温泉ライター、小暮淳の公式ブログです。雑誌や新聞では書けなかったこぼれ話や講演会、セミナーなどのイベント情報および日常をつれづれなるままに公表しています。
プロフィール
小暮 淳
小暮 淳
こぐれ じゅん



1958年、群馬県前橋市生まれ。

群馬県内のタウン誌、生活情報誌、フリーペーパー等の編集長を経て、現在はフリーライター。

温泉の魅力に取りつかれ、取材を続けながら群馬県内の温泉地をめぐる。特に一軒宿や小さな温泉地を中心に訪ね、新聞や雑誌にエッセーやコラムを執筆中。群馬の温泉のPRを兼ねて、セミナーや講演活動も行っている。

群馬県温泉アドバイザー「フォローアップ研修会」講師(平成19年度)。

長野県温泉協会「研修会」講師(平成20年度)

NHK文化センター前橋教室「野外温泉講座」講師(平成21年度~現在)
NHK-FM前橋放送局「群馬は温泉パラダイス」パーソナリティー(平成23年度)

前橋カルチャーセンター「小暮淳と行く 湯けむり散歩」講師(平成22、24年度)

群馬テレビ「ニュースジャスト6」コメンテーター(平成24年度~27年)
群馬テレビ「ぐんまトリビア図鑑」スーパーバイザー(平成27年度~現在)

NPO法人「湯治乃邑(くに)」代表理事
みなかみ温泉大使
中之条町観光大使



著書に『ぐんまの源泉一軒宿』 『群馬の小さな温泉』 『あなたにも教えたい 四万温泉』 『みなかみ18湯〔上〕』 『みなかみ18湯〔下〕』 『新ぐんまの源泉一軒宿』 『尾瀬の里湯~老神片品11温泉』 『西上州の薬湯』 『ぐんまの里山 てくてく歩き』 『上毛カルテ』(以上、上毛新聞社)、『ヨー!サイゴン』(でくの房)、絵本『誕生日の夜』(よろずかわら版)などがある。

2015年10月31日

小さな講演会


 僕は10年ほど前から、温泉をテーマに講演活動を行っています。
 主催者は企業や団体、自治体、学生のサークルなど、さまざまです。
 形態も一般の講演会から研修会、セミナー、教室と色々。
 会場の規模も、何百人と収容できる会館やホテルから町の公民館まで千差万別。

 大きな会場では、ステージの壇上からマイクを使って話しますが、公民館や会議室などでは、黒板やホワイトボードを使ってナマ声で話すこともあります。
 今日は、そんな小さな講演会に呼ばれて、温泉の話をしてきました。


 会場は、前橋市粕川町(旧・勢多郡粕川村) の「込皆戸集会所」。
 「込皆戸」 って、読めますか?
 「こみがいと」 と読むんですって。まず、読めませんよね。
 でも、そのあたりからローカル色たっぷりで、ワクワクしちゃいました。

 今回は公民館より、さらに小さい “集会所” です。
 これまた、最近は見かけなくなったローカルな施設であります。
 行ってみて、さらに感動!
 神社の境内に、ひっそりと建っていました。
 聞けば、元は野菜の収集所だったとか。
 ますます、ワクワクしちゃいました。

 今日の講演は、「いきいき健康教室」 という高齢者のいきがいと健康を目的とした事業の一環で、会場には地域のお年寄りたち約30人が集まりました。

 「あれれ、いつもより年齢層がかなり高いぞ。ちゃんと話を聞いてくれるだろうか」 と始まる前までは一抹の不安がありましたが、さにあらん。みなさん、熱心に耳を傾けてくださいました。


 講演が終わっても、お年寄りたちは帰られずに、全員で何やらガサゴソと準備を始め出しました。
 「先生もこちらへどうぞ。一緒にお茶を飲みましょう」
 と、誘われるままに輪の中へ。
 どこに用意してあったのだか、果物やお菓子がズラ~リとテーブルに並んでいます。

 「みなさん、教室の後のこれが楽しみで、やって来られるんですよ」
 と、主催者。
 「あたしはさ、関節が痛くてしょうがないのよ。どこか、いい温泉を教えてくれないかねぇ」
 なーんてね、みなさん気さくに話しかけてくるわけです。
 なんか、忘れかけていた風景なんですね。
 古き良き日本の地域社会の縮図を見ているようで、とても和んでしまいました。


 どうして僕は、講演活動を続けているのか?
 その答えを、おぼろげながら見つけたような気がします。

 一人でも多くの人に、温泉の素晴らしさを知って欲しい。
 そして1軒でも多くの温泉に足を運んで欲しい。
 ひいては、それが消えゆく温泉を1つでも減らすことにつながるかもしれない。

 だって知らなかったら、行きたくても行けないですものね。
 だから僕は、一人でも多くの人に、1軒でも多くの温泉の話をしたいのです。

 これからも自称 “群馬の温泉大使” として、東奔西走しながら温泉の魅力を伝えていきたいと思います。
 たとえ、どんなに小さな会場でも……。
    


Posted by 小暮 淳 at 22:43Comments(0)講演・セミナー

2015年10月30日

平気症ってなんだ?!


 2011年1月に出版した 『ぐんまの里山 てくてく歩き』(上毛新聞社)。
 おかげさまで増刷もされ、5年経つ今でも春と秋のハイシーズンになると、少しずつですが売れているようです。

 この著書で、僕は “里山” を独断により、1,000m以下の山と定義しています。
 なぜか?
 答えは簡単で、僕自身が高い山が苦手だからです。
 そうなんです。山好きのくせして、極度の高所恐怖症なのであります。
 だから、道なりに歩いて登れる低山しか行かないのです。

 もちろん低山にも、怖い所はあります。
 ロープ、クサリ、ハシゴなど、足だけでは登れない場所は、敬遠します。
 何度、山頂を目前にして断念したことか……。

 程度にもよりますけどね、岩場に立つと、もう足がすくんで一歩も進めません。
 吊り橋なんて、滅相もない! マジで腰が抜けそうになりますもの。
 その昔、看板屋のバイトをしたことがあるのですが、ハシゴを3段目までしか上がれず、クビになったことがあるくらいですから。

 ところが世の中には、高い所が平気な人っているんですよね。
 そんな人たちたちのことを 「高所平気症」 っていうんですって。知ってましたか?
 建築現場で働く、とび職の人たちのことかと思ったら、違うんです。
 あの人たちは、訓練と慣れによって高いところが大丈夫になったからです。

 「高所平気症」 とは、生まれながらにして、もしくは育った環境によって、高い所にいても恐怖を感じない人たちのことなんです。
 僕なんか、うらやましいですけどね。
 でも、深刻な問題も起きているんです。

 ここ数年、高層マンションから子どもが転落する事故が増えていますよね。
 あの子たちが、高所平気症なんですって。
 なんでも、高所で暮らしていると、ふだん見ている景色を地面の高さと勘違いしてしまうらしんです。
 だからベランダの柵の上に乗っても恐怖心がなく、あやまって落ちてしまうようです。

 そう聞くと、それはそれでコワイ症状ではあります。
 ある意味、恐怖症のほうが自分の命を守ってくれているわけですからね。

 ところで 「閉所恐怖症」 というのもありますけど、僕はまったくの反対です。
 子どもの頃から狭い所が大好きなんです。洞窟の中とか、エレベーターの中とか、押入れの中とか・・・
 なんだか落ち着くんです。

 ということは、これも平気症の一種なんでしょうか?
 その弊害は?
 いつか閉じ込められて、窒息死!?

 それはそれで、恐ろしい気がします。
   


Posted by 小暮 淳 at 22:21Comments(0)つれづれ

2015年10月29日

読者って、ありがたい!


 現在、書店では7冊の著書が販売されています。
 ※(ネットでは、この他、絶版本も購入できるようです)

 やはり著者としては、その売り上げが気になるのであります。
 書店の前を素通りすることはできません。
 用が無くても、ついつい立ち寄ってしまいます。
 そして、まずは自分の本をチェック!

 「あれ、最近の本しか置いてないぞ」
 「あ、残り1冊だ! 店員さん、補充してくださいよ」
 「もっと目立つ所に並べてくれないかなぁ~」
 なんてね。勝手にひとり言を言っているわけです。

 それでも文句なんてありませんって。
 だって、こうやって闇に葬られることなく、自分が書いた本が一流書店の棚で売られているのですから。
 売れるか、売れないかは、書店のせいではありません。
 すべては著者の力量にかかっているのであります。

 ただただ、書店には感謝であります。


 そんな中で、破格のディスプレーをしてくださっている書店があります。
 一店は、某ショッピングモール内にある大型書店。
 「郷土」 と 「旅行」 の2つのコーナーに、ともに平積みされています。
 ありがたいことです。

 もう一店は、県内最古の老舗書店。
 こちらは7冊、すべてが平積みされています。

 中には、店員さんの手書きによるポップも付いているんです。
 たとえば、昨年に出版した 『新ぐんまの源泉一軒宿』(上毛新聞社) には、わざわざ “2009年出版の改訂版” なんて添え書きがされています。

 と思えば、著者泣かせの、こんなポップまで!
 “読者のおすすめ本” とあり、実際に本を買って読んだお客さんの声が、実名入りで書かれています。
 <すべて入浴して取材したこの本は、重要な文化財である>
 ですって!

 ウェーーーーーン!!!! (号泣)
 泣かせるじゃ、ありませんか!
 こんな読者がいるなんて!
 著者冥利に尽きるとは、このことであります。

 Sさん、ありがとうございます。


 これだものライターは、辞められませんって。
 そりゃ~、つらいこと、大変なことも多々あるけどさ、待っていてくれる読者がいるということは、本当にありがたいことであります。
 どんなことがあっても、続けていかねばなりませんね。

 がんばります!
   


Posted by 小暮 淳 at 12:01Comments(3)著書関連

2015年10月27日

妙義温泉 「妙義グリーンホテル」②


 ついに、行ってきました~! 話題の「こんにゃくパーク」 へ。

 とにかく人気なんですってね。
 世界文化遺産の富岡製糸場よりも人気だというウワサです。
 百聞は一見にしかず、ということで覗いてきました。

 えっ、「小暮さんって、そういうミーハーっぽいところのある人なんですか?」 って?
 もちろん、仕事ですよ。し・ご・と!


 今日は、月に1度の野外温泉講座日でした。
 僕は6年前からNHK文化センターのカルチャー講座の講師をしています。
 本年度後期講座の第1回目となる10月の講座地は、富岡市の妙義温泉。
 ということで、近くの 「こんにゃくパーク」 へ立ち寄ったというわけです。

 いやいや、平日の午前中だというのに混んでいましたよ。
 すでに観光バスが何台も停まっていました。
 入場も無料、食べ放題のバイキングも無料というのが魅力のようです。
 (中山秀ちゃんのテレビCM効果も大きいかもしれませんね)

 「えー、お昼前ですから、いくら無料だからといって、こんにゃくを食べ過ぎないように」 とバスの中で受講生に注意をした僕が、ついつい食べ過ぎてしまいました。
 カレー、酢豚、焼きそば、ラーメン、鉄板焼き……
 いろいろ食べましたけど、やっぱりスタンダードな味噌田楽が一番美味しかったですね。
 所詮、こんにゃくですからね。昔ながらのシンプルな食べ方が美味しいことが分かりました。


 で、講座に話は戻します。
 妙義温泉は、現在、2つの施設があります。
 1つは、今回訪ねた妙義グリーンホテルの 「長寿の湯」、もう1つは日帰り温泉の 「もみじの湯」 です。
 なぜ、あえて “現在” と言ったのか?

 かつて妙義温泉は、妙義山の中腹、妙義神社の門前に3軒の旅館がありました。
 忘れもしない、平成16年に週刊ポストがスクープした白骨温泉(長野県) の「温泉偽装問題」!
 群馬県も水上温泉や伊香保温泉があおりを受け、だいぶ叩かれましたが、妙義温泉も例外ではありませんでした。
 天然温泉ではないことが発覚して、1軒は廃業、2軒は観光旅館となりました。
 実質、妙義温泉という温泉地は消えてしまったことになります。

 ま、一応、温泉講座ですからね。
 そんな話をしつつ、目的地へと向かったわけです。


 以前にもブログに書きましたが、ゴルフ場の温泉だとあなどるなかれ!
 平成6年のオープン以来、その湯の評判は県内外に広まり、いつも混雑しています。
 ゴルフ場の利用客は全体の3割。残り7割の客は観光と温泉目的で訪れています。

 今日の湯は、うっすらと生成り色した半透明。
 相変わらず、肌にまとわり付くようなトロスベ感は健在。
 源泉はナトリウムイオンが海水の10倍という高濃度の塩分を含んでいるため加水されていますが、それでも保温効果は抜群です。
 湯上がりは、なかなか汗が引きませんでした。

 これからの季節、塩分濃度の高い温泉はおすすめです。
   


Posted by 小暮 淳 at 23:32Comments(0)温泉地・旅館

2015年10月25日

小さくなっちゃった


 とてもショッキングなことがありました。


 たびたび、このブログにも僕が10㎏以上やせたことは記してきました。
 現在でも、その体重は変わっていません。

 と、いう具合に、体重は日々日常の中で測っているので、変化を知ることができるのです。
 もちろん、我が家にもヘルスメーターはあるし、たいがい取材先の温泉宿には浴室の脱衣所に体重計が置かれています。
 たぶん、みなさんも日々、増減を気にしながら測っていることでしょう。

 でも身長となると、どうでしょうか?
 最近、測りましたか?

 実は僕、ずーーーーーっと、30年以上前に計った身長が、“自分の身長” だと思って生きていました。
 だって、10代までは学校の身体測定の場で計っていましたけど、大人になったら滅多に計りませんものね。
 成長期が終わり、「身長が止まった」 と思われる時期を境に、最後に計った身長が “自分の身長” だと信じて生きてきましたから。

 と、と、ところが!
 先日、生活習慣病の検査を受けることになり、何十年かぶりに身長を測ったのです。
 そ、そ、そしたら!
 な、な、なんと!
 2cmも縮んでいたのでーーす!!!

 驚くやら、傷つくやら、その落ち込みようといったらありません。
 帰り道なんて、完全にKO負けしたボクサーの気分でした。

 「身長って縮むんだ……」
 今さらながら、“老化” という現実を突きつけられて、認めざるをえませんでした。
 歳をとれば、誰だって身長が縮むことは、両親を見ていて百も承知していたはずなのにね。


 結局、僕は体重も減ったけど、身長も低くなっていたのです。
 ひと言でいえば、小さくなったのであります。

 当分、このショックは引きずりそうです。
    


Posted by 小暮 淳 at 23:09Comments(2)つれづれ

2015年10月23日

磯部温泉 「小島屋旅館」


 いゃ~、嫌いじゃありませんね。
 いえいえ、素直に言えば好きです。
 もっと本音を言えば、大好きなんです!

 こういう小さなお宿。
 小島屋旅館は、明治12年(1879) の創業。
 現存する旅館では、直系で受け継がれている磯部温泉最古の旅館です。

 古いのは歴史だけじゃありません。
 木造三階建ての本館(客室棟) は、昭和2年(1913) の建築。
 さらに、2階から渡り廊下で続く浴室棟(昔はこちらが本館だったらしい) は、昭和元年建築です。

 まだ行ったことのない人は、見るだけでいいから一度、行って見てください。

 浴室棟は、まさに “湯殿” であります。
 アーチ型の窓がシンメトリーに並ぶ外観は、四万温泉 「積善館」 の 「元禄の湯」 を彷彿する大正ロマネスク様式。
 ( 「元禄の湯」 は昭和5年の建築だから、こちらのほうが古い!)
 また、法師温泉 「長寿館」 の大浴場 「法師乃湯」 にも似ています。
 鹿鳴館風っていうんですか。当時の流行だったようです。

 できれば泊まって、館内も隅々まで見てください。
 そこは、ワクワク、ドキドキが止まらないミラクル昭和ワールドですぞ!
 昔の帳場で使っていた机や宿帳、火鉢や箪笥などが、廊下にさりげなく置かれているのです。
 キシキシときしむ黒光りした廊下や階段を歩くたびに、古き良き商人宿を営んでいた頃の面影を感じるのです。

 「文人墨客も訪れたんでしょうね?」
 と訊けば、
 「なんでしょうけど、そういったお宝は何一つ残ってないんですよ」
 と、屈託のない笑顔をみせる女将の原田三重子さん。
 三重子さんの旧姓は、小島です。
 直系の7代目なのであります。

 しかも驚くのは、小さい宿とはいえ、たった一人で切り盛りをしていること。
 接客から料理まで。配膳までも一人でやっていました。
 「さすがに宴会や満室で忙しいときは、助っ人にパートさんを頼みますけどね」
 ですって! いやはや、すごいパワフルな女将さんです。


 昨晩は泊まって、じっくりと7代にわたる130余年の歴史話を聞いてまいりました。

 夕食を平らげて、部屋にもどろうとしたときです。
 女将さんがやって来て、「これ、夜食にどうぞ」 って、ラップのかかった皿をおいて行ったのです。
 見ると、それはサンドイッチでした。
 それも、僕の大好物のコロッケサンド!

 なんでも宴会の後には、夜中に腹を空かせるお客さんのために出しているんだとか。
 常連客だけが知っている、裏メニュー。
 隠れた名物のようです。

 老舗旅館の歴史と女将さんの人情に、たっぷり浸かった夜でした。
 もちろん、かけ流しの湯も天下一品ですぞ!
   


Posted by 小暮 淳 at 22:16Comments(0)温泉地・旅館

2015年10月21日

温泉が消えていく!


 突然、こんなメールが届きました。
 <毎日新聞、拝見いたしました。温泉が一つ消え、二つ消えていく時代に心痛めています。日本秘湯を守る会会員宿も同じです。大変な時代を迎えました。>
 秘湯の一軒宿を営むご主人からでした。

 すでに、ご覧になった人もいるでしょうね。
 10月18日(日) の毎日新聞群馬版に、NPO法人 『湯治乃邑(くに)』 の活動が大きく取り上げられました。
 先日の役員会議の様子を撮った写真もカラーで載りました。

 記事では、理事長である僕の談話を事細かに詳しく記しています。
 2009年に出版した拙著 『ぐんまの源泉一軒宿』 で取材した宿が、6年後の現在では8軒も廃業していること。
 一軒宿の廃業は、実質、温泉地の消滅であること。
 加速を増して、年々群馬県内から温泉が消えている現状など、記者は丁寧な取材で事実を伝えてくれました。

 そして記事は、当法人が着手している湯治場再生事業の例にも触れ、現在、浅間隠温泉郷(吾妻郡東吾妻町) で行っている “夢の架け橋プロジェクト” についても紹介しています。


 この記事を読んだ一般の人は、どう思ったのだろうか?
 「世の常だ。仕方がないことだ」 そう感じたのでしょうか?
 でも、このままでは全国から “秘湯” と呼ばれる小さな温泉地が確実に消えていきます。

 誰かが声を上げねば!
 そして、何かを始めなくては!
 ただ、その思いだけで活動を行っています。

 だって、こうして、新聞記事を読んだ一軒宿のご主人が、心を痛めながらメールをくださるのですから。
 ジッとなんて、していられません!

 ぜひ、みなさん、力を貸してください。
 1軒でも多くの温泉宿を残すために、ぜひ、足を運んでほしいのです。

 “入って残そう 群馬の温泉”


 一方で、大都会の真ん中に温泉が湧いたと、大騒ぎをしています。
 皮肉な時代になったものです。





  


Posted by 小暮 淳 at 12:15Comments(8)湯治乃邑

2015年10月19日

フボ、カエル。


 Xデーから丸2ヶ月。
 両親が、施設から帰って来ました。
 ※(2015年8月17日付の 「2つのXデー」 参照)

 まず、ひと足先に、ケガのため入院していたアニキが退院しました。
 その後のリハビリにより、松葉杖なしでも歩行が可能になったため、頃合をみて先週の土曜日に両親を退所させました。

 施設に入所中は、それはそれで山のような洗濯物が毎週出るので大変でしたが、自宅介護の比ではありません。
 だって、目が離せるんですからね。
 夜中だって様子を看に行かなくてもいいわけです(特にオヤジは!)。

 「じいさん、ここはどーこだ?」
 「……、わからない」
 「家だよ。家に帰って来たんだよ」
 「そーかい、家に帰ってきたんかい。うれしいね」
 と、とりあえずオヤジも喜んでいますが、またすぐに忘れてしまいます。

 特に夜中に目が覚めると、パニックに陥ってしまうようです。
 「ここはどこだ?」 って。

 それに比べてオフクロは、「やっぱり、我が家がいいよ」 って素直に喜んでいました。
 そもそも神経質な人ですから、集団生活は気が休まらないようです。


 「さあ、また我が家が戦場になったぞ!」
 「だね、いつまで続くんだか」
 僕ら兄弟は、また改めてフンドシの紐を締め直したのであります。

 いつかは終わる戦いです。
 その日が早く来てほしいような、永遠に終わらないでほしいような……。

 複雑な思いで、両親の帰りを迎えました。
  


Posted by 小暮 淳 at 17:09Comments(3)つれづれ

2015年10月17日

復活!MDB


 高崎市民のみなさーん、こんばんは!
 今日は、地域限定でお送りします。

 みなさんのご家庭には、「ちいきしんぶん」(ライフケア群栄発行) が届きましたでしょうか?
 「ちいきしんぶん」 は、創刊30周年を迎える全国でも屈指の老舗フリーペーパーです。
 旧高崎市内の約9割の家庭や事業所に無料で配布されています。

 で、このフリーペーパーに、かつて僕は2007年11月~2013年12月までの6年間にわたり、ドキュメントエッセーを連載していました。
 タイトルは 『民話と伝説の舞台』。略して 「MDB」。
 (ちょっとDAIGO風に言ってみました。ウィッシュ!)

 たくさんの読者に惜しまれながら休載しましたが、あれから2年……。
 あの伝説のMDBが、帰ってきました~!

 と、いうことで、今週の金曜日(10月16日) 発行の 「ちいきしんぶん」 の一面に 『民話と伝説の舞台』 が復活しました。
 もう、ご覧になりましたか?

 今回の伝説は、吾妻郡高山村にある2つの森にまつわる摩訶不思議な出来事です。
 森の名は 「添うが森」 と 「添わずが森」。
 なんて奇妙なネーミングなんでしょうね。

 その2つの森には、それぞれ石宮が祀られています。
 互いに願い事を叶えてくれるのですが、その願い事というのが真逆なんです。
 そして、運命を分ける2つの森には、恐ろしくも悲しい伝説が残されていました。

 はてさて、どんな伝説かを知りたい人は、ぜひ 「ちいきしんぶん」 をお読みください。


 ●配布および入手に関するお問合せは下記まで。
   ライフケア群栄㈱ TEL.027-370-2262
   


Posted by 小暮 淳 at 23:30Comments(0)謎学の旅

2015年10月16日

“夢の架け橋” が架かるまで


 NPO法人 『湯治乃邑(くに)』 では、湯治場の再生事業の一環として現在、浅間隠温泉郷(東吾妻町) に丸太橋を架けるプロジェクトを推進しています。
 ついては、その費用資金の捻出のためにクラウドファンディング 「FAAVO群馬」 を利用してきましたが、残念ながら期限内に目標額の達成には至りませんでした。

 趣旨に賛同し、支援してくださった方々には、力不足であったことを大変申し訳なく思っています。
 そして会員一同、その心温まる支援に感謝しております。

 よって現在は大幅にコストの削減を図り、最低必要資材のみの調達をし、会員および友人知人らが地元住民と協力しながら、手弁当での作業を進めています。
 当初の予定とは、だいぶ工事が遅れてしまいましたが、何とか来月中には完成する見込みです。
 
 完成した暁には、各メディアに取り上げていただき、地元民の悲願だった “夢の架け橋” をみなさんにお披露目したいと考えています。


 で、昨日は、役員会議の様子を取材に、毎日新聞の記者が高崎市の事務所に来ました。
 NPO設立の経緯や現在着手している事業のことなどを、事細かに聞かれていきました。
 近々、紙面にて掲載されますで、毎日新聞を購読されている方は、ご覧になってください。

 これからも“夢の架け橋” が架かるまでのドキュメントを各メディアに発表していきます。
 読者のみなさんも、引き続き応援をよろしくお願いいたします。
 
  


Posted by 小暮 淳 at 22:50Comments(0)湯治乃邑

2015年10月15日

2つのセミナー


 今年は例年に比べて、講演やセミナーの講師として呼ばれる仕事が多いようです。
 今週だけで、2つのセミナーがありました。

 1つは、以前にもお伝えしたヤマダグリーンドームで開催された 「ぐんまリビングフェア」 でのセミナーです。
 最終日の12日(体育の日)、イベント会場にて “介護” をテーマに講演をしてきました。

 なにせ、介護の話を人前でするのなんて初めてですからね。
 最初は、どうなることかと思ったのですが、皆さん、とても熱心に聴いてくださいました。
 時々、笑いも起こったし、中には涙をこぼしていた人も見受けられました。

 当日は、俳優でタレントの石田純一さんのトークショーの前座ということもあり、客席は満席で立ち見が出るほどの盛況ぶり。
 約300人の観客を相手に、講演をすることができました。
 ま、僕の話を聴きに来てくれた人も少しはいたでしょうが、ほとんどは石田さん目当てに集まった人たちだったんでしょうな。

 それでも観客は観客です!
 やっぱり、聴講者は多ければ多いほど、講演は楽しいのであります。


 一方、今日行われたセミナーは対照的でした。

 前橋市芳賀公民館で開催された 「高齢者教室」。
 その今年度第6回セミナーの講師を務めました。
 こちらは、たっぷりと2時間にわたり、温泉の話をしてきました。

 参加者は約50人。
 すべて地元のお年寄りです。
 (といっても60歳以上ですから、僕とそんなに歳がかわらない人もいましたけど)

 とにかく、みなさん熱心なんです。
 ちゃんと筆記用具を持参してきていて、メモを取っていましたよ。
 そんな光景を見るたびに、「たかが温泉だけど、誰かの役に立っているのかもしれないな~」 と本当にうれしく思います。


 年内は、まだまだ講演の予定が入っています。
 小さな公民館から大きなホテルまで。県内から県外まで。
 対象も若者から高齢者までいろいろです。

 みなさ~ん、あなたの町にも行きますからね!
 待っていてくださいね。
   


Posted by 小暮 淳 at 22:38Comments(0)講演・セミナー

2015年10月14日

野栗沢温泉 「すりばち荘」③


 “取材は筋書きのないドラマである” by Jun Kogure
 なーんてね。

 実は突然、取材日の前日になって野栗沢温泉の一軒宿 「すりばち荘」 の2代目若主人から 「ボイラーが壊れてしまって、お風呂が入れません」 との連絡が入りました。
 本来なら取材は延期されるべき事態ですが、すでに近隣の温泉施設への取材アポは取ってあります。
 それに 「すりばち荘」 へは、過去に何回も行っているので、湯のことなら良く分かっています。
 今さら入らなくても記事は書けます。

 それより僕は、おやじさんに会いたい!

 “おやじさん” とは、ご主人の黒沢武久さんのことです。
 とにかく、おやじさんには大変世話になっているのです。

 以前、朝日新聞に連載していた 『おやじの湯』 というエッセーでは、一緒に湯に入り、裸の付き合いをしながら対談したこともありました。
 また、昨年の春に開催された拙著 『新ぐんまの源泉一軒宿』(上毛新聞社) の出版記念パーティーには、わざわざ息子の忠興さんが会場となった前橋市内のホテルまで来て、出席してくださったのです。
 そのお礼だって、まだ言ってません。

 だもの、風呂に入れなくったって、親子には会いに行くっていうこです!


 ということで、昨日は群馬県最南の上野村に入り、他の温泉を取材しつつ、夕方には最南端の温泉宿にたどり着いたのであります。

 宿に着くと、赤々と薪ストーブが燃えていました。
 「今日、今年初めて火を入れたよ」と、ご主人。
 「お忙しいですか?」 と訊けば、
 「ああ、毎日、薪割りでね」 と笑いました。

 「小暮さんの読者という人が、よく来られますよ。なんでも講演を聞いて、うちを知ったらしいです」 と忠興さん。
 うれしいですね。
 確かに僕は、たびたび講演やセミナーで、野栗沢温泉の話をしています。

 群馬県の最南端温泉であること。
 そして源泉は昭和になってから発見された自然湧出泉であること。
 その源泉を最初に見つけたのは、人間ではなく鳥だったこと。
 さらに、その鳥は東南アジアに生息する珍しい青いハトだということ。
 何よりも、“魔法の泉” と呼ばれる源泉水の効能の素晴らしいこと。

 などなどを話しています。

 昨晩もご主人の口からは、ポンポンと源泉水の摩訶不思議な効力話が飛び出しました。
 数々の皮膚病やケガを治してきたことは、今までにも新聞や雑誌、著書などに書いてきました。
 が、今回は、人間以外にも効力を発揮しているという驚きのスクープ話を聞いたのです。

 このことは、来春出版予定の本に書く予定なので、今はまだ秘密です。
 ぜひ、楽しみに待っていてください。

 やっぱり、取材って、筋書きのないドラマですね。
 思わぬ展開に、ワクワクしてしまいました。


 もちろん夜は、名物の 「イノブタ鍋」 と 「温泉うどん」 をいただきながら、酒とおやじさんとの温泉談義に酔いしれました。

 おやじさん、忠興さん、いつも、ご協力ありがとうございます。
 このご恩は、活字にしてお返しいたしますね。
   


Posted by 小暮 淳 at 21:45Comments(2)温泉地・旅館

2015年10月12日

絶景をめぐる紅葉温泉


 朝夕、めっきり涼しくなりました。
 北の方では紅葉が始まったとの便りも届いています。

 秋が深まると、恋しくなるのは、やっぱり温泉ですね。
 それも、できれば山深い渓流沿いの秘湯の宿に、のんびり泊まりたい。

 と、いうことで、僕がコメンテーターを務めている群馬テレビ 「ニュースジャスト6」 では、10月恒例の紅葉スポットをめぐる温泉を特集します。
 県内屈指の紅葉の名所と、近くの温泉地の個性的な宿、ちょっと奥まった秘湯の宿などを紹介します。

 今回は、温泉だけではなく、アツアツの名物料理なんかも紹介しちゃいます。
 温泉と料理で、外と内から温まってくださいな。


 ●放送局  群馬テレビ(地デジ3ch)
 ●番組名  「ニュースジャスト6」
        NJウォッチのコーナー
 ●放送日  10月16日(金) 18:00~18:35
 ●ゲスト  小暮 淳 (温泉ライター)
 ●テーマ  「絶景をめぐる紅葉温泉」  


Posted by 小暮 淳 at 20:57Comments(4)温泉雑話

2015年10月11日

サラスポンダ


 ♪ サラスポンダ サラスポンダ サラスポンダ レッセッセ
   サラスポンダ サラスポンダ サラスポンダ レッセッセ
   オドラオ オドラポンダオ オドラポンダ レッセッセ
   オセポセオ ♪


 先日、テレビのトーク番組で、女優の篠原涼子さんがこんなことを言ってました。

 子どもの頃、父親はいつも唄を歌っていた。
 だから 「お父さんは唄が好きなの?」 と訊くと、「別にそういうわけじゃない」 という。
 それから大きくなって、彼女が芸能界を目指して上京するときに父親が言ったそうだ。
 「つらいことがあったら唄を歌いなさい」 と……。

 この話を聞いて、真っ先に僕の頭の中に流れたメロディが、「サラスポンダ」 でした。
 不思議なタイトル、不思議な歌詞です。

 小学校の音楽の授業で習った曲です。
 この不思議な歌詞を丸暗記して、先生のピアノに合わせて歌った記憶があります。
 先生のピアノのリズムは、だんだんと速くなっていきます。
 僕たちは、そのリズムに遅れまいと、早口言葉を唱えるように歌いました。

 たぶん、その時の思い出が強烈に脳裏に焼きついているんでしょうね。
 何かに付けて、口を突いて出てきます。
 まるで呪文のように!

 あれから40年以上が経つというのにね。
 今でも、何かあると口ずさんでいるんです。
 歌詞の意味も、どこの国の唄なのかも知らずに。

 ♪ サラスポンダ サラスポンダ サラスポンダ レッセッセ ♪

 で、調べてみたらオランダの民謡で、糸をつむいで織物をするときの「つむぎ唄」 でした。


 どんなときに僕は、この唄を口ずさんでいるのだろうと思い返してみると、やっぱり、つらい時や悲しい時のような気がします。
 いつしか、僕にとっての “おまじないソング” になっていたんですね。

 言葉には “言霊(ことだま)” があるといいます。
 言葉の持つ力が、その言葉を吐く人の人生を左右するそうです。

 きっと唄にも「うただま」 が宿っているんでしょうな。
    


Posted by 小暮 淳 at 21:49Comments(0)つれづれ

2015年10月09日

不孝をすると親は長生きする


 「温泉の話は知らないことばかりなので、『へー』 っと感心しながら読んでいますが、介護の話は 『そうそう』 って、共感しながら読んでいます」
 「こんなことを言っては不謹慎かもしれませんけど、お父さんの話が面白くて、いつも楽しみにしています」
 「もっと、介護の話を書いてください」

 なんだか、最近は人に会うと、こんなことを良く言われます。
 みなさん、ブログを読んでくださっているのですね。
 ありがとうございます。


 5年前、このブログを開設した当初は、温泉ライターとして、新聞や雑誌には書けなかった “こぼれ話” を読者のみなさんに伝えていました。
 それがいつしか、日々の出来事やプライベートなことまで書くようになってしまったんですね。
 温泉ファンからは、「もっと温泉のことを書いてください」 と言われることもありますが、最近は温泉ファン以外の読者の方も増えているようで、もっぱら介護ネタで声をかけられることが多くなりました。

 以前にもお知らせしましたが、どこで誰がブログを読んでいるのか分からないもので、「温泉ではなく、介護話をしてください」 という依頼が舞い込んで来ました。
 ※(2015年6月12日の 「ブログの効用⑥ 思わぬ依頼」 参照)

 まったくもって本人も初めてのテーマなので、どんな内容になるか見当もつきませんが、何かのお役に立てるのであればと、お受けすることにしました。
 開催は今度の月曜日(体育の日)、ヤマダグリーンドーム前橋で行われます。
 ※(詳細は、2015年9月24日の 「公開講演会のお知らせ④」 をご覧ください)

 当日は、石田純一さんのトークショーの前座を務めます。
 お時間のある方は、遊びにいらしてください。


       くらしたのしセミナー
     「不孝をすると親は長生きする」
      講師/小暮 淳 (温泉ライター)

 ●日 時   2015年10月12日(月・祝) 12:20~12:50
 ●会 場   ヤマダグリーンドーム前橋
         「ぐんまリビングフェア」 イベントステージ
         ※入場無料
 ●主 催   上毛新聞社 上毛新聞TRサービス
  


Posted by 小暮 淳 at 22:20Comments(0)講演・セミナー

2015年10月07日

相間川温泉 「ふれあい館」②


 <まず、露天風呂の湯の色に驚いた。茶褐色というよりは、鮮やかなオレンジ色をしている。西上州には珍しく鉄分を多く含んだ温泉だ。にごりが濃厚のため、足元が見えない。ゆっくりと湯底を足の裏で確かめながら入った。> ( 『ぐんまの源泉一軒宿』 より)

 昨晩は、久しぶりに相間川温泉(高崎市倉渕町) の 「ふれあい館」 に泊まってきました。

 「えっ、あそこって、日帰り温泉なんじゃないの?」 って、思った人もいるかもしれませんね。
 一見、そんな造りですものね。
 でも宿泊施設のある、れっきとした一軒宿の温泉地なんですよ。
 ※(相間川温泉には、「せせらぎの湯」 という日帰り入浴施設があります)


 群馬県内には、さまざま色の “にごり湯” があります。
 鉄分を多く含む赤褐色の温泉といえば、伊香保温泉や赤城温泉が知られていますが、僕が思うに、その色の濃さで言えば、ここ相間川が一番濃厚だと思います。

 で、今日の湯は、茶褐色というよりは、やや緑がかった黄土色でした。
 季節や天候、光の加減で、訪ねるたびに色を変えるところも楽しみの一つです。


 <湯をすくい、鼻先へ近づけると金気臭い。顔に触れると、ひげそり後の肌がヒリヒリする。なめると、かなり塩辛い。(中略) 体を移動しようと手をついた瞬間、ふわりと尻が浮いた。>

 相変わらず、塩分濃度も県内トップクラスであります。
 思わず 「しょっぺー!」 と、なめた途端に顔をしかめるほど。
 さらに、苦味もある。

 この鉄分と塩分の多さが、この温泉の最大の特徴なのです。
 浴室には所々に、こんな注意書きが貼られています。

 “湯あたり注意!” “長湯は禁物!”

 どうしてか、わかりますか?

 実は、鉄分と塩分が多い温泉は、体感温度が実際の温度よりも低く感じられるのです。
 そのため、心地よくなって、ついつい長湯をしてしまい、のぼせてしまうというわけです。
 でも、それだけ体が温まるということなので、湯冷めをしにくいともいえます。
 これからの季節に、ありがたい温泉であります。

 でも、やはり長湯は禁物ですぞ!
 湯あたり御免!
 ※(だいぶ救急車が出動しているらしいですよ)
   


Posted by 小暮 淳 at 23:27Comments(2)温泉地・旅館

2015年10月04日

藤岡温泉 「藤岡温泉ホテルリゾート」④


 <藤岡市内といっても上日野は、山深い清流の里。鮎川沿いの谷をクネクネと車で走ること約30分。 「この道で間違いないのだろうか?」 と、いささか不安が脳裏をよぎるころ、ホテルの誘導看板が見えてきた。> ( 『新ぐんまの源泉一軒宿』 より)

 藤岡温泉を訪ねるのは、今回で5回目だというのに、やはり今回も 「通り過ぎてないよなぁ~」 と不安になってしまいました。
 それほどに深い深い山の奥に、ホテルはあります。
 実際に、なかなかたどり着けなくて、引き返してしまう人もいるとのこと。
 それゆえ、たどり着いたときの喜びは、ひとしおというものです。


 藤岡温泉は、訪ねるたびに、何かが変わっているのであります。

 平成4年までは、現在の別館と今はない温泉センターだけで営業をしていました。
 その頃は、温泉名は「ひの谷温泉」。
 施設名を 「あずさの湯」 といいました。

 平成7年にホテルが完成し、温泉名を 「藤岡温泉」 に改名。
 当時の施設名は、「藤岡温泉ホテル」 でした。

 平成23年に経営会社が替わり、「藤岡温泉ホテルリゾート」 として生まれ変わりました。

 ただ、オープン当初から変わらないものがあります。
 それは、源泉!
 pH値9・8という強アルカリ性のトロンとした“ツルツル”“スベスベ” の湯です。
 かつて僕が、「群馬三大ツルスベ温泉」 の1つに命名したことがあるほどです。

 その湯は、今回も健在でした!
 いえいえ、さらにパワーアップしたようにさえ思えます。

 初めて体験するする人は、桶で湯をすくい、かけ湯をしただけで、「あっ!」 と驚かれるはずです。
 体を流れる液体は、もはや湯ではなく、オイルのよう。
 ゆっくりと肌を落ちる浴感は、まず他では味わえないと思います。

 以前、僕が講師を務める温泉講座で訪れたときのこと。
 ある受講生が、湯舟で自分の体をさすりながら 「まるでウナギを触っているようです」 と言って笑ったことを思い出します。
 それほどに、初めて入浴する人には、衝撃的な温泉なのであります。


 で、今回も、何かが変わっていました。
 それは・・・

 「ええ、加水を止めたんですよ。たぶん、そのせいだと思います」
 と支配人の河辺隆夫さん。
 そうです、パワーアップしたように思えたのは、僕の気のせいじゃなかったのです!

 まだ未体験の人は、とりあえず体験してみてください。
 また体験済みの人でも、よりパワーアップした浴感を体感してみてくださいな。
  


Posted by 小暮 淳 at 21:20Comments(0)温泉地・旅館

2015年10月02日

猪ノ田温泉 「久惠屋旅館」⑧


 <県道からはずれて山道に差しかかった途端、ひんやりと空気が変わる。標高はさほど高くないが、それほど藤岡市の猪ノ田(いのだ) 地区は深い森に囲まれている。:>

 これは2011年2月から2年間にわたり、朝日新聞の群馬版に連載した 『湯守の女房』 というエッセイの第1回の冒頭部分です。
 県道からわずか5分、山道を走っただけで、急に空気は冷たくなります。
 それもそのはずで、旅館は渓流、猪ノ田川のほとり、うっ蒼とした森の中にポツンと1軒だけ建っているのです。

 車から降りると、僕は大きく深呼吸をしました。
 ツーンと染み入る空気と、サラサラと間断なく聴こえるせせらぎの音。
 僕の大好きな場所です。

 春先に訪ねたときは、庭一面に咲くカタクリの花に迎えられました。
 秋に来た時は、部屋の窓を覆うほどの深紅のモミジ。
 そして今回は、オレンジ色の可憐な花をたわわに咲かせたキンモクセイの香りに包まれました。

 昨日は、取材とお見舞いを兼ねて、久しぶりに久惠屋旅館に泊まって来ました。


 「よく来てくれましたね」
 そう言って主人の深澤宣恵さんが、僕の手を強く握ってくれました。
 「元気そうで安心しましたよ。知らせを聞いたときはビックリしました」

 今年の5月、ご主人が階段から落ちて、入院したと聞いていたのです。
 その時、頭部を強打し、軽い脳出血を起こしたといいます。
 直後は手足に障害が出たそうですが、3ヶ月間のリハビリの成果により、完全に快復しました。

 「良かったですね。その程度で済んで。打ち所が悪かったら今日僕は、ご主人に会えなかったかもしれないんですよ」
 そう言うと、ご主人は、
 「そうかもしれないね。再会を祝って、今晩は一緒にやりましょう。一番うまい酒を用意しますよ」
 ですって。
 「大丈夫なんですか?」
 と心配すれば、
 「ああ……、ちょっと真似だけね」
 と、嬉しそうに笑うのでした。

 そんなご主人の僕への気配りに、ちょっぴり目頭が熱くなってしまったのです。


 そうと決まれば、取材を早めに済ませてしまおう!と、お決まりの入浴シーンの撮影へ。

 もう、今さらここで言うこともありませんけれど、源泉名の「絹の湯」 とおりのトロンと肌にまとわり付く浴感は、何度入っても飽きることがありません。
 その効能も素晴らしく、医者に見放された患者たちが、遠方からわざわざやって来るほど。
 特に皮膚病に特効があり、源泉を詰めたペットボトルや源泉入りの石けんを全国から取り寄せる人たちが後を絶ちません。

 実際に僕も長年、源泉水を使っています。
 これからの季節、乾燥肌のかゆみも、これがあれば安心して眠ることができます。
 なんでも、皮膚科や小児科のお医者様までもが取り寄せているとのことでした。


 「カンパーイ!」
 「退院、おめでとうございます」
 ご主人が用意してくれた辛口の地酒で、夕げの膳を囲みながら、ささやかな快気祝いが始まりました。

 思えば10年以上前に、雑誌の連載取材で訪れたのが、ご主人との最初の出会いです。
 それ以来、ご主人の温泉復活に賭けた情熱的な人生と男のロマンに、僕はすっかり惚れ込んでしまったのです。

 ご主人がいなかったら、猪ノ田温泉は45年前に消えたままだったのですから……。
 ※(詳しくは、僕の著書をお読みください)
   


Posted by 小暮 淳 at 22:00Comments(0)温泉地・旅館