温泉ライター、小暮淳の公式ブログです。雑誌や新聞では書けなかったこぼれ話や講演会、セミナーなどのイベント情報および日常をつれづれなるままに公表しています。
プロフィール
小暮 淳
小暮 淳
こぐれ じゅん



1958年、群馬県前橋市生まれ。

群馬県内のタウン誌、生活情報誌、フリーペーパー等の編集長を経て、現在はフリーライター。

温泉の魅力に取りつかれ、取材を続けながら群馬県内の温泉地をめぐる。特に一軒宿や小さな温泉地を中心に訪ね、新聞や雑誌にエッセーやコラムを執筆中。群馬の温泉のPRを兼ねて、セミナーや講演活動も行っている。

群馬県温泉アドバイザー「フォローアップ研修会」講師(平成19年度)。

長野県温泉協会「研修会」講師(平成20年度)

NHK文化センター前橋教室「野外温泉講座」講師(平成21年度~現在)
NHK-FM前橋放送局「群馬は温泉パラダイス」パーソナリティー(平成23年度)

前橋カルチャーセンター「小暮淳と行く 湯けむり散歩」講師(平成22、24年度)

群馬テレビ「ニュースジャスト6」コメンテーター(平成24年度~27年)
群馬テレビ「ぐんまトリビア図鑑」スーパーバイザー(平成27年度~現在)

NPO法人「湯治乃邑(くに)」代表理事
みなかみ温泉大使
中之条町観光大使
老神温泉大使
伊香保温泉大使



著書に『ぐんまの源泉一軒宿』 『群馬の小さな温泉』 『あなたにも教えたい 四万温泉』 『みなかみ18湯〔上〕』 『みなかみ18湯〔下〕』 『新ぐんまの源泉一軒宿』 『尾瀬の里湯~老神片品11温泉』 『西上州の薬湯』『金銀名湯 伊香保温泉』 『ぐんまの里山 てくてく歩き』 『上毛カルテ』(以上、上毛新聞社)、『ヨー!サイゴン』(でくの房)、絵本『誕生日の夜』(よろずかわら版)などがある。

2015年11月30日

湯端温泉 「湯端の湯」③


 昨晩は、旧吉井町(高崎市) の湯端(ゆばた)温泉に泊まってきました。
 知る人ぞ知る西上州の秘湯の一軒宿です。

 どうして “秘湯” なのか?

 僕は2009年に 『ぐんまの源泉一軒宿』(上毛新聞社) という本を出版しました。
 この著書には群馬県内の50温泉地の50軒の宿が掲載されています。
 しかし4回の増刷をするも、出版からわずか5年で絶版となりました。
 その理由は、6軒もの宿が廃業してしまったからです。
 (現在は、さらに増えて8軒の宿が営業をしていません)

 そして昨年、新たに出版されたのが 『新ぐんまの源泉一軒宿』 です。
 この本で、僕は初めて湯端温泉を取材しました。
 (正しくは、同じ年に新聞取材でも訪れています)

 消えていく温泉宿が増えていく中で、湯端温泉は唯一、復活した温泉なのです。
 (2006年に休業、2012年に再開しました。復活の経緯は、僕の著書またはブログのバックナンバーをお読みください)


 「お久しぶりです!」
 若き3代目主人の桑子済(とおる) さんが、満面の笑みをたたえて出迎えてくれました。
 2年ぶりの再会です。

 「元気そうじゃないですか?」
 「ええ、おかげさまで、なんとかやっています」
 「いま、お客さんは入ってます?」
 「いえ、大丈夫ですよ」
 「では、この2年間の話は後で聞くことにして、とりあえず湯をいただいてきます」
 と僕は、車から荷物も降ろさず、タオル1枚だけ引っさげて、離れの外風呂へ直行しました。

 湯端温泉には、内風呂と外風呂の2つの浴室があります。
 どちらも貸切専用で、予約制です (日帰り入浴も同様)。

 泉質は塩化物冷鉱泉。
 明治の昔から地元では、あせもや皮膚病に特効があるといわれ、大切に守られてきた霊泉です。
 塩分を多く含んでいるため、今でも湧出口には野鹿が源泉を飲みに現れるといいます。


 入浴を終えた僕は、ご主人への取材を前に、とりあえず買ってきた缶ビールを1本、そして、もう1本。
 そう、ここは素泊まり専門の宿なので、持ち込みOK!
 それどころか売店も自動販売機もありませんから、飲食は外へ出かけるか、前もって買い込んで来るしかありません。
 もちろん僕も来る途中で、スーパーに寄って、夕食を買ってから来ました。
 ま、夕食といっても、ほとんどが酒とつまみですけどね。


 復活した宿であること。
 素泊まり専門であること。
 日帰り入浴も予約制であること。
 1日たった5組しか宿泊できないこと。

 それらが、秘湯と呼ばれるゆえんです。

 いろんな宿があっていいんです。
 だから温泉めぐりは楽しいのですよ。 
   


Posted by 小暮 淳 at 22:10Comments(2)温泉地・旅館

2015年11月28日

失業のすすめ


 先日、さる友人から 「会社を辞めたい」 との相談を受けました。
 彼は40代半ば。もちろん、妻も子どももいる家庭人です。
 年齢を考えると、かなり思い切った決断です。

 僕が会社を辞めて、フリーの世界に飛び込んだのは、37歳の時でした。
 決して若くはありませんでしたが、自分的には妥当な時期だったと思っています。
 ただ、その前年にマイホームを建ててしまったため、経済的な負担は想像以上なものがあり、かなり家族には苦労をかけてしまいました。
 それでも今となれば、あれが “人生のターニングポイント” だったのであり、思い切って決断して良かったと思います。

 ま、誰にでも人生には多かれ少なかれ、ターニングポイントがあるものです。
 もちろん、それは年齢に関係なく、突然、やって来ます。

 彼の場合、1つだけ気になることがあります。
 それは、会社を 「辞める」 とは断言せずに、「辞めたい」 と希望を告げていることです。
 そして、何よりも心配なのは、辞めた後の人生設計が描かれていないことです。

 まだ独身で、20代の若者だったら、とりあえず辞めて “自分探しの旅” を勧めますが、彼の場合、抱えている現実が大き過ぎます。
 それで本人も悩んでいるようでした。


 でも、たった一度の人生なんですよね。
 このまま苦痛な環境の中で定年退職まで過ごすのか、1回リセットして、やり直すのか?

 「誰に相談しても引き止められました。小暮さんだけですよ、賛成してくれたのは」
 と、半分うれしそうに笑う彼。
 でも、半分は不安におびえています。

 無責任のようですが、僕は 「辞めちゃえば」 と助言しました。

 だって人生は、いつだって二者択一だもの!
 得るものがあれば、失うものがあるのが世の常です。
 だから、きっと彼も世間体と安定を失った代償に、別のかけがえのない何かを得ると思うのです。

 また、失ってみないと分からないことって、人生にはたくさんありますものね。


 でも、正直言って僕は、ちょっぴり彼が羨ましかったのであります。
 だって、彼には今までとまったく違った人生が、これから始まる可能性があるのですから!
 ハラハラ、ドキドキもするけど、なんだかワクワクしてきます。

 数年後、彼はどんな人生を歩んでいるのでしょうか?
 楽しみに見守っていたいと思います。
    


Posted by 小暮 淳 at 21:59Comments(0)つれづれ

2015年11月27日

TENGU


 <もし一連の事件の舞台が沼田でなかったとしたら、誰もあの男のことを “天狗” とは呼ばなかっただろう。>


 今年も残すところ1ヶ月余り。
 僕も人並みに今月は忙しく、取材に講演に飛び回っています。
 週の半分以上は家を空けているので、たまに家にいる日は、朝から原稿書きに追われています。

 今週は火曜日に、月例の温泉講座があり、受講生たちとバスで沼田市の老神温泉へ行ってきました。
 この講座では毎月、県内外の名湯および秘湯の宿を訪ねています。
 県外などの遠い温泉へ行く時は、行き帰りの休憩でサービスエリアや道の駅に立ち寄るくらいで、ほとんど寄り道はしません。
 でも今回は、前橋・高崎から高速道路を利用すれば、1時間ほどで着いてしまう近距離です。
 こんなときは、近隣の名所旧跡を見学することにしています。

 で、今回は、沼田市にある迦葉山弥勒寺(かしょうざんみろくじ) に寄ってきました。
 県民ならば誰もが知っている、大天狗が奉られている寺院です。
 “お天狗様” と呼ばれ、商売繁盛、五穀豊穣、開運の神様として信仰されています。

 ま、僕も幾度となく訪れていますし、受講生たちも 「初めて来た」 という人はいなかったようです。
 個人的に僕は、子どもの頃に家族と来て、恐い思いをした記憶があるので、あまり行きたいところではないのですが、それでも久しぶりに、あの大天狗の面を見ると、「おおおっー!」 と改めて感動するのでした。
 ※(2012年10月30日 「月夜野温泉 みねの湯 つきよの館⑩」 参照)


 もう1つ、迦葉山というと思い出すのが、ここを舞台にして書かれた作家・柴田哲孝の 『TENGU』 という小説です。
 氏は、この小説で第9回大藪春彦賞を受賞しています。
 冒頭の文章は、その一説です。

 <沼田は天狗の町である。市内のいたる所に天狗の文字やその図柄が描かれ、この町を訪れる者を伝説の世界へと誘ってやまない。>

 そして、天狗伝説は伝説にとどまらず、凄惨きわまりない連続殺人事件を巻き起こします。
 はたして “天狗” の正体は?
 あっと驚く結末が、読者を待ち受けています。

 まだお読みでない人は、ぜひ、一読されたし。
 その後で、迦葉山を訪ねることをお勧めします。

 境内で、思わず振り返り、生い茂る木々の一本一本を凝視してしまうことでしょう!
 今回、僕がそうでしたもの……。
  


Posted by 小暮 淳 at 18:13Comments(5)講座・教室

2015年11月26日

相間川温泉 「ふれあい館」③


 “現場百遍”
 取材は、し過ぎることはない。

 ま、これは 「座右の銘」 というよりは、僕の仕事に対するモットーのようなものです。
 僕は小説を書いているわけではありませんからね。
 取材をして、記事を書くライターです。

 ノンフィクションの世界は、時々刻々と現場が変化しています。


 と、いうことで、昨晩から旧倉渕村(現高崎市) の相間川(あいまがわ) 温泉に泊り込んで、再取材を行ってきました。
 だって先月、訪ねたときに社長室長の尾形誠さんから 「今月中旬には、内風呂も源泉かけ流しになります」 なんて言われてしまったのです。
 ※(2015年10月7日 「相間川温泉 ふれあい館②」 参照)

 と、いうことは、湯の色も変わってしまうということです。
 と、いうことは、この日撮影した写真は使えないということであり、書く記事の内容まで間違ったものになってしまうということです。

 それでは、いかん!
 ということで、ふたたび、相間川温泉を訪れたのであります。


 「おおおー! 本当だ!」
 先に浴室へ入ったカメラマン氏の喚声が聞こえてきました。
 「どれどれ、本当ですか?」
 と、覗き込む僕。
 「おおーっ、露天に負けず劣らず、いい色をしていますね」

 泉質は、ナトリウム・カルシウム-塩化物強塩温泉。
 塩分を多く含んでいるため、なめると塩辛く、また鉄分も多いため湯は黄褐色ににごり、湯舟の底にはレンガの粉のような沈殿物が溜まります。

 なので、露天風呂は以前から源泉をそのままかけ流していましたが、内風呂は鉄分をろ過していたのです。
 「お客様のなかには、『湯が汚れている』 なんて言う人もいますからね」
 という理由からのようですが、根強い温泉ファンの中には、「内風呂も源泉そのままが良い」 という声がささやかれていました。

 で、今回、内風呂の循環ろ過をやめた理由を訊くと、
 「実は、温泉成分が濃過ぎて、すぐに機械が壊れてしまうんです」 とのこと。
 いわゆるスケールと呼ばれる析出物が、循環装置や給湯パイプに詰まってしまい、故障しやすいのであります。

 いゃ~、温泉ファンには、うれしい誤算じゃないですか!
 だって、かけ流しをやめて循環風呂にしてしまう温泉施設があまたと存在するなかで、その逆をやってのけたのであります。
 大歓迎ですって!


 一夜明けた今朝は、同じ源泉を使用している近くの日帰り入浴施設 「せせらぎの湯」 も、オープン前に取材させてもらいました。
 こちらは開設以来、内風呂も露天風呂もかけ流しです。
 また源泉に近いからでしょうか、なんだか色がより濃くて、オレンジ色に見えました。


 “現場百遍”
 これからも読者に最新の情報を届けるため、県内各所を東奔西走したいと思います。
 ご期待あれ!
  


Posted by 小暮 淳 at 15:08Comments(2)温泉地・旅館

2015年11月23日

今日のニュース


 “47歳三女、介護を苦に無理心中”
 “殺人および自殺幇助の疑い”

 今朝、テレビのニュースで流れたテロップ。
 画面には、どこかの河原の映像が映し出されています。

 なんでも認知症の母親の介護を父親とともにしていた娘が、「死にたい」 と父親に言われたとかで、3人して川に身を投げたらしいのですが、自分だけ助かってしまったようです。


 「だってよ、じいさん。よかったね、じいさんは、オレとかアニキに殺されなくてさ」
 僕は、一緒にテレビを見ていたオヤジに話しかけました。
 ま、見ていたのは僕だけで、オヤジは目も耳も不自由ですから。
 ただ、ボーっとこたつに入っているだけですけど。

 「なんか、口に入れるモノはないかな~」
 「キャラメルならあるけど、食うか?」
 「ああ、おくれよ。キャラメル、好きなんだ」

 しばらくすると、今度は、
 「風に当たりたいな~」
 と言い出しました。
 これは、いつもの “散歩へ連れて行け” の合図です。
 「散歩、行くか?」
 「えっ? 聞こえない」
 「さ、ん、ぽっ!」
 耳元で大声で叫ぶと、今度は、
 「行くよ、行く行く! 連れてっておくれよ」
 そう言って、さっさと立ち上がり、身支度を始めました。
 この条件反射、愛犬のマロ君とまったく同じです。


 「ちょっと、オヤジと散歩に行ってくるよ」
 階下の部屋で、ベッドに横たわっているオフクロに声をかけました。
 「ありがとうね。おとうさん、喜ぶよ。ああ、その前に、すまないけどトイレを換えてってくれないかね」

 オフクロは足が不自由なため、ベッドの脇に簡易トイレを置いています。
 1日1回、排泄物を捨てるのですが、その交換が今日はまだだったのです。

 「じいさん、そこに腰かけて、ちょっと待っていてくれ」
 そう言って僕は、慣れた手つきで、オフクロの排泄物を処理して、タンクを洗い、テキパキと交換しました。

 「いつも、ありがとうね。感謝しています」
 オフクロは実の息子に対しても、いつも丁寧にお礼を言ってくれます。
 間違っても 「死にたい」 なんて、言ったことは一度もありません。


 「さ、じいさん、お待たせ! 散歩へ行こう!」
 「行こう、行こう~!」
 「今日は、どこまで歩こうか?」
 「どこでも、いいよ。お前の後をついて行くよ」

 「あれ、まだキャラメルなめてるの?」
 そう言うと、子どものように口の中から舌で押し出して見せるのです。
 「うん、だって美味しいんだもの」
 その笑い顔には、もう僕が知っている昔の恐かったオヤジの面影なんて、微塵もありません。
 「そうか、美味しいのか! また買っておいてやるね」


 どうして、死を選んでしまったのだろう……。
 そんなに急がなくっても、いつかは必ず別れが来るのに……。

 「さ、じいさん。風が冷たいから、今日はここまでで帰ろう」
 お寺の境内で、僕はオヤジのやせ細った肩を強く抱き寄せました。
   


Posted by 小暮 淳 at 21:44Comments(2)つれづれ

2015年11月22日

おかげさまで1,700話


 このブログの記事投稿総数が、昨日でちょうど1,700話になりました!

 スタートしたのが2010年の2月ですから、5年と9ヶ月。
 ざっと計算すると、1.2日に1話のペースでブログを綴ってきたことになります。
 我ながら、よく続いていると感心します。

 でもね、ブログも雑誌の記事も新聞の連載も著書も、同じなんですよね。
 読んでもらえなければ、書いている意味がありません。
 そう、読者あってのモノなんです。

 と、いうことは、著者と読者は一対!
 双方がいてこそ成り立つ関係ですから、この1,700話という数字は、決して僕一人で積み上げたものではありません。
 読者のみなさんと一緒に、成し得たものであります。

 おめでとうございます。
 そして、ありがとうございます。


 “継続は力なり” といいますが、思えばブログを通していろいろな事がありました。

 ブログがきっかけで、出会った人たちがいます。
 ブログがきっかけで、始めた仕事もあります。
 なかには著名な方から連絡をいただいたり、テレビ局から出演の依頼をいただいたこともありました。

 書き始めた当初は、「たかがブログ」 だと思っていました。
 文章は紙に書くもので、ネットの中なんて……。
 なーんてね。
 でも今は違います。「されどブログ」 だと思っています。

 著者がいて、読者がいる限り、媒体(ステージ) は変わっても、表現することと共有することに変わりはないのだと。


 1,700話。
 自分でも、いつ、どんなことを書いたかなんて、忘れてしまっています。
 時間をみつけては、少しずつ読み返してみようと思います。
 これも1つのヒストリーとして・・・

 これからも末永く、よろしくお願いいたします。
  


Posted by 小暮 淳 at 22:30Comments(2)執筆余談

2015年11月21日

DNAのゆくえ


 「おとうさ、今日、テレビ出てた?」
 昨晩、ニュース番組の出演を終えて帰宅すると、開口一番、高校生の末娘が声をかけてきました。

 「ああ、出てたよ。どうして?」
 「うん、友だちが見たって。ラインが来た」
 「へー、よく、お前の父親だって分かったな?」
 「みんな、知ってるよ」

 それで父娘の会話は、終わりです。
 むずかしい年頃ですから、僕もそれ以上のことは聞きませんし、娘も何も言ってきません。
 ただ僕としては、そのことが娘にとって、イヤなことなのか? うれしいことなのか? 恥ずかしいことなのか? 聞いてみたいような、怖いような……。
 そんな後味の悪さを残したまま、別々の部屋へ分かれてしまいました。


 1ヶ月ほど前のこと。
 取材で泊まっている温泉宿に、突然、その娘から電話がかかってきたことがありました。
 ふだんから会話も少なく、ましてや父娘間でメールのやり取りをする習慣もありませんから、着信表示を目にしたときは、ドキッとしました。

 出張先で、ましてや夜遅くに身内から電話が鳴れば、それは良くない知らせに決まっています。
 またオフクロが倒れたのだろうか?
 オヤジが徘徊して、行方不明になっているとか?
 いやいや、だったら娘からではなく、実家で面倒を看ているアニキから来るはずだ。
 だったら我が家に何かが起きたのに違いない。
 長女か? 孫か? 長男か?
 いや、だったら家内から電話がかかってくるはずだ。
 末娘からということは、家内だ! 家内に何かが起きたのだ!
 事故か? 病気か? 何が起きたのだ!?

 一瞬にして、僕の体は硬直してしまい、なかなかケータイの通話ボタンを押せません。

 「もしもし、どうした? 何があったんだ!?」 
 「あっ、おとう! あのさ、ギター貸して?」
 「えっ?」
 「どのギター貸してくれる?」
 「……」

 もう僕は、娘がなんのことを言っているか分かりません。
 「ギター?」
 「そう、突然、弾いてみたくなったの」


 まったくもって、年頃の娘のやることは分かりません。
 でもね、なんだか、うれかったんですよ。
 もちろん、家族に何事もなかったという安堵感もありますけど、急にギターを弾きたくなって、出張先の父親に電話をしてくるなんてね。
 僕には3人の子どもがいますけど、こんなことをしてきたのは末娘だけですから。

 「どうした、ギターは?」
 今日の昼、たまたまリビングに居た娘に声をかけました。

 「うん、けっこう弾けるようになったよ。でもF(ギターのコード) がまだ押さえられないけど」
 「ハハハ、誰もが通る道だな」

 結局、今回も父娘の会話は、ここまでで終わりです。
 もっと話しかけたいような、気恥ずかしいような。
 父親と娘の関係って、むずかしいものですね。
  


Posted by 小暮 淳 at 18:16Comments(3)つれづれ

2015年11月19日

若者よ、温泉に入ろう!


 ♪ 黒いレースのガウンをまとい
   夜が静かにボクらをつつむ
   さそわれるまま あなたと歩く
   言葉いらない 二人の世界
   ここは天国 軽井沢
   素敵な恋が 心のとびら
   ひらくのよ ラララ… ♪
  < 『傷だらけの軽井沢』 by ブレッド&バター>


 行って来ました~! 軽井沢。
 ん~、いったい何年ぶりでしょうか?
 確か、最後に行ったのは取材だったから10年以上……
 いや、違います。
 数年前に、講座で近くの温泉へ行った帰りに、生徒さんたちとショッピングに立ち寄ったことがありましたっけね。
 それにしても、4~5年ぶりになります。

 でも今回は、取材でも講座でもありません。
 講演です。
 しかも会場は、軽井沢プリンスホテル!
 しかもしかも、講演をする対象者は若者であります。

 軽井沢、プリンスホテル、若者
 もう、このキーワードだけで、ワクワクしてしまいます。
 (前日の講演が、「田舎」 「集会所」 「老人」 だっただけに)


 昨日は、吾妻職業安定協会(群馬県吾妻郡) 主催による「吾妻郡新規就職者研修会」 の講師として呼ばれ、講演をしてきました。
 演題は、ズバリ!「温泉が教えてくれる吾妻の魅力」。

 対象は、今春、学校を卒業して、新規に吾妻郡内の事業所に就職した若者であります。
 と、いうことは10~20代前半。
 (前日の講演との年齢ギャップ、ありすぎ!)
 約50名が参加してくれました。

 でも、若いって、いいですね。
 目がキラキラしていますもの。
 完全に僕は、親目線で話をしていました。

 彼ら彼女らに、一番伝えたかったことは、吾妻郡が “湯の国 群馬” の屋台骨を背負っているということ。
 草津温泉という群馬を代表する温泉界のスーパースターを有する土地でもありますが、吾妻の自慢は、それだじゃありません。
 県内には約100の温泉地がありますが、うち30ヶ所以上が吾妻郡内にあります。
 そのなかには、万座温泉や四万温泉といった名湯をはじめ、花敷温泉、沢渡温泉、川原湯温泉などの 「草津の仕上げ湯」 と呼ばれる泉質のやわらかい “美肌の湯” が多く点在しています。

 若者よ、これらの魅力を知らずして、吾妻に暮らすではない!
 と、いうような少々説教めいた話を、たっぷりとしてきたのであります。


 でも、みんな熱心に話を聞いてくれ、メモまで取っていましたよ。
 うれしいですね。

 若者からお年寄りまで、大好きな温泉。
 この貴重な温泉が、いつまでも群馬の宝物として残り続けてほしいものです。
 そんな思いを込めて、これからも講演活動を続けていきたいと思います。 
   


Posted by 小暮 淳 at 20:13Comments(2)講演・セミナー

2015年11月17日

もっと小さな講演会


 いつの頃からか、僕にとって講演会やセミナーは、ライフワークになっています。
 ただ温泉を取材して、記事や本を書くだけではなく、直接、読者と会って、僕が見てきた温泉の魅力や現状を生の声で伝えたいからです。

 今日も講演を行ってきました。


 会場は、旧粕川村(現・前橋市粕川町) の “膳” という集会所です。
 先月、同じく粕川町の “込皆戸(こみがいと)” という集会所で小さな講演会を開いたことを書きました。
 ※(当ブログの2015年10月31日 「小さな講演会」 参照)
 あのときは約30人の聴講者でしたが、今回はさらに少ない、たったの10人。
 集会所の規模も小さく、県道沿いの小川のほとりにポツンと民家のような平屋が建っているだけです。

 「先生、こんなところまで、わざわざありがとうございます。分かりましたか?」
 主催者で地区の担当者。
 「ええ、一度、下見に来ていますから、迷わずに来れました」

 たぶん、初めてだったら通り過ぎていたでしょうね。
 こんなとき、几帳面で臆病者の性格が功を奏します。

 それくらい、ふつうの家なのであります。

 でもね、その雰囲気たるや、のどかでいいですよ~!
 開演30分前に着いてしまった僕は、小春日和のポカポカ陽気に誘われて、少しあたりを散歩しました。

 畑と小川の間の小道を行くと、折りしもローカル線の電車がやって来ました。
 カタコト、カタコトと車体を揺らして走る上毛電鉄。

 大きな会館やホールでの講演会もいいですけどね、こんな旅気分を味わえる田舎での講演も大好きです。


 たった10人の前で話す、温泉のあれこれ。
 もちろんマイクも使いません。
 僕のツバがかかるんじゃないかと不安になるくらいの至近距離です。

 「四万温泉行ったことあるよ」
 「あのさ、先生、ちょっといいかな」
 「そうそう、昔はそうだったよね」
 なーんて、時々、僕の話に合いの手が入ります。

 聴講者一人ひとりの顔を見ながらですから、講演会というよりは、座談会です。
 まるで、親戚のおじさんやおばちゃんと茶飲み話をしているようでした。

 あっという間の90分間。
 あ~、楽しかった!
 これだから講演活動は、やめられませんって。

 さて、明日は久しぶりに県外での講演です。
 会場はホテル。
 これはこれで、とても楽しみなのであります。
   


Posted by 小暮 淳 at 18:37Comments(0)講演・セミナー

2015年11月16日

湯上がりポカポカ あたたまりの湯


 朝晩、めっきり寒くなりました。
 ますます温泉が恋しくなる季節です。

 「そんなに温泉に入っていても、まだ恋しくなるのか?」 ですって?
 そりゃあ~、そうですよ。
 温泉が大好きだから、この仕事をしているんですからね。

 でもね、本音を言うと、夏場の取材は、ちょっぴりキツイんです。
 「ああ、今日も温泉に入るのか~」 って弱音を吐きそうになることもあります。
 やはり、のぼせてしまうんですね。

 でも、これからの季節は、毎回、取材が楽しみになります。


 では、なんで温泉は、あたたまるのだと思いますか?
 水道水を沸かした家の風呂とは、てきめん、湯上がりが違います。
 いつまでもポカポカと肌がほてって、湯冷めをしにくいですよね。

 やはり温泉の成分に関係があるのですが、一番の要因は塩分です。
 この塩分濃度が濃い温泉のことを 「塩化物泉」 といいます。
 (旧泉質名は 「食塩泉」 です)

 塩分が皮膚に付着すると、毛穴からの発汗を抑えるため保温効果があるのです。
 別名 「あたたまりの湯」 とか 「熱の湯」 などとも呼ばれています。
 昔から殺菌効果があるため、切り傷ややけど、皮膚病などに効能があるとされてきました。

 群馬県内では、圧倒的に西上州(県の南西部) に多く湧いています。
 そのほとんどは温度の低い冷鉱泉ですが、その特効から “薬湯” と呼ばれる霊験あらたかな古湯が多いのも特徴です。


 と、いうことで、僕がコメンテーターを務めている群馬テレビの 「ニュースジャスト6」 では、“西上州の薬湯” をテーマに、この良くあたたまる塩化物泉の温泉を紹介します。
 ぜひ、ご覧ください。



 ●放送局   群馬テレビ(地デジ3ch)
 ●番組名   「ニュースジャスト6」
         NJウォッチのコーナー
 ●放送日   11月20日(金) 18:00~18:35
 ●ゲスト   小暮 淳 (温泉ライター)
 ●テーマ   「湯上がりポカポカ あたたまりの湯」
   


Posted by 小暮 淳 at 18:06Comments(0)温泉雑話

2015年11月14日

介護は人のためならず


 親の子への愛は、“無償の愛” といいます。
 その逆も、また真なのでしょうか?


 先月、僕は介護をテーマに講演をしました。
 そのときの演題は、「不孝をすると親は長生きする」。
 「なんだか逆説みたいで、インパクトのあるタイトルですね」 と、主催者に言われました。

 でも決して、ウケを狙って付けたタイトルではないんです。
 そして、もちろん“不孝”とは現在のことではなく、若い時にした数々の親不孝のことです。
 そんな過去がある僕は、現在、懺悔(ざんげ) の気持ちから両親の介護をしています。


 今週末からアニキが東京へ帰ってしまったため、僕が両親の面倒を看ています。
 オヤジもオフクロも、自然の法則にのっとって、スクスクと老いています。
 オヤジの記憶は日に日に遠のいていき、オフクロの体力は日に日に弱っています。

 以前、このブログでも 「介護は子育てに似ている」 と書いたことがありました。
 どちらも辛抱強さが求められます。
 ただし、どちらにも必ず終わりがあるのですが、その終わり方が異なるのであります。

 かたや “成長” であり、かたや “死別” です。


 オヤジは、「俺は幸せ者だ」 と言います。
 オフクロは、「いつもすまないね」 と言います。
 どちらにも愛を感じます。
 僕が生まれてこのかた、受けてきた “無償の愛” です。

 でも僕は、違います。
 “無償の愛” なんて・・・

 介護は人のためならず。
 結局は、自分の免罪符のためなんだと思う今日この頃であります。
  


Posted by 小暮 淳 at 23:01Comments(3)つれづれ

2015年11月13日

磯部温泉 「かんぽの宿 磯部」


 ここは、群馬の巣鴨?
 まさに、ばあちゃんたちの “星野リゾート” だ~ッ!


 年間延べ約100軒の温泉宿を訪ねていますが、群馬県内には、まだまだ行ってない宿がたくさんあります。
 そして、知っているつもりでも、知らないことが、まだまだたくさんあるものです。
 だから、きっと僕は、この取材という名の “旅” を終わらせることができないのでしょうね。

 昨日は、磯部温泉(群馬県安中市) の 「かんぽの宿 磯部」 に泊まってきました。


 いやはや、驚いた!
 館内は、どこを歩いても、ばあちゃん、ばあちゃん、ばあちゃんだらけ(ときどき、じいちゃんもいます)。
 「宿泊客の8割は70歳以上です」 という副支配人の小泉隆司さんの言葉に納得です。
 夏休み中は家族連れが多いとのことですが、それ以外の季節は連日、こんな雰囲気らしいのです。

 全国に約50ヶ所ある 「かんぽの宿」 ですが、現在、群馬はここだけ。
 また世界文化遺産の富岡製糸場にも近いこともあり、全国から会員になっているお年寄りがやって来るのであります。


 館内に入って、まず最初に驚いたのが、売店です。
 ふつう、どこの旅館やホテルでも、ロビーの片隅にひっそりとありますよね。
 でも、ここは違います。
 “売店通り” があるのです!

 もちろん、世界遺産にちなんだ菓子類のみやげものや、地元の名産品も売られていますが、それだけじゃないんです。
 衣料品コーナーがあり、服や帽子なんかも売られています。
 かと思えば、海産物の珍味なんかも売っています。

 「えっ、海なし県の群馬でですか?」
 と訊けば、
 「ええ、これを目当てに来られる人もいるんですよ」
 と売店スタッフ。
 「へ~!」 と驚いていたら、本当に目の前で、ホタテの佃煮を5個も買って行ったお客さんがいました。
 二度ビックリ! 

 “北海道フェア” なんかもやっていて、まるでデパートやスーパーマーケットのようです。
 このへんに、お年寄りに人気の秘密がありそうですよ。


 もちろん、僕は温泉の取材で訪れているわけですから、しっかりと湯を堪能してきました。
 碓氷川をはさんで温泉街の対岸にある露天風呂からは、夜景を望みます。
 せせらぎの音を聴きながら、川風に吹かれるという風情も、隔世の感があっていいですね。
 お年寄りに人気なのも、分かるような気がします。

 湯上がりは、これまたお年寄りにも人気だという “上州牛のプレート焼き” をいただきながら、生ビールを1杯、2杯……。
 〆は、お決まりの地酒で。
 「磯部 湯美人」 とは、ネーミングがよろしいですね。

 かつては美人だったであろう、ご婦人方を眺めつつ、一日の取材疲れを癒したのでありました。
  


Posted by 小暮 淳 at 22:03Comments(0)温泉地・旅館

2015年11月11日

塩ノ沢温泉 「やまびこ荘」③


 全山紅葉!
 山が燃えています。


 下仁田町から南牧村へ。
 南牧村から 「湯の沢トンネル」 を抜けて上野村へ。

 “トンネルを抜けると そこは湯源郷”
 これは、今年5月に出版した拙著 『尾瀬の里湯』(上毛新聞社) の宣伝コピーですが、ここ上野村も知られざる “小さな湯源郷” なのであります。

 上野村には4つの温泉があります。
 3つは温泉宿、1つは日帰り入浴施設です。
 昨日は、うち2つの宿を訪ねてきました。


 向屋(こうや)温泉 「ヴィラせせらぎ」 は、先月、立ち寄ったのですが、支配人が不在だったため、再度訪ねてきました。
 支配人の相馬茂明さんにお会いするのは、2年ぶりであります。
 「前回は冬でしたよね」
 と、季節まで覚えていてくれました。
 確か、ロビーに赤々と薪ストーブが燃えていましたっけね。
 今回は、絶景の紅葉が僕を迎えてくれました。

 自慢の露天風呂は、清流・神流川を望む絶景を眺めます。
 新緑や冬木立も良いですが、やっばり全山が錦に染まる今が、最高!
 本来は “内風呂派” の僕も、この景色を見てしまったら、露天風呂の存在を認めざるをえません。


 夕方に移動をして、昨晩は塩ノ沢温泉 「やまびこ荘」 に泊めていただきました。
 やはり、支配人の神田勝さんにお会いするのは2年ぶり。
 「あと1週間遅かったら、この紅葉は見られませんでしたね。ぜひ、今晩はライトアップを楽しんでください」

 そうなんです。
 この季節だけの期間限定スペシャルイベントとして午後5時から10時まで、宿前の紅葉がライトアップされているのです。

 さらに浴室の中庭には、真っ赤に燃えるカエデの大木が!
 まさに、“もみじ風呂” をひとりじめしてきました。

 もちろん、夕げは、上野産食材にこだわった地産地食の料理を肴に、酔いしれたのであります。
 虹鱒の唐揚げ、きのこの天ぷら、十石味噌仕立ての猪豚鍋・・・
 そして地酒は、その名もズバリ!「やまびこ荘」。
 サラリとした淡麗な味わいに、ついつい食も進んでしまいます。

 デザートの十石味噌を使った上野産クリーム大福まで、すべて完食!
 秋は、やっぱり食欲が増しますね。
    


Posted by 小暮 淳 at 14:28Comments(0)温泉地・旅館

2015年11月09日

マロの独白⑧ ご主人様、大丈夫?


 こんばんワン!
 マロっす。
 ここんちの飼い犬、チワワのオス、9歳です。

 読者のみなさ~ん、お久しぶりでやんした。
 めっきり、朝晩は冷え込むようになりました。
 オイラ、原産はメキシコですからね。
 寒いのは、大の苦手なんです。
 でもね、ご主人様が用意してくださるフカフカの布団とタオルにくるまって、快適に過ごしております。

 その、ご主人様ですが、このところ様子がおかしいんですよ。
 なんだか、いつもボーっとしちゃって、物思いにふけっていることが多いんです。
 だからオイラ、心配になって訊いたことがあるんです。
 すると、

 「俺さ、アルツハイマーかもしれない。物忘れがひどいんだよ」
 と、しょげておりました。
 なんでも、人の名前がすぐに出てこないといいます。

 先日も、さるイベント会場で、見覚えのある中年の男性に話しかけられたらしいのですが、結局、別れるまで “どこの、誰だか” 思い出せなかったとのことです。


 今日も、こんなことを言ってました。
 「あー、思い出せない! なんて言ったっけな~。あの人……」

 「ご主人様、どうされたのですか?」
 「ほら、レスリングの選手だよ」
 「レスリング?」
 「そう、霊長類最強女子といわれた、国民栄誉賞もらった、あの選手さ」
 あんまり苦しそうなので、オイラが教えてやりました。
 「吉田沙保里ですか?」
 「そーだよ、そう! ありがとな、ああ、清々した。昨日から思い出せないでいたんだ」
 ですって。

 でもね、スポーツ選手や芸能人の名前が思い出せないからって、それがすぐにアルツハイマーってことはありませんよね。
 オイラだって、ときどき散歩のコースをド忘れして、迷子になりそうになることがありますもの。
 ご主人様、そんなに深刻に悩む必要はないと思いますよ。
 と、そのときは、オイラも軽く考えていたのです。


 と、と、ところが!

 いつもの散歩のときのことです。
 近所の婦人に、声をかけられました。
 「あらら、かわいいですね。名前は、なんていうんですか?」

 このあと、ご主人様ったら、なんと言ったと思いますか~?!

 「……、コロ」

 ショーーーーック!
 オイラ、思わず、側溝に前足を突っ込みそうになってしまいましたよ。

 「あーら、コロちゃんて言うの。かわいいわね」
 と、オイラの頭をなでる婦人。
 ご主人様は、あわてて、
 「違います。マロです、マロ!」

 「あーら、本当はマロちゃんって言うの。かわいい、お名前ね」


 オイラ、顔面蒼白になっちゃいましたよ(毛むくじゃらなので、色の変化は見えないと思いますが)。
 コロって、どこのどいつよ!
 もしかして、ご主人様が夜な夜な通っている愛人宅で飼っている犬の名前じゃないでしょーね!

 ま、すぐに思い出してくれたので、事なきを得ましたけど、もし、そのまま思い出してくれなかったら、オイラの名前は “コロ” になってしまうところだったんですからね。
 気をつけてくださいよ。

 ご主人様、大丈夫?
 心配だワン!
   


Posted by 小暮 淳 at 18:41Comments(4)つれづれ

2015年11月07日

トリビア会議


 毎週火曜日、夜9時放送の群馬テレビ 『ぐんまトリビア図鑑』 は、ご覧になっていますか?
 僕は、この番組のアドバイザーをしています。

 おかげさまで、開始から7ヶ月が経ち、今週で第24回の放送となりました。
 これもひとえに、視聴者とスポンサーのおかげと、この場をお借りしてお礼を申し上げます。

 先月、番組の取材風景が新聞に記事として紹介されました。
 また視聴率も好調のようで、スタッフ一同、さらに熱く盛り上がっています。


 と、いうことで昨晩は、3ヶ月に一度行われる番組の構成会議が開かれました。
 ディレクターや放送作家など8名が集まり、侃々諤々(かんかんがくがく) と意見を交わしたのであります。

 テーマは、歴史、文化、風土、食にわたるまで幅広く、思い思いがとっておきのトリビアネタを出し合いました。
 白熱すること、休憩も入れずに3時間半!
 無事、来年1月~3月分(計10本) の番組内容を決めることができました。

 さて、来年は、どんなトリビアが飛び出すのか!?
 ご期待ください。

 と、その前に、まだ今年の放送が残っていました。
 11月のトリビアは、次の通りです。
 ぜひ、ご覧ください。


 ・第25回 11月10日放送 「高崎を潤す幻の水路」
 ・第26回 11月17日放送 「赤土からの光・岩宿遺跡?」


     『ぐんまトリビア図鑑』

 ●放送局  群馬テレビ(地デジ3ch)
 ●放送日  毎週火曜日(最終火曜日を除く)
          21:00~21:15  
 ●再放送  土曜日10:30~10:45 翌月曜日12:30~12:45
  


Posted by 小暮 淳 at 12:05Comments(0)謎学の旅

2015年11月05日

逃げろ!子どもたち!! ③ 家出のすすめ


 ♪ 街を出てみよう 今住んでいるこの街が
   美しく緑におおわれた 心のふるさとだったとしても
   街を出てみよう 汽車に乗ってみよう ♪
   <「こうき心」 by 吉田拓郎>


 子どもの自殺が止まりません。
 全国で毎月10人以上の子どもたちが、いじめが原因で自ら命を失っています。

 もう、うんざりです。
 たびたび、このブログでも取り上げてきましたが、一向に子どもの自殺が止まりません。
 また、いじめを苦に中学一年生の男子が、地下鉄の電車に飛び込んでしまいました。

 どうして彼は、逃げることができなかったのでしょうか?

 遺書に気づいた祖母が父親に連絡をして、父親が少年に電話で問いただしています。
 「大丈夫。冗談、冗談」
 それが最後の息子との会話だったといいます。

 背後には、電車の音が聴こえたとも・・・

 そこで、もし、少年が 「帰りたくない」 と言えたなら、父親が 「逃げろ」 と言えたなら、事の成り行きは変わっていたかもしれません。
 電車に飛び込まずに、飛び乗っていたかもしれないのです。


 この種の事件が起こると、こぞってマスコミは 「いじめはあったのか? なかったのか?」 の一点ばかりを報道します。
 でも、多かれ少なかれ、どこの学校でも、どんな世界でも、いじめはあります。
 たとえ、いじめがなくなっても、自殺する子どもは現れます。
 それは学校や会社が組織である以上、そのルールに馴染めない人間は必ずいるからです。

 だったら一番の問題は、いじめの有無ではなく、“なぜ、自殺を防げなかったのか?” です。

 DVにおびえる女性たちに、逃げ込むシェルターがあるように、子どもたちにも駆け込み寺が必要なのかもしれませんね。
 いじめをなくすことも必要だけど、まずは命を救うことを一番に考えてほしいものです。


 自慢じゃないけど、僕は何度も “家出” をしています。
 それは大人になってからも続いています。
 結婚して、家族を持ってからも、たびたび脱走しています。
 国外へ3回、国内なら数えきれないくらい。
 体よく言えば “旅” ですが、仕事からも家族からも逃れたいと思うのですから、実質は “大人の家出” であります。
 これを繰り返すことにより、僕は今日まで生きながらえてきました。


 少年よ、学校を捨て、旅に出よう!
 とにかく、まずはイヤな現実から逃げるんだ!

 逃げていれば、出会いもあるし、誰かが手を差し伸べてくれるものだよ。
 世の中、けっこう、うまくできているもんだぜ!
   


Posted by 小暮 淳 at 22:08Comments(4)つれづれ

2015年11月04日

セーラー服が猫まみれ


 今年も行ってきました!
 コー児ワールドに、どっぷり浸かりに。

 新井コー児さんは、高崎市在住の新進気鋭の画家です。
 一度目にしたら、脳天の奥にこびりついて離れない、あくのある画風。
 それでいてユーモアがあり、しっかりとカタルシスもある。
 閲覧後の爽快感がたまらないのです。

 コー児さんといえば、セーラー服の女子高生!
 高校生の分際で、酒を飲み、タバコをふかす。
 なぜか、酒は 「八海山」。ギターは 「ギブソン」。
 脈絡もなく、吉田拓郎のLPレコードも描かれています。

 以前、お会いした時に、拓郎話で盛り上がったことがありましたが、彼もまた拓郎フリークなんですね。

 今回も新作が、ズラリと並びました。
 舞台は昭和40年代の日本。
 相変わらず、女子高生が自由奔放に(好き勝手に、モラルもなく)、酒を飲んで、タバコをふかしています。
 でも、以前とちょっと違うのは、やたらと “猫” が登場します。
 ネコ派の僕としては、このあたりもくすぐられるのであります(マロ、ごめん!)。

 でも、やっぱり、コー児さんが描くと、猫も昭和チックなんですね。
 赤塚不二夫のニャロメを彷彿させる毒のあるユニークなキャラクターです。

 まだ、コー児ワールドを未体験の人は、ぜひ、この機会に、ナンセンスでノスタルジーな独得の世界を体験してきてください。
 現在、県立近代美術館でも開催しています。



      新井コー児展
      ~猫まみれ~

 ●会期  2015年11月1日(日)~15日(日)
       10:00~18:00 (水曜休廊)
       入場無料
 ●会場  ギャラリー スペースM
       群馬県前橋市南町2-19-4
       TEL.027-243-2391


       特別展示 新井コー児      
     ~新井コー児20年目の独り文化祭~

 ●会期  2015年9月19日(土)~12月20日(日)
       9:30~17:00 (月曜休館※祝日開館)
 ●料金  一般 300円 大高生 150円
 ●会場  群馬県立近代美術館 展示室5
       群馬県高崎市綿貫町992-1
       TEL.027-346-5560
   


Posted by 小暮 淳 at 18:27Comments(0)ライブ・イベント

2015年11月02日

想い出の扉 ~ 40年間の空白 ~


 全国1億2千万人の “いもうと” ファンのみなさん、大変お待たせいたしました~!!! (かなり大げさですが)
 あれから半年、その後の2人の関係を知りたがっている読者もたくさんいるかと思います。

 今年の4月23日に、『い も う と』  というタイトルでブログを書いたところ、その後、たくさんの読者から反響をいただきました。
 また、ブログを読んだ友人、知人らからも 「感動した」 「小説にしてほしい」 「映画化しよう」 などのメールをもらいました。ありがとうございました。

 でも一番多かったのは、「その後、どうなったか?」 であります。
 きっと読者のみなさんも、そこが気になるところではないでしょうか?


 その後、僕らは会っています。

 といっても、“逢っている” のではなく、ただ会っているだけです。
 2人の関係は、半年前とまったく変わっていません。
 コンビニの店員と客です。

 それも朝の忙しい時間帯なので、たとえ会えても、互いに会釈をする程度。
 「おはよう」 「おはようございます」 と声をかけ合うのが精一杯です。


 ところが昨日は違いました。

 当然、彼女はいないものと思いながら、いつもとは違う時間帯に立ち寄りました。
 店内には、僕のほかに客の姿はありません。
 商品を手に、レジへ。

 そしたら彼女が、いたんです。
 「あれ、この時間もいるの?」
 「ええ、日によっては……」

 カウンターをはさんだ至近距離で、面と向かって話すと、なんだか照れるものです。
 でも、次の客が来るまでのわずかな時間でしたが、少しだけ話をすることができました。

 現在、年老いた両親の介護をしながら、独身の息子さんと4人暮らしであること。
 ご主人とは20年前に離婚していることなど、矢継ぎ早に話してくれました。

 そして彼女は、現在の僕の仕事のことも知っていました。
 「何年か前だけど、おにいちゃんのことが、回覧板で回ってきたから」
 確かに僕は2年前、彼女が暮らす町の施設で、講演会をやったことがありました。


 あれから40年…。

 50代半ばを過ぎた彼女の顔には、女手一つで子どもを育てた苦労の跡が、深い溝となって幾本も刻まれています。
 お釣りを差し出した手の甲にも、年輪を感じました。

 僕だって、他人のことは言えません。
 白髪は増えたし、老眼は進んでいます。


 ふと、彼女の胸の名札に目が留まりました。
 僕の知っている旧姓ではありませんでした。
 たぶん、子どものためにご主人と別れた後も、苗字を戻さなかったんですね。

 時間にして、わずか数分の立ち話でした。
 それでも僕たちは、空白の40年間を埋めようと互いのことを話しました。


 「ありがとうございます。またお越しくださいませ」

 次の客がレジに並ぶのと入れ替えに、僕はそっと想い出の扉を閉めました。
  


Posted by 小暮 淳 at 18:33Comments(0)つれづれ