2010年10月22日
謎学の旅⑪ 「キュウリを食べない人」
以前、雑誌に 『前橋にウナギを食べない住民がいた!』 と題した記事を書いたところ、読者からの「驚いた」という便りが、たくさん編集室に届きました。(※「謎学の旅」②参照)
なかには「私も生まれてから一度もウナギを食べたことがありません」という、片貝神社の氏子の方からのハガキも何通かありました。
ところが、僕が文末に「キュウリを食べない住民がいるだって?」と思わせぶりなことを書いて締めくくってしまったものだから、翌月になって、「キュウリを食べない人はどうした?」「続きを楽しみにしていたのに」といったお叱りのハガキとメールが届いたのも事実でした。
僕だって、ずーっと気になっていたんです。
だって、あの時出会った老人が残した言葉……
「この辺じゃ、ウナギを食わんらしいね。うちの方じゃ、キュウリを食わんけどね」
そして、さらに老人は言葉を続けた。
「昔、村を守ってくれていたお侍さんが、キュウリのトゲで目をケガしてね。それ以来、キュウリを食わんようになったんだよ」
あれから半年、ひょんなことから、僕はキュウリの話に出合いました。
京都の人は、祇園祭の期間中は、キュウリを食べないというのです。
これは、八坂神社の神紋がキュウリに似ていることに由来しているらしい。
調べてみると、「木瓜(もっこう)」 という神紋は、確かにキュウリの切り口(断面)に似ているんです。
なぜ、そんな神紋になったかといういわれについては、須佐之男命(すさのおのみこと)が、キュウリの上に降臨したという伝説が残っているます。
また、キュウリを食べない習慣は、京都の八坂神社と関係のある全国の神社周辺でも見られるとのこと。
これだー!
とばかりに、僕は前橋市内の地図を広げて、老人の告げた地域周辺に八坂神社がないかと探しました。
すると……
あったのです!
ちょうど時は、正月でした。
僕は元日の初詣をかねて、前橋市文京町4丁目にある八坂神社を訪ねてみました。
元日に行ったのは正解だったようです。たくさんの氏子たちが、社務所にいました。
さっそく、神紋とキュウリの話を聞いてみると、氏子の一人が祭半纏(まつりばんてん)を見せてくれました。
おおおぉぉぉ~~~!
まさしく、キュウリの断面図のような木瓜紋がついているではありませんか!
でも僕が知りたいのは、木瓜紋のことではなく、住民はキュウリを食べるのか、食べないのか、その真実です。
「確かに今でもキュウリを食べない人はいるよ。でも、ほとんどの人は食べてるな」
僕は無理をお願いして、今でもキュウリを食べない氏子を紹介してもらいました。
でも、訪ねてみると寝たきりの老人で、残念ながら直接話を聞くことはできませんでした。
息子さんの話では、「父はキュウリを食べない人です。でも、ただ単にキュウリが嫌いなだけなのかもしれません」とのことだった。
あと何年かすると、キュウリを食べない人は完全にいなくなってしまい、この風習も消えてなくなってしまうのかもしれませんね。
謎学の旅はつづく。
なかには「私も生まれてから一度もウナギを食べたことがありません」という、片貝神社の氏子の方からのハガキも何通かありました。
ところが、僕が文末に「キュウリを食べない住民がいるだって?」と思わせぶりなことを書いて締めくくってしまったものだから、翌月になって、「キュウリを食べない人はどうした?」「続きを楽しみにしていたのに」といったお叱りのハガキとメールが届いたのも事実でした。
僕だって、ずーっと気になっていたんです。
だって、あの時出会った老人が残した言葉……
「この辺じゃ、ウナギを食わんらしいね。うちの方じゃ、キュウリを食わんけどね」
そして、さらに老人は言葉を続けた。
「昔、村を守ってくれていたお侍さんが、キュウリのトゲで目をケガしてね。それ以来、キュウリを食わんようになったんだよ」
あれから半年、ひょんなことから、僕はキュウリの話に出合いました。
京都の人は、祇園祭の期間中は、キュウリを食べないというのです。
これは、八坂神社の神紋がキュウリに似ていることに由来しているらしい。
調べてみると、「木瓜(もっこう)」 という神紋は、確かにキュウリの切り口(断面)に似ているんです。
なぜ、そんな神紋になったかといういわれについては、須佐之男命(すさのおのみこと)が、キュウリの上に降臨したという伝説が残っているます。
また、キュウリを食べない習慣は、京都の八坂神社と関係のある全国の神社周辺でも見られるとのこと。
これだー!
とばかりに、僕は前橋市内の地図を広げて、老人の告げた地域周辺に八坂神社がないかと探しました。
すると……
あったのです!
ちょうど時は、正月でした。
僕は元日の初詣をかねて、前橋市文京町4丁目にある八坂神社を訪ねてみました。
元日に行ったのは正解だったようです。たくさんの氏子たちが、社務所にいました。
さっそく、神紋とキュウリの話を聞いてみると、氏子の一人が祭半纏(まつりばんてん)を見せてくれました。
おおおぉぉぉ~~~!
まさしく、キュウリの断面図のような木瓜紋がついているではありませんか!
でも僕が知りたいのは、木瓜紋のことではなく、住民はキュウリを食べるのか、食べないのか、その真実です。
「確かに今でもキュウリを食べない人はいるよ。でも、ほとんどの人は食べてるな」
僕は無理をお願いして、今でもキュウリを食べない氏子を紹介してもらいました。
でも、訪ねてみると寝たきりの老人で、残念ながら直接話を聞くことはできませんでした。
息子さんの話では、「父はキュウリを食べない人です。でも、ただ単にキュウリが嫌いなだけなのかもしれません」とのことだった。
あと何年かすると、キュウリを食べない人は完全にいなくなってしまい、この風習も消えてなくなってしまうのかもしれませんね。
謎学の旅はつづく。
Posted by 小暮 淳 at 16:17│Comments(0)
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