温泉ライター、小暮淳の公式ブログです。雑誌や新聞では書けなかったこぼれ話や講演会、セミナーなどのイベント情報および日常をつれづれなるままに公表しています。
プロフィール
小暮 淳
小暮 淳
こぐれ じゅん



1958年、群馬県前橋市生まれ。

群馬県内のタウン誌、生活情報誌、フリーペーパー等の編集長を経て、現在はフリーライター。

温泉の魅力に取りつかれ、取材を続けながら群馬県内の温泉地をめぐる。特に一軒宿や小さな温泉地を中心に訪ね、新聞や雑誌にエッセーやコラムを執筆中。群馬の温泉のPRを兼ねて、セミナーや講演活動も行っている。

群馬県温泉アドバイザー「フォローアップ研修会」講師(平成19年度)。

長野県温泉協会「研修会」講師(平成20年度)

NHK文化センター前橋教室「野外温泉講座」講師(平成21年度~現在)
NHK-FM前橋放送局「群馬は温泉パラダイス」パーソナリティー(平成23年度)

前橋カルチャーセンター「小暮淳と行く 湯けむり散歩」講師(平成22、24年度)

群馬テレビ「ニュースジャスト6」コメンテーター(平成24年度~27年)
群馬テレビ「ぐんまトリビア図鑑」スーパーバイザー(平成27年度~現在)

NPO法人「湯治乃邑(くに)」代表理事
群馬のブログポータルサイト「グンブロ」顧問
みなかみ温泉大使
中之条町観光大使
老神温泉大使
伊香保温泉大使
四万温泉大使
ぐんまの地酒大使
群馬県立歴史博物館「友の会」運営委員



著書に『ぐんまの源泉一軒宿』 『群馬の小さな温泉』 『あなたにも教えたい 四万温泉』 『みなかみ18湯〔上〕』 『みなかみ18湯〔下〕』 『新ぐんまの源泉一軒宿』 『尾瀬の里湯~老神片品11温泉』 『西上州の薬湯』『金銀名湯 伊香保温泉』 『ぐんまの里山 てくてく歩き』 『上毛カルテ』(以上、上毛新聞社)、『ぐんま謎学の旅~民話と伝説の舞台』(ちいきしんぶん)、『ヨー!サイゴン』(でくの房)、絵本『誕生日の夜』(よろずかわら版)などがある。

2015年05月30日

酒と映画と更年期


 なんとなく疲れています。

 身体は、とても健康なんですけどね。
 なんだか脱力感があって、覇気がありません。

 1冊、本を書き上げたという解放感からかもしれませんが、何をやるにも欲がありません。
 五月病?
 と思っていたら、親しい友人から、
 「ズバリ、それは更年期障害でしょう!」
 と言われてしまいました。

 やけに納得してしまいました。


 介護疲れもあるかもしれませんね。
 ボーっと考え込んでいる時間が多くなりましたもの。
 こんなときは、気分晴らしに、酒を浴びるのが一番です。

 と、いうことで昨晩は、両親を寝かしつけてから、そーーーーっと実家を抜け出して、久しぶりに我らの溜まり場へ!
 ご存知、酒処 『H』 であります。

 いやいやいや~、花金ということもあり、満員御礼であります。
 といっても、カウンター席だけの小さな店です。
 10人も入れば、ほぼ満席状態。

 それでも次々と客がやって来ます。
 カウンターの中から、ママが補助イスを出すのですが、それでも間に合わない。
 ついに、後から来た2人の客は、入口近くの僕の背中で立ち飲みを始めました。

 これ、すべてママの人柄と、質の良い常連客の賜物であります。


 「そうそう、今日の小暮さんのブログ、読みましたよ。グッと引き込まれました」
 とK君。
 早くも昨日の昼に書いた 『“い も う と” の笑顔』 をチェックしてから来たようです。

 すると、「えっ、俺、まだ読んでない」 と言って、隣の席のSさんがスマホを取り出して、すかさずチェックを始めました。

 さらに、カウンターの奥にいた常連客の1人が、
 「 『い も う と』 シリーズ、読んでますよ~!」
 と大声を上げて会話に参入。
 店内は、いきなり 『い も う と』 の話題で盛り上がってしまいました。

 すると、「映画にしましょう!」 と言いだしっぺのK君。
 「監督は?」 と問えば、「大林宣彦に決まっているじゃありませんか!」 とファンの様子。
 「で、舞台は?」
 「当然、尾道でしょう!」
 「じゃあ、富田靖子ちゃん使ってよ」
 と僕。昔からファンなんです。

 そのうち、まわりからも要望が。
 「俺も、セリフのないチョイ役でいいから、出させてよ」
 「じゃあ、コンビニの店長ね」

 「ママも出たい?」
 「出たい、出たい! どんな役でもいいから」
 「う~ん、じゃあ、5時から引き継ぎでシフトに入るパートのおばちゃんね」

 なーんていう具合に、話はどんどんエスカレートして行ったのであります。
 起用する役者も、常盤貴子や松田翔太、濱田岳、根岸希衣、余貴美子、夏川結衣など個性派、演技派の名前がポンポンと飛び出しました。


 あー、楽しかった!
 気が付いたら、頭の中に巣作っていたモヤモヤは、消え去っていました。

 更年期障害なんて、酒とゆかいな仲間がいれば、怖くないぞーーーっ!
    


Posted by 小暮 淳 at 21:44Comments(2)酔眼日記

2015年05月29日

“い も う と” の笑顔


 今年の4月23日に、『い も う と』 というタイトルのブログを書いたところ、大変反響があったことは、すでに書きました。
 ※(2015年4月26日の 「『い も う と』 によせて」 参照)

 「感動した」 という声にまざって、「小説にしてください」 「絵本にしましょう」 なんて声もいただきました。
 うれしいですね。
 みなさん、ありがとうございます。

 でも、みなさんが、一番知りたがっているのは、その後どうなったか? ではないでしょうか?


 4月26日のブログにも書きましたが、あれから、ずーーーーっと会えずじまいなのであります。
 いつ行っても、コンビニの店内に彼女の姿はありませんでした。

 あの日が、最後の勤務日だったのかもしれません。
 もしくは、勤務時間帯が変わってしまったのでしょうか。
 それとも、ただ単に、たまたま彼女がいない時に限って、僕が訪れているだけかもしれません。

 縁とは、本当に不思議なものですね。


 そして、あれから1ヶ月以上経った今日のこと。

 僕がコンビニの駐車場に入ると、視線を感じます。
 ずーっと、誰かに目で追われているのです。

 ガラス窓の向こう側、店内に目をやると・・・

 こっちを向いて、満面の笑みをたたえて立っている彼女の姿を発見!

 その笑顔は止むことなく、僕が扉に近づくまで注がれていました。
 一瞬ですが、40年前、中学校の正門の陰に立ち、僕を待ち伏せしていた頃の彼女の姿と重なりました。


 <おにいちゃん、おはよう>

 そう、聞こえました。
   


Posted by 小暮 淳 at 11:36Comments(3)つれづれ

2015年05月27日

命もらって


 今日、5月27日はオフクロの誕生日です。
 昭和2年(1927) 生まれですから、満88歳になりました。

 若い頃から “病気のデパート” と揶揄されるくらい病弱で、入退院を繰り返していました。
 僕が物心付いたときには、すでに病室のオフクロに会いに行くのが日課となっていました。
 運動会、発表会、鼓笛隊パレードなど、僕の晴れ舞台の日は、きまって病院に寄って、衣装をオフクロに見せてから出かけたものです。
 オヤジも仕事が忙しくて来られない。
 いつも僕は、見に来てくれている祖母や叔母に向かって、手を振っていた淋しい記憶が残っています。

 そんなオフクロも60歳を過ぎた頃から人並みの健康を取り戻しました。
 山登り、合唱団、ミュージカル、俳句など、まるで、それまでの人生を取り戻すかのように、趣味を謳歌しながら充実した人生を送っていました。

 でも、歳には勝てません。
 80歳を過ぎてからは足腰が弱り、外出もままならなくなりました。
 ここ数年は、心筋梗塞、脳出血、脳梗塞を繰り返し、また入退院を繰り返しています。


 「オフクロ、おめでとう!」
 アニキの音頭で、親子だけのささやかな誕生パーティーが始まりました。
 僕とアニキとオヤジはビール、病気をかかえているオフクロはノンアルコールの梅酒サイダーです。

 「ありがとうございます」
 そう言ったきり、オフクロはうつむいて泣いてしまいました。

 “病気と寿命は別物だから”が口ぐせのオフクロも、さすがに自分が米寿を祝ってもらえるとは思っていなかったようです。
 しきりに 「ありがとう」 を連呼していました。
 でも、それは僕にしてもアニキにしても同じことです。

 「まさかオフクロが、こんなにも長生きするとはな」
 「本当だよ。な、じいさん?」
 と、寿司をほお張っているオヤジに話題を振れば、

 「あ? なんだい? 今日は何の日だい?」
 「さて、何の日でしょうか? 誰かの誕生日なんですけど」
 「・・・」

 すると、オフクロが、
 「私の誕生日ですよ」
 「へー、いくつになった?」
 「88歳になりました」
 「へー、オレより年上になったのか?」

 そんなバカな!

 「いったい、じいさんはいくつなんだよ」
 「わかんない。80歳くらいかな」
 「な、わけないだろう! 今年、91歳になるんだよ」

 その後は、「へー、そうかい」 と言ったきり、オフクロには無関心。
 もくもくと目の前の寿司をほお張っていました。


 ま、いいさ。
 オヤジもオフクロも、生きたいだけ生きてくれや!

 ただし、俺とアニキより長生きしないこと。
 これだけは守ってくよな。
    


Posted by 小暮 淳 at 23:07Comments(4)つれづれ

2015年05月26日

奥軽井沢温泉 「ホテルグリーンプラザ軽井沢」②


 「なつかしーい!」
 「20年ぶりです」
 そんな声が、車内に飛び交いました。

 今日は、僕が講師を務めるNHK文化センターの温泉講座日でした。
 訪ねたのは、群馬県吾妻郡嬬恋村の奥軽井沢温泉。
 そう、「軽井沢おもちゃ王国」 に併設されたホテルに湧く温泉です。
 で、その昔、子どもを連れて訪れたことのある婦人たちから感嘆の声がもれたのであります。

 僕だって、家族で遊んだ、なつかしい思い出はあります。
 でも、1年半前に取材で訪れているのです。
 別の意味で、こうやってまた来れたことへの感慨はあります。


 奥軽井沢温泉は、平成15年に掘削により誕生した俗に言う “新興温泉” です。
 だから歴史はありません。
 でも毎分約260リットルと湯量が豊富で、泉温も約73度と恵まれた温泉です。
 泉質は、ナトリウム-硫酸塩・塩化物・炭酸水素塩温泉。
 これまた、俗に言う “三種混合泉” です。
 淡黄色の薄にごり湯は、肌にやさしいことから赤ちゃんの温泉デビューに最適!といわれています。

 ま、この講座では、何百年と歴史のある名湯や古湯から秘湯、そして話題のリゾート温泉まで幅広くめぐっているのであります。
 4月からは新受講生も入り、新旧入れ替わりとなり、装いも新たに新講座が開講しました。


 「先生、どーぞ、どーぞ」
 と、新入生のKさん(僕よりは若い女性) に、湯上がりのビールを注がれて気分は上々!
 「カンパ~イ」
 「乾杯」
 と、あちこちから歓声があがり、いつもながらのゆる~い講座が始まったのでありました。


 思えば、この講座がスタートしたのは2009年の4月です。
 講座名も 「ぐんまの源泉一軒宿」 「群馬の小さな温泉」 と拙著名にちなんで開講されてきました。
 現在は、群馬県内に限らず、長野や新潟、栃木、山梨などの近県にも足をのばしているため 「名湯・秘湯めぐり」 という講座名がついています。

 さーて、次回は久しぶりに県外の温泉へ出かけますよ!
 受講生のみなさん、また来月も元気に楽しく、温泉めぐりをしましょうね!
   


Posted by 小暮 淳 at 22:33Comments(0)温泉地・旅館

2015年05月24日

パキャマラド


 ♪ ぼくの大好きなクラリネット パパからもらったクラリネット
   とっても大事にしてたのに こわれて出ない音がある
   どうしよう どうしよう ♪


 「お前は誰だ?」
 「ジュンだよ」

 今までだったら、そう答えると、
 「なーんだ、ジュンか。今日はなんでいるんだ?」
 と会話が続きました。
 だから痴呆もあるけど、目が良く見えないのが一番の原因だと思っていました。

 ところが!
 ついにオヤジが、こわれてしまいました!

 「誰だ?」
 「ジュンだよ」
 「・・・」
 「自分の息子が分からないの?」
 「・・・」
 「W(兄の名前) の弟のジュンだよ」

 すると、
 「Wには、弟がいるのか?」
 ですって!

 ガーーーーン!
 ショック!! であります。

 だって、そうでしょう。
 2人の息子の存在をそろって忘れるならばまだしも、片方は覚えていて、片方だけ忘れるなんて、あんまりです。

 おい、じいさん!
 いっつも散歩に連れて行っているのは誰だよ?!
 晩酌のとき、つまみのチーズの銀紙をむいてあげているのは誰だよ?!
 まごの手代わりに、背中をかいてあげているのは誰だよ?!


 ああ、情けないったらありゃしない。
 そう、こんなことでショックを受けている自分が情けないのであります。

 きっと、心のどこかで介護をしている自分を、認めてほしい、感謝してほしいという卑しい “見返りの心” があったのだと思います。
 親は子に、無償の愛をそそぎます。
 見返りなんて、求めません。
 だったら、子だって親に対して、無償の介護ができるはず……(だと)


 でもね、そんなオヤジだって、たまーーーーにですけどね、頭の中の回路がつながることがあるんですよ。
 そんなときは、
 「いつも、ありがとうな。ばあちゃんが、お前を産んでおいてくれて良かったよ」
 なーんて言うことだってあるのです。

 オヤジは、こわれちゃったけど、これからも大事にあつかいたいと思います。


 ♪ オ パキャマラド パキャマラド
   パオパオ パンパンパン
   オ パキャマラド パキャマラド
   パオパオパ ♪
  


Posted by 小暮 淳 at 14:18Comments(4)つれづれ

2015年05月22日

シリーズ5万部突破!!  


 県内の有名書店を覗いてきました。

 「どれどれ、新刊本はどのようにディスプレイされているかな?」
 という、著者特有の好奇心からです。

 店内の目立つところに置かれているだろうか?
 しっかり平積み販売されているだろうか?
 既刊本の在庫は?

 と、チェックするわけです。
 で、今日立ち寄った書店では・・・

 おおおおーーーっ!!!!
 目立つではありませんか!

 レジカウンターの前。
 しかも平台の島。
 既刊の “群馬の温泉シリーズ” も、ズラ~リと並んでいます。

 その中央で、さん然と輝いている黄色と青と緑色の鮮やかな表紙!
 そーなんです、今回、シリーズ初の試みなのであります。
 表紙の装丁は、写真ではなくイラストなんであります!

 『尾瀬の里湯』 小暮淳 上毛新聞社 1,200円+税

 ひと際、目立っています。
 それもそのはず、これまたシリーズ初! ポップが登場したのであります。

 といっても、書店の手書きポップじゃありませんぞ!
 出版元が各書店の販売促進用に作成してくださったのであります。

 はがきサイズのポップが、平積みされた本の上でゆれています。

 “個性豊かな 湯めぐりの旅”
 “温泉シリーズ 第7弾”

 そして、その下には、“5万部突破!!” の文字が!

 そーなんですよ!
 おかげさまで、シリーズ7冊目にして、累計5万部を突破したのであります。
 これも、ひとえに、毎回出版されるたびに購入してくださっている読者様のおかげであります。

 本当は、本を買ってくださった読者様一人ひとりに直接お会いしてお礼を言いたいのですが、なかなかそうはいきません。
 ので、このブログを通して、改めてお礼を申し上げます。

 いつもいつも、本当にありがとうございます。
 これからも第8弾、9弾と、力ある限り取材および執筆活動を続けていく所存であります。
 今後とも、応援をよろしくお願いいたします。
                     


Posted by 小暮 淳 at 18:34Comments(4)著書関連

2015年05月21日

消えゆく温泉を残したい


 「消えゆく温泉を残したい」

 これは昨晩、群馬県公社総合ビルホールで開催されたイベントにゲスト出演し、講話したときのタイトルです。
 主催は、ライフプラン21。
 ファイナンシャルプランナーや弁護士、税理士、公認会計士などの専門家たちの団体です。
 僕は、ここの 「ぐんま温泉倶楽部」 の顧問をしています。

 20分という短い時間でしたが、年々消えていく温泉の現状と、危機、そして従来の温泉地への再生策を呼びかけてきました。
 平日の夜でありながら、会場には老若男女、たくさんの聴講者が集まり、話を聞いてくださいました。


 実は、このタイトルは、昨日の講話のために付けたものではありません。
 NPO法人 『湯治乃邑(くに)』 を設立した際に、理事長のあいさつとしてパンフレットに刷り込んだ文章のタイトルであります。

 パンフレットには、こんなふうに書きました。
 <(前略) かつて湯治場であったはずの温泉地を元の姿に戻せないものか? そんな思いから私たちは絶滅が危惧される温泉地および温泉宿の新たな活用を提案し、再生を支援する活動を始めました。ひいては日本の温泉文化を守るため、本来の湯治場機能とリハビリ、介護とのコラボレーションにより、消えゆく群馬の 「源泉一軒宿」 を守り継ぎ、後世に残したいと考えています。>


 今日は、そんな活動を開始した法人の役員会議でした。

 現在、3つの案件に着手しています。
 一件は、すでに廃業から5年以上が経過して、建物自体が老朽化してしまっている一軒宿の復活。
 一件は、地域住民とコミュニケーションをとりながら、湯治場としての温泉郷の再生と村おこし。
 一件は、現在は一般の旅館として営業中ですが、将来、介護や障害者のためのリハビリ施設として運営していくための準備。

 まだ、産声を上げたばかりの団体です。
 案件はあっても、遅々として進行しません。
 気が遠くなるような、根気のいる活動だと感じています。

 でも、このままでいいわけがない!
 誰かが、立ち上がらなくては!

 そんな思いで、取り組んでいます。
 みなさんも、興味があったら支援や応援をよろしくお願いします。
  


Posted by 小暮 淳 at 20:14Comments(0)湯治乃邑

2015年05月19日

準レギの “じゅんじゅん” でーす!


 ああーーっ、愛しのリンダさま~!
 また、お会いできましたね。
 て、いうか、約束をしっかり覚えていてくださったのですね。
 「新刊が出版されたら、またスタジオに来てくださいね」
 っていう。
 だから僕は、リンダ様に会いたいがためだけに、無我夢中で我武者羅になって、この1年間、東奔西走していたのであります。

 それにしても相変わらず、お美しい!
 いえいえ、人妻になられてからは、さらに色気が増して、面と向かって話していると、クラクラとめまいがするくらいの美貌であります。
 (あれ、竹村! お前、まだいたの?)


 と、いうことで1年ぶりに、エフエム群馬の人気番組 『G☆FORCE』(月~水 12:00~14:55) の収録スタジオに遊びに行ってきました。
 パーソナリティーは、リンダ様こと櫻井三千代さんと、お笑い芸人の竹村淳矢さんです。

 確か、前回もちょうど去年の今頃でした。
 『新ぐんまの源泉一軒宿』(上毛新聞社) の出版に合わせて、呼んでいただきました。
 あれから1年、リンダ様との約束を守りに、新刊の 『尾瀬の里湯』(上毛新聞社) を引っさげて、会いに行ってきたのです。

 会って驚いたのは、三千代さんも淳矢さんも、しっかり僕のブログをチェックしてくださっていること。
 10㎏以上やせたことも、両親の介護をしていることも、ちゃんと知っていましたよ。
 冒頭の紹介だって、「準レギュラーのじゅんじゅん」 でしたからね。
 いつもいつも、ごひいきにしていただき、ありがとうございます。

 今回も、ぶっつけ本番の一発録り!
 いつものことですが、新刊の話は最初のわずかだけで、好き勝手に脱線させていただきました。
 でもね、とーっても楽しいひと時でしたよ。
 たっぷり1時間近くも、話させていただきました。
 (ディレクターさん、あとで、うまく編集しておいてくださいね)


 で、オンエアーはいつなのかって?
 それが、まだ未定なのであります。
 放送日が決定次第、お知らせします。

 三千代さん、淳矢さん!
 ありがとうございました。
 また来年も、呼んでくださいね!
  


Posted by 小暮 淳 at 20:51Comments(2)著書関連

2015年05月18日

BURAI


 ♪ 無頼なれ君よ 心震わす日のために
   無頼なれ君よ 君が君でいるために ♪
   (『BURAI』 by アリス)


 好きな作家は?
 と訊かれると、たくさんいて困るのですのが、時代に関係なく、昔からこの2人の名前を挙げています。
 檀一雄と立原正秋。

 10代~20代前半にかけて、むさぼるように読んだ記憶があります。
 今でも、なつかしくなると 『火宅の人』 や 『冬の旅』 を書架から引っ張り出してきて、読んだりします。

 2人の作家に共通しているのは、“無頼派” ということでしょうか。


 無頼とは、
 正業につかず、無法な行いをする者。<広辞苑>
 定職がなくて、法を無視した行動をすること(人)。<新明解国語辞典>
 という意味ですが、僕の中では、まったく別のニュアンスで解釈してきました。

 アウトローには違いないのですが、不良やならずものとも違う。
 一匹狼で、大勢にこびず、時代に流されず、一本筋の通った自分の信念を貫いている人間。
 それが、僕が10代から抱いている “無頼感” です。


 今の時代、自分は正しいと思っても、なかなか人と違った生き方を通すことが難しい世の中ではあります。
 だからこそ、男は、無頼な男にあこがれるのかもしれません。

 無頼な男にあこがれ、無頼な生き方を模索し続けて40年・・・
 まだまだ無頼きれずにいる自分を、持て余している今日この頃であります。
   


Posted by 小暮 淳 at 17:16Comments(0)つれづれ

2015年05月17日

ピンピン コロリ


 「ばあちゃんは、どうしたかなぁ?」
 「どうしたって、どういう意味よ?」
 「……いつ、病院から帰ってくるのかなぁ……」

 もう!勘弁してしてくださいよ!
 たった今まで、一緒に夕飯を食べていたじゃないか!
 「おやすみ」 まで言って、2階の自分の部屋まで来たところだろ!


 オヤジは満90歳。
 ますますボケのテンションは、上がりまくっています。
 僕は今週も、実家に泊まり込んで、両親の面倒を看ています。

 「そうだね、明日かな」
 「明日、退院するのか?」
 「ああ、明日の朝、起きたらリビングに行ってごらんよ。きっと、ばあちゃんがいるよ」
 「そうか、ばあちゃんが帰ってくるのか……」
 そう言って、昨晩、オヤジは床に就きました。


 1階に下りて行くと、足の不自由なオフクロが、手押し車を頼りながらベッドにもどるところでした。

 「おとうさんは?」
 「今、寝たよ」
 「そう、ご苦労さまでした。私も寝るから、お前も、もう休みな」

 て、言われても、まだ午後の7時ですから。
 しかも、2人の食事の準備と洗い物に追われて、僕はまだ食べていません。

 「ああ、そうするよ。おやすみ」
 「ありがとね。明日も頼みます。おやすみなさい」

 ふーーーっと、長いため息を1つ。
 と同時に、僕は冷蔵庫から缶ビールを取り出して、思いっ切りプルタブを引きます。


 いったい、いつまで続くのでしょうか?
 永遠に続くわけはありませんが、長いような気もするし、短いような気もします。


 一夜明けて。
 オヤジはすでに、昨晩の僕との会話も、オフクロが入院していたことさえも忘れています。
 いつもと変わらぬ、日曜日の朝です。

 朝食の後、僕はオヤジの手を引いて、日課の散歩へでかけます。
 一年前までは、平気で1時間ぐらい歩けたんですけどね。
 今は、歩き出すとすぐに 「疲れた」 と音を上げるので、20分ぐらいが限度です。

 近くの鎮守様なら、オヤジの足でも10分とかかりません。
 1日に何回も2人で歩いて行き、お賽銭を上げます。

 二礼、ニ拍手、一礼
 (ペコペコ、パンパン、ペコリ)

 そのたびに僕は、ニ拍手一礼の 「パンパン、ペコリ」 のところで、こう心の中でつぶやいています。

 「ピンピン、コロリ」


 どうか神様、よろしくお願いいたします。
    


Posted by 小暮 淳 at 14:45Comments(0)つれづれ

2015年05月16日

鎌田温泉 「梅田屋旅館」④


 昨日は、8ヵ月ぶりに鎌田温泉(群馬県利根郡片品村) の 「梅田屋旅館」 を訪ね、泊まってきました。

 といっても取材ではありません。
 だからといって遊びでもありません。
 仕事の一環であります。

 いわゆる “お泊り会議” というやつです。

 会議とは、必ずしも会議室でするものではありません。
 ましてや、みんなで鹿爪らしい顔をしながら、ウンウンうなりながら行うものでもありません。

 のんびり温泉に入って、まずは湯上がりのビールでノドを潤してから、山菜などの山の幸を地酒と共にいただきながら、「やあやあ」「どうもどうも」 などと酌をしながら、「で、どういたしますか?」 なんてテーマを切り出す会議があっても良いのであります。

 ということで、昨晩は新刊 『尾瀬の里湯』(上毛新聞社) の制作に係わった出版担当者、編集責任者、ディレクター、そして著者の僕が集まって、本の完成を祝う打ち上げ会を兼ねて、次回作の企画会議が秘密裏に行われたのであります。


 「梅田屋旅館」 の創業は明治44年。
 100年以上の歴史を持つ、街道きっての老舗旅館であります。
 宿に着くと、4代目女将の星野由紀枝さん、5代目主人の修一さんと常務の武志さん兄弟が出迎えてくれました。

 まずは、昨年、本の取材でお世話になったことへの礼を述べ、また本に掲載されたことへの礼を述べられ、部屋に案内されました。
 部屋で旅装を解いたら、軽く缶ビールをひっかけて、ひと風呂浴びに露天風呂へ。

 下界は汗ばむ陽気ですが、ここは、涼やかな高原の風が吹いています。


 やがてメンバーが揃い、夕食をとりに中広間へ。
 ご存知、ここは、故・立川談志師匠がふすまに書いた落書き(?) が残されている間であります。

 <何ィ俺は素面だァ この野郎人生を 何だと思ってやんでぇ 人生なんて全て 成り行きだァな>

 ん~、何度眺めても迫力のある書であります。
 そして、なんとも師匠らしい飾らない直球なお言葉。

 「カンパ~イ!」
 「お疲れさまでした」
 「また次回作もよろしくお願いします」

 と、ゆる~い流れの中で、企画会議が始まったのでありました。
 もちろん、師匠の言葉にあやかって、“成り行き” まかせの会議です。

 でもね、一晩過ごして、朝を迎えてみると、ちゃーんと次回作の方針が固まっているのであります。
 さすが、みなさん、モノづくりのプロであります。

 ということで、また1年間、よろしくお願いいたします!
  


Posted by 小暮 淳 at 15:03Comments(0)温泉地・旅館

2015年05月14日

感謝の宅配便


 今週は、空いた時間を使って、日頃からお世話になっている方々を訪ねてまわっています。 
 毎年恒例となっている “感謝の宅配便” です。

 僕は2009年から毎年、温泉本を出版しています。
 新刊が出来上がるたびに、自ら直接、本を手渡しで届けるようにしています。
 今年で、7年目になりました。


 本というのは、決して著者1人で作れるものではありません。

 特に僕のように、必ず取材をして書くルポライターは、毎回何十人という温泉関係者にお世話になります。
 また取材中は、スケジュール調整やアポ取りをしてくれるディレクターや同行のカメラマンにもお世話になります。
 取材を終えてからも、デザイナーや編集者、印刷会社の方々にお世話になります。

 本が出来上がってきてからは、本を売ってくださる出版元の営業マンや書店の方々にお世話になることになります。

 そして、一番忘れてはいけない人たちがいます。
 読者様です!


 実は、読者様の中には、毎年決まって何十冊とまとめて買ってくださる人たちがいます。
 この方々は、いわば、僕の活動を応援してくれているサポーターのような人たちです。
 「親戚に配るから」 「友人にあげるの」 「仕事でお世話になっている人に差し上げます」 と言って、大量に買ってくださるのです。

 本当に、頭が下がります。

 だから僕は、1冊1冊心を込めてサインを書かせていただきます。


 今年もたくさんの人たちの助力と応援をいただいて、こうしてまた、本を世に出すことができました。
 本当にありがとうございました。
 心より感謝いたします。
   


Posted by 小暮 淳 at 20:39Comments(0)著書関連

2015年05月12日

温泉討論会 in たかさき


 3月に高崎市のカフェ 「あすなろ」 で、高崎経済大学の学生主催による温泉セミナーを開いたところ、なんだか好評だったようで、「第2回の開催をお願いします」 との連絡を受けました。
 今回は場所を替え、形式も前回の一方的に僕が話す勉強会から、座談会形式による意見交流会にしたいとの申し出がありました。
 もっと、ざっくばらんに温泉の話を聞きたいとのことです。

 で、昨晩は、高崎市鞘町のおむすび屋さん 「だるまだるま」 に、学生や若手商店主たちが集まり、討論会を行ってきました。


 「今日は車ですか? 電車ですか?」
 会場に着くなり、主催者のN君に聞かれました。
 電車で来たことを告げると、
 「温泉とお酒は付き物ですよね!」
 といって、テーブルに缶ビールを並べるではありませんか。

 う~ん、いまどきの学生は、オヤジ心を分かっていらっしゃる!
 うちの息子も、このくらい気が効くと良いのですがね。
 彼らは、確か息子より若いはず。
 さぞかし、親御さんの教育が、よろしかったのでしょうな。

 「日本酒もありますので」
 とは、なんという気のつかいようだこと!
 うちの息子と、取り換えようかしらん。


 おいしいオーガニック料理を食べながら、ビールと日本酒を飲みながら、和気あいあいと、たっぷり2時間の温泉討論を楽しみました。
 今回、話題にのぼったテーマは、大きく分けて2つ。

 ① “草津のなおし湯” のように、酸性泉とアルカリ性泉などの泉質の異なる温泉をめぐる 「合わせ湯ツアー」 を企画できないか?
 ② 燃料費の高騰により、温度の低い源泉を温めて使用している宿が経営危機に瀕しています。石油や電気に代わるコストの安いエネルギーは発明されないのだろうか?

 う~ん、おじさんもアツイけど、若者もアツイぞ!
 いいぞ! いいぞー!
 群馬の温泉の未来は、明るいのだ!


 またしても、世代を超えて温泉について語れたこと。
 うれしいな~。

 こんな楽しい討論会なら、毎月でもいいですよ。N君!
 また、呼んでくださいね!
   


Posted by 小暮 淳 at 11:45Comments(2)講演・セミナー

2015年05月10日

みんな、ありがとね!


 先月29日から老神温泉(群馬県沼田市利根町) の利根観光会館で12日間にわたり開催されていた 『おいがみの知価楽(ちから)展』 が、本日、最終日を迎え、無事に終えることができました。
 関係者のみなさん、大変お疲れさまでした。
 ご来場いただいたみなさん、本当にありがとうございました。

 『おいがみの知価楽展』 は、老神温泉協会主催のもと、我らがクリエイティブ集団 「プロジェクトK」 に所属する19人のクリエーターたちによる老神温泉の活性化をプロデュースした企画展です。
 活性策を提案した33点の企画パネルが展示されました。

 そして昨日は、レセプションが開かれ、地元の関係者や温泉客らに、老神温泉をテーマにした歌や創作料理が披露されました。
 もちろん、僕も会場に駆けつけましたよ!

 バンドのメンバーとしての参加のほか、企画提案者としても案内役を務めました。
 そして!
 以前、ブログでも紹介しましたが、昨日は温泉シリーズ7作目の著書 『尾瀬の里湯 老神片品11温泉』(上毛新聞社刊、1,200円+税) の発行日。書店販売にさきがけて、特別先行販売がされました。
 著者として、昨日と今日の両日は終日会場に詰めて、読者との交流およびサイン会を行ってきました。


 昨日は老神温泉の 「大蛇まつり」 とも重なったため、昼間から酒を飲み、夜は温泉街を練り歩く大蛇みこしとともに、酒を思いっ切り浴びました。

 いや~、祭りって、楽しいですね!
 いや~、仲間って、いいもんですね!

 歌って、踊って、語って、笑って、騒いだ、最高にステキな2日間でした。

 みんな、ありがとね!!
  


Posted by 小暮 淳 at 20:20Comments(2)ライブ・イベント

2015年05月08日

ナゾを解くカギ


 俳優の今井雅之さんが、末期がんであることを告白。
 会見に現れた姿は、激やせして別人のようでした。

 たぶん、このニュースの影響もあるんだと思いますが、今、ちまたでは “小暮淳重病説” が流れています。

 確かに僕もやせましたが、今井さんほど、はやせていませんよ。
 しかも、前が太りすぎだったのであって、今の体重が標準体重です。

 でもね、突然やせると、まわりは驚くみたいです。
 昨日も同級生から、こんなメールが届きました。

 <テレビでお顔を拝見しました。久しぶりに見た淳ちゃんは、なんだかお痩せになったような……。お顔がスッキリしていて、びっくりです。お元気なんだよね!? 心配になってしまいました。>


 心配していただくのは、ありがたいのですが、僕はいたって元気ですよ。
 いえいえ、以前より数倍も健康になりました!

 とにかく血圧が下がりました。
 それと慢性の頭痛と胃痛が、ピッタリとなくなりました。
 なによりも驚いたのは、軟便が治ってしまったことです!
 恥ずかしい話、僕は一年中、下痢気味だったのです。

 この件について、こんなことを言った人がいました。
 「少食になったからですよ。胃腸が少ない量の中から、できるだけ栄養分を吸収しようとするから、便が硬くなったんです。できるだけ繊維質を摂るようにしてください」

 でも彼も医者や専門家ではありませんから、真偽のほどは定かではありませんけどね。


 で、やはり、ナゾは “なぜ、やせたか?” であります。

 食事制限や過度な運動などのダイエットは、一切していません。
 最初の1ヶ月だけは、何十年と習慣になっていた晩酌をやめたために一気に4~5㎏やせましたが、その後は、お酒も普通に飲んでいます。
 なのに、それから半年で約10㎏ほど体重が減少しました。

 ま、主治医にも毎月診てもらっているので、重病説はないと思います。
 となると考えられるのは、突然、体質が変化したという説です。
 これには、少し心当たりがあります。
 去年の夏までは肉食系だったのですが、今は魚や野菜を好んで食べるようになりました。
 でも、だからって、肉を一切食べないわけではありませんよ。

 ん~、ナゾは残ります。


 そしたら先日、こんなことを旧友からズバリと言われました。
 「小暮の場合は、介護やつれだな」
 「介護やつれ?」
 「そう、オレもこの数年で両親を見送ったけどさ、それまでは太れなかったもの。本人は気づいてないようで、肉体的にも精神的にも、かなりダメージをくらっているわけよ」

 なるほどね。
 説得力のある説ではあります。
 が、はたして、それが真の要因なのでしょうか?

 いったい、ナゾを解くカギは、どこにあるのでしょう?
   


Posted by 小暮 淳 at 11:58Comments(2)つれづれ

2015年05月07日

小さくな~れ


 つかの間の休息を楽しみに、一時帰宅しております。

 先日のブログでもお伝えしたように、1月に脳梗塞で倒れたオフクロが、先週から実家にもどって三たび生活を再開しました。
 これにより小暮家は(といっても僕と兄だけですが)、いよいよ介護戦争の佳境に入り、臨界体制が敷かれることになりました。
 一瞬でも気の抜けない、戦闘モードであります(ちょっと大げさですが)。

 目と耳と頭が不自由な痴呆老人のオヤジと、口と足が不自由な障害老人のオフクロとのW介護!
 この2人が同じ空間で暮らすと、ひっちゃかめっちゃかなことになるので、部屋を分けました。
 オヤジは、従来の2階の和室。
 オフクロは、1階のリビングを半分カーテンで仕切って、医療ベッドと簡易トイレを設置した部屋で暮らしています。

 「おい、コイツは誰だ?」
 と、いきなりオヤジがオフクロを呼び止め、肩に手をかけました。
 「きゃ~、おとうさん、やめてくださいよ。怖いよ~!」
 オフクロは歩行器がないと、室内でも移動ができません。
 ですから、突然、オヤジに肩をつかまれたことに、おびえているのです。

 「えっ、誰なんだい?」
 と、延々と続きます。
 あんまり、しつこいので、
 「H子さんですよ。じいさんの愛しい恋女房でしょう!」
 と言えば、
 「なーんだ、ばあさんか」
 ですって。

 ま、たわいない保育園児のじゃれあいみたいな会話なんですけどね。
 病後のオフクロとしては、こんなやりとりでも大変疲れるらしいんですよ。

 「ほら、じいさん。2階へ行って昼寝をしよう。起きたら散歩へ連れてってやるから」
 そう言ってなだめて、2人を引き離します。


 ふーーーーーっ!
 と、長~いため息をひとつ。

 夕食を食べさせ、後片付けをして、2人が寝たのを確認すると、僕は冷蔵庫から缶ビールを取り出して、思いっ切りプルタブを引きます。
 そして、一気に飲み干すと、もう一度、長いため息をひとつ。

 老人の介護は、子育てに似ています。
 でも目指している方向は、まったく逆なんですね。
 子育ては、日々、成長を楽しみに頑張れますが、老人は日々、衰退する一方ですから…。
 だからって、絶望しているわけではありません。

 日々、老いていく親の姿を楽しむことだってできるんです。


 僕は自分が床に就く前に、その日最後の見回りに行きます。

 オヤジの寝顔を見て、毛布を肩までかけ直します。
 オフクロの寝息を聞きながら、そっと枕もとのスタンドライトを消します。

 2人とも、とっても小さくて、まるで子どものよう。
 ふと、我が家の3人の子どもたちを思い出しました。
 今は、みーんな大きくなってしまったけれど、あの頃は本当に可愛かった!

 夜中に、布団をかけ直すたびに、
 「大きくなれよ」
 と、声をかけたものでした。


 今僕は、両親の寝姿を、
 「小さくなったね。もっと小さくなるんだね」
 と、不思議な思いで見つめています。

 でも、それで、いいんじゃないんかなぁ。

 「小さくな~れ」 で・・・
   


Posted by 小暮 淳 at 15:09Comments(2)つれづれ

2015年05月05日

『尾瀬の里湯』 先行販売!


 おまっとさんでした!
 いよいよ今週末、温泉ファン待望のシリーズ第7弾が出版されます!
 構想1年半、制作11ヶ月、取材10ヶ月をついやした最新刊であります。

 本のタイトルは、『尾瀬の里湯(さとゆ)』。
 サブタイトルに、「老神片品11温泉」 が付いています。
 (上毛新聞社刊、定価 1,200円+税)

 今回の本は、国道120号の椎坂トンネルの開通を祝い、老神温泉観光協会と片品村観光協会の全面協力のもとに制作されました。
 “トンネルを抜けると そこは湯源郷(とうげんきょう)”
 老神温泉の15軒の温泉宿と、片品村に湧く10温泉地39軒の温泉宿(民宿・ペンションを含む) を徹底取材しました。

 発行日は5月9日ですが、一般の書店に並ぶのは1週間~10日後となります。
 ぜひ、楽しみにしていてください。


 えっ、それまで待てないって?

 実は、そんな熱烈なファンに朗報があります。
 一般の人より、ひと足早く本を手に入れることができるんです!
 それは・・・


 現在、老神温泉(群馬県沼田市) では、『おいがみの知価楽(ちから)展』 というイベントが開催されています。
 ※(詳しくは、当ブログの2015年4月25日 「おいがみの知価楽展」 参照)
 このイベントのレセプションが、ちょうど本の発行日である5月9日に行われるため、特別に会場で先行販売をいたします。
 もちろん当日は、僕も終日会場におります。

 バンド演奏、サイン会も行いますので、ぜひ、お越しください。
 待ってま~す!
 ※(当日は、「大蛇まつり」 も開催されています)



      『おいがみの知価楽展』

 ●会 期   2015年4月29日(水・祝)~5月10日(日)
         9:00~17:00
 ●会 場   利根観光会館(老神温泉街)
      ☆レセプション 5月9日(土) 13:30~15:30
 ●問 合   老神温泉観光協会 TEL.0278-56-3013
  


Posted by 小暮 淳 at 20:50Comments(2)著書関連

2015年05月04日

マロの独白


 こんにちワン!
 はじめまして、オイラ、ここんちの飼い犬のマロです。
 本名は 「マロン」 ですが、いつしか、ご主人様の勘違いで通称 「マロ」 と呼ばれています。
 ※(当ブログ、2014年4月23日『本名があった!』参照)

 チワワのオス、8才。
 まー、人間でいえば50代後半のオッサンです。
 だから、ご主人様とは気が合うというか、なぐさめ合っているというか、とにかく家族の中では一番一緒にいる時間が多いのは、確かです。

 今日は、そのご主人様が外出中なので、ちょこっとパソコンを拝借しています。
 (デヘヘ…、久しぶりにキーボードを叩くので、肉球がうずきます)


 さて、今日は何について書きましょうか?
 やっぱ、ご主人様のことからでしょうな。

 めっきり、やせたと思いませんか?
 なんでも、この半年で10㎏以上、体重が減ったらしいですよ。
 で、やせた理由について、まわりの人たちには、「晩酌をやめたから」 なーんて言っていますが、あれはウソです!
 “やめた” のではなく、“やめさせられた” のであります。

 奥様は、それはそれは怒るとコワ~イお人ですからね。
 我が家は、かかあ天下を絵に描いたような家庭なんです。

 「毎日飲むお金があるなら、その分を家に入れてください!」
 とかなんとか、叱られていましたもの。
 そこでご主人様が、ガツーンと奥様に言い返すのかと思ったら、
 「ああ、わかった」
 ですって(ナサケナイ)。

 でもね、本当に家庭内禁酒を守ったのは、最初の1ヶ月くらいですよ。
 いきなり4~5㎏も体重が減ってしまったものだから、あわてて酒を飲み出してましたもの。
 もちろん、奥様にはナイショで、陰でコソコソとね。

 オイラ、いっつも一緒にいるでしょ。だから、ご主人様の行動を良く見ているんですよ。
 寝たふりして、そーっと薄目を開けてね。

 今日も、昼間から堂々とビールを飲んでいましたよ。
 家にはオイラしか居ないと思って、安心しているんですね。

 ま、お互い中年の男同士、これからも見て見ないふりをして差し上げます。


 おっと、ご主人様が帰って来られましたよ。
 では、みなさん。また!

 くれぐれも今日のことは、ご主人様にはナイショですぞ。
 よろしく、ワン!
   


Posted by 小暮 淳 at 18:19Comments(2)マロの独白

2015年05月03日

続・百花繚乱の湯めぐり


 ゴールデンウィーク真っ只中!
 みなさんは、どんな休日を過ごしていますか?

 えっ、仕事だ!?
 まー、そんな人もいるでしょうね。
 そういう僕だって、いつもと変わらぬ毎日を過ごしています。

 ただ連休中は、イベントが多いんですよね。
 特に地域の役員をしているものですから、なんだかんだと重宝がられて借り出されています。
 今日は早朝より 「町内グランドゴルフ大会」 に出場してきました。

 ゲートボールよりもルールが簡単なので、僕はグランドゴルフのほうが好きです。
 それでも日々練習しているお年寄りたちには、かないませんね。
 僕なんて、パーを取るのがやっとですもの。
 でも年寄りは、平気でホールインワンを出しますからね。
 いや~、大したものです。

 今日は天気も良かったし、たっぷりいい汗をかいて、だいぶ日焼けもしました。


 さてさて、次回、僕がコメンテーターを務める群馬テレビ 「ニュースジャスト6」 では、ゴールデンウイーク中にどこへも遊びに行けなかった人たちのために、これからが見頃の花の名所と、とっておきの温泉宿を紹介します。
 題して、「続・百花繚乱の湯めぐり」。

 前回は、スイセンとクリスマスローズとフジの名所を紹介しました。
 今回は、5月中旬~6月上旬に見頃を迎える県内の花の名所と、あまり知られていない穴場的な温泉宿をいくつか紹介します。
 お楽しみに!


 ●放送局   群馬テレビ(地デジ3ch)
 ●番組名   「ニュースジャスト6」
         NJウォッチのコーナー
 ●放送日   5月6日(水・祝) 18:00~18:35
 ●ゲスト   小暮 淳 (温泉ライター)
 ●テーマ   「続・百花繚乱の湯めぐり」
   


Posted by 小暮 淳 at 20:30Comments(0)温泉雑話

2015年05月02日

ぽっくりくん


 群馬県吾妻郡東吾妻町、清流・温川(ぬるがわ) に沿って点在する3つのいで湯。
 薬師温泉、鳩ノ湯温泉、温川温泉。
 これらは、すべて一軒宿ですが、総称して 「浅間隠(あさまかくし)温泉郷」 と呼ばれています。
 ※(温川温泉「白雲荘」は、現在休業中。日帰り入浴のみ可)

 この3つの温泉の歴史は古く、江戸時代は鳩ノ湯集落にある寺の所有でした。
 薬師山・本正院

 今日、この寺で 『長寿まつり』 というイベントが開催されたため、僕はNPO法人 「湯治乃邑(くに)」 の代表として参加してきました。
 というのも、現在、浅間隠温泉郷の地域の人たちと一緒に、湯治場の再生事業を行っているからです。
 ※(事業内容については、「湯治乃邑」 のHPをご覧ください)


 で、なぜ 「長寿まつり」 なのか?
 実は、このお寺には 「長寿地蔵尊」(通称、ぽっくり地蔵) が祀られているのです。

 昔からこの地は、豊富な温泉に恵まれた湯治場として親しまれていました。
 湯治客らは寺をお参りすることにより、病むことなく長生きをして、大往生できると言い伝えられてきました。

 死ぬまで元気で、死ぬ時はポックリと苦しまずにあの世へ逝けるということです。


 お寺では以前から 「長寿」 のほかに、「ボケ封じ」 や 「足腰」 「目の守」 などのお守りが売られていますが、このたび、我々と合同開発(?) したユニークなお守りが登場! 人気となっています。
 その名も 『ぽっくりくん』 です。

 ●「ぽっくりくん」 600円
   ぽっくり地蔵を木札にした約6cmの木彫りの人形。
   紙ヤスリが付いているので、これで擦ってバリを取って仕上げてください。
   擦った数の年齢まで長生きができます。

 ●「ぽっくりくん」入り長寿守り 600円
   長寿守りの袋の中に、約3cmの小さな 「ぽっくりくん」 が入っています。


 境内には、焼きまんじゅうや焼きそば、地産物の直売、フリーマーケットなどの模擬店が多数出店され、特設ステージでは地元出身の歌手による歌謡ショーが開催されました。

 この時季、シャクナゲの花が満開ですよ!
 ゴールデンウィーク中、湯めぐりと長寿祈願に、ぜひお出かけください。
  


Posted by 小暮 淳 at 20:36Comments(2)湯治乃邑