2011年01月11日
探しモノは何ですか?
やっと見つけました。
昨日の探し物です。
結局、我が家の納戸には、無かったのですよ。
で、今日、「もしや…」と思い、取材の帰りに、実家へ寄ってみました。
そしたら、あったんです!
実家の、兄の、レコードコレクションの棚の中に……。
ビニールカバーもボロボロ、ジャケットも汚れています。
でも、写真の中の僕は、19歳のままです。
キャンディーミュージックというレーベルから発売された、僕のデュー曲が収録されたレコード。
33年前のことです。
当時、僕は東京で働きながら、夜学の音楽学校に通っていました。
ある日、そこで知り合った仲間の1人が、「俺たちのレコードを出してくれるってー!」と飛びついて来ました。
「本当か?」「ああ、チャンス到来だ!」「夢って、叶うんだなぁ~!」
プロを目指して、ライブ活動をしていた6人のオムニバスアルバムです。
当時風に言えば、LPレコードですね。
1人2曲ずつ、12曲が収録されています。
僕の収録曲は 『忘れかけてた街』 『中野通りを北に』 という、なんとも昭和フォーク、ドストライクのタイトルであります。
『忘れかけてた街』は、ふるさと前橋を歌っています。
歌詞を見ると、「北風舞う」とか「駅前通り」「ケヤキ並木」なんていう、前橋っぽいフレーズがちりばめてあります。
『中野通りを北に』は、当時、住んでいた街、中野を歌っています。
しっかり、歌詞に “中野サンプラザ” という言葉が入っていますね。
笑っちゃいます。
でも、泣けてくるんです。
僕が、なぜ、30年以上前のレコードを探していたか?
それは、「俺たちのレコードを出してくれるってー!」と僕に飛びついて来た男と、もう、このレコードジャケットでしか会えないからです。
訃報を聞いてから、探していたんです。
江川比呂志、あだ名は「エガパン」。
東京へ出て、最初にできた友だち。
好きな女の子を取り合った恋敵。
一緒に夢を追った、良き理解者、そしてライバル。
……でした。
探しモノは見つかったけど、彼の声を聴くことができません。
考えたら、もう我が家には、レコードプレーヤーがないんですね。
今夜は、ジャケットを見ながら、酒を飲むことにします。
そして、彼が作った歌をうたいましょう。
また今日も、“夢のカケラ” を拾ってしまいました。
Posted by 小暮 淳 at 18:42│Comments(2)
│つれづれ
この記事へのコメント
師匠の探し物は何ですか? と、思っていたら…
大切な亡き友との 夢の欠片 でしたね。
彼と思い出話できましたか?
私が16,7歳の頃に、父と中野に親戚を訪ねたことがありましたけど、師匠もその頃に東京生活だったんですね。
中野で、「東京ってこんなかー」と、ぼーっとしていた、若ーい私とすれ違っていたんですかね。
大切な亡き友との 夢の欠片 でしたね。
彼と思い出話できましたか?
私が16,7歳の頃に、父と中野に親戚を訪ねたことがありましたけど、師匠もその頃に東京生活だったんですね。
中野で、「東京ってこんなかー」と、ぼーっとしていた、若ーい私とすれ違っていたんですかね。
Posted by ぴー at 2011年01月12日 10:07
ぴーさんへ
中野ブロードウェイあたりで、すれ違っていたかもですね。
実は、亡き友とは、「俺たちの旅」を気取って、ブロードウェイやサンモールで肩車をし合ったりして、ふざけたものです。
「クラシック」という(五木寛之の「風に吹かれて」にも登場する)有名な喫茶店がありましてね、よく音楽仲間とたむろしていました。残念ながら、今はやってないようですが……。
30年も昔の話ですものね。
中野ブロードウェイあたりで、すれ違っていたかもですね。
実は、亡き友とは、「俺たちの旅」を気取って、ブロードウェイやサンモールで肩車をし合ったりして、ふざけたものです。
「クラシック」という(五木寛之の「風に吹かれて」にも登場する)有名な喫茶店がありましてね、よく音楽仲間とたむろしていました。残念ながら、今はやってないようですが……。
30年も昔の話ですものね。
Posted by 小暮 at 2011年01月12日 22:04