温泉ライター、小暮淳の公式ブログです。雑誌や新聞では書けなかったこぼれ話や講演会、セミナーなどのイベント情報および日常をつれづれなるままに公表しています。
プロフィール
小暮 淳
小暮 淳
こぐれ じゅん



1958年、群馬県前橋市生まれ。

群馬県内のタウン誌、生活情報誌、フリーペーパー等の編集長を経て、現在はフリーライター。

温泉の魅力に取りつかれ、取材を続けながら群馬県内の温泉地をめぐる。特に一軒宿や小さな温泉地を中心に訪ね、新聞や雑誌にエッセーやコラムを執筆中。群馬の温泉のPRを兼ねて、セミナーや講演活動も行っている。

群馬県温泉アドバイザー「フォローアップ研修会」講師(平成19年度)。

長野県温泉協会「研修会」講師(平成20年度)

NHK文化センター前橋教室「野外温泉講座」講師(平成21年度~現在)
NHK-FM前橋放送局「群馬は温泉パラダイス」パーソナリティー(平成23年度)

前橋カルチャーセンター「小暮淳と行く 湯けむり散歩」講師(平成22、24年度)

群馬テレビ「ニュースジャスト6」コメンテーター(平成24年度~27年)
群馬テレビ「ぐんまトリビア図鑑」スーパーバイザー(平成27年度~現在)

NPO法人「湯治乃邑(くに)」代表理事
みなかみ温泉大使
中之条町観光大使
老神温泉大使
伊香保温泉大使
四万温泉大使



著書に『ぐんまの源泉一軒宿』 『群馬の小さな温泉』 『あなたにも教えたい 四万温泉』 『みなかみ18湯〔上〕』 『みなかみ18湯〔下〕』 『新ぐんまの源泉一軒宿』 『尾瀬の里湯~老神片品11温泉』 『西上州の薬湯』『金銀名湯 伊香保温泉』 『ぐんまの里山 てくてく歩き』 『上毛カルテ』(以上、上毛新聞社)、『ヨー!サイゴン』(でくの房)、絵本『誕生日の夜』(よろずかわら版)などがある。

2011年01月31日

いで湯伝説① 「慈悲心鳥」

 歴史の古い温泉地には、よく温泉の発見伝説が残されています。
 いくつかパターンがあるのですが、一番多いのが動物による発見伝説です。

 山のいで湯となると、どうしても鹿や熊、猪、猿などの獣話が多いのですが、珍しいところでは、犬が発見した温泉があります。霧積(きりづみ)温泉です。


 霧積温泉は、その昔は碓氷温泉「入りの湯」と呼ばれていました。
 温泉の発見は、約800年前と伝わります。
 当時、霧積山中で猟師の連れた犬が傷を負い、その犬が水たまりに傷をつけていたので、猟師が不思議に思い水を調べたところ、これが温泉だったということです。

 犬が発見したので「犬の湯」と呼ばれましたが、いつしか「入りの湯」と言われるようになったとのことです。


 霧積温泉には、もう1つ、こんな伝説があります。

 昔、霧積温泉の湯が、ピッタリと止まってしまったことがありました。
 宿の主人が困り果てていると、突然そこへ天狗が現れて言いました。

 「湯が止まったのは、山の神のたたりだ。湯を元どおりにしてほしければ、人身御供をさしだせ。11歳の子どもでなければだめだ」

 主人は、湯治客の中に美しい女の子とその母親を見つけました。
 歳を聞くと、ちょうど11歳でした。

 その時です。
 「この子はもらった!」
 という天狗の声がしたかと思うと、我が子を抱いていた母親の手から、スーッと女の子の姿が消えてしまいました。

 と同時に、今まで止まっていた湯が、ドッと勢いよく湧き出しました。

 「私の子を返してー!」
 母親は狂ったように叫びながら、山深く入っていきました。

 「ジュウイチ、ジュウイチの女の子……」
 絹の裂くような哀れな声で呼びながら。


 今でも霧積温泉へ行くと、「ジュウイチ、ジュウイチ」と鳴く慈悲心鳥(ジヒシンチョウ)の声が聴こえます。
 慈悲心鳥とは、ホトトギス科の「ジュウイチ」の別称です。鳴き声が「ジヒシン」とも「ジュウイチ」とも聴こえるそうです。


 これと同じ話は、法師温泉にも残っています。
 ただし、こちらは男の子です。そして、母親が鳥になって「ジュウイチ、ジュウイチ」叫びながらと、今でも我が子を探し回っています。

 いずれにしても悲しい話でありますが、果たして我が子を名前でなく、「ジュウイチ」と年齢で呼ぶ母親がいるでしょうかね?
 そこもまた、昔話や伝説の妙味であります。
  


Posted by 小暮 淳 at 14:23Comments(3)いで湯伝説

2011年01月30日

快挙!ダブルランクイン

 昨晩はご多分に漏れず、サッカー観戦をしまして、そのままコーフンが冷めやらず、祝い酒と称して冷酒をグビグビとあおってから床に就いたものですから、目が覚めたのは昼近くでありました。

 ケータイに着信あり

 休日の朝からメールくれる人とは誰やねん?(なぜか関西弁)
 あの娘かな、この娘かな、どの娘かな~、と期待して開いてみると、メールの主は僕の本のディレクターのK氏でした。

 いきなり

 “快挙ですぞ!”

 の文字。

 わけが分からず、寝ぼけ眼で文面を追うと、ななななななーんと、本日発表の「売り上げランキングに2冊同時にランクインされている」とのこと。ほんまかいな? 本当なら快挙でっせ!(なぜか関西弁)


 とりあえずリビングへ降りて行って、新聞を探す(家族は誰もおらず、シーンと静まり返っている。愛犬のマロ君だけが、大あくびをしながら「なんだ、オヤジか?」と迎えてくれた)。

 ありました、ありました。
 本日の上毛新聞10面、読書欄です。
 「週間ベスト10」 (16日ー22日、前橋・煥乎堂本店調べ) の「単行本・新書」部門で、拙著の 『ぐんまの源泉一軒宿』 と 『群馬の小さな温泉』 が、仲良く6位と8位にランクインしているではありませんか!

 K氏のおっしゃるとおり、これは快挙ですぞ!

 K氏とは、酒を飲みながら、冗談では言っていたのです。「ダブルランクインなんて、カッコイイよねぇ」なんて。
 でも、まさか現実になるなんて。
 ランキングの一覧の中に、自分の名前が2つも載っているって、イイもんですねぇ。

 今週は、またK氏とは温泉取材へ出かけます。
 当然、その晩は祝杯となることでしょうな(いつものことですが…)。


 さてさて、まさかですが、期待なんてしていませんが、新刊の 『ぐんまの里山 てくてく歩き』 まで入ってきて、トリプルランクインなーんてことには、ならんでしょうな。

 いずれにしても、今後の動きが楽しみです。
  


Posted by 小暮 淳 at 14:14Comments(4)著書関連

2011年01月29日

月間売れ筋 16位!

 知人から「煥乎堂書店の月間ランキングに入りましたね」との連絡をいただいたので、どれどれ本当かいね? と思ってホームページを覗いてみました。

 すると確かに 「月間売れ筋ベスト20」 というランキング表の16位に、拙著 『群馬の小さな温泉』 が入っているではありませんか! ほほう、月間で16位とは素晴らしい。

 上位を見てみると、1位は噂の『KAGEROU』であります。話題の『もしドラ』 や 『江』 も名を連ねています。
 その中での16位は、なかなかの健闘ではないでしょうかね(我が書ながら、ほめてあげたい)。

 が、待てよ……
 週間ランキングでは、『…小さな温泉』は確か、ランク外だったはずです。
 前著の『ぐんまの源泉一軒宿』の方が、ランク入りしていました。
 どーいうことなんですかねぇ?
 『…源泉一軒宿』 は、ときどき思い出したように瞬発的に売れて、『…小さな温泉』は コンスタントに売れているということでしょうか?

 そういえば、フリーペーパー「パリッシュ」2月号の「単行本売り上げランキングでは、『…源泉一軒宿』 が8位で紹介されていますね。


 ま、どちらが売れてもいいんですけど(どちらも印税のパーセントは同じですから…)。


 ところで、いよいよ今週から一斉に、書店でも新刊の 『ぐんまの里山 てくてく歩き』 が販売になりました!
 やっぱり、書店売りは存在感がありますね。
 平積みっていうやつですか、ど~んとビルのように積まれた姿はカッコイイですな。
 物書きのあこがれです。
 自分の本が積まれている姿を見ると、ジュワーっとアドレナリンが脳内を駆け巡り、カーッとテンションが上がるんですよ。

 「ヨッシャー! まだまだ書くでぇ~!」(なぜか関西弁) ってね。


 今日は午後からテンションを上げに、書店めぐりでもしてこようかと思います。
  


Posted by 小暮 淳 at 12:20Comments(5)著書関連

2011年01月28日

主治医と薬剤師


 僕には主治医がいます。
 なーんてイイとこのボンボンみたいに言いますが、2週間に1度、薬をもらいに医者へ通っているだけです。

 もう3年になります。
 一時、血圧が高くて調子が悪いときがあり、診てもらってからの付き合いです。
 主治医がいるって、いいもんですよ。
 特に僕みたいに不規則な職業を営んでいて、不摂生な生活を送っている者には、重宝しています。

 「どうですか? 変わりはありませんか?」
 と問診を受けながら、世間話をして、看護師らとジョークを飛ばして、イイ息抜きになるんですね。
 で、今日の午前中、仕事の手が空いたので行ってきました。


 開口一番、「新しい本、お母さんからいただきましたよ」と先生。

 この病院は、オフクロの行き付けのお医者さんでもあります。
 どうも、さっそく『ぐんまの里山 てくてく歩き』 を持って行ったようです。

 「趣味と実益を兼ねていて、小暮さんはいいですねぇ」と先生。

 すると元美人の看護師さんが、「小暮さんの本、温泉旅館で良く見かけますよ」と言葉を挟んだことから、話はポーンと温泉の話になって、「どこがいい?」「あそこがいい」と診察そっちのけで、盛り上がってしまいました(待合室では患者さんが待っているというのに)。

 ところで、実は、何を隠そう、僕はここの病院で産まれました。
 今は内科医院ですが、先代は産婦人科医もやっていたのです。
 現在の先生のお父様に、僕は取り上げていただいたのであります。
 と、いうことで、産まれたときからの長~いお付き合いをしています。


 診察が終わると、近くの薬局へ歩いて行きます。
 3年間、2週間に1度は通っているんですから、スタッフの方はもう顔なじみです。
 特に男性のKさんとは、同世代ということもあり、毎回会うのが楽しみな人です。

 先日もKさんはメールをくれました。
 「発売おめでとうございます。コンビニで2冊買いました」と。
 薬局に入ると、その通り、ちゃーんと待合室のテーブルの上に僕の本が置かれています。
 それも、前の本も、その前の本も、3冊すべてです。
 なんだか、「小暮文庫」みたいで、気恥ずかしいですな。でも、うれしいです。
 ありがとうございます。

 「小暮さんの本の中から、今年は5つ歩こうと思います」
 処方箋を渡すと、開口一番、そう言ってくださったKさん。
 いつものことですが、薬が出てくるまでの間、山や温泉の話が飛び交います。
 でもKさんは、ちゃんと帰り際には 「最近、血圧はどうですか?」 と、薬剤師としての気づかいも忘れません。
 ここにも、僕の健康を気にしてくれている人がいるのかと思うと、やさしい気持ちになれますね。

 
 何気ない、人と人とのふれあいが、なんともいいんですよね。
 日常の中で、ふと、やすらぎを感じる瞬間です。

 「あっ、オレって、いつも誰かに支えられて生きているんだ」って。

 日々凡々とした風景の中の、かけがえのない大切な時間です。
  


Posted by 小暮 淳 at 15:14Comments(3)つれづれ

2011年01月27日

自然流下の宿


 「かけ流し」だとか「循環ろ過」だとか、浴槽の中の温泉の状態を気にする人は多いのですが、それ以前の湯の状態を知ろうとする人は、まだ少ないようです。

 いくら浴槽の中では「かけ流し」でも、浴槽へ届くまでが何キロも離れていたり、タンクに何日も貯湯していたのでは、湯は完全に劣化しています。あまり浴槽にばかり気を取られていると、本来のあるべき温泉の姿を見失ってしまうことになります。

 以前も話しましたが、「かけ流し」と「源泉かけ流し」は、異なります。
 “源泉”が付くからには、泉源(源泉の湧出地)から浴槽へ届くまで、一切、湯に手を加えていない状態を言います。
 ですから、加水や加温、消毒もされていない状態で、届くことです。

 さらに最上級の湯を求めるならば、動力さえ使用せずに、生まれたままの湯を、そのまま流し入れてあげることです。
 これを「自然流下」と言います。

 「自然流下」とは、読んで字のごとく。
 泉源から湧いた湯が、人の力(動力)を使わずに、万有引力の法則にのっとって、自力で浴槽までたどり着くことです。

 だから当然、泉源と宿の位置関係が重視されます。


 僕は温泉地へ行くと、まず宿の主人に、泉源の場所を聞きます。
 自然の法則にのっとれば、泉源は宿より高い位置にあるはずです。
 もし源泉が敷地内の庭に湧いているとすれば、浴室だけは低いところに造られてなくてはなりませんよね。

 湯は、高い所から低い所へ流れるからです。

 よく、展望大浴場なんてありますが、湯にとっては疲れる話です。
 ポンプアップされ、屋上のタンクに貯められ、落とされ、浴槽の中でグルグル循環されるわけてすから、満身創痍の状態であります。たぶん、源泉の原型なんて無くなっているんじゃないですかね。

 で、賢い湯守(ゆもり)のいる宿は、泉源の位置・湯温・湯量に合わせて、浴室の位置を決めます。
 40℃代の湯ならば、冷めにくいように泉源のすぐ近くに浴室を造ります。
 50℃以上の熱い湯ならば、10m、20mと距離をとって、土地の高低差を利用して、湯を冷ましながら流し入れます。

 それでも夏季と冬季では、湯の冷め方が異なりますから、季節により入り込む湯量を調節するのが、湯守の仕事です。


 ちょっと話が、難しかったですか?
 でも、みなさんが良く知っている草津温泉の湯畑だって、泉源ですよ。
 7本の木の樋が見えますよね。あれって、湯の花を採取するためじゃありませんよ。ただ単に、湯を冷ましているんです。湯の花は副産物です。
 その後、湯は湯滝となって、滝つぼへ落ちます。これは、湯をやわらかくするために揉んでいるんです。

 そして、各旅館へと木管を通って、分湯されて行きます。

 もー、お分かりですね。
 草津で老舗旅館といわれる古いお宿が、すべて湯畑より低い位置に建てられている意味が!
 これが、自然流下です。

 ぜひ、今度温泉地へ行ったら、泉源の位置と宿の位置、湯量と温度の関係を気にして見てください。
 きっと、先人たちの湯を守る知恵に、驚かされるはずです。
  


Posted by 小暮 淳 at 15:21Comments(0)温泉雑話

2011年01月26日

宝川温泉 「汪泉閣」③

 昨日は毎月開催しているNHK文化センターの温泉講座 「探訪!ぐんまの源泉一軒宿」の開講日でした。
 平成22年度の最終講座日であります。
 ファイナルにふさわしく、極寒・豪雪の「宝川温泉」へ行ってきました。

 この講座で「宝川温泉」へ行くのは2回目です。
 一昨年度、真夏の大露天風呂を体験。その感動が忘れられなかったようで、受講生らから「ぜひ、雪の大露天風呂を体感したい!」との要望があり、今年度のファイナルに急きょ、追加講座として組み込みました。

 僕が担当するこの講座も、今年で3年目になります。
 初年度の冬季は、極寒の地は避けて、あたたかな西上州の温泉を訪ねました。が、!
 なぜか、昨年度、バスの中で「真冬の万座温泉へ行ってみたい」と誰かが言い出し、「行きたい」「行きたい」コールが起こり、 「ねぇー、先生ぇ~。万座温泉に連れてって~」と熟女たちからラブ注入されてしまい、渋々、行ったのであります。

 案の定、身の丈以上の豪雪で、バスと旅館から一歩も出られずじまい。
 露天風呂も猛吹雪のため、午前中は閉鎖。
 それでも、やや吹雪が落ち着いたため午後に解除され、元気なオバサマたちはスッポンポンで飛び出して行きました。
 僕も渋々、数名の男性受講生らと、露天風呂へ。

 さにあらん、外は午前に増して猛吹雪であります。
 あれよあれよのうちに、首から上は雪ダルマに。
 さー、これで懲りただろう。もう、我がままは言うまい。と高をくくっていたら、これまた、さにあらん。

 「せんせー! 最高だった。来年も豪雪温泉ねっ(ラブ注入)」
 熟女たちは、どーも、刺激を求めているようです。


 と、いうことで、今年もリクエストにお応えして、群馬最北の地へ。
 水上温泉を抜け、うのせ温泉を過ぎたあたりから、雪は激しくなりました。除雪車も運行しています。
 バスの運転手さんも「行ける所までスタッドレスで行きます」と言っていましたが、藤原湖手前の「粟沢」あたりで断念。
 路肩にバスを止めて、チェーンを装着。さすが、プロですな。わずか10分で完了です。

 よっぽど良質なパウダースノーなんでしょうね。
 地吹雪のように、もうもうと雪けむりが行く手をはばみ出しましたよ。
 風が吹き、雪が舞い上がるたびに、熟女たちは「うわ~っ!」と叫びます。
 いくつになっても、女性というやつは、可愛いものです。
 なんだか、修学旅行のようで、楽しくなりました。


 雪の降りしきる中、長靴を履いて、女性陣は奥の「摩耶の湯」へ。男性陣は手前の「摩訶の湯」へ向かいました。

 やっぱり、いつ見ても、ここの露天風呂はデカイ!
 「摩訶の湯」だけでも120畳分あります。4つの露天風呂の合計は、なんと470畳分!
 当然、こんだけの湯量を加温して循環ろ過はできませんから、かけ流しとなります。
 所有する4本の自家源泉の総湯量は1800リットル。一番熱い源泉は約70℃ありますから、真冬でも温度が保てるんですね。
 以前、お話を聞いたときに、「こんだけ源泉が熱いと、夏季のほうが適温に保つのが大変です」と言ってました。
 なんとも、贅沢なことです。

 僕はいったい、今までに何度、宝川温泉に来たのでしょうか?
 湯舟の中で、考えました。
 もう、思い出せないくらい、取材に来ているんですね。
 でも、よーく考えてみたら、厳冬期に訪ねたのは、今回が初めてだったんです。
 (ま、この豪雪では、取材は遠慮します)

 頭にタオルをのせて、シンシンと降る雪を見上げながら、口を大きく開けて、雪を食べました。
 子どもの頃、雪が降ると、よくやりましたよね。
 なんだか、シアワセ~な気分になりましたよ。

 受講生らに、感謝……


 帰りのバスの中では、恒例・お約束の歌を披露。
 この講座では、最終講座日の帰路の車中で、僕が受講生らに感謝と御礼を込めて、『GO!GO!温泉パラダイス』 を歌います。これで、一年間の講座も無事、終了しました。

 4月からは平成23年度の新講座 「探訪! ぐんまの小さな温泉」 が開講します。
 ほとんどの受講生が更新手続きをしてくださいました。
 もしかしたら、数名のキャンセルが出るかもしれませんので、希望される方は問い合わせてみてください。

 ●問い合わせ/NHK文化センター前橋教室
           TEL.027-221-1211
  


Posted by 小暮 淳 at 12:35Comments(3)温泉地・旅館

2011年01月24日

チェーン旅館潜入ルポ


 温泉地をめぐっていて、今一番気になっているのが、老舗旅館の相次ぐ倒産・廃業です。
 見ていると、バブル期に大型ホテル並みの新館を建てたところが、この不景気でやり繰りできずに、イってしまっているようですね。
 今や、県内の有名温泉地では、どこでも起きている現象です。

 そこへ現れたのが、全国規模で温泉地を席巻しているホテルチェーンです。
 有名なチェーンが2社ありますが、それだけではありません。なかには業種外の企業までやってきて、廃業した旅館やホテルを買い取って、超格安の宿泊料金で営業をしています。

 最初は、「いよいよ温泉地までファミレスやコンビニのように、全国画一化されてしまうのか」と嘆いたものです。

 ところが、温泉地の人たちにしてみれば、もう少し思いは複雑のようです。
 老舗旅館が廃業したままでは、その温泉地のイメージダウンになってしまいます。
 願わくば、地元の企業や旅館経営者に引き続き営業してもらうのが一番いいのでしょうが、このご時世です。
 いつまで経っても、そんな奇特な人は現れません。

 痛し、かゆし。
 背に腹は変えられない、枯れ木も山の賑わい、ということで、幽霊屋敷になってしまうよりは、ディスカウントショップのような温泉宿でも、集客になれば、まだ、そのほうがマシということのようです。
 完全に、客層は変わってしまうのですけどね。


 で、果たして、経営が変わってしまったチェーン旅館とは、どんなものなのだろうか?と思い、僕の趣味ではないのですが、一度は後学のためにと、昨年の暮れに変装(?)して、潜入してきました(小さな温泉地では、ほとんど面が割れていますが、大きな温泉地のチェーン店では、別に変装しなくても大丈夫なのですが)。

 某月某日、某温泉地の某宿。

 1泊2食で、驚きのプライス。ほとんどビジネスホテル料金です。
 と思ったら、なかのシステムもビジネス並みでした。

 受け付けを済ますとカギを渡され、自分で浴衣を選び(柄ではなくサイズ)、エレベーターに乗って、部屋へ。
 当然、荷物を持ってくれる客室係はいません。
 夕食もバイキング、朝食もバイキング。それも2交代制で、時間で区切られていました。
 当然、料理は冷めています(期待はしていませんが)。

 問題は温泉です!

 でも、一番期待してはならないのが、“湯”なのです。
 そして見事に、期待してないどおりの“湯”でした。
 これで、いいのです。
 もし、これで湯が絶品だったら、どーします?
 でしょう!

 これで、ちゃんとつじつまが合うのですよ。

 なんだか、ホッとして帰ってきました。

 そして、結論!
 温泉地のチェーン旅館は、温泉地にあるビジネスホテルである。

 これで安心して、これからも温泉取材ができるというものです。
 消費者が、“ホンモノ温泉” と “ソーデナイ温泉” を、使い分ける時代が来たということですね。
  


Posted by 小暮 淳 at 18:17Comments(7)温泉雑話

2011年01月23日

イメキャラコンテスト

 「ひょうたんから駒」とは、まさに、この事です。

 昨年の忘年会の席。
 温泉旅館で冗談半分で話していた “あの話” が、現実となってしまいました。


 “小暮淳 キャラクターグッズ” の制作ですよ!

 で、それにあたり、僕のイメージキャラクターをコンテストで決めようというイベントが実施されることになりました。
 これは、僕が今までに出版した『ぐんまの源泉一軒宿』 『群馬の小さな温泉』と、今秋出版予定の新刊を合わせた温泉シリーズ本の販売をフォローするものです。
 主催は、僕が所属するクリエーター集団の「プロジェクトK」。
 参加対象は、基本的にはプロジェクトKのメンバーですが、メンバーのデレクションがあれば、友人・知人の参加も可能です。

 以下、送られてきた応募要項の内容を記載します。



   『小暮 淳 イメージキャラクターコンテスト』

  ●テーマ    小暮淳キャラクター
  ●条 件    1色でタオルに印刷ができること(絵でなく文字でも可)。
           メンバー内でのコラボレーションも可(プラン+制作)
           メンバー内ファミリーの参加可(子どもの絵でもOK)。
           メンバーのデレクションがあれば、メンバーの友人などの協力可。
  ●期 限    2月28日(月) メール・郵送いずれも可
           プロジェクトK本部宛
  ●書 式    A4タテ スミ1色  15cm×15cmくらいの範囲に提案プランを
                       入れてください。企画趣旨説明は、あっても
                       なくても可。
  ●審 査    全作品を人気投票
           審査にはプロジェクトKメンバー全員+ファミリー
           温泉本販売に影響する組織 / 上毛新聞社関係、県内温泉関係 ほか
  ●発 表   3月22日(火) プロジェクトK例会にて


 と、まあ、こんな感じです。
 これに賞金や使用料の契約などが記載されています。

 はてさて、僕のイメージキャラクターって、どんなのが集まるのでしょうかね?
 あのセント君やひこにゃんのようなキャラなんでしょうか?
 はたまた、天童よしみちゃん人形みたいなんですかね。

 いずれにせよ、楽しみであります。
 関係者の方、ふるって、ご応募してくださいませ!
  


Posted by 小暮 淳 at 15:44Comments(4)著書関連

2011年01月22日

法師温泉 「長寿館」②

 NHK-FMラジオ 「たすきでつなげ群馬の力」 の今月のテーマは 「温泉の力」 。
 4週にわたり放送されています。

 新年最初の第1週、4日(火)は、先陣を切って温泉界の新参者である、この僕が出演し、『群馬の秘湯・源泉・一軒宿』 と題して40分間お話をさせていただきました。
 2週目は、上牧温泉「辰巳館」の社長、深津卓也氏。
 そして今週は、法師温泉「長寿館」社長の岡村興太郎氏でした。

 岡村さんは、長寿館の6代目主人。と、同時に、現在は群馬県温泉協会の会長であります。
 昨年11月に開いていただいた、僕の出版パーティーへも来賓として臨席してくださいました。
 その方の放送を聴き逃すわけにはいきません。しっかり、手帳にも書いてありました。なのに……

 聴き逃しました(情けない)。

 と、いうことで、生放送は聴き逃してしまったので、何が何でも再放送は聴かねば!と、昨日は17:20からラジオの前で、正座をして、背筋を伸ばしながら、拝聴したのであります。


 「秘湯の条件」と題したインタビューでした。

 湯守(ゆもり)とは? というアナウンサーの問いに、岡村さんは、こう答えていました。

 「温泉とは、雨や雪が解けて、50~60年という長い年月をかけて、地中で温められ、たくさんの鉱物を溶かしながら地上に湧き出てきています。でも、地上に出てきてからの命は、非常に短い。空気に触れた途端に酸化し、老化が始まってしまう。湯守の仕事は、時間との闘いです。いかに、鮮度の良い、いい湯を提供するかなんです」

 さすが、一級の湯守は違いますね。

 ご存知の人も多いと思いますが、法師温泉は、全国でも稀な “足元湧出温泉” です。源泉の湧き出し口がそのまま湯舟になっている、たいへん珍しい温泉です。
 全国でも1%未満という存在。さらに、人間にとって快適な温度(42~3℃)が湧き出ているとなると、これはもう“奇跡の湯”といってもいいでしょう。

 湧き出した湯が、空気に触れる前に、肌を包み込んでくれるのです。
 これ以上の新鮮な温泉はありません。


 さらに岡村さんは、こんな話をしました。

 「温泉は、源泉の湧き出し口(泉源)だけ守っていればいいわけではありません。もっとも大切なのは、温泉の源となる雨や雪が降る場所。つまり、まわりの自然環境こそが大事なんです」

 このお話は、初めて僕が長寿館へ取材に行ったときに、いの一番に話してくださった話です。

 トンネルや土木工事をされれば、湯脈が分断される恐れがあります。
 また、スキー場やゴルフ場ができれば、森林が伐採され、山は保水力を失い、温泉の湧出量が減少する恐れがあるのです。


 ラジオを聴いていて、「ああ、岡村会長は、一貫しておられる」と、つくづく感銘した次第であります。

 いい温泉は、いい湯守により、守り継がれているのですね。
   


Posted by 小暮 淳 at 11:48Comments(9)温泉地・旅館

2011年01月21日

島人たちの唄⑨ 「カオスの片隅で」


 「いたっ、いたぞー! 捕まえろー!」

 人気アイドルグループが、TVの中で逃げ回っていた。
 迷路のような路地が、幾重にも絡みながら、小高い山を覆いつくす島の住宅密集地で、追いかけごっこをしている。

 考えることは、同じだ。
 TV局の番組制作スタッフの目にも、篠島の住宅地が格好の遊び場に映ったのだ。
 僕も初めてこの島を訪ねたとき、潮風から家を守るために軒を寄せ合いながら密集する住宅地に入り込んで、途端に迷子になってしまったのだから……。

 港のある埋立地をのぞけば、島内に平地はほとんどない。
 南端から西部にかけては、切り立った断崖が続く景勝地で、民家はない。
 東方に広がる800メートル余りの砂浜が、平地といえば唯一の平地である。

 昭和51年、中手島と小磯島という2つの属島を基点にして、現在の埋立地が完成した。
 これにより、住宅や民宿が平地を求めて、移転建築された。
 しかし、古い島民は依然、今も迷路の中で暮らしている。


 ビ、ビ、ビビビーーーーー!!!!

勾配の路地、それも階段の途中で、けたたましいクラクションにまくし立てられた。
 振り返れば、急登もなんのそのの抜群のテクニックで、スクーターが駆け上がって来る。

 「ごめんなさいねぇ」

 おばちゃんは、僕の脇をすり抜けて行った。

 島の階段には大概、スクーター用の側道が設けられている。歩道橋で見かける、自転車を押して上がるスペースのようなものだが、島では一切、自転車は走っていない。
 坂道が多過ぎて、移動の手段には適さないからだ。

 迷路は、ときに行き止まりとなる。
 が、そんなときは分かれ道まで引き返し、ひたすら空を目指せばいい。

 空へ空へと向かう路地は、やがて島の分水嶺に出る。

 東に浜を、西に港を、そして空へつづく海を見渡す。
 潮風を遮断した暗い迷路の中で密閉された空気は、坂道という煙突を伝って昇り、島のてっぺんで排気される。


 「暗」 から 「明」 へ

 眼下の岩肌にへばりついたフナムシのような甍(いらか)の群れが、島人たちの知恵がぎゅうぎゅうと詰まった純度の高い極上のカオス(混沌)に見えてきた。
 いつかアジアの片隅で感じた、あの喧騒と雑踏にも似た、生活の匂いと音が充満したカオスの世界である。

   


Posted by 小暮 淳 at 13:36Comments(3)島人たちの唄

2011年01月19日

猪ノ田温泉 「久惠屋旅館」④

 今日は午後より、藤岡市の猪ノ田(いのだ)温泉「久惠屋旅館」へ行って来ました。
 新聞連載の取材です。

 藤岡市といっても、下日野猪ノ田は深い森の中。
 夏場に行くと良く分かるのですが、標高はさほど高くないのに、県道から離れた途端に、ひんやりと空気が変わります。
 小さな小さな渓流、猪ノ田川のほとりに、ポツンとたたずむ一軒宿。

 ご主人の深澤宣恵(のぶやす)さんとは、出会ってから、かれこれ6~7年の付き合いになります。
 初めての晩に、泊まって、飲んで、温泉復活までの熱い熱い孤軍奮闘話を聞きました。
 あれから、いったい、何回訪ねたことでしよう。

 新聞や雑誌、出版の取材で、たびたびお世話になっていますが、最後に伺ったのは昨年の春でした。
 NHK文化センターの温泉講座で、お邪魔して以来です。

 「あれから、うちを気に入ってくれて、何度も来てくださっている生徒さんがいるんですよ」
 と、女将の信子さん。
 その生徒さんは、Oさんです。

 「先生、先生! また猪ノ田温泉、行ってきちゃった~」
 と、講座のたびにOさんは、僕に報告しますから。

 彼女は、よっぽど猪ノ田の湯を気に入ったようです。
 嬉しいですね。
 講座を続けている甲斐があります。

 温泉は、何のために巡るのか?
 それは、自分に合ったお湯を見つけるため。
 僕は、そう講座で話しています。

 「そうそう、Oさんです。来るたびに源泉と石鹸を買って行かれるんですよ」
 久惠屋旅館では、女将の発案で、ペットボトル入りの源泉と、源泉で作った石鹸を販売しています。
 昔から、ここの湯は、皮膚病やアトピー性皮膚炎に効くと言われているため、源泉を求める人が多かったのです。

 「皮膚病はもちろんですが、何よりもヤケドに抜群に効くんですよ。この間も、ゴマを炒っていてね、ヤケドしちゃったんですけど、すぐ風呂場へ走って行って湯に手をつけたら、ほーら、何の痕も残らないんでよ。うちの湯ながら、凄い湯だなって、改めて感心してしまいました(笑)」

 いいですね、女将さんが明るいって。
 それだけで、癒やされますもの。

 かたわらで若女将の久美子さんが、微笑んでいます。
 僕は、今日、初めてお会いしました。
 昨年から、宿を手伝うようになったんだそうです。
 若くて、お綺麗な人です。

 「良かったですね、2代目女将ができて」と僕。
 「まだ、見よう見まねで、お義母さんに教えてもらいながらやっています」と若女将。


 温泉旅館には、湯を守る主人と、その湯守(ゆもり)の女房がいます。

 今度の連載では、そんな湯守の女房(女将)たちを追いかけてみようと思います。
   


Posted by 小暮 淳 at 21:39Comments(3)温泉地・旅館

2011年01月18日

いよいよ明後日、発売!

 なんだかんだと難産の末に産み落とした初のウォーキングエッセー 『ぐんまの里山 てくてく歩き』 が、明後日(20日)に県内および近郊のコンビニ(セブンイレブン、セーブオン)で発売されます。

 この本は、高崎市のフリーペーパー「ちいきしんぶん」の2006年12月~2010年8月に連載された「里山をゆく」と「ぶらり水紀行」に、加筆・訂正し、新たに書き下ろしを加えたものです。
 本のタイトルに、“電車とバスで行く” とサブが付いているように、マイカーを使わず、移動手段は公共交通機関を利用し、あとはすべて“歩く”という、こだわりの旅エッセーです。

 何をそんなに、こだわっているのかといえば、そりゃー、僕のことですから「温泉」と「酒」ですよ!

 山を歩いて、里に下りたら、温泉。
 温泉に入って、汗を流したら、酒。

 本書は、徹底して、この2つにこだわって書かれています。
 よって、マイカーを一切使用しない、反車社会の紀行本となっています。


 「ちいきしんぶん」に連載当初より、大変好評の企画で、読者よりバックナンバーを求める問い合わせが多かったと、担当編集者より聞いています。
 その担当編集者の吉田勝紀さんが、すべての山行に同行して、写真を撮ってくれました。
 早くも、「写真がキレイ」との、彼の玄人はだしの腕前を称賛する声が届いています。

 実際、僕のつたない文章を、彼の写真がかなりフォローしてくれていますね。
 吉田さん、ありがとうございました。


 そして、今回は、装丁を、友人でイラストレーターの飯塚裕子さんにお願いしました。
 彼女は、クレーアーティストとしても有名で、講師もやっています。
 ぜひ、今回は立体画で!と依頼し、粘土細工で“小暮淳”を作ってもらいました。

 表紙は、のどかな山里の風景の中を、リュックを背負った僕が歩いています。
 裏表紙は、下山後に、露天風呂につかり、酒を飲んでいる立体画です。
 いやいや、今までにない、楽しい本が出来上がりましたよ。
 飯塚さん、ありがとうございました。


 これから春先までは、絶好の里山シーズンであります。
 日頃の運動不足とストレス解消に、身近で手軽に歩ける里山ウォーキングに出かけてください。


 ※一般書店での販売は、1月24日(予定)以降となります。


    電車とバスで行く 『ぐんまの里山 てくてく歩き』
       ■著者 小暮 淳
       ■上毛新聞社 刊
       ■A5判 124ページ オールカラー
       ■定価 1,260円 (本体1,200円+税)
  


Posted by 小暮 淳 at 15:51Comments(6)著書関連

2011年01月17日

新連載が始まります。


 四万温泉から帰った晩。
 湯あたり、湯疲れでダルダルになった体を引きずって、気力のみで歩いて、指定された街中の飲み屋へ出かけました。

 約束の時間より、少し早かったため、カウンターに座り、とりあえず生ビールをいただました。

 不思議なものです。
 前の晩、浴びるほど飲んで、少々宿酔気味で、湯あたりするほど温泉に入って、はいずる思いで店にたどり着いたというのに、どうでょう!このビールのうまさは!
 まるで砂漠に流し込んだように、グビグビと入っていきます。

 2杯いただいて、落ち着いたところで、芋焼酎のお湯割りへ変更した頃、待ち人が登場です。

 初めてお会いする人ですが、一緒に飲み出せば、すぐに10年来の友人のようなもの。
 初対面なのに打ち合わせ場所を、飲み屋に指定してくるところなんぞ、僕のことを完全リサーチしていますな。
 (酔わせて、快諾させようという魂胆のようです)

 ということで、ものの30分も経たないうちに、彼とは打ち解けてしまいました。


 彼は、朝日新聞社の記者です。

 話の内容は、連載の依頼。
 もちろん、温泉ネタです。

 ただ僕は、“現場へ行かなければ書かない”こと と “自分では写真を撮らない” ことを条件に出しました。

 すると、彼は、「分かりました。僕が小暮さんと同行して、送り迎えとカメラマンをやります」と、まー、嬉しいことを言うではありませんか。
 だったら、なーんも問題はありません。

 ということで、連載をお受けしたのですが……

 「それが……、来月からスタートしたいんですけど?」
 「ええー、来月だ!? 無理無理、時間ないよ」
 「そこを、なんとか……」

 (仕方ない、あまり駄々をこねると、せっかくの連載話が流れてしまうかもしれない。ここは、素直に受けることにしよう)

 「ありがとうございます。で、隔週の連載になります」

 なにーーーー! 隔週だ!? 月2回の連載かい?
 おいおい、勘弁してくれよ。連載となれば、月イチだってキツイんだよ。それを月2回だなんて……

 う~ん、と僕がうなっていると、目の前に、キーンと冷えた冷酒グラスが置かれ、
 「いい話じゃない、お書きなさいよ」と、ママが一升瓶を抱えて、トクトクッ、トクトクッと注いでくれたのでした。

 きーっ、こりぁ、うまいや!

 「じゃあ、OKということで」と彼。
 「そうだね、やりましょうか」と僕。

 またしても女と酒の誘惑に負けてしまったのであります。


 と、いうことで、来月2月8日(予定)より、朝日新聞紙上にて、小暮淳の新連載がスタートすることになりました。

 ご期待ください!
   


Posted by 小暮 淳 at 23:06Comments(2)執筆余談

2011年01月16日

なぜか? ランクイン!


 今日の上毛新聞を見て、びっくり!仰天しました。

 10面、読書欄。
 「週間ベスト10」 (2日-8日、前橋・煥乎堂本店調べ) の8位に、なななんと、前著の 『ぐんまの源泉一軒宿』 (2009年9月発行) がランクインしているではないですか! 我が目を疑いましたよ、『群馬の小さな温泉』 の間違えじゃないかって。

 確か、『ぐんまの源泉一軒宿』 が最後にベスト10入りしたのは、昨年の4月です。
 9ヶ月ぶりのランクインです。
 それも昨秋に出版した新刊の 『群馬の小さな温泉』 を差し置いて、なぜ?今頃?


 正月に、どこかのメディアが紹介しましたかね?
 それとも、新刊を買った読者が、前著を購入し出したのでしょうか?

 今日は朝から、ずーっと不思議で、その事ばかり考えています。
 明日、出版元へ問い合わせてみようと思います。

 ????????????
   


Posted by 小暮 淳 at 14:55Comments(4)著書関連

2011年01月15日

四万温泉 「なかざわ旅館」②


 昨日は朝より、「なかざわ旅館」にお邪魔して、女将の中沢千世子さん、若女将のまち子さんと、長い長いお茶をして来ました。
 ま、これが僕流の取材方法なんですね。
 お茶飲んで、雑談をしているうちに、人間は本音をしゃべってくれるものです。

 「なかざわ旅館」は、昨年の9月に、JRと県の観光情報誌の取材で泊り込んだばかりです。
 よって、今回は泊まらずに、近況を探りに立ち寄りました。


 もちろん、上質な湯もいただいてきましたよ。

 「なかざわ旅館」には、4つの浴室があります。
 男女別の大浴場が各1つずつと、貸切の露天風呂が2つ。
 それらはすべて、加水なし、加温なし、完全放流式です。

 なぜ、加水もせず、加温もせずに、夏季と冬季の湯の温度調整ができるのかといえば、ここの湯は6つの源泉の混合泉だからです。温度の高い硫化塩温泉と、低い単純温泉を使用。その配合率により、微妙な温度の調節をしています。

 いわゆる「湯守(ゆもり)」のいる宿です。
 その湯守こそが、ご主人の中沢孫市さんです。

 宿泊客のみで、立ち寄り入浴客は受け入れていないのも、湯を愛するがゆえのこと。
 「キレイが一番」がモットーの主人は、毎日湯を抜いて、浴室の掃除を欠かしません。

 「湯守のいる宿だなぁ~」
 と入浴した瞬間に、感じることができます。

 ここの風呂には、湯口が2つあるのです。

 浴槽奥に、通常の注ぎ口が1つ。それと湯床からも湧いています。
 なぜか?

 「上からの注ぎ口だけだと、浴槽の上層だけが熱くなってしまいます。湯床からも出してあげることにより、湯を攪拌(かくはん)しています」
 とは、御見逸れいたしました!

 お見事です。1本取られましたな。


 攪拌された湯は、極上であります。
 硫酸塩温泉のまろやかさを残しつつ、サラリとした清涼感も与えてくれる湯です。
 体を動かすたびに、ザザザー、ザザザーと縁からあふれ出る湯音の心地よさったら、ありゃしません。

 いい湯に出会うと、その日一日がすべて、いい日になれるような気がしますね。
   


Posted by 小暮 淳 at 15:08Comments(8)温泉地・旅館

2011年01月14日

四万温泉 「あやめや旅館」


 昨日の昼より、雪の舞う、激寒の四万温泉に入り込み、取材活動を続け、先ほど帰りました。
 今朝の四万温泉は、気温マイナス7℃! 車の中の飲みかけ缶コーヒーが、ガチンガチンに凍っていましたよ。 

 とにかく寒い! 寒いから温泉に入るのですが、次の現場までにすぐ湯冷め。2日間、そのくり返しで、はっきり言って、現在、体調不良、脱力感が一杯であります。

 昨晩は、ご厚意により、「あやめや旅館」に泊めていただきました。
 新湯地区(土産物屋が並ぶ、四万の中心地)にあり、温泉街を見下ろす高台に建つ、静かな旅館です。

 「あやめや旅館」に泊まるのは、初めてなのですが、2代目女将の中沢やす子さんから、興味深い話をたくさん聞きました。
 もう十何年と四万温泉には通っているといるのに、まだまだ知らない事があるものです。
 これだから、取材は楽しい!
 “現場百遍” 取材は、通い過ぎるということはないのです。


 「あやめや旅館」は昭和35年の創業。
 現在の旧館の場所で、旅館を始めたといいます。それ以前は、団子屋でした。
 名物の「あやめ団子」が人気だったので、旅館に転業した際に「あやめや」と屋号を名乗ったそうです。

 そして平成元年に、現在の場所に本館を新築しました。
 その場所こそが、「朝日座演芸館」の跡地だったのです!

 「今でも時々、昔の四万温泉を知っているお年寄りが、確か、この辺に芝居小屋があったよね?」
 と訪ねて来るとのこと。

 「とにかく賑やかだった。公演ののぼり旗が立ち、チンドン屋が温泉街を練り歩いたものよ。浅香光代や梅沢富美男だって来たんだからさ」
 と、女将さんは言いながら、当時の白黒写真を見せてくれました。

 セピア色した写真は、ドーランを塗った役者さんたち。
 「よっ、色男! 日本一!」
 そんな掛け声が聞こえて来そうです。

 僕の想いは、どんどん時空を超えて、昭和のはじめの良き湯治場の風景の中へ、引き込まれて行きました。


 ひと風呂浴びて、夕げの席に着くと、女将さんが 「これは、うちからのサービスね」 と、冷酒のビンを差し出し、猪口に注いでくれました。
 きぃー、効くねー!
 冷えた体を温泉で温めて、そこに流し込む冷酒の味ったら、至福の極みよ。
 これだから、この仕事はやめられませんって。

 すると、女将は、
 「お好きなだけ飲んでくださいね。次からは、全部協会さんのおごりですから」
 ですって。
 本当ですかい?
 きぃー、そんなこと言われたら、マジで酒の在庫飲み干しますよ?!

 見ると、膳をはさんだ僕の前で、酒豪のカメラマン氏が、鼻の下を目一杯のばしてニヤニヤしています。
 「いいですねぇ、たまりませんな~」


 と、いうことで、1本が2本、2本が3本と冷酒のビンが空いて行きましたとさ。

 雪舞う温泉宿で、オヤジ2人は、グデングデンになるまで、酔いしれたのであります。
    


Posted by 小暮 淳 at 17:31Comments(10)温泉地・旅館

2011年01月13日

もっと軽~く


 先日、Hさんに会ったときのことです。

 Hさんとは、かれこれ15、6年の付き合いになります。
 僕がフリーになりたての頃、職種は違うのですが「食えるようになるまで、うちの仕事手伝ってよ」と、仕事をくれた人生の恩人であります。
 僕の数少ない、頭の上がらない人の1人なんですね。

 そのHさんが、酔って、こんなことを言いました。

 「初めて会った頃のジュンちゃんはさ、なーんて軽い男だと思ったけど、最近は、ナンダカ貫禄が出てきたよね」

 イカーン! イカンのです。

 僕の座右の銘は 「努力してでも軽く生きる」でありますから、軽く見えないということは、努力が足りないということなのだ。


 その昔、“こころのボス” こと木彫家で絵本作家の野村たかあきさんから、「フットワークの軽い男になれ!」と教え込まれたのであります。
 「身動きのとれない男になるな!」「いつでも、どこでも、自分の心ひとつで動ける人間でいろ!」と……。

 人間、誰でも、ラクをしたいから、“動”より“静”を選びがちになります。
 でも、アクションを起こす動作は、決して“力”の有る無しではないんです。
 フットワークが軽いか、重いか、なんですね。

 フットワークを軽くするには、日々のトレーニングが必要です。
 急に重い腰は上がりませんもの。
 ふだんから、腰の軽いヤツでいなければなりません。

 特に、フリーランスで生きている人間は、動いてナンボですから。

 フットワークの重いフリーランスなんて、定年退職したサラリーマンより使えません。
 木に登れない猿、泳げない魚と同じです。


 Hさん、気づかせてくれて、ありがとうございます。

 いつまでも、軽い男でいられるよう、努力させてもらいます(高田純次のように…)。


 さーて、こうして仕事部屋で、ジッとなんてしてはいられませんよ。

 と、いうことで、今日はこれより温泉行脚の旅へ出かけて来ます!

 北は雪だろうな~。
 いえいえ、雪見風呂は、この時季しか味わえない温泉の醍醐味です!
 おっくうがらずに、フットワークを利かせて、軽~く行こうではありませんか。

 では、行って来まーす!
   


Posted by 小暮 淳 at 09:43Comments(5)つれづれ

2011年01月12日

楽天参上!


 今日は上毛新聞社の会議室で、昼をはさんで、顔見せ会および会食会があり、出席してきました。

 誰と顔見せかというと、あの!飛ぶ鳥を落とす勢いの!「楽天トラベル」様であります。
 事業開発部長をはじめ、関東営業グループのマネージャーやトラベルコンサルタントさんなど4名様で、来社されました。

 楽天トラベルといえば、僕の2冊の本 『ぐんまの源泉一軒宿』 『群馬の小さな温泉』 ともにタイアップしてくださっている大企業であります。群馬にお見えになると聞けば、著者としては、ごあいさつに馳せ参じないわけにはなりません。

 ということで、広い会議室に、ズラ~リと上毛新聞社側も、出版部長をはじめ、広告局の偉い方が揃いました。


 「著者の小暮さんです。ひと言、お願いします」

 と、いきなり振られてしまい、あわてる場面もあったりして。
 でも、そこはなんとか、群馬の温泉の素晴らしさをアピールいたしました。

 雑談のあと、「ぐんまの物語弁当」が振舞われました。

 ご存知ですか? このお弁当。

 「ぐんまの物語弁当」とは、群馬県とJR東日本、JAグループ群馬、それと上毛新聞社が企画し、群馬の食材を使った企画弁当です。県民を対象にしてアイデアを公募し、その中から3点の弁当が商品化されています。

 「勝つぞ!義貞弁当」(登利平) 
 「新島襄の洋風弁当」(おぎのや)
 「和田英の富岡日記弁当」(たかべん)

 と、群馬を代表する弁当専門業者が、【人物編】として群馬ゆかりの人物をストーリー性豊かな物語弁当に仕上げています。

 今日、出てきたのは「和田英の富岡日記弁当」。
 和田英は、富岡製糸場の女工で、回顧録「富岡日記」を著しました人物です。
 ギンヒカリの塩焼きや上州牛、こんにゃく、ネギを使ったすき焼き、花まめ、里芋の煮物など、なかなかのできばえであります。和田英の故郷・長野松代の名産、あんずのシロップ煮が添えられているところは、見事!でした。

 会食のあと、いよいよ、本題です。

 実は、今日のメインは顔見せでも、食事もなく、ジャジャジャーーーン!
 今年の秋、9月に出版される僕の著書、群馬の温泉本シリーズ第3弾とのタイアップ話なのであります。
 と、いうことで、どんな話し合いがなされたかは、ここではヒ・ミ・ツです。

 イイ感じに、話は進み、散会となりました。


 期待されるということは、とても良いことで、作る側は、俄然!ヤル気が出てくるのであります。
 今年は、まだまだスタートとしたばかり。
 でも、エンジンは全開! バッテリーだってビンビンであります。

 今年も、暴れますよー!
    


Posted by 小暮 淳 at 18:45Comments(0)著書関連

2011年01月11日

探しモノは何ですか?


 やっと見つけました。
 昨日の探し物です。

 結局、我が家の納戸には、無かったのですよ。
 で、今日、「もしや…」と思い、取材の帰りに、実家へ寄ってみました。

 そしたら、あったんです!
 実家の、兄の、レコードコレクションの棚の中に……。
 ビニールカバーもボロボロ、ジャケットも汚れています。
 でも、写真の中の僕は、19歳のままです。

 キャンディーミュージックというレーベルから発売された、僕のデュー曲が収録されたレコード。

 33年前のことです。
 当時、僕は東京で働きながら、夜学の音楽学校に通っていました。

 ある日、そこで知り合った仲間の1人が、「俺たちのレコードを出してくれるってー!」と飛びついて来ました。
 「本当か?」「ああ、チャンス到来だ!」「夢って、叶うんだなぁ~!」

 プロを目指して、ライブ活動をしていた6人のオムニバスアルバムです。
 当時風に言えば、LPレコードですね。

 1人2曲ずつ、12曲が収録されています。
 僕の収録曲は 『忘れかけてた街』 『中野通りを北に』 という、なんとも昭和フォーク、ドストライクのタイトルであります。

 『忘れかけてた街』は、ふるさと前橋を歌っています。
 歌詞を見ると、「北風舞う」とか「駅前通り」「ケヤキ並木」なんていう、前橋っぽいフレーズがちりばめてあります。

 『中野通りを北に』は、当時、住んでいた街、中野を歌っています。
 しっかり、歌詞に “中野サンプラザ” という言葉が入っていますね。


 笑っちゃいます。

 でも、泣けてくるんです。

 僕が、なぜ、30年以上前のレコードを探していたか?

 それは、「俺たちのレコードを出してくれるってー!」と僕に飛びついて来た男と、もう、このレコードジャケットでしか会えないからです。

 訃報を聞いてから、探していたんです。

 江川比呂志、あだ名は「エガパン」。
 東京へ出て、最初にできた友だち。
 好きな女の子を取り合った恋敵。
 一緒に夢を追った、良き理解者、そしてライバル。
 
 ……でした。


 探しモノは見つかったけど、彼の声を聴くことができません。
 考えたら、もう我が家には、レコードプレーヤーがないんですね。

 今夜は、ジャケットを見ながら、酒を飲むことにします。
 そして、彼が作った歌をうたいましょう。


 また今日も、“夢のカケラ” を拾ってしまいました。
    


Posted by 小暮 淳 at 18:42Comments(2)つれづれ

2011年01月10日

夢のカケラ


 納戸で探し物をしていたら、“夢のカケラ” を見つけました。
 1本のカセットテープです。

 小暮淳 「はじめての旅」 1,000円

 ジャケットには、1984・8・26/STEREO とありますから、27年前にレコーディングしたアルバムです。
 いっぺんに記憶が、あの熱い熱い夏の日に飛んで行きました。

 夢破れ、でも夢を捨てきれずに、東京から帰って来たのは、その前年のこと。
 まだ、未練タラタラで、東京のライブハウスなんかに通っていました。

 そんな僕に、バイト先で声をかけてくれたのが、H君でした。
 「知り合いの店で、歌わないか? 僕も手伝うからさ」
 と、初めて前橋市内のカフェバーでも、定期的にライブをすることになったのです。

 そして1年後の夏……

 僕らは、1ヶ月間をかけてレコーディングをしました。
 僕らとは、アレンジとギターをH君が担当、ミキサーは旧友のS君にお願いしました。
 ドラムやキーボード、コーラスなどは、その都度、友人のそのまた友人らを頼って、演奏してもらいました。
 そして、作詞と作曲とボーカルは僕の担当です。

 タイトル曲の「はじめての旅」を含め、全7曲の収録に、青春をかけた夏でした。


 今日、あらためて聴いてみました。

 もっと照れくさいものかと思ったのですが、不思議と聴き入ってしまいました。
 なんだか熱いものまで、込み上げて来ましたよ。
 20代の若き自分から、メッセージをもらった感じがしたのです。

 「未来のオレは、頑張っているかい?」ってね。

 実は僕は、若い頃の自分がキライだったのですよ。
 生意気で、何もできないくせに、口ばっかりで、いつも世の中を斜に構えて見ていた記憶があるものですから。

 でも、アルバムを聴いて、「生意気は生意気なりに、一生懸命、自己表現をしていたんだな」と、昔の自分と和解できたような気がしたのです。
 小さな小さな夢のカケラだけれど、あの日があったから、今の自分がここにいるのも確かなんですよね。


 あれから27年……

 そろそろ夢のつづきを完成させてあげないと、ですね。
      


Posted by 小暮 淳 at 21:30Comments(2)つれづれ