温泉ライター、小暮淳の公式ブログです。雑誌や新聞では書けなかったこぼれ話や講演会、セミナーなどのイベント情報および日常をつれづれなるままに公表しています。
プロフィール
小暮 淳
小暮 淳
こぐれ じゅん



1958年、群馬県前橋市生まれ。

群馬県内のタウン誌、生活情報誌、フリーペーパー等の編集長を経て、現在はフリーライター。

温泉の魅力に取りつかれ、取材を続けながら群馬県内の温泉地をめぐる。特に一軒宿や小さな温泉地を中心に訪ね、新聞や雑誌にエッセーやコラムを執筆中。群馬の温泉のPRを兼ねて、セミナーや講演活動も行っている。

群馬県温泉アドバイザー「フォローアップ研修会」講師(平成19年度)。

長野県温泉協会「研修会」講師(平成20年度)

NHK文化センター前橋教室「野外温泉講座」講師(平成21年度~現在)
NHK-FM前橋放送局「群馬は温泉パラダイス」パーソナリティー(平成23年度)

前橋カルチャーセンター「小暮淳と行く 湯けむり散歩」講師(平成22、24年度)

群馬テレビ「ニュースジャスト6」コメンテーター(平成24年度~27年)
群馬テレビ「ぐんまトリビア図鑑」スーパーバイザー(平成27年度~現在)

NPO法人「湯治乃邑(くに)」代表理事
みなかみ温泉大使
中之条町観光大使
老神温泉大使
伊香保温泉大使
四万温泉大使



著書に『ぐんまの源泉一軒宿』 『群馬の小さな温泉』 『あなたにも教えたい 四万温泉』 『みなかみ18湯〔上〕』 『みなかみ18湯〔下〕』 『新ぐんまの源泉一軒宿』 『尾瀬の里湯~老神片品11温泉』 『西上州の薬湯』『金銀名湯 伊香保温泉』 『ぐんまの里山 てくてく歩き』 『上毛カルテ』(以上、上毛新聞社)、『ヨー!サイゴン』(でくの房)、絵本『誕生日の夜』(よろずかわら版)などがある。

2016年11月30日

「小暮淳の素顔」 って?


 自分で自分の名前の付いた番組名を語るのは、とても気恥ずかしいのですが、タイトルなんだから仕方ありません。
 この際、開き直って、大っぴらに宣伝いたします。

 前々から、それとなく、群馬テレビが僕の番組を制作していることは触れていたので、読者の方もすでに知っていると思いますが、撮影・編集が終わり、いよいよ来週、オンエアされることになりました。


 “番組のスーパーバイザー小暮淳にトリビア”
 “温泉ライターの素顔に迫る” 

 番組の内容概略には、そう記されています。

 えっ、僕の素顔?
 僕も知らなかった、僕の素顔っていうのがあるのでしょうか?
 台本をもらった時から、興味津々です。

 “温泉ライター小暮淳を徹底的に裸にする!”

 きゃーーー!!
 全裸ですか?
 僕はいつだって、温泉に入るときは裸ですけどね。
 実際、撮影でも入浴シーンを撮られました。


 いったい、どんな番組に仕上がっているのでしょうか?
 怖いような、恥ずかしいような……

 みなさん、お楽しみに!



 ●放送局  群馬テレビ(地デジ3ch)
 ●番組名  ぐんまトリビア図鑑
         「温泉ライター小暮淳の素顔!」
 ●放送日  12月6日(火) 21:00~21:15
 ●再放送  12月10日(土) 10:30~10:45
         12月12日(月) 12:30~12:45
  


Posted by 小暮 淳 at 14:09Comments(2)温泉雑話

2016年11月28日

若者よ、温泉に入ろう!②


 今日は、軽井沢へ行ってきました。

 季節外れの避暑地に何をしに行ったのかって?
 温泉でも、ショッピングでもありません。
 もちろん、別荘なんて持っていません。

 講演です。


 会場は、軽井沢プリンスホテル。
 ここで開催された、吾妻職業安定協会主催による 「吾妻郡新規就職者研修会」 の講師をしてきました。
 昨年に続いて、2度目の講演です。

 題して、『温泉が教えてくれる吾妻の魅力 Part2』


 対象は今年、群馬県吾妻郡内に就職した新規就職者です。
 だから若い!
 10代後半~20代前半のピチピチ、ピカピカの社会人です。

 目的は、この子たち(だって僕の娘や息子より若いんだもの) に、吾妻郡内の温泉の魅力を知ってもらい、吾妻郡内で働いていることに誇りを持ってもらうこと。
 でも、なぜ温泉なのか?

 それは、吾妻郡には草津温泉をはじめ、四万温泉や万座温泉など、県内有数の名湯がそろっているからです。
 ほかにも沢渡温泉や尻焼温泉、花敷温泉、鹿沢温泉などなど、魅力ある温泉が20ヶ所以上もあります。
 それらの温泉地の歴史や湯の効能など、たっぷりと1時間半にわたり話してきました。


 でも、若いって、いいな~!
 みんな、キラキラと輝いて見えますもの。
 一生懸命にメモを取りながら聴講している姿には、感動すら覚えました。

 彼ら、彼女らには、未知と可能性がいっぱいあるんです。
 だから最後は、「ワクワク、ドキドキしながら生きなよ! 興味があるものを徹底的に追いかけなさい!」 と親目線のエールを送ってしまいました。

 そして、「大切な温泉を、君たちが入って残すんだよ」 とも。


 今日この研修会に参加した子たちが、温泉に囲まれた自然豊かな環境で仕事をしていることを幸せに感じてくれたなら、講師として、この上ない幸せであります。
  


Posted by 小暮 淳 at 22:26Comments(0)講演・セミナー

2016年11月27日

今日の朝日新聞③


 今日の朝日新聞群馬版に、『温泉宿の再生へ 事業モデル案』 とタイトルを付けた大きな記事が掲載されました。
 NPO法人 「湯治乃邑(くに)」 の活動が、事細かに書かれています。


 僕は過去に、朝日新聞に長期の連載をしていたことがあります。
 2011年4月~2013年3月の 『湯守の女房』 と 『おやじの湯』。
 2013年4月~2015年3月の 『小暮淳の温泉考座』 です。

 そんな縁もあるからでしょうか、今回、実に丁寧な取材をしていただきました。
 今週の月曜日には、高崎市の仮事務所にて、事前取材を受けました。
 その上で昨日、高崎市産業創造館で開催した公開パネルディスカッション 『湯治場の復活を考える』 の会場まで足を運んでくださいました。


 “現場百遍”

 僕が、以前から唱えているライターの心得であります。
 同じライターとして、この入念な取材姿勢には、心を打たれました。

 そして今日、掲載された紙面5段におよぶ内容の濃い記事は、読めば一目瞭然!
 当日、会場に駆けつけただけの、にわか取材では到底書ける文章ではありません。
 僕がNPOを立ち上げた経緯から、温泉地が抱えている問題、そして現在、両親の介護していることまで、記事にしています。

 ただただ、頭が下がります。

 記者の上田学さん、ありがとうございました。
 書いていただいた記事に恥じぬよう、理事長として、またライターとして、精進して生きたいと思います。

 今後とも、よろしくお願いいたします。
  


Posted by 小暮 淳 at 12:59Comments(0)湯治乃邑

2016年11月25日

伊香保温泉 「横手館」


 ♪ 雪でした あなたのあとを
   なんとなく ついて行きたかった ♪
   (by 吉田拓郎)


 まだ11月だというのに、関東平野に雪が降りました。
 午後、家を出る頃には、前橋の雪は止んでいましたが、登る伊香保の町は雪、雪、雪が降り続いています。
 しんしんと積もる雪の中に、凛とそびえる楼閣……。

 まるで、映画 『千と千尋の神隠し』 の舞台のよう。
 もしかしたら宮崎監督は、ここもロケハンに来たんじゃないの?と思ってしまうほど、威風堂々とした建物であります。


 以前から何度も、横手館の前を通るたび、足を止めて見上げていました。
 「いつか、泊まってみたい」 と……。
 昨日の横手館は雪景色の中で、さらに神々しく、光り輝いて見えました。

 玄関をはさんで、シンメトリーに建つ本館の東棟と西棟。
 向かって左の東棟が木造三階建て、右の西棟は木造四階建てです。
 どちらも総桧造り。
 昨年、国の重要文化財に指定された大正9年(1920) の建物です。


 「雪の中、ようこそお越しくださいました」
 番頭さんに出迎えられ、
 「さあさあ、こちらへどうぞ」
 と仲居さんに通された部屋は、西棟3階の 「あららぎ」 の間。

 昔ながらの襖で仕切られた、2間つづきの和室です。
 書院造りっていうんでしたっけ?
 部屋ごとに意匠を凝らした趣きがあります。

 部屋と窓の間には広縁があり、そのままグルリと部屋を囲むように廊下が配されています。
 雪見障子を開ければ、まさに雪景色が目に入ります。
 窓のガラスも、懐かしいゆがんだ“昔硝子” です。
 今となっては、この製法のガラスを再現できる職人は、ほとんどいないといわれている貴重なものです。


 まずは、広縁の長イスに腰かけ、雪見ビールとしゃれ込みましょう。
 バックから取り出したのは、若山牧水の文庫本。

 <ただ赤城へは此処から七里ほど歩かなくてはならぬ。榛名ならば伊香保まで電車でゆき、あと山上の湖まで二里の路だというので、赤城をばまたの時に思い残しまず榛名へ登ることにする。>(「山上湖へ」より)


 1本が、2本、3本……
 気が付くと、外の雪も止んでいます。

 「さて、ひと風呂浴びてくるか!」

 いい宿は、なんだか人を文豪気分にさせてくれるのですね。
   


Posted by 小暮 淳 at 21:43Comments(0)温泉地・旅館

2016年11月23日

目指せ!グランプリ in 安兵衛


 「カンパ~イ!」
 「おめでとうございます!」

 6人も座ったら、窮屈なカウンター席。
 昭和で時間が止まってしまったようなレトロな店内。
 ここは、水上温泉街の路地裏。

 ご存じ! 「湯酒屋 安兵衛」 であります。

 えっ、居酒屋でなくて “湯酒屋” なのかって?
 そうです。
 ここは、「一湯一酒の湯酒屋」 なのであります。

 そのココロは?
 いい温泉には、いい飲み屋がある。
 1温泉地に1軒だけ、僕が独断で命名した “湯酒屋” です。


 知る人ぞ知る、みなかみ町民でも滅多に知らない、この小さな小さな店に、何やら温泉臭いヤツラが集まりました。
 メンバーは、みなかみ町観光協会と四万温泉協会の面々。
 それと、僕です。

 昨晩、僕らは群馬の温泉の未来を語ろうと、前々から集まることを計画していました。
 と、と、ところが! その前に、とんでもないミラクルサプライズが起きたのであります。

 そう!
 先日、発表された 『温泉総選挙 2016』(主催/うるおい日本プロジェクト 後援/環境省・観光庁) です。
 この選挙の 「リフレッシュ部門」 で、なななんと、並みいる全国の有名温泉地を飛び越えて、「みなかみ18湯」 が第1位に輝いちゃったのです。

 でも驚きは、それだけではありませんでした。
 さらに、第4位には 「四万温泉」 が選ばれているではありませんか!
 こ、こ、これは、スゴすぎる!

 だって僕は、両方の温泉地を有する町の “温泉大使” と “観光大使” ですからね。
 そして昨晩は、くしくも両方の協会員との懇親会だったのです。
 だもの、もう、顔を合わせた途端に、話は 「温泉総選挙」 一色であります。
 仕事の話は、二の次三の次となり、ピッチを上げて美酒に酔いしれました。


 思えば、今年の4月。
 すべては、ここ安兵衛から始まったのであります。

 「そうだ、小暮さんに温泉大使になってもらいなさい」
 とのパパさん(安兵衛ママのご主人) のひと言がなかったら、この日の祝杯もなかったのであります。
 まさに、瓢箪から駒が飛び出てしまったのです。
 いわば、ここは 「大使発祥の店」 なのです。


 「目指せ!グランプリ」
 「カンパ~イ!」

 さて、いよいよ今週末、各部門の第1位温泉地を有する市町村が東京に集まり、グランプリが発表されます。
 日本の温泉の頂点に立つのは、どこなのか?
 結果の行方を、固唾を呑んで待ちたいと思います。

 ひょっとして、ひょっとすると、また祝杯を挙げるかもしれませんよ!
  


Posted by 小暮 淳 at 13:56Comments(2)大使通信

2016年11月21日

湯治場の復活を考える


 今日、朝日新聞社より取材を受けました。

 確か、前回、朝日新聞の取材を受けたのは、今年5月の 「みなかみ温泉大使」 任命の記事でした。
 さて、今回は?
 NP0法人 「湯治乃邑(くに)」 の理事長としてであります。

 以前、ブログにも書きましたが、今週末に 『湯治の復活を考える』 と題したパネルディスカッションを開催します。
 湯治場の復活!
 これこそが、僕がNPOを立ち上げた最大の理由です。

 では、現代の湯治場とは?
 このテーマを追究するため、各ジャンルの識者に集まっていただき、意見交換の場を公開することにしました。
 第1回目の今回は、福祉・医療・介護のスペシャリストを迎え、温泉場の活用について考えたいと思います。


 ●日時  2016年11月26日 14:00~16:00  
 ●会場  高崎市産業創造館 研修室
 ●会費  無料
 ●申込  参加を希望される方は、FAX.027-212-8822まで

 ※詳しくは、当ブログの2016年11月2日 「1周年記念パネルディスカッション」 をご覧ください。
 
   


Posted by 小暮 淳 at 21:01Comments(2)湯治乃邑

2016年11月20日

爪を切る②


 伯母が亡くなりました。
 91歳でした。


 オヤジは7人きょうだいの下から2番目。
 4人の姉と兄が1人、弟が1人いました。
 3年前に伯父が死んだ時、
 「オレ、1人になっちゃったよ。姉さんも兄ちゃんも弟もいなくなっちゃった」
 と、落ち込んでいたことを思い出します。

 亡くなった伯母は、その伯父の連れあいであります。
 これで、14人いた仲良しきょうだい(義兄弟、義姉妹を含む) は、たった2人だけになってしまいました。
 うちの両親です。

 と、いうことで、昨日は伯母の告別式でした。
 葬儀には、アニキとオヤジが参列することにし、僕は実家に残り、オフクロの面倒を看ることになりました。


 「ほら、じいさん。こっちへ来て! 着替えるよ」
 「どこへ、出かけるんだい?」
 何がなんだか分からない、認知症のオヤジに喪服を着せるのは、ひと苦労です。

 「ほれ、そこに座って! 靴下を履き替えるからね」
 と、それまで履いていた靴下を脱がせて驚きました。
 足の爪が、伸び放題に伸びています。

 「あんちゃん(僕はアニキのことを、そう呼びます)、デイ(サービス) じゃ、爪を切ってくれないのかね?」
 「いや、切ってくれてるはずだけど、もしかしたら、手の爪だけかもしれないな」
 「爪切り、どこだっけ?」


 パッチン、パラパラ、パッチン、パラパラ

 切るそばから爪が粉のように砕け散ります。

 「あんちゃん、これ、見て」
 「ああ、カルシウム不足だな。歳だから仕方ないけど」

 パッチン、パラパラ、パッチン、パラパラ

 オヤジの顔を見ると、うれしそうに微笑んでいます。
 「じいさん、良かったな。息子に爪を切ってもらえて」
 「ああ、オレは幸せだ。日本一の幸せだよ」

 パッチン
 「痛い!」
 「ごめん。もう終わりにするよ」


 ネクタイを締めて、革靴を履いて、お出かけ用のステッキを突いて、オヤジはアニキに手を引かれながら斎場へと向かいました。
 あと何回、オヤジの爪を切ってやれるのでしょうか?

 でも、そんな感傷に浸る間もなく、2人を見送った後、僕はオフクロのオムツを交換するのでした。
    


Posted by 小暮 淳 at 12:09Comments(0)つれづれ

2016年11月17日

祝! みなかみ18湯


 これは快挙ですぞー!!!

 先週11月10日に発表された環境省と観光庁が後援をし、「うるおい日本プロジェクト」 が主催する 『温泉総選挙 2016』 で、なななんと! 僕が温泉大使を務める 「みなかみ18湯」 が、リフレッシュ部門で堂々の1位を獲得したのであります。
 参加対象は温泉地を持つ全国1,434の地方自治体で、うち最終的に125の自治体が応募。
 その頂点に、「みなかみ18湯」 を有するみなかみ町(群馬県) が立ったのであります。

 これはスゴイ! ミラクルだ!
 と、今日は1日、歓喜に沸いていたのであります。


 えっ? なんで1週間も経ってからなのかって?
 ええ、まあ、その……、お恥ずかしい話、大使でありながら知りませんでした(懺悔)。

 正直に申しますと、昨日、このブログのコメント欄に、読者のムクさんより書き込みがあったのです。
 それで僕はあわててしまい、今朝一番で観光協会に喜びを伝えると、
 「そうですよ。大使には先週、速報メールを配信しているはずです」
 との、つれない返事。

 ああ、やっちまいました。
 忙しさにかまけて、メールチェックを怠っていたようであります。
 ていうか、本当に寝る間もないほど、忙しかったんですけどね(だから13時間も爆睡してしまったのだ)。
 とりあえず、ムクさんにお礼を申し上げます。
 教えていただき、ありがとうございました。


 ちなみに2位以下は、次の4ヵ所であります。
 2位 霧島温泉(鹿児島県)
 3位 別府八湯(大分県)
 4位 四万温泉(群馬県)
 5位 白骨温泉(長野県)

 みなさん、気づかれましたか?
 そーです、4位に四万温泉が入っているんですよ!
 四万温泉がある自治体は、中之条町であります。
 僕は、みなかみ温泉大使でもありますが、中之条町観光大使でもあります。
 ということは、就任早々、いきなり2冠を達成したことになります。

 これこそ、快挙と言えるかもしれませんね。


 全国のみなさん、群馬には素晴らしい温泉が、まだまだたくさんありますよ。
 ぜひ、「湯の国ぐんま」 に、いらっしゃ~い!
   


Posted by 小暮 淳 at 21:39Comments(2)大使通信

2016年11月16日

伊香保温泉 「徳田屋旅館」


 爆睡13時間!!
 日頃の疲れがドッと出たようで、昨晩は、まさに死んだように、こんこんと眠り続けました。
 でも理由は、それだけではありません。
 久々に、ホッとやすらぐ宿にたどり着いたのです。


 いい旅館って、一瞬で分かるものなんですね。

 坂の途中に、形の良い松の木が一本……。
 奇をてらうでもなく、「旅館 徳田屋」 の看板がかかるだけ。
 玄関の戸を開ければ、昔ながらの宿屋風情が漂っています。
 そして、

 「あ~ら、もう着いたの。いらっしゃ~い!」
 と、たっぷりの笑顔と、甲高い声の割ぽう着姿の女性。
 噂で聞いていた名物女将の田中明子さんが、元気いっぱいに登場!

 それだけで、ホッと肩の荷が下りたように、体が軽くなりました。
 そして、「待ってました!」 とばかりに、しゃべくりまくる機関銃トーク!
 こういう女将さん、僕は嫌いじゃないんですね。
 どちらかというと、好きです。
 だって、一発で腹の中が見えますもの。

 「でも、ちょっと女将さん、待ってください。とりあえず、荷物を部屋に置いてきますから。その後、ゆっくり話を聞かせてください」
 と、この場はあいさつだけして、一度、旅装を解きに部屋へ。


 徳田屋旅館は、昭和51年(1976) の創業。
 伊香保生まれで、伊香保育ちの女将さんが、脱サラをしたご主人と始めた宿です。
 女将さんの父親の名前が 「徳志」、ご主人の苗字が 「田中」。
 「それで、両方から一字ずつ取って “徳田” なのよ。よく、田中なのに、なんで徳田なんだ?って言われるけどね。アッハハ!」
 と、豪快に笑い飛ばします。
 いいな、いいな。なんか、こっちまで楽しくなってきましたよ。

 「私、これでも緊張していたのよ。だって、ライターさんから取材を受けたことなんてないからね。でも良かった~! 小暮さんが、こんなにも気さくな人でさ。安心したよ」
 いえいえ、女将さんこそ、素朴で飾らず、聞かないことまで何でも話してくれて、本当に久しぶりに気持ちのいい取材ができましたよ。


 創業以来40年間、継ぎ足し継ぎ足し守ってきた秘伝のタレで、じっくり煮込んだ名物の 「角煮」 のうまかったこと!!
 湯上がりのビールが進みます。

 部屋にもどって、ゴロンと横になり、テレビのサッカー中継を観ているつもりが、うとうと…うとうと……
 あっと言う間に、白河夜船を漕ぎ出していました。

 翌朝、なかなか朝食に下りて来ないものだから、心配した女将さんに起こされてしまいました。
 それほどまでに、居心地の良い宿だったのです。

 いい宿は、眠くなるのであります。
  


Posted by 小暮 淳 at 18:28Comments(2)温泉地・旅館

2016年11月14日

公開講座のお知らせ


 先日、ブログにも書きましたが、僕は県内の公民館を回って、温泉講座の講師をしています。
 主催は公民館でも教室名はさまざまで、「いきいき健康教室」 だったり 「いきいきはつらつ教室」だったりするのですが、ま、早い話が高齢者教室です。

 この “高齢者教室” という言葉が引っかかるんですよね。
 何歳からが対象だと思いますか?
 60歳なんですよ!

 講師を始めた約10年前は、他人事でした。
 「年寄りは温泉が好きだから、温泉の話を聞きに来るんだろう。ヒマな時間もあるし」 なんてね。
 ところが、アラ還(還暦間近) になった今では、聴講者も同世代だったりするわけです。
 いやいや、月日が経つのは早いものですね。


 で、大概は地域在住の高齢者限定の講座なんですが、時々 「公開講座」 として告知される教室もあります。
 館報や回覧板で、一般の地域住民(60歳未満) の方の受講を公募します。
 今回、元総社公民館(前橋市) のご厚意により、地域外の方の受講も可能になりました。
 ただし、予約が必要です!

 興味と時間のある人は、ご参加ください。



      元総社高齢者教室公開講座
      『群馬は温泉パラダイス』
     ~「温泉大国」 ぐんまの魅力を
       再発見してみませんか~

 ●会場  元総社市民サービスセンター(公民館ホール)
        前橋市元総社町3-1-1
 ●日時  11月21日(月) 9:30~11:30
 ●講師  温泉ライター 小暮 淳
 ●受講料  無料
 ※参加希望者は前日までに元総社公民館(027-251-2243)へお申し込みください。
   


Posted by 小暮 淳 at 13:25Comments(0)講座・教室

2016年11月13日

95歳のドライバー


 高齢者ドライバーによる交通事故が多発しています。
 しかも通行人をはねて、死亡させてしまうケースが後を絶ちません。
 高齢化社会の末路です。

 なぜ、もっと早く、国や自治体は対策を取れなかったのでしょうか?


 我が家のボケ老人こと、92歳のオヤジは12年前からクルマの運転はしていません。
 いや、していないのではなく、させないのです。
 80歳の誕生日を境に、僕とアニキとで、強制的に免許証を取り上げ、自家用車も廃棄処分しました。

 もちろん、本人は 「まだ大丈夫だ!」 と駄々をこねました。
 まだ、こんなにも認知症が進む前でしたからね。
 でも、前兆はあったんです。

 一時停止をおこたり、バイクと接触事故を起こしました。
 ま、相手のケガは大したことなかったのですが……。
 このときが、79歳。
 その後、僕とアニキが助手席に同乗して、運転をチェックしたところ、すべての判断能力と操作行動が甘いことを確認したため、“免許剥奪の刑” に処したのであります。

 本人は、クルマを取り上げられたことにより、行動範囲が極端に狭くなってしまったため、しばらくは不服の様子でしたが、今となれば、僕とアニキの決断は正しかったと思います。
 だって、80歳過ぎまで生きて、残りの人生を刑務所の中で過ごさせるなんて、子どもとしてできませんって。
 何よりも、全く関係ない、赤の他人様を傷つけなくて済みました。


 ところが実家の近所には、いまだに軽トラを乗り回している95歳のおじいさんがいるのです。
 ま、一見、90歳過ぎには見えませんけどね。
 それでも、後期高齢者の超後期者であります。

 このおじいさん、現在でも現役で町工場を営んでいます。
 だから仕事でクルマは手離せないようなのですが、近所の人たちはハラハラしながら見守っているのが実情です。
 また、高齢者の娘さんと2人暮しなので、買い物をするのにもクルマは手離せないようです。

 そう、僕の両親が暮らす町は、過疎化が進む “買い物難民街” なのであります。
 なので一概に、他人がおせっかいをやいて、「そろそろクルマの運転はやめたほうがいいですよ」 とは言えないのです。
 こんな場合、どうしたらいいのでしょうか?

 高齢者事故のニュースを耳にするたびに、僕は、そのおじいさんのことを思い出してしまいます。
  


Posted by 小暮 淳 at 13:20Comments(0)つれづれ

2016年11月11日

もっと温泉を知ってほしい!


 始まりは、9年前でした。
 突然、群馬県温泉協会から電話があり、「温泉アドバイザーの研修会講師をしてほしい」 と依頼されたのが、僕の講演デビューでした。

 もちろん、最初は断ることを考えました。
 だって当時は、まだ温泉の本を1冊も書いていない、ただの “フリーライター”でしたからね。
 では、なんで依頼が来たのか?
 ん~、良く分かりませんが、雑誌に温泉記事の連載をしていたから……としか見当がつきません。

 何よりも驚いたのが、ただの講演ではないということです。
 県の温泉アドバイザーを養成する 「フォローアップ研修会」 での講義なのです。
 今だから笑い話として話せますが、実は僕、その研修会に参加しようと応募していたのです。
 で、結果は 「満席で、すでに受付終了!」。
 ガッカリしていたら、なんと! 受ける側ではなく、講義する側で参加することになったということです。

 今となっては、何をどう話したのか覚えていないのですが、好評だったようで、翌年は長野県の温泉協会から講演の依頼が来ました。
 以来、企業や団体からセミナー講師の依頼が来るようになり、最近では県内外のイベントにゲストに呼ばれて、温泉の話をする機会が増えました。


 で、現在、一番多いのが市町村公民館で生涯学習事業の一環として開講されている高齢者向けの教室や講座での講師です。
 1回の講演時間も、休憩をはさんで2時間たっぷり話します。
 もちろん、最後はお約束の唄と踊りも披露したりして、サービス満点の講座となっています。
 でも、これが楽しいんですよ。
 後日、受講生からお手紙をいただくこともしばしば。

 「ああ、1人でも多くの人に群馬の温泉のことを知ってほしい!」
 そんな僕の願いが届いた瞬間でもあります。


 ということで今日は午前中、前橋市内の公民館を訪ねて、会場の下見と事前打ち合わせをしてきました。
 僕は、この作業を可能な限り行っています。
 公民館といっても、規模がさまざまなんです。
 本当に小さな集落の畳敷きの公民館から、立派なホールを有する大きな公民館までありますから、事前の下見が必要となります。

 マイクの有無、コードなのかワイヤレスなのか?
 演台とホワイトボードの確認
 定員は何名で、何人くらい入りそうなのか?
 受講者は会員限定なのか、一般公開もするのか?
 などなど、担当者とじっくり打ち合わせをしてきました。


 段取り8割!
 ここまでチェックができていれば、あとは当日を迎えるのみです。

 どんな人たちが来るのか?
 どんな新しい出会いがあるのか?
 そして、1つでも多くの温泉を知って帰ってほしい!

 今からワクワクしながら楽しみにしています。
   


Posted by 小暮 淳 at 13:55Comments(4)講演・セミナー

2016年11月09日

涙のマーチン


 別れを告げた、あの日あの時……
 こんな日が訪れるとは……
 今日僕は、テレビカメラの前でギターを抱えて、歌いました。


 僕は現在、毎週火曜日に放送されている群馬テレビ 『ぐんまトリビア図鑑』 のアドバイザーをしています。
 年に数回開かれる企画会議に出席したり、時々は 「トリビア博士」 という役で番組にも出演しています。
 でも、あくまでも制作の “裏方” であります。

 まさか、僕が主役になるテレビ番組が作られるとは、夢にも思っていませんでした。
 『ぐんまトリビア図鑑』 第67回のタイトルは、なななんと! 聞いてビックリ! 見てビックリ!

 <温泉ライター小暮淳の素顔>

 なぜ、温泉ライターになったのか? なぜ、温泉に興味を持ったのか? 温泉ライターになる前は何をしていたのか?
 50代の現在から40代、30代、20代へと、まるでタイムマシーンに乗ったように、番組は僕の “ヒストリー” を追い続けます。


 今日、某温泉旅館を舞台に、ロケが敢行されました。
 僕を “裸にしよう” とイジワルな質問を次々に投げかけてくるのは、群馬テレビの若きホープ・小松正英アナウンサーです。
 一緒に温泉に入り、湯の中で詰問攻めに遭いました。

 そして時代は、ついに僕の人生の “恥部” へ……
 「編集者になったのは、いくつの時ですか?」
 「子どもができた30歳からです」
 「では、その前は?」
 「……ミュージシャンを目指していました」
 「ミュ、ミュ、ミュージシャーン!! (驚く小松)」

 そして番組のエンディングで、僕はついに “幻のギター” を取り出して歌い出します。

 幻のギター

 そう、我が青春のマーチンHD-28
 ※(なんで幻なのかは、当ブログの2013年12月5日 「我が青春のマーチン」 を参照)


 僕は20年ほど前から、バンド活動をしています。
 でも、これは、あくまでも僕にとっては娯楽の域を出ない趣味です。
 だから使用しているギターも、40歳を過ぎてから買った安物のギターです。
 僕にとってマーチンは特別な存在ですから、30歳の封印を境に手に取ることはありませんでした。

 では、どうして今回は封印を解いたのか?
 正直なところ理由は分かりません。
 ただ、番組の台本を読んだ時、僕の心の扉を開けさせる琴線に触れる何かがあったことは確かです。

 バンドではなく、ソロの弾き語りをする……
 それには、遠い日に決別した相棒と仲直りをしなくてはならない……
 きっと、そんな思いになったのだと……


 台本を受け取った日、僕は迷うことなくマーチンのギターケースを開けました。
 陰干しをし、ボディーを磨き、弦を張り替えました。
 その行動は、何十年ぶりとは思えないほど、自然なものでした。


 テレビカメラの前で歌い終わった時、聴いていたディレクターやスタッフ、旅館の女将さんたちから拍手が沸き起こりました。
 ただただ、感動です。
 まさか、また、こんな日が来るなんて……

 「では、この後、ギターだけ撮らせてください」
 業界用語で “インサート撮り” というやつです。
 ギターのネック部分からボディへと、まるで女体をなめ回すように、カメラのレンズが動きます。

 「良かったな、お前」
 そう心の中でつぶやいた時、熱いものが込み上げてきて、不覚にも目尻に涙がにじんできました。
 「あの時、お前を手離さなくて良かったよ」
 そう詫びるように、何度も何度もギターに向かってつぶやいていました。


 この収録の放送は、12月6日(火) 21:00~です。
  


Posted by 小暮 淳 at 22:40Comments(0)温泉雑話

2016年11月06日

スッポンポンのポ~ン!


 「えっ、マジっすかーッ!?」

 還暦間近の大人げなく、ケータイを握り締めながら思わず若者言葉で、大声を上げてしまいました。
 今から2ヶ月ほど前の、暑い夏の日のことです。
 電話の相手は、某テレビ局のディレクター。
 なんでも、僕の番組を作ると言い出しました。

 「僕ですか?」
 「そう、小暮さん」
 「僕を、どうするのよ?」
 「裸にします」
 「ハ、ダ、カ……?」


 それから1ヶ月ほど経った、10月初旬のこと。
 僕は某局の会議室で、ディレクターと放送作家とスタッフらに囲まれていました。
 テーブルの上には、著書や新聞記事、歌のCDなど、僕関連のモノが並べられています。

 「ところで、どんなタイトルになるんですか? 仮でいいから教えてくださいよ」
 恐る恐る訊くと、
 「ん~ん、そうですね……。ズバリ、“小暮淳を裸にする” かな」
 と、笑いもせず、真面目な顔で応える放送作家。

 っていうか、そもそも僕は、取材の時はいつも裸ですからね。
 これ以上は、脱げませんって!

 「いえいえ、裸の温泉ライターを、もっともっと裸にするんです」


 あれから、また1ヶ月が経ち、ついに台本が送られてきました。
 ギェ、ギェギェギェーーーーっ!
 読んでビックリしました。

 さすがにタイトルには “裸” の文字はありませんでしたが、ナレーションの台詞に……
 <裸の取材でエッセイやコラムを執筆する温泉ライター小暮淳を、徹底的に裸にする!>
 と、しっかり書かれているではありませんか!

 どこまで裸にされるのかと、不安になりながら台本をめくる僕。
 ギェッ、ギェッと、ページをめくるたびに、顔面が引きつっていきます。
 あんな事や、こんな事まで暴露するんですか~?

 台本によれば、20代や30代の僕まで登場することになっています。
 まさに、素っ裸であります。
 家族ですら知らない過去の僕までもが、テレビの電波で流されるようであります。

 だもの、この数週間は、必死になって納戸や押入れ、はたまた実家の物置まで探しました。
 そう、台本に書かれている、あんなモノや、こんなモノを見つけるためにね。
 超レアな物では、20歳の時に出したレコードなんてモノもありましたよ。


 さて、いよいよ、今週から撮影がスタートします。
 放送日や制作状況などは、追い追いご報告いたします。

 スッポンポンのポ~ン!
   


Posted by 小暮 淳 at 19:56Comments(0)温泉雑話

2016年11月03日

花と湯の町 なかのじょう


 中之条町のみなさーん、こんばんは!
 観光大使の小暮です。
 よろしくお願いいたします。

 もう、中之条町広報11月号は、ご覧になりましたか?
 P20の 「クローズアップ なかのじょう」 に大きく僕の入浴写真が載っています。
 そして、これまた大きく<新たな町観光大使 小暮淳さんを委嘱> とタイトルが付いています。
 記事は、かなり期待を込めて書かれていますが、その期待に応えられるよう、大使として中之条の魅力を伝えていきたいと思います。

 1ページ前の 「ニュースとわだい」 のコーナーでは、同じく町観光大使のお笑い芸人 「タイムマシーン3号」 の関太さん(旧六合村出身) が、母校の中之条高校で凱旋ライブを行った記事が掲載されています。
 関さんほどのPR力はありませんが、温泉のことならおまかせください!
 “湯の町” を大いに宣伝いたします。


 群馬県民のみなさーん、こんばんは!
 中之条町の観光大使、小暮です。

 みなさんは中之条町に、いくつ温泉があるか知っていますか?
 「なかんじょ9湯」 と覚えてくださいね。
 ※(中之条の人は、中之条のことを「なかんじょ」と言います)

 四万、沢渡、たんげ、大塚、尻焼、花敷、京塚、応徳、六合赤岩の9つです。
 みなさんは、いくつの湯に入ったことがありますか?
 ぜひ、制覇してみてください!


 全国のみなさーん、こんばんは!
 中之条町(群馬県吾妻郡) って、知ってますか?

 地図を広げてみてください。
 “鶴舞う形の群馬県” の、ちょうど尻尾の付け根あたりです。
 草津温泉の手前ですから、すぐに分かると思います。

 昔から、草津の 「あがり湯」 「仕上げ湯」 「なおし湯」 と呼ばれる弱アルカリ性の肌に優しい名湯が湧く土地です。
 四万温泉や花敷温泉、沢渡温泉などが美肌の湯として知られています。


 と、いうことで “花と湯の町なかのじょう” に、いらっしゃ~い!!!
   


Posted by 小暮 淳 at 23:20Comments(0)大使通信

2016年11月02日

1周年記念パネルディスカッション


 NPO法人 「湯治乃邑(くに)」 では、設立1周年を記念して公開パネルディスカッションを開催します。
 テーマは、『消えゆくぐんまの源泉一軒宿 湯治場の復活を考える』 です。

 かつて、「温泉へ行く」 といえば、それは湯治へ行くことでした。
 それが高度成長期以降、観光地化され、営利主義による温泉施設の経営が優先され、いつしか源泉を有する温泉地そのものの文化が影をひそめてしまいました。
 1軒、また1軒と観光という名の営利競争の中で取り残され、経営不振や後継者不在により余儀なく消えていく温泉宿が後を絶ちません。

 でも、宿は消えても、源泉は残る!

 NPO法人 「湯治乃邑」 は、日本の正しい温泉文化を守るため、絶滅を危惧される源泉一軒宿を本来の湯治機能とリハビリ・介護機能とのコラボレーションによる湯治場の復活を目指しています。

 ご興味のある方は、ぜひ、ご聴講ください。

 NPO 法人「湯治乃邑(くに)」 設立1周年記念公開パネルディスカッション
    消えゆくぐんまの源泉一軒宿 『湯治場の復活を考える』

 ●日時  2016年11月26日(土) 14:00~16:00
 ●会場  高崎市産業創造館 研修室
 ●入場  無料 (先着60名)
 ●申込  FAX.027-212-8822
  
 <パネラー>
  小暮 淳  温泉ライター NPO法人「湯治乃邑」理事長
  北村弘之  障害者・介護者専門旅行社「漫遊旅行社」代表取締役
  大澤規江  医療・福祉コーディネーター
          一般社団法人「日本シニアスタイル」理事長
  赤石陵勇  事業再生コンサルタント NPO法人「湯治乃邑」副理事長

お申込み:https://www.facebook.com/events/171492433309724/




   


Posted by 小暮 淳 at 10:10Comments(0)湯治乃邑

2016年11月01日

おばあさんが転んだ


 「いま、どこにいる? 来れないか?」
 「無理だよ、これからライブだもの」
 日曜日の朝、突然、アニキからケータイに電話がありました。
 いやな予感が、脳裏を走ります。

 「なんかあったの?」
 「オフクロが転んだ」
 「転んだ? それでケガは?」
 「ケガはないけど、腰を打ったらしくて、ベッドから動けなくなった」

 なんでもアニキが別の部屋でテレビを観ている1時間の間に、車イスから転げ落ちたらしい。
 気づいた時には、ひっくり返ったカメのように仰向けになって、手をバタバタさせてたという。
 しかも、そばにはオヤジがいて、「ばあちゃん、なんでそんなところで寝てるんだ! 早く新聞を取って来い!」 と息巻いていたという。

 幸い、リビングには床暖房が施されていたため、オフクロが冷たくなることはありませんでしたが、またまた、やっかいなことになりました。
 ちょうど3ヶ月前には、オヤジが転んで騒動を起こしたばかりです。
 ※(当ブログの2016年7月29日 「おじいさんが転んだ」 参照)

 これだから年寄りからは、目が離せません。


 「イタイ、いたたたたーーーー!」
 ベッドの上で、オフクロが叫びます。
 ついに車イスでの移動も不能になったため、1人でトイレに行けません。
 介助に付いても難しい様子なので、紙オムツをはかせることにしました。

 「あああーーー、死んじゃうよ~~!!」

 ベッドの上でのたくり舞うオフクロは、小さくてやせ細っていて、サルの赤ちゃんのようです。
 「まるで、捕まった宇宙人だな」 とアニキ。
 「ああ、あの有名な写真のね」 と僕。
 オフクロには失礼ですが、兄弟で大笑いしてしまいました。


 「さて、これからどうするかだ」
 「だね」
 「お前、今週、2人は同時に看れないだろう?」
 「オヤジだけならなんとかなるけど」

 僕ら兄弟は、両親がデイサービスやショートステイに行っている以外の日は、交替で介護をしています。
 くしくも今週は僕の当番でした。

 「オフクロの腰の痛みが取れるまで、預けることにしよう」
 「そうしてもらえると助かるけど」
 「ただ、急だからな。部屋が空いているかどうか…」


 そして昨日の午後、担当のケアマネージャーから連絡があり、オフクロを今日から1週間預かってもらえることになりました。

 さて残るは、ボケ老人のオヤジだけです。
 でもこいつが、なかなか手ごわいのであります。

 さあ、かかって来い! じいさんよ!!
   


Posted by 小暮 淳 at 11:08Comments(1)つれづれ