温泉ライター、小暮淳の公式ブログです。雑誌や新聞では書けなかったこぼれ話や講演会、セミナーなどのイベント情報および日常をつれづれなるままに公表しています。
プロフィール
小暮 淳
小暮 淳
こぐれ じゅん



1958年、群馬県前橋市生まれ。

群馬県内のタウン誌、生活情報誌、フリーペーパー等の編集長を経て、現在はフリーライター。

温泉の魅力に取りつかれ、取材を続けながら群馬県内の温泉地をめぐる。特に一軒宿や小さな温泉地を中心に訪ね、新聞や雑誌にエッセーやコラムを執筆中。群馬の温泉のPRを兼ねて、セミナーや講演活動も行っている。

群馬県温泉アドバイザー「フォローアップ研修会」講師(平成19年度)。

長野県温泉協会「研修会」講師(平成20年度)

NHK文化センター前橋教室「野外温泉講座」講師(平成21年度~現在)
NHK-FM前橋放送局「群馬は温泉パラダイス」パーソナリティー(平成23年度)

前橋カルチャーセンター「小暮淳と行く 湯けむり散歩」講師(平成22、24年度)

群馬テレビ「ニュースジャスト6」コメンテーター(平成24年度~27年)
群馬テレビ「ぐんまトリビア図鑑」スーパーバイザー(平成27年度~現在)

NPO法人「湯治乃邑(くに)」代表理事
群馬のブログポータルサイト「グンブロ」顧問
みなかみ温泉大使
中之条町観光大使
老神温泉大使
伊香保温泉大使
四万温泉大使



著書に『ぐんまの源泉一軒宿』 『群馬の小さな温泉』 『あなたにも教えたい 四万温泉』 『みなかみ18湯〔上〕』 『みなかみ18湯〔下〕』 『新ぐんまの源泉一軒宿』 『尾瀬の里湯~老神片品11温泉』 『西上州の薬湯』『金銀名湯 伊香保温泉』 『ぐんまの里山 てくてく歩き』 『上毛カルテ』(以上、上毛新聞社)、『ぐんま謎学の旅~民話と伝説の舞台』(ちいきしんぶん)、『ヨー!サイゴン』(でくの房)、絵本『誕生日の夜』(よろずかわら版)などがある。

2011年01月09日

尻から口へ


 昨日は、温泉入浴のマナーに触れましたが、“湯ガール” の話は、マナー以前の問題でしたね。
 と、いうことで、今日はマナーでも高度な話をします。上級編です。

 完全放流式(源泉かけ流し)の浴槽のみでのマナー講座です。


 浴室を見れば、良い湯守(湯を管理する人。大概は宿の主人)がいる宿かどうかが、分かります。
 それは、湯の入れ方、流し方にはルールがあるからです。

 まず浴室の扉を開けてください。

 冬場ならば、室内は湯けむりで煙っているはずです。
 湯が冷めないために密閉されているからです。
 もし、換気がされていて、室内がクリアなら循環して消毒して加温している可能性が高いですね。
 (塩素は気化するため、換気は必須です)

 浴槽の位置と形を見てください。
 大概は浴室の奥で、長方形をしていますね。
 次に湯口(湯が注ぎ込まれている所)を探してください。

 ここがポイントです!

 湯口は、一番奥でなくてはなりません。
 なぜなら、温度が一番熱い場所だからです。

 次に、湯は、どこからあふれ出ているか、見てください。
 全体、もしくは一番手前なら、確かな湯守のいる証拠です。
 この、湯があふれ出る場所を 「湯尻」 といいます。

 もし、窓側(湯舟の奥)へあふれているようなら、それは間違いなく循環していますね。


 さて、ここからが、入浴マナーです。

 湯は、奥から手前へ流れているわけですから、当然、手前から入ります。
 湯の温度も一番低い場所です。
 ぬるい湯に体を慣らしながら、上流へ進みます。

 確かな湯守がいる宿なら、浴槽のちょうど真ん中が適温(41~42℃)になるように調節されているはずです。
 熱い湯が好みの人は、さらに上流へ。湯口に近いほど、湯の温度は上がります。

 また、先客がいた場合も同様です。
 常に、湯が流れ出す下流から入りましょう。
 後から来た人が、汚れた体で上流に入るのは、失礼というもの。マナー失格です。

 源泉かけ流しの風呂では、「尻から口へ」が鉄則ですぞ!


 ぜひ、実践してみてください。

 湯守の心意気にも、触れられると思いますよ。
   


Posted by 小暮 淳 at 12:48Comments(2)温泉雑話

2011年01月08日

傍若無人な湯ガール


 温泉宿のご主人から、最近よく聞く話が、入浴マナーの低下です。
 日帰り温泉施設が乱立し始めた平成10年頃から、目立つようになったと言います。

 入浴前に、かけ湯をするのは、基本中の基本ですが、見ていると、ドカドカと浴室に入ってきて、そのまま湯舟にドボーンと沈んでしまう人は、多いですね。
 それも、若い人より中高年のオヤジに多いんですから、困ったものです。

 日帰り入浴施設の浴室には、「体を洗ってから入りましょう」 と書かれていますが、これは何百人と入る公衆浴場でのマナーで、源泉かけ流しのいで湯では必ずしもあてはまりません。
 特にアルカリ性の湯には、石けん同様の洗浄効果がありますから、体を洗ってしまうと二重の洗浄となるため、肌の弱い人は注意してください。
 あくまでも「かけ湯」にて、体を清め、体を湯に慣らす程度で良いと思います。

 よく通ぶった人が、「湯上りは温泉成分が流れちゃうから、シャワーを浴びないほうが良い」と話しているのを聞くことがありますが、これは、そこの湯の実態を把握してから判断したほうが良いですね。
 循環式で塩素消毒された湯ならば、シャワーで洗い流したほうが賢明です。

 僕は肌が弱いため、塩素水を付けたまま上がると、すぐに体中がかゆくなってしまいます。

 また、100%源泉かけ流しの温泉でも、酸性やアルカリ性が強い湯の場合は、洗い流してください。
 肌が弱い人は、なおさらのことです。


 宿のご主人たちが、一番嘆いているのは、入浴セットの持ち込みです。

 昨今、日帰り温泉施設をめぐる “湯ガール” が、山のいで湯にまで出没しています。
 彼女らは、マイシャンプーやボディソープを持参して、ところかまわず体を洗い出します。

 ご存知の人も多いと思いますが、従来の湯治を目的とした浴場には、洗い場はありません。

 温泉場は、“湯を浴む” ところであり、体を洗うところではないからです。

 ですから、浴室へ入って、洗い場がなかったら 「ここの湯は、体を洗わなくて良い湯」 だと判断してください。
 なのに、湯ガールは、傍若無人にも浴槽のまわりを泡だらけにしてしまいます。

 洗い場がないということは、そのための排水機能が施されていないということです。
 あるのは、湯縁からあふれ出た湯を流す小さな排水口だけです。

 「若い女の子が来ると、あとの掃除が大変なんだよ。浴室はビチョビチョの泡だらけ、排水口には長い髪の毛が詰まってしまう。おまけにネットで、 『露天風呂がない』 だの 『シャワーがない』 だの 『ボディーソープが置いてない』 だの、散々な悪口を言いふらされる。たまったもんじゃない。湯が分からんヤツは、来らっといいですよ!」

 と、怒り心頭のご主人もいました。


 まったくもってご主人の意見に同感なのですが、そんなとき僕は、こんなふうに声を返します。

 「これはブームですから、ブームは必ず去ります。ブームが去ったとき、本当に湯が好きな人たちだけが、やって来ますよ」
 と……。
   


Posted by 小暮 淳 at 13:03Comments(4)温泉雑話

2011年01月07日

上牧温泉 「辰巳館」③


 2011年、最初の温泉は、上牧温泉でした。
 それも仕事ではなくて、遊び!ってーのがイイですね。

 昨日は、僕が所属しているクリエイティブネットワーク 「プロジェクトK」 の新年会でした。
 「プロジェクトK」は、群馬県内外で活動するクリエーターの集団です。
 メンバーすべての名前に “K” が付くことから、そう名乗っています。

 カメラマン、グラフィックデザイナー、コピーライター、イラストレーター、ウェブデザイナーなどなど、現在17人が名前を登録しています。昨日は、そのうち12人が上牧温泉(みなかみ町)に集結しました。

 さすがにフリーランスで仕事をする方々です。
 6時半からの宴会だと言うのに、4時過ぎには続々と集まって、早くも酒盛りが始まってしまいました。
 (サラリーマンでは、こうは行きませんね。恐るべしフリーランス!)

 僕は皆さんより、ひと足早く現地入りして、「辰巳館」の4代目主人の深津卓也さんと新年のあいさつをし、今年予定されている諸々の打ち合わせを済ませました。

 先日、僕が出演したNHK-FMの番組「温泉の力」に、来週11日は深津さんが出演されます。さらに再来週の18日は法師温泉の岡村興太郎社長(群馬県温泉協会会長)が出演します。
 「僕はどんな話をすれば、いいですか?」
 そんな彼の質問に答えながら、現在の温泉地の状況などを、あれやこれやと話し合いました。

 一昨日に、このブログに書いた「週末湯治」のことを、彼はとっても気に入ってくれました。
 「うちで、それ始めてもいいですか?」なんて。

 彼はまだ若い社長ですが、その発想と実行力には業界でも定評があります。
 話していても気持ちが良いくらいに、ポンポンとアイデアが飛び出してきます。
 頭の切れる人ですね。
 今後の群馬の温泉界を背負って立つ人の1人ですな。


 宴会場に行くと、ドーンと酒樽が置かれていました。
 深津社長からの差し入れとのこと。これは浴びるほど飲めるぞ!っとオヤジたちは目がランランであります。

 アートディレクターで「プロジェクトK」代表の桑原一氏のあいさつの後、カンパーイ!
 プロジェクトKは、毎月例会と称して飲み会を開いているくらいですから、酒豪の集まりです。
 あれよあれよのうちに、樽の底が見えてきてしまいました。 


 飲みつぶれた弱者を残し、つわもの連中は、タオルを片手に、もう一度浴室へ。
 名物の「はにわの湯」を浴みながら、湯けむりの中、気の置けない連中と今年の抱負と野望を談笑。

 山下清の描いた「谷川岳と大峰の大沼」の大壁画を眺めながら、今年の温泉行脚のスタートです!
  


Posted by 小暮 淳 at 18:20Comments(0)温泉地・旅館

2011年01月06日

連泊+転泊=湯治

 昨日、湯治文化の復活について、少し書きましたが、本来の湯治は長期の“滞在”をして病気や疲労を癒やすことです。
 字のごとく、「湯で治す」民間療法です。

 群馬県内には温泉病院やリハビリ施設がある温泉地もいくつかありますが、西洋医学が発達した現代では、“病気=温泉”の公式は、なかなかあてはまらないかもしれませんね。

 そこで、プチ湯治の登場です。

 現代病のストレスは、医者でもなかなか治せない病気ではないでしょうか。

 さる友人は、仕事の過労と心労から、医者にうつ病と告げられました。
 そして医者からは、「会社を辞めれば治る」と言われたそうです。

 仕事をとるか、命をとるか?
 悩んだ末に、彼はその中間をとりました。
 医者に診断書を書いてもらい、休職届けを会社に提出しました。
 とりあえず、これで命だけは救えたようです。
 また、彼には理解ある家族がいたことも大きかったと思います。


 温泉の最大の効能は、「転地効果」です。

 日常から離れて、自然豊かな環境に身を置くことにより、健康の回復がはかれます。
 ストレス解消、精神疲労に効果があります。
 昔の人たちは、この効果を最大限に利用していたことになります。

 現代でも、ヨーロッパの人たちは、1ヶ月以上もバカンスに日数を費やしていますよね。
 でも、日本人は……

 やっばり、働き過ぎなんですね。

 昔ながらの“滞在型”の湯治が無理なら、せめて連泊をすすめます。
 そして、できたらば、プラス“転泊”です。

 転泊とは、宿泊地を移転することです。

 実は、本来の湯治は、滞在しながら転泊していたのです。

 これを “合わせ湯” といいます。

 「仕上げ湯」「なおし湯」「あがり湯」なんて言葉を聞いたことがありませんか?
 昔の人は、草津温泉のように酸性度の高い温泉に入った後には、必ずアルカリ性のやさしい温泉に入る「合わせ湯」の習慣を持っていました。

 酸性泉は殺菌力が強いため、皮膚病などには効果がありますが、長湯をすると湯ただれをおこします。
 病気やケガが治っても、肌は荒れてしまっているわけです。そこで仕上げにアルカリ性泉には入って、肌を整えてから帰るわけです。

 だから草津温泉から江戸への帰り道(現在の吾妻線沿い)には、花敷温泉や沢渡温泉、四万温泉、川原湯温泉などの“草津の仕上げ湯”として栄えてきた湯治場が多く存在しているのです。


 滞在が無理なら連泊を、そして、できれば転泊をして、“合わせ湯” を体験してみてください。

 短い休暇を利用したプチ湯治でも、本来の湯治の姿に触れることができると思いますよ。
     


Posted by 小暮 淳 at 11:48Comments(4)温泉雑話

2011年01月05日

週末はプチ湯治


 昨日は、たくさんの人がNHK-FMを聴いてくださったようで、ありがとうございます。

 オンエアが終了するやいなや、まだスタジオ内にいるうちからケータイが鳴り出しましたよ。
 その他、メールやブログでコメントをくださった方々、本当にありがとうございます。

 ちょっと、40分っていう時間は中途半端でしたね。
 じっくり話し込むには短過ぎますし、センテンスだけのトークだと間延びしてしまう微妙な時間です。
 あらためて、講演会がなぜ通常90分で仕切られているのかが、昨日、初めて分かりました。

 ワンテーマでの話は、最低90分が必要だということなのですね。納得しました。


 さてさて、昨日ラジオでも、アナウンサーが言ってましたが、いよいよ今年は群馬DC(デスティネーションキャンペーン)が開催される年であります。
 群馬を全国へアピールする最大のチャンスの年なんですね。
 ぜひ、みなさんも県外の友人・知人に、この湯の国群馬の素晴らしさを教えてあげてください。

 僕がDCに向けて提唱しているのが、「週末はプチ湯治」です。
 略して “週末湯治”!
 (昨日のラジオでも少し話しましたね)

 首都圏内から毎週末、湯治客を群馬へ呼び込む作戦です。
 観光ではなく、湯治であるところに注目!
 湯の良さと、効能の高さを強烈にアピールします。
 観光地ではない温泉地の素晴らしさです。

 金曜の夜、仕事を終えてから、群馬へ。
 その日は素泊まりします。
 翌日は通常の1泊2日をして、3日目はギリギリ夕食まで滞在して、食後にゆっくり帰路に着きます。
 家に帰ったら寝るだけで、翌月曜日からはリフレッシュして、バリバリと仕事ができるのです。

 どうして2泊必要か?

 本来、温泉地は滞在するところでした。
 ところが高度成長期以降、温泉地は観光地化し、1泊2日型が主流になってしまったのです。
 温泉地へ行くことが“目的”であり、“温泉”に入ることが二の次になってしまったんですね。
 名所旧跡で写真を撮ったり、お土産を買ったり、観光するところが温泉地だと現代人は勘違いしています。
 (すべて旅行会社が仕組んだことですが…)

 そこで、何もしない1日を取り戻すことにより、温泉のありがたみを知って欲しいのです。

 現代人に、完全なる滞在型の湯治は不可能です。
 でも、中丸1日を使った3日間なら、サラリーマンでも作れる時間です。

 カメラもケータイも持たずに出かけましょうよ!

 思い出づくりは要りません。

 ただ湯を浴み、地のモノを食し、自然を愛でるだけの3日間……



 ようこそ、週末湯治へ
  


Posted by 小暮 淳 at 12:21Comments(3)温泉雑話

2011年01月04日

本日、生出演します。


 本日より、お勤め人同様、平成23年の活動を開始します。

 すでにデスクワークは2日より肩慣らしのために始めていたのですが、対人活動は今日が初日。
 その記念すべき1発目の仕事が、FMラジオの生出演です。

 今日の午後5時20分より40分間、NHK-FM (81.6MHz) にて、群馬の温泉の魅力についてお話します。
 再放送は7日(金)の同じ時間です。

 おヒマな人は、聴いてみてちょーだい!



●放送局   NHK-FM (81.6MHz)
●番組名   群馬百年インタビュー・たすきでつなげ群馬の力
         温泉の力 『群馬の秘湯・源泉・一軒宿』
●生放送   平成23年 1月4日(火) 午後5時20分~6時
●再放送          1月7日(金) 午後5時20分~6時
  


Posted by 小暮 淳 at 10:16Comments(5)著書関連

2011年01月03日

年賀巡礼 ~こころのボス~


 初めてお会いした年から23年間、毎年欠かさず正月2日に、年賀のあいさつに伺う人がいます。
 その人は、木彫・木版画家で絵本作家の野村たかあきさんです。

 野村さんは、僕の人生の恩人だからです。

 23年前。
 お会いした時、僕は無職でした。仕事が無かったのではなく、あえて働いていませんでした。
 結婚はしていたのですが、ジョン・レノンを気取って、主夫業に専念していたのです。

 ま、本音を言えば、“夢破れて都落ち”です。
 ミュージシャンになろうと東京へ出て、鳴かず飛ばずで売れなくて、いじけながら小説なんか書いていた時期です。

 ぷらりと入った木彫展の会場に、作家として野村さんはいました。
 すでに講談社の絵本新人賞を受賞している先生でしたが、当時の僕はナイフのように尖ってましたから、初対面から、かなり生意気な若造だったようです。

 「あの頃の淳ちゃんは、スッゲー生意気だったよな。なんでコイツ、こんなに突っ張って生きているんだ?って思ったから、誘ったんだよ」と、その日のことを、野村さんは覚えてらっしゃいます。

 「今夜、飲むか?」
 初めて会った会場で、野村さんは僕を誘ってくれたのです。
 これが、僕の文筆家への登竜門となりました。


 その日以来、僕は、師に付いて人生を学ぶかのように、毎日、野村さんのアトリエへ通いました。
 何するでもなく、何を手伝うわけでもなく、茶を飲み、語り合い、夕方になると、2人してテクテクと街へ歩いて行って、安い飲み屋で酒を酌み交わす毎日でした。

 「あの頃は、俺もヒマだったからなぁ。でも、2人して金も無いのに、よくあんだけ飲みに行けたよな?」
 確かに、今思えば、無職なのに、不思議な話です。

 しばらくして、僕は雑誌の記者になり、野村さんは、絵本界の最高峰といわれる「絵本にっぽん賞」を 受賞します。受賞作の 『おじいちゃんのまち』 は、その後、英語版、韓国語版と翻訳されるほどのベストセラーになりました。

 僕が人生に目覚めたのは、この頃からです。

 群馬に居ても、モノは作れるんだ!
 好きなことだけでも、生きて行けるんだ!
 実際に目の前に、そういう人がいるんだもの!
 この生き方は間違っていない!

 そう、確信を持って生きて行く勇気を、僕に与えてくれたのでした。


 でも、いったい野村さんは、いつ作品を作っているのだろうか? 

 これが最大の謎であり、人生を解くために必要なキーワードでした。
 いつも昼間は僕らと遊んでいて、夜は酒を飲んでいるのです。
 ある日、思い切って尋ねたことがありました。
 すると、こんな不思議な話をしてくれたのです。

 「1つだけ、きちんとした自分の分身となるモノを作るんだよ。するとな、俺が寝ていても遊んでいても、そいつがコツコツ、コツコツとイイ仕事をしてくれるんだな。今は分からなくても、いつかきっと分かる時が来るから大丈夫」

 あれから20年、やっとこの歳になって、少しだけ実感できるようになってきた、今日この頃です。


 昨日も、野村さんのアトリエは、木っ端にまみれていました。
 歴女ブームにのって、伝記絵本の依頼がいくつも来ているのだといいます。
 「今は頼朝を彫ってるんだけどさ、春までに龍馬を彫らなくちゃならんのよ」

 出会った頃と、まったく変わらない空間と木の匂い……。

 ここには、人生のヒントが、まだまだいっぱい転がっているようです。


 ちなみに、僕が座右の銘としている 「元気がなくてもカラ元気」 は、野村さんからいただいた言葉です。 
   


Posted by 小暮 淳 at 12:11Comments(1)つれづれ

2011年01月02日

年賀巡礼 ~酔って候~


 今年のテーマは、干支にちなんで「脱兎の如く」であります。

 “非常に速くて、捕まえることのできない。他の者の追随を許さない”ことのたとえ。

 と、いうことで、元旦から飛ばしております。
 何を?
 そりゃ~、アルコールですわ!


 元日は朝から、町内の公民館に出かけ「新年互励会」に参加しました。
 毎年出席しているわけではないのですが、今年は育成会長という立場上、しぶしぶ顔を出しました。

 互励会といっても、最初に自治会長のあいさつがあるだけで、あとは、ただひたすらに飲むだけです。
 町内の親睦会ですな。

 それにしても、凄い人、人、人……。
 町内の人、みんなやってきちゃったんじゃないの?というくらい、公民館は満杯であります。
 ま、会費500円で、元日から飲み放題の店は、他には見当たりませんからね。
 正月、家で家族に邪魔にされている呑兵衛オヤジたちが、集まってくるのですよ。

 この土地に越してきて、早や15年。
 最初は「ここは本当に前橋市内か?」と思うくらい、風習や慣習が多くて、面食らったものですが、“住めば都”とは良く言ったもので、今ではすっかり土地に溶け込んで、班長・年番(祭り担当)・育成会長とこなしております。

 「よ~、小暮さん! 本売れてんだってな~」
 「印税、いくら入ったんだい?」
 「あんた、いつも裸だなぁ」
 「ブログ、見ましたよ。やっぱり裸だった(笑)」
 「新聞に、でっかく広告が出ているな」
 「取材の時は、おねーちゃん連れて行くの?」
 「なーんだ、男のカメラマンとなのか。そりゃ、さみしいな(笑)」

 などなど、結局、目立つ仕事をしている僕が、完全に“いじられキャラ”となって、終始、温泉話で盛り上がっていました。


 昼過ぎに家にもどり、年賀状の返信を書いていると、長女一家が孫を連れて新年のあいさつにやって来ました。
 ここからは、昨年から恒例となった、一族大移動の始まりです。
 前橋市内の僕の実家へ、うちの家族と長女一家が向かいます。
 実家では、今年87歳になる父と84歳になる母、そして僕の実兄一家が合流!
 またまた酒盛りであります。

 ボケ老人の父が、一応、一族の長として、スピーチをしました。

 「えー、と。昭和24年にうどんを食ってしまったら、こんなにも家族が増えてしまいました」

 なんの、こっちや?わけが分からん。
 すかさず「何?何?」と孫たちから質問が……

 「あのなー、俺はな、ばあちゃんとの縁談を断りに行ったんだよ。ところが言い出す前に、ばあちゃんの母親が打ったうどんを出されてな、あんまり旨かったから、全ー部、食べちゃったわけ。そしたら、縁談を断れなくなってな」

 でもオヤジはとっても、うれしそうです。子、孫、ひ孫を見渡して、ポツリと言いました。

 「2人が4人(兄と僕が生まれ)になって、12人になっちゃった。な、ばあちゃん、あの時、うどん食っちゃって良かったな(笑)」


 飲んで笑って、笑って飲んで。
 少し経つと、オヤジはまた同じ話を何度もくり返し、
 「あれ、この子は誰だ? 孫か、ひ孫か?」
 をくり返す。
 そのたびに、孫たちの笑い声が部屋中に響き渡った。


 子々孫々と、この笑い声が、未来永劫へと響き渡りますように……。


 そう願い、我は、ただひたすらに、酔って候!
  


Posted by 小暮 淳 at 14:25Comments(2)酔眼日記

2011年01月01日

一年の計は簡単なり


 あけましておめでとうございます。


 あまり実感のないまま、新しい年を迎えました。
 酒と読書で、幕開けです。

 いよいよ、今年は7月~9月の3ヵ月間、群馬DC(デスティネーションキャンペーン)が開催されます。
 ひと言で言えば、群馬の観光キャンペーンのお祭りです。
 と、いうことは、群馬が誇る温泉を全国へ発信する年でもあります。
 僕の出番も多くなるということです。

 今年は、ちょっと気合が入っておりますぞっ!

 今月21日に、初のウォーキングエッセー 『ぐんまの里山 てくてく歩き』 が発売されますし、9月には温泉本の第3弾が出版されます。
 また4月からは、NHK文化センターと前橋カルチャーセンターで、温泉講座2講座が同時開講します。
 すでに講演会も2月、3月、5月と予定されていて、着々と7月の群馬DCへ向けて、準備を進めています。
 (と、勝手に1人で考えております)


 さてさて、今日は元日であります。そして、元日の朝のことを元旦と言います。
 昔から「一年の計は元旦にあり」といわれ、一年の計画は元日の朝に立てるべきで、行き当たりバッタリでは何事もうまくいかないとの、ことわざです。
 でも、僕は昔から「一年の計は簡単なり」と、毎年すっとぼけています。

 ま、友人・知人なら良くご存知かと思いますが、僕は天性の楽天家なのであります。
 座右の銘は、「元気がなくてもカラ元気」と「努力してでも軽く生きる」ですから!

 おかげさまで、もう何十年と、落ち込んだ記憶がありません。
 そう言うと、「ウッソー!」と言われることもあるのですが、これが本当なのですね。
 ただ、凹(ヘコ)むことは時々ありますよ。すべて金の問題ですけど……。

 そんな僕から、落ち込まずに生きる方法を1つだけお教えしましょう。

 最近は、タレントのベッキーが同じことをしているとブログで公表していたようですが、こちらは30年以上前からやってますから、元祖・本家・老舗であります。

 それは、「1日3つの良いこと探し」です。

 とっても簡単なことなんです。
 1日の終わり、寝る前に、布団の中で、その日“起きたこと”“感じたこと”で、良かったことを3つ探してから寝る。
 ただ、それだけです。

 最初は難しいかもしれませんが、慣れてくると、ものの数十秒で出てくるようになりますよ。

 何でもいいんです。
 10円玉を拾ったとか、道を訪ねた人が親切だったとか、営業先でスゲー美人(イケメン)と会ったとか、昨日まで気づかなかったけど道端に綺麗な花が咲いていたことに今日は気づいたとか、自動販売機で缶コーヒーが2本出てきたとか、隣の家から野菜をもらったとか、初めて入った食堂でご飯の盛りが良かったとか、好きなテレビドラマを観たとか、とかとかとか……

 1日3つ、1年で1,095個の良いことを手に入れられるのです。

 どんなイヤなことが遭った日でも、3つも良いことがあれば、それはチャラでしょう。
 お金がかからずに元気に暮らせる方法なので、ぜひ、始めてみてくださいな。

 一年の計は簡単なり!


 今年も、よろしくお願いいたします。

               平成23年 元旦   小暮 淳
   


Posted by 小暮 淳 at 01:43Comments(4)つれづれ