2010年06月21日
貸切風呂の使い方
その昔、先人たちは温泉が湧き出るところに湯小屋を建て、まわりに宿屋を建てました。
湯小屋には湯を守る「湯守(ゆもり)」を置きました。これを“大湯”といいます。現在の外湯(共同湯)です。
湯小屋は湯を浴むところ、宿屋は食事をして寝るところです。
戦前までは、どこの温泉地でも、この形がとられていました。
戦後になり、人々の暮らしも豊かになり、温泉地へ旅行(湯治ではなくて) へ行くようになりました。
宿屋は湯を内に引き込み「内湯」を持つようになったのです。
やがて高度経済成長とともに、旅行産業はエスカレートしていきました。
団体客をとるために宿屋は、旅館やホテルとなり、湯量に見合わない大浴場と露天風呂を造ったのです。
いつしか、「温泉=露天風呂」みたいな公式ができてしまい、露天風呂を持たない宿には、客が来ないようになってしまいました。情けないことですが、猫も杓子も、湯が足りてようが無かろうが、こぞって露天風呂を造りました。
その結果、山のいで湯にまで、マガイモノの温泉が出現してしまったのです(世も末です)。
そして今、新たなエスカレートは貸切風呂です。
「貸切風呂ありますか? えっ、ないの…」 ガッチャン!(電話を切られる音)
「まったくもって露天風呂のときと同じですよ。温泉場を何だと思っているんですかね。ラブホテルじゃ、ないんだから!」
そんな怒り心頭のご主人たちの声を、実にたくさん聞くようになりました。
そんな客に限って「お湯に興味がない」と聞きます。
だったら、街中のラブホテルへ行けーーーーーー!!!!!!
実際、こんなことがありました。
T温泉のY旅館へ行ったときのこと。
貸切風呂の浴室の壁に、「しあわせな二人へ」という木の扉がありました。なんだろう?と思い、めくってみると……
そこには、キスをする男女のイラストが描かれていました。そして、
「ここまでにしてね」という、宿からのメッセージが!
湯上りに、さっそくご主人に聞いてみると、
「若いカップルには、困ったもんですよ。風呂の中で、アレを始めちゃうんですから。うちは住宅に隣接しているものですからね、近所から苦情が来るんですよ。あえぎ声がうるさいってね(笑)」
とのことでした。
ったく、貸切風呂を何だと思っているのでしょうか。
昔は、家族風呂なんて言ってましたが、お年寄りや身体の不自由な人など、介護が必要な人たちのための風呂だったはず。
また最近は、病気や手術跡など、身体的なコンプレックスを持つ人たちが利用することも多くなりました。
若者よっ!
部屋へ戻るまで、我慢せい!
いや、温泉地へ行く前に、途中で済ませて来なさい。
霊験あらたかなる聖なる泉に、邪心を持ち込むではないぞ!
もちろん、おじさん、おばさんもですよ。
性欲でなく、聖浴を心がけてくださいね。
湯小屋には湯を守る「湯守(ゆもり)」を置きました。これを“大湯”といいます。現在の外湯(共同湯)です。
湯小屋は湯を浴むところ、宿屋は食事をして寝るところです。
戦前までは、どこの温泉地でも、この形がとられていました。
戦後になり、人々の暮らしも豊かになり、温泉地へ旅行(湯治ではなくて) へ行くようになりました。
宿屋は湯を内に引き込み「内湯」を持つようになったのです。
やがて高度経済成長とともに、旅行産業はエスカレートしていきました。
団体客をとるために宿屋は、旅館やホテルとなり、湯量に見合わない大浴場と露天風呂を造ったのです。
いつしか、「温泉=露天風呂」みたいな公式ができてしまい、露天風呂を持たない宿には、客が来ないようになってしまいました。情けないことですが、猫も杓子も、湯が足りてようが無かろうが、こぞって露天風呂を造りました。
その結果、山のいで湯にまで、マガイモノの温泉が出現してしまったのです(世も末です)。
そして今、新たなエスカレートは貸切風呂です。
「貸切風呂ありますか? えっ、ないの…」 ガッチャン!(電話を切られる音)
「まったくもって露天風呂のときと同じですよ。温泉場を何だと思っているんですかね。ラブホテルじゃ、ないんだから!」
そんな怒り心頭のご主人たちの声を、実にたくさん聞くようになりました。
そんな客に限って「お湯に興味がない」と聞きます。
だったら、街中のラブホテルへ行けーーーーーー!!!!!!
実際、こんなことがありました。
T温泉のY旅館へ行ったときのこと。
貸切風呂の浴室の壁に、「しあわせな二人へ」という木の扉がありました。なんだろう?と思い、めくってみると……
そこには、キスをする男女のイラストが描かれていました。そして、
「ここまでにしてね」という、宿からのメッセージが!
湯上りに、さっそくご主人に聞いてみると、
「若いカップルには、困ったもんですよ。風呂の中で、アレを始めちゃうんですから。うちは住宅に隣接しているものですからね、近所から苦情が来るんですよ。あえぎ声がうるさいってね(笑)」
とのことでした。
ったく、貸切風呂を何だと思っているのでしょうか。
昔は、家族風呂なんて言ってましたが、お年寄りや身体の不自由な人など、介護が必要な人たちのための風呂だったはず。
また最近は、病気や手術跡など、身体的なコンプレックスを持つ人たちが利用することも多くなりました。
若者よっ!
部屋へ戻るまで、我慢せい!
いや、温泉地へ行く前に、途中で済ませて来なさい。
霊験あらたかなる聖なる泉に、邪心を持ち込むではないぞ!
もちろん、おじさん、おばさんもですよ。
性欲でなく、聖浴を心がけてくださいね。
Posted by 小暮 淳 at 16:29│Comments(0)
│温泉雑話