2010年10月10日
謎学の旅⑨ 「幻のガラメキ温泉」(上)
こつ然と、地図から消えた温泉があります。
1999年9月、群馬県と榛東村は協議により、温泉源泉台帳から「ガラメキ温泉」を抹消しました。
僕が、その奇妙な温泉の名前を知ったのは、かれこれ20年以上も前のことです。
当時、仲間内で「陸上自衛隊相馬ヶ原演習場の奥に、かつて温泉があった」という話で盛り上がり、「よし、ならば、みんなで行ってみよう!」ということになり、その場で “ガラメキ探検隊” を結成しました。
ところが、それが酒の席だったということもあり、探検隊は結成されたまま誰からも言い出すことなく、決行することはありませんでした。
噂によれば、ガラメキ温泉の源泉は、数年前に土砂崩れにより埋まってしまったとも聞きます。
ならば、もうこれは、この目で確かめるしかありません。
ということで、地図から消えた幻の温泉を探すことにしました。
古い地図によれば、場所は榛名山系鷹ノ巣山の山中に記されています。
県道28号線「高崎榛名吾妻線」が近くを走っています。途中に車を置いて、歩いて行くしかないようです。
水と食料をリュックに詰めて、完全装備でトライすることにしました。
久々に晴れた梅雨の合間の休日……。
天気予報が「夏日になる」と告げる絶好の探検日和となりました。
旧箕郷町から県道を上りはじめ、つづら折りの坂道を行きます。
右手にロッククライミングの名所「黒岩」の岩壁が見えます。一切の案内板はありませんが、車両通行止めのゲートがあるこのあたりが、たぶん登山口です。
車を路肩に停めて、リュックを背負い、ゲートをくぐりました。
5分も歩かないうちに、最初の分岐が現れました。迷ったすえに、右の道を選ぶことにしました。正しかったようです。
さらに10分ほど行くと、沢が道を横切っています。飛び石を渡り、難なくクリアしましたが、なななんと! その先に恐ろしい光景が!
がけ崩れです。
完全に道が、落石した岩で埋まってしまっています。
引き返すことも考えましたが、「苦難が多いほど、喜びも大きいはず」だと自分を励まして、瓦礫(がれき)の山を登りました。
ホッとしたのも束の間、また沢です!
さっきより深い川です。
はたして本当にこの先に、幻の温泉は存在するのでしょうか?
<下巻へつづく>
1999年9月、群馬県と榛東村は協議により、温泉源泉台帳から「ガラメキ温泉」を抹消しました。
僕が、その奇妙な温泉の名前を知ったのは、かれこれ20年以上も前のことです。
当時、仲間内で「陸上自衛隊相馬ヶ原演習場の奥に、かつて温泉があった」という話で盛り上がり、「よし、ならば、みんなで行ってみよう!」ということになり、その場で “ガラメキ探検隊” を結成しました。
ところが、それが酒の席だったということもあり、探検隊は結成されたまま誰からも言い出すことなく、決行することはありませんでした。
噂によれば、ガラメキ温泉の源泉は、数年前に土砂崩れにより埋まってしまったとも聞きます。
ならば、もうこれは、この目で確かめるしかありません。
ということで、地図から消えた幻の温泉を探すことにしました。
古い地図によれば、場所は榛名山系鷹ノ巣山の山中に記されています。
県道28号線「高崎榛名吾妻線」が近くを走っています。途中に車を置いて、歩いて行くしかないようです。
水と食料をリュックに詰めて、完全装備でトライすることにしました。
久々に晴れた梅雨の合間の休日……。
天気予報が「夏日になる」と告げる絶好の探検日和となりました。
旧箕郷町から県道を上りはじめ、つづら折りの坂道を行きます。
右手にロッククライミングの名所「黒岩」の岩壁が見えます。一切の案内板はありませんが、車両通行止めのゲートがあるこのあたりが、たぶん登山口です。
車を路肩に停めて、リュックを背負い、ゲートをくぐりました。
5分も歩かないうちに、最初の分岐が現れました。迷ったすえに、右の道を選ぶことにしました。正しかったようです。
さらに10分ほど行くと、沢が道を横切っています。飛び石を渡り、難なくクリアしましたが、なななんと! その先に恐ろしい光景が!
がけ崩れです。
完全に道が、落石した岩で埋まってしまっています。
引き返すことも考えましたが、「苦難が多いほど、喜びも大きいはず」だと自分を励まして、瓦礫(がれき)の山を登りました。
ホッとしたのも束の間、また沢です!
さっきより深い川です。
はたして本当にこの先に、幻の温泉は存在するのでしょうか?
<下巻へつづく>
Posted by 小暮 淳 at 11:30│Comments(0)
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