午後。
 そんな日、僕は酒処 『H』 へ向かいます。


 まだ陽が高いというのに、カウンターの奥には先客がひとり。
 常連のS君です。
 彼もまたアウトロー(自由業) なので、気分転換に 『H』 にやって来ます。
 なんでも、散歩の途中なのだといいます。

 「いいですね。散歩の途中で、ちょいと一杯なんて」
 「夕食までに戻らないと、家族に疑われます」
 「でも、酒の匂いがしてバレませんか?」
 「だから、この泡盛なんですよ。これなら匂いません」

 本当でしょうか?
 証左のほどは定かではありませんが、S君のそのなんともアウトローっぽい行動が、魅力的なのであります。

 「ジュンさんも嫌いでなかったら、一緒にどーぞ!」
 ということで、暮れなずむ街並みを眺めながら、ほろ酔いトークが始まりました。


 「1億円あったら、何に使います?」
 なぜか、もし宝クジが当たったらという話になりました。
 ママは、店をリフォームするといいます。
 S君は、話を振っておきながら答えを用意してなかったようです。

 「ジュンさんは?」
 考えてみたこともありませんでした。
 1億円、あったら……


 “1億円” と聞くと、僕は20年ほど前の、ある記憶がよみがえってきます。
 久しぶり会った旧友との酒の席での出来事です。

 「ジュンちゃんはさ、ふた言めには 『人生は金じゃないって』 って言うけど、それって、お金を持ったことのある人が言うセリフだよ」
 「えっ?」
 「俺は今、億の金を手にしたけど、手にしてみて初めて 『人生は金じゃない』 て分かったからね」

 ぐうの音も出ない僕。
 ただただ、敗北感を味わった夜でした。


 「あー、むかつく! そういうヤツ!!」
 S君が、雄叫びを上げました。
 「で、ジュンさん、なんて言い返したのよ」
 「いや、何も言えなかった。なんて言い返せば良かったんだろう?」

 するとS君は、こんなふうに教えてくれました。
 「俺だったら、『オメエは1億稼ぐまで、そんなことも分からなかったのかよ!』 と言ってやるね」

 おみごと! あっぱれ!
 なんともスカッとするセリフじゃありませんか!
 今度、そいつに会ったら、絶対に言ってやろう!

 そして、この後、2人して自然と口を突い出た歌が……

 ♪ 金のないヤツぁ オレんとこ来い来い オレもないけど心配するな~ ♪

 負け惜しみのような気もするけどね。
  


Posted by 小暮 淳 at 12:17Comments(0)酔眼日記

2017年04月06日

ひとり祝い酒


 つくづくライターとは、孤独な職業だと思います。
 天職だと思うこともありますが、もしかしたら、さびしん坊の僕には向かない職業なのかもしれません。

 “本を著する” という一見、派手な部分もありますが、でも全体の作業からみたら、ほんの数パーセントです。
 90%以上は、日々取材と執筆に追われている実に地味な作業の積み重ねなのです。
 「ああ、報われたい! 早く楽になりたい!」
 そんな悲鳴とも嘆きにも似た心の叫び声を上げながら、一年のほとんどを過ごしています。


 昨日、最後の原稿を入稿しました。
 喜びよりも脱力感のほうが大きく、そんな自分を一分一秒でも解放してあげたい衝動に駆られます。

 自分を褒めてあげたい?
 いえいえ、褒めるには早過ぎます。

 本を作り、世に出すという仕事は、これからが肝心要の本番なのです。
 制作の順番として、著者だけが “イチ抜け” したに過ぎないのです。
 デザイナーは今、ねじり鉢巻で、頭から湯気を上げながらデザインと格闘しているはずです。
 ディレクターは、出版社と印刷会社の間に立って、今後の段取りに奔走しているはずです。
 担当編集者は、表紙や帯のコピーやデザインを模索していることでしょう。


 先日、“Xデー” が発表されました。
 Xデーとは、新刊本の発行日のことです。
 もう、泣いても笑っても2ヶ月を切りました。
 その日が来れば、楽しい楽しい打ち上げ会や出版記念パーティーなどが目白押しです。

 でも、でもでもでも~! その日まで待てないのです!
 頑張った自分にご褒美を!!
 今すぐ捕らわれの身から解放を!!

 ということで僕は昨日、日の明るいうちから、いそいそと家を出たのであります。
 向かったのは、もちろん馴染みの酒処 『H』。

 「終わらない旅、ご苦労さま」
 カウンターに座るやいなや、すでにブログをチェックしていたママが、そう言って、おしぼりを手渡してくれました。
 「カンパ~イ!」
 居合わせた常連客とのいつもの乾杯ですが、僕にとっては格別に五臓六腑へ染み渡るのであります。

 「ふぅ~!」
 ため息混じりに、飲み干した生ビールのグラスを置くと、
 「お疲れさまでしたね」
 と、ママの笑顔が受け止めてくれます。
 すると、全身をガッチガチに覆っていた鎧(よろい) のような緊張感が、まるで魔法が解かれるようにユルユルと消えてゆくのであります。


 「ジュンさん、次の本、いつ出るの?」
 「また買うからね!」
 常連客の言葉に、すべての苦労が報われていきます。

 孤独な職業だけど、僕自身は孤独とは無縁なのであります。
 ひとり祝い酒のつもりが、気が付いたら、いつもと変わらない賑やかな酒になっていましたとさ……。

 よーし、明日からまた頑張るぞっと!

   


Posted by 小暮 淳 at 19:26Comments(2)酔眼日記

2017年02月02日

魅惑の会合


 僕は2ヶ月に一度、この上なく “うまい” 酒に酔いしれます。

 えっ、毎日、酒は飲んでいるだろうって?
 はい、毎日、おいしい酒をいただいています。
 でもね、格別な酒の味というものがあるのです。

 仕事でもなく、プライベートでもなく、娯楽でもなく……
 なんとも表現しにくいのですが、しいて言うならば、“極上の湯” に浸かっているようなやさしさに包まれた居心地のよさでしょうか。
 楽しいだけではなく、いつもいつも温かさに満ちている会合なのであります。

 通称、「弟子会」。
 僕のことを、「先生」 とか 「師匠」 と呼ぶ温泉が大好きな読者の集まりです。


 始まりは5年前の夏。
 前橋市で3日間にわたり開催された 「小暮淳の温泉講座」 と題されたセミナー初日のこと。
 受付に、僕と同年輩の男性が現れ、差し入れと称してお菓子の詰め合わせを置いていかれました。
 話を聞けば、2010年の開設以来のブログの読者で、拙著の愛読者だといいます。
 彼いわく、この日は、「仕事の都合でセミナーは受講できないので、せめて、ご挨拶に伺いました」 とのこと。
 それだけでも著者としては感動ものなのですが、その後も僕の本が出るたびに、書店に推薦文を書いて届けてくださるなど、陰で僕の活動を応援し続けてくれました。
 彼は、Sさんといいます。

 その数年後、僕が講師を務めるNHKの野外温泉講座に、受講生として入ってきたのがTさん(男性) とKさん(女性) でした。
 僕の講座は平日に開講されるため、60歳以上の生活に余裕がある高齢者が多いのですが、TさんもKさんも働き盛りの50代です。
 聞けば、2人とも休日を利用して受講してくださっているとのこと。
 そして、長年の僕の読者でした。


 そんなSさんとKさんが昨年、思わぬ席で出会ったといいます。
 温泉好きの2人は、当然、温泉の話で盛り上がり、僕の話題になったようです。
 「だったら一度、先生を囲んで飲みませんか?」 という話になり、僕にお呼びがかかったという次第です。

 昨年の9月にTさんも含めた4人が集まり、2ヶ月に一度、奇数月に “弟子会” を開くことになりました。
 先日、今年最初の会合がありました。
 毎回、会場は異なり、その都度、安価で飲み食いできる昭和チックな店を探して、僕を呼び出してくれます。

 「あけましておめでとうございます」
 「先生、今年もよろしくお願いします!」
 「こちらこそ、今年も楽しみにしていますよ」

 乾杯の1杯目から話は、ずーーっと温泉三昧です。
 楽しい時間は、あっという間に過ぎて行きます。


 「では、次に行きますか?」
 「はーい、行きま~す!」

 二次会は、酒処 『H』 と決まっています。
 なんだか読者の間では、H が小暮ファンの聖地と化しているようで、第1回目の会合の時に、3人をお連れしたのであります。
 「わ~、ここが、あのHなんですね~! ここに来るのが夢だったんですよ」
 と、はしゃいでいたKさん。
 今では、すっかり店に馴染んでしまい、常連の顔になりつつあります。

 「では、もう一度、カンパイ!」
 「ママも一緒に」
 「温泉に、カンパ~イ!」

 魅惑の会合は、夜が更けるまで続いたのであります。
 2ヶ月後、また “うまい” 酒を飲みましょうね。
  


Posted by 小暮 淳 at 18:48Comments(0)酔眼日記

2017年01月28日

酔いどれ大使 in みなかみ


 上牧温泉(群馬県みなかみ町) の 「辰巳館」で行われる会議に出席するため、またしても上越線に乗り込みました。
 今年になって、2度目のみなかみ行きであります。
 雪の多いこの時季は、電車で訪ねることにしています。

 無人駅の「上牧」で下車。
 雪は止んでいるものの、あたり一面の銀世界。
 ニット帽にマフラーという完全防寒姿で、降り立ちました。
 今回も観光協会のK君が、車で出迎えてくれました。


 午後5時、会議室には10人の温泉関係者が集まりました。
 みなかみ町から3人、県内温泉地から4人、県外から旅のコンサルタントが2人、と僕です。
 僕の役職は、温泉大使であります。

 昨年の暮れに、僕が言い出しっぺとなり、冗談が本気となり、あれよあれよのうちに話が大きくなり、こんな立派なプロジェクトに成長しました。
 テーマは、ズバリ! 「群馬の温泉の未来を考える」 であります。
 その上で、温泉地ができることは何か?
 そして、今すぐできることは?

 1時間半の会議で、かなり核心に触れることができました。


 「それでは、お時間が来ましたので、場所を移して懇親会を行いたいと思います」
 司会進行役のK君に、
 「安兵衛だね」
 と声をかけると、
 「それがですね、人数が増えてしまって、安兵衛では入りきらないんですよ。別の店を予約しました」


 と、いうことで、懇親会は水上温泉街にある料理屋で行われました。
 生ビールを駆けつけ2杯、冷酒の小瓶が1本、2本、3本……
 場は、温泉話で盛りに盛り上がり、会議以上に白熱したのであります。

 「宴たけなわではありますが、ここで中締めとさせていただき、2次会へ歩いてまいりましょう」

 「えっ、どこへ行くの?」
 「やっぱり、安兵衛へ行きましょう」
 「だって、この人数じゃ、入れないじゃない?」
 と心配する僕に、K君いわく
 「若手には、立ち飲みをしてもらいましょう! その条件で、ママに今、電話をしました」

 さすが、K君!
 ここまで来て、安兵衛に寄らずに帰るなんて、名づけ親としてはできませんものね。
 そう、“一湯一酒 湯酒屋” 安兵衛と名づけたのは僕なんですから……。


 「カンパ~イ!」
 ギリギリ詰めて8人が限界のカウンター席だけの小さな湯酒屋であります。
 僕は上から2番目の年長組なので、堂々と席に付かせてもらいました。
 30代の若手2人には可哀そうですが、人生勉強をしてもらうことに。

 「よっ、名物やすべ揚げ!」
 と大声を上げた僕に、隣のN女史が、
 「なんですか? やすべ揚げって」

 安兵衛に来たら、やすべ揚げを食うべし!!
 これまた僕が名づけた、紅しょうがの天ぷらなのであります。

 「おいしい! お酒が進みますね」
 「でしょう! これが湯酒屋ですよ」
 とかなんとか、訳の分からぬことを言い出す僕。

 「よっ、酔いどれ大使!」
 「群馬の温泉を頼みますよ」


 1次会場を出たときに降っていた雨は、すでに雪に変わっています。
 店内では、熱い熱い湯談義が続いています。

 湯があり、酒があり、志を同じくした仲間がいれば、他に何もいりません。
 “一湯一酒” 湯酒屋 安兵衛 バンザーイ!
   


Posted by 小暮 淳 at 21:42Comments(3)酔眼日記

2017年01月16日

HのHはHのH


 「人生の成功者なんだから」
 「誰がさ?」
 「小暮さんに決まっているじゃないですか! 好きなことして生きているんだから」
 「バカも休み休み言えよ。成功者であるわけ、ねーだろ!」

 お馴染みの酒処 『H』 での、常連客とのざれ言であります。
 カウンター席だけの小さな小料理屋には、今宵も気の置けない面々が、浮き世を忘れに三々五々と集まってきます。

 会話を聞いていたママがカウンターの中から、なにげに言葉を返します。
 「だよね。だったらHなんかで、飲んでないよね」
 その自虐ネタに、ドッと笑いが起きました。

 だよね。だよね。だよね~!


 やがてカラオケのリモコンとマイクが回り出し、かかる曲は、すべて70年代の懐かしのフォークソングや歌謡曲ばかり。
 カウンターを見渡せば、この日の客は、すべて同世代です。
 おまけにママも同世代だし、暗黙のうちに青春を過ごした70年代がオンパレードであります。


 別に、疲れていたわけではありません。
 特に、嫌なことがあったわけでもありません。
 なんとなく、ただ、なんとなく、『H』 に足が向いてしまう日があります。

 “好きなことをして生きているんだから”
 常連客に言われるまでもなく、自分でも分かっています。
 たぶん、一般のサラリーマンに比べたら、ストレスの少ない人生を生きていると思います。

 でもね、僕だって時々、甲冑(かっちゅう) を脱ぎたくなることがあるのですよ。
 ライターという “よろい” や家庭人という “かぶと” を脱ぎ捨てて、1人の男として過ごす時間が欲しくなるのです。
 そんな時、僕は迷わず 『H』 へ向かいます。


 『H』 のHは、平静、平穏、平和のHなのかもしれませんね。


 さ、次は僕の番ですか?
 もちろん、拓郎の歌をうたいますよ!
   


Posted by 小暮 淳 at 12:47Comments(0)酔眼日記

2016年09月26日

頑張った自分に赤兎馬を


 ドッと疲れが出たようで、目覚めたら正午を回っていました。
 10時間以上も爆睡していたことになります。


 「自分をほめてあげたい」
 と言ったのは、確かマラソン選手の有森裕子さんでしたっけ。
 それほどの頑張りではなかったのですが、この年齢で2日間のイベントは、かなり肉体に応えたのであります。

 何か、自分にご褒美を出してあげよう!
 2日間、ズーッと考えていました


 一昨日(24日) の土曜日は、中之条町(群馬県吾妻郡) でのエフエム群馬の公開生放送に出演。
 パーソナリティーの竹村淳矢さん、櫻井三千代さん、ザ・キャプテンズ傷彦さん、テッドさんらと、温泉トークを楽しんできました。
 その後、中之条町長と会食。中之条町の観光PRについてを話し合いました。

 さすが人気の番組 「G☆FORCE」 であります。 
 用意した客席は満席で、ズラ~リと立ち見客が会場を囲みました。

 パーソナリティーとキャプテンズのファンがほとんどでしたが、僕を目当てに来てくださった読者や温泉宿のご主人なんかもいて、本当に楽しい時間を過ごせました。
 スタッフのみなさん、出演者のみなさん、そして会場に来てくださったお客様、ありがとうございました。


 そして一夜明けた昨日(25日) は、待ちに待った東京ビッグサイト(東京都江東区有明) で開催中の 『ツーリズム EXPO ジャパン』 に出演するため、早朝4時半起きをして、いざ、東京へ!

 ひぇ~~!! 相変わらず東京はスゴイところですなぁ~。
 人、人、人、人……
 ビル、ビル、ビル……
 田舎者は、ただただ、目をキョロキョロするばかり。
 開場前だというのに、すでに正面ゲートには長蛇の列であります。

 僕はイベント担当者に誘導されて、人波の中をスーイ、スーイと。
 ゲストだもの、それくらいの特典があってもいいのです(優越感!)。


 無事、2回の講演を終えて、汗だくになって、ビッグサイトの外へ。
 まずは電車に乗る前に、ビールです。
 コンビニに駆け込み、ビル群の谷間の公園で、一人で祝杯を!

 ドッと疲れが出ました。
 でも、これで終わりたくない!
 頑張った自分に、何かご褒美をあげようじゃないか!

 「ん? 何がほしい? 酒か?女か?」
 と訊かれれば、迷わず 「酒です!」 と答えます。
 それも、「赤兎馬(せきとば) です」 と元気良く。
 ※(幻の芋焼酎 「赤兎馬」 については、当ブログの2014年7月14日 「赤兎馬の酔夢」、2015年9月27日 「赤兎馬が来た!」 を参照)


 ということで、帰りの駅のホームから僕に赤兎馬の味を教えた居酒屋 「T」 のマスターにメールを打ちました。
 すぐに、「お待ちしてしています」 の返信が。
 よって高崎駅にて、途中下車。

 大好物の塩モツ煮とともに、存分に赤兎馬の芳醇な香りとコクを味わったのであります。
 こんな僕を、あたたかく労ってくれるマスターとママさん、いつもありがとうございます。

 また頑張ったら、ご褒美に寄りますね!
  


Posted by 小暮 淳 at 15:15Comments(8)酔眼日記

2016年07月10日

12時間飲酒マラソンツアー


 今年も参加してきました!
 “12時間飲酒マラソン” に……
 といっても、酒を飲みながら走る競技ではありません。
 バスが出発してから帰るまで、ひたすら飲み続ける年に一度の無礼講の旅であります。

 僕は10年以上前から、某社の社員旅行に毎年、呼ばれて参加しています。
 今年の目的地は、信州・安曇野であります。
 ♪ でも、そんなの関係ねぇ~!

 だって天気は、絶好の雨だもの!
 観光が目的ならば “あいにくの雨” も、のん兵衛にとっては願ったり叶ったりの “恵みの雨” なのであります。
 だって、これで観光なんてせずに、ひたすら飲み続けられるのですからね。


 7時20分
 JR高崎駅を出発したバスは、信州を目指します。
 高速道路に乗り、幹事のあいさつが終わるやいなや、缶ビールや酎ハイ、ハイボールが一斉に配られ、プシュプシュとプルタブを引く音とともに、「カンパーイ!」の声が車内に響き渡ります。

 10時30分
 350mlの缶ビール2本と、紙コップの日本酒を2杯を飲み干した頃、「大王わそび農園」 に到着。
 外は雨です。
 ♪ でも、そんなの関係ねぇ~!
 園内を歩き回れないのであれば、することは1つ。
 有志を募って、売店へ直行!
 さっそく名物の 「わさびコロッケ」 と、これまた名物の 「わさびビール」 を注文。

 コロッケは、ほんのり、わさび味でしたが、ビールはちょっぴり期待ハズレ。
 色はグリーンなのに、味はふつうに美味しい生ビールでした。
 「不味くってもいいから、わさびの味がしてほしかったですね」
 とは、某社のY社長。
 僕的には、酔えればなんでも、いいんですけどね。


 11時30分
 バスは街道沿いの、そば屋に到着。
 昼は、信州そばをいただくことに。
 でも、ここでも……。

 Y社長が、一升瓶を持って登場です。
 「うおぉぉぉぉ~!!」
 と歓声の上がる中、1人ずつに地酒が振る舞われました。

 食後は、「安曇野ちひろ美術館」 なんぞを見学して、最終目的地 「安曇野ワイナリー」 へ。
 この頃になると雨は、ますます本降りに。
 ♪ でも、そんなの関係ねぇ~!
 と、ぶどう畑を横目に、試飲コーナーへ直行!
 白の甘口、辛口、赤の甘口、辛口と節操もなく、すべてを試飲。

 「けっこう、試飲だけでも酔いますね」
 と、バスにもどったY社長。
 そう、僕と社長は、座席が隣同士なんです。

 「用意したビールは全部終わってしまったようですよ。酒もないみたいです」
 と、帰りの道中を心配する僕に、
 「こんなことも、あるかと思いましてね。ちゃんとバッグに忍ばせてきましたよ」
 と、日本酒を取り出す社長。

 よっ、さすが、社長!
 あんたは、偉い! 人間ができている!
 というわけで、最後まで酒を切らすことなく、楽しいバス旅行を無事終えることができたのでありました。


 R社の社員のみなさん、大変お世話になりました。
 また来年も誘ってくださいね。
 待ってま~す!
   


Posted by 小暮 淳 at 15:57Comments(2)酔眼日記

2016年06月13日

飲んで飲んで飲まれずに飲んで


 ♪ 月曜日はホームパーティーに呼ばれ
    手作り料理で芋焼酎を飲んだ
    火曜日は伊香保に泊まり
    湯上がりに生ビールを飲んだ
    水曜日は原稿書きに疲れて
    寝しなに冷酒を飲んだ
    木曜日は仲間と居酒屋に集まり
    生ビールと酎ハイを飲んだ
    金曜日は 『高崎バル』 に参加して
    5軒の店をハシゴして飲んだ
    土曜日はいつもの酒処 「H」 へ行って
    常連客としこたま飲んだ
    日曜日は介護に追われ
    親を寝かしつけてから一人酒を飲んだ
    チュラチュラチュラチュラチュラチュララ… ♪


 ということで、先週は飲み続けた1週間でした。
 いつもはそんなに飲まないんですけどね。
 暑かったのと、誘われたら断れない呑兵衛のスケベ根性のせいだと思います。
 でも、すべて美味しくいただきました。

 特筆すべきは、金曜日の 『高崎バル』 でしょうか!
 ご存知ですか? 僕は知りませんでした。

 「バル」 とは?
 スペインでは、手頃な小皿料理を食べられるコーヒースタンドやカフェ、バーや居酒屋が一緒になったようなお店を 「バル」 というんだそうです。
 で、高崎市では、3,000円で5枚つづりのチケットを販売して、期間中に街中を飲み歩いてもらおうというイベントを開催しています。
 なんと今回で10回目だそうです(ただし4日間限定、昨日終了しました)。

 でも、これが楽しいんですよ。
 1軒目は、とんかつ屋で揚げ物と生ビール。
 2軒目は、居酒屋でモツ焼きと酎ハイ。
 という具合に、ものの30分くらいで食べて飲んで、次の店へ向かいます。
 ラストの5軒目は、生ハムとワインで締めました。

 いわば “飲み食いラリー” なので、じっくり飲みたい人には向きませんがね。
 体力も必要なので、若い人が多かったようですよ。
 でも大変面白かったので、ぜひ、次回も参加したいと思います。


 さーて、今晩は……
 久しぶりに、休肝日にしようかな?
   


Posted by 小暮 淳 at 15:38Comments(2)酔眼日記

2016年05月11日

この一瞬のために生きている


 「カンパーイ!」

 いったい僕は、この言葉を今までに何回、口にしたことでしょうか?
 何千回? 何万回?

 1年365日、ほぼ毎日酒は飲んでいますから、その回数だけ唱えていることになります。
 もちろん、一人で飲むときだって 「今日は頑張ったね、ではカンパイ!」 って、ちゃんと心の中で言っていますよ。
 そして、すべて楽しくて、おいしい酒です。

 僕は、ヤケ酒は飲みません。
 その昔、サラリーマンをしていた頃には、数回あったかもしれませんが、この仕事に就いてからは毎回楽しい酒ばかりです。

 でもね、そんな飲兵衛の僕でも、一生に何回もない、最高にウマイ酒というのがあるのです。
 それは、大きな仕事を成しとげた時に飲む酒です。
 その酒の味といったら、どんな高級なワインや日本酒を出されてもかないませんって!

 決して、これは言い過ぎではなく、この美酒を飲む一瞬のために僕は生きているのです。


 昨日5月10日は、前回報告させていただいたとおり、新刊本の発行日でした。
 どんなに忙しくても、他の用が入っていても、この一瞬を味わうために、本の制作に関わったスタッフは、何はともあれ集まります。

 まだ外は明るい午後5時半。
 前橋市内の安居酒屋に、4人の男たちが顔を揃えました。
 ディレクター、デザイナー、カメラマン、そして著者であります。

 4人の手には、つい先ほど印刷所から出版元へ届いたばかりの、出来立てホッカホカの本が、それぞれ1冊ずつ握られています。
 そして目の前には、生ビールが……。

 でも、誰もビールには手をのばしません。
 全員が、ページをめくりもせず、ただジッと表紙を眺めています。
 それぞれが、それぞれの感慨に浸っているのです。

 「そろそろ、いいですかね?」
 ディレクター氏の発声で、やっと本をテーブルの上に置き、ジョッキを握りしめました。

 「大変お疲れさまでした。おめでとうございます」
 「カンパーーーーイ!!!!」

 この瞬間、気分は絶頂を迎えます。
 この世に存在する快楽のなかで、最高の快感が足の先から頭のてっぺんまで全身を貫いていきます。

 <ああ、この一瞬のために生きているんだ!>

 そう思ったら僕は、全員と握手をせずにいられませんでした。
 「ありがとう」
 「ごくろうさま」
 「また、よろしく」

 同じ釜の飯を食べた戦友たちに、言葉では表しきれない感謝をこめて……。
   


Posted by 小暮 淳 at 18:47Comments(0)酔眼日記

2016年05月01日

傷だらけのモビルスーツ


 「今、Hに居るんだけど、出てこない?」

 一昨晩のこと。
 夕食後に自室でくつろいでいるときでした。
 作家のN氏から、呼び出しの電話がありました。

 Hとは、このブログでも、たびたび登場する我らのたまり場、酒処 『H』 のことです。
 N氏は、僕が20代に出会い、フリーで生きていくことの意味を教えてくださった人生の師であります。


 30分後、僕は 『H』 のカウンターにいました。
 客は、僕とN氏のほかに常連が4人。
 見知った顔ばかりです。

 軽く常連たちと生ビールで乾杯した後、N氏にご無沙汰していた不義理を詫び、近況報告などを済ませ、いよいよ本腰を入れて日本酒に口を付け出したときでした。

 「まさかジュンちゃんが、温泉ライターになるとは思わなかったなぁ~」
 「ええ、自分でも思いませんでした」
 「俺は、ずーっと小説家になると思っていたよ」
 「そういえば、そんなことを言ってましたね」

 思えば30年前。
 結婚はしていたけれど無職で、何になろうとしているのか自分でも分らず、ただ毎日、原稿用紙に向かって悶々としていた頃でした。
 とあるギャラリーでN氏と会い、意気投合し、以来、N氏の仕事場を訪れては、人生を説いてもらっていたのでした。


 「でもさ、良く頑張っているよ」
 「ありがとうございます。まだまだですけど」
 「10年後が楽しみだな」
 「あと10年ですか?」
 「なに言ってるの! 俺の歳だよ(笑)」

 ですよね。
 N氏は団塊の世代でありながら、今でも第一線で活躍している作家であります。
 そんな氏の前で、弱音を吐くわけにはいきません。

 「大丈夫です。Nさんにもらったモビルスーツがありますから」
 「モビルスーツ?」

 そうです。
 30年前に氏から伝授していただいた “フリーで人生を生き抜くための心に装着する鋼鉄のモビルスーツ” です。
 このスーツを身に付けると、一瞬にして心臓に毛が生え、根拠のない自信がムクムクと湧き上がり、将来への不安が一切消え去るのであります。

 「だよな、ジュンちゃんにやったのは特別製の黄金のスーツだからな」
 「ええ、30年も使っているので、もうだいぶボロボロですけどね。でも機能は衰えていません」
 「だったら10年といわず、あと20年は大丈夫だな?」
 「に、に、20年ですか~!(汗)」

 そう言って、30年前と同じように冗談を言って、笑い合ったのでした。
 気が付けば僕も、もう “アラ還(暦)” です。
 N氏にいたっては、“アラ古希” なんですね。


 まだまだ、あばれますよ!
 ね、師匠!
 互いに、“アラ卒(寿)” と “アラ白(寿)” になるまで!
    


Posted by 小暮 淳 at 22:05Comments(0)酔眼日記

2016年04月17日

湯酒屋 安兵衛、ここにあり。


 “一湯一酒”
 いい湯場には、いい酒場がある。


 群馬は広いな大きいな~♪
 前橋市内は、とっくに葉桜だというのに、北の町では今が見頃!
 満開です。

 別に花見に出かけたわけではありません。
 だからといって、仕事でもありません。
 去る2月に、月夜野温泉(群馬県利根郡みなかみ町) でバンドのライブがありまして、遅ればせながら打ち上げをやることになりまして、「どうせやるなら温泉でやりましょう!」 「だったら水上温泉で」 「となれば安兵衛でしょう!」 と相成りまして、桜舞う温泉街に、スーパーローカルオヤジバンド 『KUWAバン』 の面々が集まったのであります。


 夕刻、宿に着いたら、まずは缶ビール1本(500mlですが) をキューッと飲み干して、ひと風呂浴びて、いざ出陣!
 目指すは、温泉街の路地の裏の奥。
 「安兵衛」 は知る人ぞ知る、でも水上の人でも滅多に知らない、小さなの居酒屋であります。

 いえ、違います!
 温泉地にある居酒屋のことを僕は、「湯酒屋」 と呼びます。
 ※(命名については、2012年12月12日 「一湯一酒 湯酒屋 安兵衛」 参照)


 「カンパーイ!」
 ライブの労をねぎらって、高々とオヤジたちの声が狭い店内に響き渡ります。
 “狭い” といっても、ハンパな狭さじゃありませんよ。
 カウンターのみで、7人も入ったら、奥の人はトイレにも行けなくなる狭さです。
 もちろん、この日は貸切。

 「まるで新宿のゴールデン街にいるみたいです」
 と興奮しきりなのは、今回が安兵衛デビューの和太鼓奏者のK君。
 想像以上の昭和カオス感に、感動を隠せない様子です。

 野菜の煮物、ウドの和え物、フキ味噌と、ママ手料理の旬の肴が次々とカウンターに並びます。
 アルコールも、ビール → 芋焼酎 → 日本酒と、あてに合わせてチェンジアップ!

 そして宴もたけなわ、ほろ酔い気分になったころ、いよいよ真打ち登場です。
 「よっ、待ってました! やすべ揚げ!」

 「こここれが、ウワサの “やすべ揚げ” ですか! やっと合えました!」
 と、またしても感極まるK君。

 “やすべ揚げ” とは、紅しょうがを一口サイズに揚げた天ぷらで、安兵衛の常連にならないと食せない幻の名物なのであります。
 もちろん、命名は僕であります。
 ※(2013年7月11日 「名物 やすべ揚げ」 参照)

 飲むほどに、酔うほどに、夜が深まってゆくのでありました。


 いい湯、いい酒、いい友あり。
 そして湯酒屋 安兵衛、ここにあり。
   


Posted by 小暮 淳 at 13:17Comments(2)酔眼日記

2015年09月27日

赤兎馬が来た!


 なんでも口に出して、言ってみるものですね。
 「赤兎馬」 「赤兎馬」 「赤兎馬」 と連呼していたら、
 本当に、赤兎馬がやって来ました!

 赤兎馬(せきとば) とは、鹿児島の芋焼酎のことです。
 かつて蔵元が九州だけの限定販売をしていたことから、“幻の焼酎” と呼ばれていました。
 最近は本州でも、お目にかかれるようになりましたけど。

 基本、僕は日本酒党であります。
 ところが昨年、赤兎馬に出合って以来、この酒の魅力にハマってしまったのです。
 決して、焼酎を好きになったわけではありません。
 “赤兎馬” に恋してしまったのです。
 ※(赤兎馬との出合いは、2014年7月14日 「赤兎馬の酔夢」 を参照)

 で、この恋心をブログだけではなく、事あるごとに誰彼なしに、告げていたのです。
 そ、そ、そしたらーーーーーっ!!!!!
 先日、本当にホンモノの赤兎馬が届いたのであります。
 「日頃、お世話になっているから」 と、知人の男性から。

 ま、酒をもらうことは多々ありますから、手渡された包みからして日本酒だとばかり思っていましたよ。
 ところが、開けてビックリ!
 一瞬、息が止まるかと思いました。

 人は、感動すると、言葉が出なくなるものですね。

 「ど、ど、どうして、これを?」
 と、お礼の言葉より先に、驚きのほうが口を突いて出てしまいました。
 「お好きだと聞いていましたから」
 「でも、よく手に入ったね?」
 「ええ、知り合いの酒屋に頼んで探してもらいました。酒屋も感心していましたよ。『いい酒を知っている人だ』 って」

 いやいや、なんだか嬉しいじゃありませんか。
 たかが酒、されど酒であります。
 酒をめぐる、人と人の輪ができています。

 結局、お礼の言葉が一番最後になってしまいました(申し訳ない)。
 O君、ありがとう!
 毎晩、その芳醇な旨みと香りを、じっくりと味わいながら楽しんでいるよ。

 さーて、今晩もそろそろ “恋人” に会いに行くとしよう!(悦)


 

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NPO法人湯治乃邑は浅間隠温泉郷架け橋プロジェクトを推進しています。

皆様のご支援を宜しくお願い致します。

後、2日です。
https://faavo.jp/gunma/project/574
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Posted by 小暮 淳 at 23:23Comments(0)酔眼日記

2015年09月05日

大事なことは飲み屋で決まる②


 あれから、ちょうど1年が過ぎました。
 いまだに体重は、13㎏減少したままです。

 “あれから” とは、逆鱗に触れた日のこと。
 1年前に、ちょっとした家庭内トラブルがありまして、「晩酌断ち」 をしたのであります。
 そしたら、あれよあれよのうちに体重が落ちてしまったのでした。
 ※(2014年9月12日 「逆鱗の功名」 参照)


 今でも晩酌はやめていますが、決して酒はやめていません。
 睡眠導入剤代わりの寝酒程度は、毎日しています。
 といっても、以前から比べたら、めっきり弱くなりましたよ。

 それでも酒は、僕の人生には、なくてはならない宝物なのであります。
 酒のあるところ仲間が集まり、そして素晴らしき人生のアイデアを導いてくれる “魔法の水” なのであります。


 昨晩は、久しぶりに某紙の編集者たちと、高崎市で飲みました。
 なぜか、顔を合わせる早々 「今日は、ハシゴをしよう!」 ということになり、駅前から店を物色しながら歩いたのであります。
 結局、そんなに飲めるわけがなく、3軒目で解散となりました。

 が、河岸を変えるたびに、僕らの感性は研ぎ澄まされていき、次々と奇抜的なアイデアや企画が飛び出すのであります。
 エッセイ連載のテーマと切り口から始まり、しまいには書籍化までたどり着きました。

 これ、すべて “魔法の水” の成せる業なり。


 思えば、今までも僕は、大事なことは、すべて飲み屋で決めていたのです。
 これだもの、晩酌はやめても、酒はやめられませんって!
  


Posted by 小暮 淳 at 11:37Comments(2)酔眼日記

2015年08月01日

寝不足解消術


 名づけて、「Xデー」。
 ついに恐れていた、その日がやって来ました。

 こうなることは分かっていたんです。
 みーんな自分が悪いんです。
 頼まれると断れないものだから、「ハイハイ、いいですよ」 って受けてしまう性分。
 とどのつまり、過密スケジュールになってしまうのです。

 昨日、7月31日は、その恐れていた1日でした。
 睡眠時間、たったの3時間。
 午前中は屋外での過酷な労働に耐え、そのまま市内の講演会場へ。
 終了後、某テレビ局にて、番組の構成会議に出席した後、場所を居酒屋に替えて “暑気払い” という名のスタッフ懇親会に参加予定です。


 何よりも心配していたのは、寝不足に加え、連日のこの猛暑。
 はたして、この過酷なスケジュールに体が持つのだろうか?
 今日こそは、熱中症で倒れるのでは?
 そんな瞬間が、何度もありました。

 午後12時。
 講演会が開催される公民館に着いたときには、すでに頭痛が始まっていました。
 危険信号です。
 食欲はあまりないけど、それでも無理やり出された弁当を食べ、水分を摂って、開講までの時間、クーラーの効いた控え室で体を横たえていました。

 講演会には、一般公開だったこともあり、このブログの読者が、たくさん来てくれました。
 著書の販売が禁止されている公共施設での講演ですから、当然、サイン会はありません。
 それでも終了後に、僕の本を何冊も持って来てくれた聴講者が、何人もいましたよ。
 読者とは、ありがたいものです。
 1冊1冊、ていねいにサインを書かせていただきました。


 公民館を出られたのは、午後4時。
 すでに構成会議は始まっています。
 クーラーを全開にした車を飛ばして、なんとか30分遅れでテレビ局へ。
 とどこおりなく、年内放送分のテーマを選出することができました。

 午後7時30分。
 日没したとはいえ、まだ外気は32℃もあります。
 頭痛は去りましたが、ここに来て寝不足がたたり、フラフラと足がふらついています。
 それでも、キーンと冷えたビールが僕を呼んでいます。

 沖縄料理の店 「K」。
 まずは、オリオンビールで乾杯。
 海ぶどう、島らっきょう、ゴーヤーチャンプルーに舌鼓。

 すると、どうしたことでしょう!
 それまで、今にも倒れ込みそうな肉体が、点滴を打ったかのように、シャキッ、ビンビンビーン!と元気になりだしたのであります。

 「では、一本締めで! 下半期もよろしくお願いします。よー!」
 Nディレクターの発声で、締めとなり、午後10時にお開きとなりました。


 さて、今日は十分疲れているから、もう帰って休もうか……。
 いや、待てよ?
 今日の講演会に、S君が来ていたよな。
 「今夜、Hに行ってますから。よかったら来てください」
 「いや、無理だと思うよ。3時間しか寝てないんだよ。たぶん体力が持たないね」

 そう、S君は、たびたびこのブログに登場する酒処 「H」 の常連客の1人なのです。


 「あっ、ジュンさん!」
 「本当に来た!」
 「体、大丈夫ですか?」

 大丈夫じゃなくったって、大丈夫にしちゃうさ!
 根っから明るい飲み友と、いつだって元気いっぱいのママさんの笑顔を見れば、寝不足だって、熱中症だって、恐いものなんてない!

 「カンパ~イ!」
 「今日は講演会、お疲れさまでした」
 その言葉に、僕の肉体は完全復活したのであります。
     


Posted by 小暮 淳 at 15:28Comments(2)酔眼日記

2015年07月05日

oh! 鎌倉物語


 待ってました!
 今年もやって来ました。
 年に1度の無礼講、“12時間飲み放題バスツアーの旅”。

 僕は毎年、某情報誌を発行する会社の社員旅行に同行しています。
 といっても仕事ではありません。
 ただの飲兵衛としての参加であります。

 昨年は日光、一昨年は牛久大仏、確かその前年は横浜だったような・・・
 行き先なんて、どこだって、いいんです。
 目的は場所ではなく、その行き返り!

 要は、どんだけ酒を飲み続けられるかどうかなのであります。


 と、いうことで、昨日は鎌倉へ行ってきました。

 いわば鎌倉は、僕の庭(?)
 いえね、若い頃から好きな街だったので、デートといえば鎌倉だったのです。
 大人になって、今の仕事に就いてからも、取材等で訪ねています。
 たぶん、僕が人生で一番訪ねている街かもしれませんね。

 て、いうことは、観光なんて、どーでもいいのです。
 ならば、飲んで、飲んで、飲み続けて、酔眼にて鎌倉の街を眺めてやることにしました。


 「カンパーイ!」

 午前7時半。
 JR高崎駅東口を出発するやいなや、バスがまだ高速道路に乗る前に、宴が始まりました。

 まずは缶ビールを2本。その次に紙コップが配られ、日本酒が一升瓶で回ります。
 Y社長自ら、酌をしてくれました。

 「いやいや、あんまり飛ばすと、トイレが間に合わなくなりますから」
 と、心にも無いことを言えば、
 「大丈夫ですよ、無礼講ですから」
 と意味不明な返答。

 無礼講だから、お漏らしをしても良いということなんでしょうか?


 案の定、昼に鎌倉に着いた時には、ほとんどの男性は出来上がっていましたよ。
 それでもオジサンパワーは全開です!

 駅前の若宮大路から鶴岡八幡宮まで歩いて参拝。
 そして帰りは、小町通りをビール片手に千鳥足にて散策。

 でも、みんな一番はしゃいだのは、やっぱり海でした!
 海なし県民の悲しい性なんでしょうね。
 ついつい、海を見ると走り出してしまいます。
 潮風が、ほろ酔いの肌を、やさしくなでて通り過ぎて行きます。

 そんな時・・・


 ♪ 鎌倉よ何故 夢のような虹を遠ざける
   誰の心も悲しみで闇に溶けてゆく ♪

 どこからともなく流れてきた、サザンオールスターズの 『鎌倉物語』。
 原坊の声が、胸の奥まで染み込んできて、忘れていた夏の想い出がよみがえります。

 Kちゃん、Mちゃん、Aちゃん、Yちゃん、みんな元気かな~?
  


Posted by 小暮 淳 at 17:10Comments(2)酔眼日記

2015年05月30日

酒と映画と更年期


 なんとなく疲れています。

 身体は、とても健康なんですけどね。
 なんだか脱力感があって、覇気がありません。

 1冊、本を書き上げたという解放感からかもしれませんが、何をやるにも欲がありません。
 五月病?
 と思っていたら、親しい友人から、
 「ズバリ、それは更年期障害でしょう!」
 と言われてしまいました。

 やけに納得してしまいました。


 介護疲れもあるかもしれませんね。
 ボーっと考え込んでいる時間が多くなりましたもの。
 こんなときは、気分晴らしに、酒を浴びるのが一番です。

 と、いうことで昨晩は、両親を寝かしつけてから、そーーーーっと実家を抜け出して、久しぶりに我らの溜まり場へ!
 ご存知、酒処 『H』 であります。

 いやいやいや~、花金ということもあり、満員御礼であります。
 といっても、カウンター席だけの小さな店です。
 10人も入れば、ほぼ満席状態。

 それでも次々と客がやって来ます。
 カウンターの中から、ママが補助イスを出すのですが、それでも間に合わない。
 ついに、後から来た2人の客は、入口近くの僕の背中で立ち飲みを始めました。

 これ、すべてママの人柄と、質の良い常連客の賜物であります。


 「そうそう、今日の小暮さんのブログ、読みましたよ。グッと引き込まれました」
 とK君。
 早くも昨日の昼に書いた 『“い も う と” の笑顔』 をチェックしてから来たようです。

 すると、「えっ、俺、まだ読んでない」 と言って、隣の席のSさんがスマホを取り出して、すかさずチェックを始めました。

 さらに、カウンターの奥にいた常連客の1人が、
 「 『い も う と』 シリーズ、読んでますよ~!」
 と大声を上げて会話に参入。
 店内は、いきなり 『い も う と』 の話題で盛り上がってしまいました。

 すると、「映画にしましょう!」 と言いだしっぺのK君。
 「監督は?」 と問えば、「大林宣彦に決まっているじゃありませんか!」 とファンの様子。
 「で、舞台は?」
 「当然、尾道でしょう!」
 「じゃあ、富田靖子ちゃん使ってよ」
 と僕。昔からファンなんです。

 そのうち、まわりからも要望が。
 「俺も、セリフのないチョイ役でいいから、出させてよ」
 「じゃあ、コンビニの店長ね」

 「ママも出たい?」
 「出たい、出たい! どんな役でもいいから」
 「う~ん、じゃあ、5時から引き継ぎでシフトに入るパートのおばちゃんね」

 なーんていう具合に、話はどんどんエスカレートして行ったのであります。
 起用する役者も、常盤貴子や松田翔太、濱田岳、根岸希衣、余貴美子、夏川結衣など個性派、演技派の名前がポンポンと飛び出しました。


 あー、楽しかった!
 気が付いたら、頭の中に巣作っていたモヤモヤは、消え去っていました。

 更年期障害なんて、酒とゆかいな仲間がいれば、怖くないぞーーーっ!
    


Posted by 小暮 淳 at 21:44Comments(2)酔眼日記

2015年04月16日

メニューのない店


 JR高崎駅西口から徒歩約20分。
 住宅街の一角、青いトタン屋根をのせた長屋の一室。

 ここが我らのNPO法人 『湯治乃邑(くに)』 事務所であります。

 築ウン十年の昭和の香りがプンプンするあばら家です。
 すきま風は入るし、雨もりもするけど、文句はありません。
 だって、家賃はタダなんですから!

 世の中には奇特なお方がいるもんで、僕らの活動に賛同して、無償で提供してくださったのであります。


 昨日は、月例の役員会でした。
 僕は、ここの理事長を務めています。

 「すぐ近くに、安くて、いい店をみつけたんですよ」
 と、役員の1人。
 その言葉に他の役員も、「だったら次回の会議は夕方からにして、その後は・・・」
 ということになり、いつもは2時からなのに、昨日は4時から会議となりました。


 1時間半の会議を終えて、事務所の外へ。
 まだ、お天道様は頭の上です。
 でも、そんなの関係ねぇ~♪
 と歩くこと、たったの1分!
 事務所の角を曲がったところに、へ~! 居酒屋があるなんて!
 “燈台もと暗し” とは、まさにこのことです。

 店の名前は、「TのU」。
 なんとも店名らしからぬネーミングであります。

 のれんをくぐると、カウンターと小上がりがあるだけの小さな店内です。
 カウンターのイスは5脚。でも、うち2脚は荷物が占領しています。
 ま、僕らは3人ですからカウンターへ。


 「とりあえず、ビール」
 と言えば、
 「ハートランドとバドワイザー、どっちがいい?」
 歳の頃、50代半ばの飾り気のない、でも親しみのある長身のママが応えます。

 ほほほ~、ドライでもラガーでもないんですね。
 ハートランドを置いているとは、珍しい。
 純和風の庶民的な店の雰囲気とは、なんともミスマッチ!

 気に入った! 「ハートランドで」

 久しぶりに飲むハートランド。
 ホップのさわやかな香りと、キレの良さ。
 長雨が続いたので、このすがすがしさは大歓迎です。


 で、店内を見渡すと、壁にお品書きはなく、メニューも置かれてません。
 どうも、ママにお任せのようであります。

 突き出しは、良く味の染みた 「こんにゃくの甘辛煮」。
 その後、枝豆にミートボール、チーズ揚げ、ほうれん草のお浸し、いか焼き、たこ焼きと、和洋折衷の小料理が続々とカウンターに並びました。

 気に入った! この節操のなさ!

 ビールから日本酒に替えて、コップで豪快にグビグビと。
 銘柄は 「高清水」。秋田の銘酒であります。
 サラリとした飲み心地と、しっとりとした深みのある味わいを楽しみました。


 「でさ、店名の 『TのU』 って、意味あるの?」
 と訊けば、
 「前のオーナーがね、LUNA SEA のファンだったらしいのよ。面倒くさいから、看板はそのままなの」

 なるほど、ルナとシーの和訳なのね。

 でも、そのままというのがママの人柄なんでょうね。
 細かいことには、こだわらない。
 料理の注文も受けない。

 メニューのない店って、好きなんだよな~。
 また寄ろうっと!

 ほろ酔い気分でトボトボと、雨上がりの街を歩きながら駅へと向かいました。
  


Posted by 小暮 淳 at 12:28Comments(0)酔眼日記

2015年03月28日

サラリーマン失格


 「もう一度言ってくれないか? オレのこれからの予定は?」
 「歯を磨いて、トイレへ行って、もう寝てください」
 「・・・わかった」

 そう言って、部屋から出て行くと、すぐにもどって来て、
 「もう一度、言ってくれないかな? 何をするんだっけ?」
 オヤジの記憶は3分ともちません。

 耳が遠いので、そのたびに僕は、ヒステリーおばさんのように大声を上げて、怒鳴ってしまいます。
 いけない、いけない、と思いつつ、同じことを繰り返す毎日です。


 オヤジが寝て、部屋の電気が消えると、ドッと疲れが吹き出して、もう仕事をする気が起きません。
 そんな日は、そーっと実家を抜け出して、いつものたまり場、酒処 『H』 へ。
 僕が、仕事も介護も忘れて、唯一、ホッとできる空間です。

 昨晩は、花の金曜日。
 すでにカウンターには、見知った常連たちが顔をそろえていました。

 「ジュンちゃん、お腹のほうは?」
 と、いつものようにママが聞いてきます。
 「いいや、オヤジと食べたから」

 この店には、メニューもお品書きもありません。
 すべて料理は、ママにおまかせです。
 だから一見の客は、入りづらいのかもしれませんね。

 まずは生ビールを2杯。
 その後は、カウンターに置かれた一升瓶を手酌で、タラタラと勝手に。
 突き出しは、“菜の花のおひたし” と “ふきのとうの和え物”。
 春の香りを楽しみながら、至福の時を過ごします。


 「だったら、30年のお祝いをしなくちゃね」
 と、ママの声に、カウンターの奥が盛り上がっています。
 「えっ、なになに30年って?」
 話を聞いていなかった僕が問えば、
 「I さんが今年、勤続30年なんだって。偉いよね~」
 と言って、ママは言葉を続けた。
 「ジュンちゃんには、無理よね」

 勤続30年・・・確かに、それは凄い!
 I さんは、僕と同世代です。
 30年ということは、新卒で入社した会社ではないということですね。
 でも20代半ばに、再就職してからは、ずーーーっと同じ会社に勤めている。

 「そうだね。僕にはできない芸当だ」
 と、素直に答えました。
 でもね、そんなことを言ったら隣の席のS君だって独立組だし、ママだってアウトローじゃないの?
 決して、僕だけができない芸当じゃありませんって!

 みんな、サラリーマンを失格した者同士です。


 「I さん、おめでとう」
 そう言ってから、<あれ? これって、おめでたいことなのかな?> と自問自答。
 まっ、いいか。
 30年間、1つのことを続けてきた証しですからね。

 でも、その忍耐力って凄いなぁ~!
 やっぱり、尊敬してしまいます。
   


Posted by 小暮 淳 at 17:41Comments(3)酔眼日記

2015年03月15日

親が寝た間に見る酔夢


 オフクロが入院していることは、以前にも書きました。
 おかげさまでリハビリの成果もあり、言語も回復し、近々退院ができそうです。

 でも問題は、実家に1人残された大ボケ老人のオヤジであります。
 もう、日に日にボケが進行して、面倒が見切れません。

 「今日の予定はなんですか? 」
 「何もありません」
 「今日の予定は?」
 「だから何もないって言っているだろ!」

 でも3分と経たないうちに、
 「オレの今日の予定を教えてくれよ」
 と悲しい目をして、すり寄ってくるのです。

 「分かった、分かった。だったら散歩へ行くかい?」
 ということで、オヤジの手を引いて、町内を一周してきます。
 これが、日に何度も繰り返されます。


 老人の介護は、子育てに似ていますね。
 ホッとできるのは、寝ている時だけですもの。

 昨晩は、オヤジを寝かし付けてから、そーーーっと実家を抜け出しました。
 向かうは、我らのたまり場、酒処 『H』。
 「よー!」 「久しぶり!」 「待ってました!」 と、鈴なりのカウンターで迎えてくれる馴染みの顔、顔、顔・・・

 この一瞬で、仕事の疲れも、介護の疲れも、吹っ飛んでしまうというものです。

 最初の話題は、「広報まえばし」 を見たという話と、なぜ、僕がやせたか?
 やがて、あーじゃ、こーじゃと、取りとめのない雑談に花が咲いて、気の置けない仲間たちは、今宵もしたたかに酔いしれるのであります。


 ふーーーーっ、大きく肩を揺らして、ため息を1つ。
 さて、オヤジがトイレに起きる前に、帰りましょうかね。

 つかの間の酔夢に、身も心も癒やされた夜でした。
   


Posted by 小暮 淳 at 14:44Comments(2)酔眼日記