2010年12月18日
3分の1は敵
「小暮クン、自分の生き方を貫こうとすれば、それは常に3分の1の敵を持つということだよ」
と、唐沢政道画伯は、おしゃるのです。
昨晩は、「ぐんまカルタ制作実行委員会」の忘年会でした。
「ぐんまカルタ制作実行委員会」とは、2008年10月に発売された 『新・ぐんまカルタ』(定価 1,000円) の制作に係わった8人で結成した会です。
なんで、今さら、群馬でカルタを作ろうと思ったのか?
群馬には、超メジャーな「上毛かるた」があるのに?
きっかけは、5年前にさかのぼります。
当時、僕は某情報誌の編集長をやってました。
ある日、1人のスタッフから 「編集長と絶対気の合う人がいますよ。会いに行きませんか?」と、ある写真展の案内状を手渡されました。そして、その案内状に書かれていた展示会のタイトルは……
「写真で見る上毛かるた」
(たぶん、そんなタイトルでした)
なぬっ?
僕は当時、異常に「上毛かるた」という言葉に敏感に反応していたのです。
それは……
さらに、さかのぼること2年前。
僕が、別の情報誌の編集長をやっていた時のことです。
お正月企画として、「上毛かるた」の札にまつわる群馬の名産品を集めた特集を組みました。
例えば、「す」「も」「の」の札は、赤城山・妙義山・榛名山といった銘柄の日本酒をそろえたり、「つる舞う形の群馬県」は『鶴サブレ』、「繭と生糸は日本一」は『まゆこもり』といった銘菓を集めました。
ところが……
この企画が、「上毛かるた」を発行する某財団法人の逆鱗に触れたようで、クレームおよび雑誌の発行停止命令まで受けてしまったのです。
なぬぬぬぬぬつー! おいおい、「上毛かるた」って群馬県民の共有の財産じゃないのかよ?
著作権の侵害だ? こんだけ歴史があって、県民に浸透していて、誰もが親しんでいるカルタが、1団体の所有物だと!
ということで、僕の長きに渡る闘いの日々が始まったのでした。
そこへ、スタッフから手渡れた例の案内状です。
さっそく写真展の会場へ行き、代表者の池田壱臣氏と面会しました。
すると案の定、氏へにも展示会の中止命令が某財団法人から出されていました。
「関係ねーよ、俺は闘うよ」と、池田氏から頼もしいお言葉。
「だったら、誰でもが自由に使える、著作権を持たない、新しいカルタを作りませんか?」と僕。
「実は、同じことを考えていたんだよ」と池田氏。
僕らは初対面で意気投合し、その場で「ぐんまカルタ制作実行委員会」を結成!
賛同するメンバーを集め、2ヶ月に1回の会議を続け、3年後に夢を実現!
『新・ぐんまカルタ』 を世に出しました。
「上毛かるた」の札で、現在の群馬県の実情にそぐわないものは改定し、どうしても入れたかった詩人・萩原朔太郎の札なども、新たに加えました。
あれから2年。
時は年末。またカルタの季節がやって来ました。
「おかげさまで、ここに来てまた、各書店から注文がきています」と、池田会長よりあいさつがあり、カンパイとなりました。
絵札の描画を担当してくださったパステル画家の唐沢政道画伯と、隣同士で杯を酌み交わしました。
若造の僕は、巨匠の広い胸を借りて、つい、思い通りに行かぬ己の人生へのグチをこぼしてしまいました。
「小暮クン、それでいいんだよ。僕らはモノを創っているんだ。自分を曲げて生きるんなら、何も絵描きや物書きにはならんだろう。僕らの周りには、常に3分の1の敵がいることを忘れてはいけないよ。そいつらがいるからこそ、僕らの創作への意欲と情熱がかきたてられるというものさ。アッハハハハ」
またしても、人生の大先輩に、道の歩き方を教えていただきました。
画伯、ありがとうございました。
と、唐沢政道画伯は、おしゃるのです。
昨晩は、「ぐんまカルタ制作実行委員会」の忘年会でした。
「ぐんまカルタ制作実行委員会」とは、2008年10月に発売された 『新・ぐんまカルタ』(定価 1,000円) の制作に係わった8人で結成した会です。
なんで、今さら、群馬でカルタを作ろうと思ったのか?
群馬には、超メジャーな「上毛かるた」があるのに?
きっかけは、5年前にさかのぼります。
当時、僕は某情報誌の編集長をやってました。
ある日、1人のスタッフから 「編集長と絶対気の合う人がいますよ。会いに行きませんか?」と、ある写真展の案内状を手渡されました。そして、その案内状に書かれていた展示会のタイトルは……
「写真で見る上毛かるた」
(たぶん、そんなタイトルでした)
なぬっ?
僕は当時、異常に「上毛かるた」という言葉に敏感に反応していたのです。
それは……
さらに、さかのぼること2年前。
僕が、別の情報誌の編集長をやっていた時のことです。
お正月企画として、「上毛かるた」の札にまつわる群馬の名産品を集めた特集を組みました。
例えば、「す」「も」「の」の札は、赤城山・妙義山・榛名山といった銘柄の日本酒をそろえたり、「つる舞う形の群馬県」は『鶴サブレ』、「繭と生糸は日本一」は『まゆこもり』といった銘菓を集めました。
ところが……
この企画が、「上毛かるた」を発行する某財団法人の逆鱗に触れたようで、クレームおよび雑誌の発行停止命令まで受けてしまったのです。
なぬぬぬぬぬつー! おいおい、「上毛かるた」って群馬県民の共有の財産じゃないのかよ?
著作権の侵害だ? こんだけ歴史があって、県民に浸透していて、誰もが親しんでいるカルタが、1団体の所有物だと!
ということで、僕の長きに渡る闘いの日々が始まったのでした。
そこへ、スタッフから手渡れた例の案内状です。
さっそく写真展の会場へ行き、代表者の池田壱臣氏と面会しました。
すると案の定、氏へにも展示会の中止命令が某財団法人から出されていました。
「関係ねーよ、俺は闘うよ」と、池田氏から頼もしいお言葉。
「だったら、誰でもが自由に使える、著作権を持たない、新しいカルタを作りませんか?」と僕。
「実は、同じことを考えていたんだよ」と池田氏。
僕らは初対面で意気投合し、その場で「ぐんまカルタ制作実行委員会」を結成!
賛同するメンバーを集め、2ヶ月に1回の会議を続け、3年後に夢を実現!
『新・ぐんまカルタ』 を世に出しました。
「上毛かるた」の札で、現在の群馬県の実情にそぐわないものは改定し、どうしても入れたかった詩人・萩原朔太郎の札なども、新たに加えました。
あれから2年。
時は年末。またカルタの季節がやって来ました。
「おかげさまで、ここに来てまた、各書店から注文がきています」と、池田会長よりあいさつがあり、カンパイとなりました。
絵札の描画を担当してくださったパステル画家の唐沢政道画伯と、隣同士で杯を酌み交わしました。
若造の僕は、巨匠の広い胸を借りて、つい、思い通りに行かぬ己の人生へのグチをこぼしてしまいました。
「小暮クン、それでいいんだよ。僕らはモノを創っているんだ。自分を曲げて生きるんなら、何も絵描きや物書きにはならんだろう。僕らの周りには、常に3分の1の敵がいることを忘れてはいけないよ。そいつらがいるからこそ、僕らの創作への意欲と情熱がかきたてられるというものさ。アッハハハハ」
またしても、人生の大先輩に、道の歩き方を教えていただきました。
画伯、ありがとうございました。
Posted by 小暮 淳 at 11:38│Comments(4)
│執筆余談
この記事へのコメント
ついに『温泉道場 小暮塾』
来年開校!\(◎o◎)/! なるかー!??
常に3分の1が敵?
折しも 『まさかの』+母 まで テキ とは…
を、つい二日前に知り、世の中信じられるものはあるのか?とクリスマスとお正月を目前に考えるものがあり、来年の幸を神様に祈ってみます。取りあえず、『でりじぇいの温プレ』『師匠の本』『小暮塾』が明るい希望です。負けませーん(ToT)/~~~
来年開校!\(◎o◎)/! なるかー!??
常に3分の1が敵?
折しも 『まさかの』+母 まで テキ とは…
を、つい二日前に知り、世の中信じられるものはあるのか?とクリスマスとお正月を目前に考えるものがあり、来年の幸を神様に祈ってみます。取りあえず、『でりじぇいの温プレ』『師匠の本』『小暮塾』が明るい希望です。負けませーん(ToT)/~~~
Posted by ぴー at 2010年12月18日 14:15
上毛カルタ
そうですか某財団の所有物だったのですか。新潟生まれの埼玉県人である私でさえその名前を知っている『上毛カルタ』。群馬県人が集まる宴席では必ずその話が出て、カルタにある県人口の数に拠ってだいたいの年代が判るほど親しまれている上毛カルタが。。。
なぜその財団はそのように強硬なのでしょう?
今後上毛カルタを自慢する群馬県人には某財団のことも言っておきましょうかね。
そうですか某財団の所有物だったのですか。新潟生まれの埼玉県人である私でさえその名前を知っている『上毛カルタ』。群馬県人が集まる宴席では必ずその話が出て、カルタにある県人口の数に拠ってだいたいの年代が判るほど親しまれている上毛カルタが。。。
なぜその財団はそのように強硬なのでしょう?
今後上毛カルタを自慢する群馬県人には某財団のことも言っておきましょうかね。
Posted by 先 at 2010年12月18日 14:36
ぴーさんへ
「でりじぇい」のクーポンマガジン1月号は、届きましたか?
中ほどの温泉ページに、「小暮淳のマル得トーク」と題して、師匠のコラムが掲載されていますよ。
弟子なら、要チェック!ですぞ。
「でりじぇい」のクーポンマガジン1月号は、届きましたか?
中ほどの温泉ページに、「小暮淳のマル得トーク」と題して、師匠のコラムが掲載されていますよ。
弟子なら、要チェック!ですぞ。
Posted by 小暮 at 2010年12月18日 18:02
先さんへ
コメント、ありがとうございます。
某財団のことは、ちょっとブログではこれ以上の事は書けないのですが、出版&編集関係者は、ほとんど泣かされています。
高額な上納金を支払わされた報道関係者もいると聞いています。
その点、我々の作った 『新・ぐんまカルタ』 は著作権を所有していませんので、どんどんメディアに無償で貸し出しています。
有名書店にて販売中です。
コメント、ありがとうございます。
某財団のことは、ちょっとブログではこれ以上の事は書けないのですが、出版&編集関係者は、ほとんど泣かされています。
高額な上納金を支払わされた報道関係者もいると聞いています。
その点、我々の作った 『新・ぐんまカルタ』 は著作権を所有していませんので、どんどんメディアに無償で貸し出しています。
有名書店にて販売中です。
Posted by 小暮 at 2010年12月18日 18:11