2011年05月12日
四万温泉 桐の木平商店街
四万温泉には、「必ず自分好みの宿がある」といわれます。
何百人と収容可能な大きなホテルや旅館から、家族だけで商う小さな民宿まで、旅の目的により自由に宿泊施設を選べるところが、四万の魅力です。
温泉街のメーンストリート、土産物屋や飲食店が並ぶ「桐の木平商店街」。
四万温泉の中でも、歴史の古い新湯地区ですから、なんとも昭和レトロな風情ある宿が今でも残っています。
「四万郵便局前」バス停の真ん前には、2つの看板がかかる不思議なお宿があります。
「カメラ フィルム 山野」と「内湯 やまの旅館」とあります。
旅館なのに、玄関のショーケースにはフィルムやインスタントカメラが売られています。
旅館を始めたのは昭和50年からで、それ以前(昭和初期創業)は写真館を営んでいました。
ショーケースの中は、当時の名残なのです。
館内には資料館よろしく、大正時代の蛇腹式写真機やマグネシウムフラッシュなどが展示されています。
カメラマニアには、たまらない垂涎の品々のようです。
「やまの旅館」の斜向かいの木造2階建ての宿が、四万唯一の「唐沢屋旅館」。
なにが唯一かって?
はい、旅館の大広間が、囲碁と将棋の対局場となっているのです。
2代目主人の唐沢吉明さんは、日本棋院の会員で、アマチュア4段の腕前。
趣味が高じて、平成元年に対局場を備える宿にリニューアルしてしまったのです。
昭和10年、下宿屋として創業。
戦時中は、疎開児童を受け入れていたといいます。
今でも、階段の手すりや踊り場、廊下のそこかしこに、昭和の歴史が刻まれていました。
湯上りに、2階の窓から見下ろす温泉街は、なんともレトロ感にあふれ、情緒がありますよ。
「やまの旅館」の向かい、「唐沢屋旅館」の脇の石段を上り切った高台に、これまた不思議な旅館があります。
「青楓庵 若山」 またの名を「旅館 若山」といいます。
とにかく、何屋だか分からない宿です。
玄関には、こんな文言が……
<立ち食いよし 座って食べてよし 勝手にどうぞ 甘汁 辛汁 お好きにどうぞ わたしゃ二八で打ってます>
おお、そば屋もやってるんだぁ、と思うと、その隣には…
<日本画 刻書 彫物 書 我が家の作品を見て下さい>
との看板があるのです。
確かに、玄関からロビー、階段の踊り場から廊下、部屋の襖(ふすま)から壁にいたるまで、作品、作品、作品だらけなのです。
それもすべて、主人の若山光郷さんの作品!
「生活は、即あそび」
「仕事と思うから苦しい、遊びと思えば楽しい」
がモットーという、実に愉快な人物であります。
さらに、剣道7段というから、これまた凄い!
恐るべし、桐の木平商店街なのです。
ぜひ、歩いてみてください。
四万温泉の底ヂカラを知ることができますよ。
Posted by 小暮 淳 at 18:35│Comments(2)
│温泉地・旅館
この記事へのコメント
やまの旅館は 宿泊した事あります
元旦に空室が有ったので
フラフラと歩き 外湯に入ってました
道幅が狭く 歩くのに気を使いますが あの周辺は生活の臭いがして いいですね
そろそろ
ヒルが活動開始でしょうか?
元旦に空室が有ったので
フラフラと歩き 外湯に入ってました
道幅が狭く 歩くのに気を使いますが あの周辺は生活の臭いがして いいですね
そろそろ
ヒルが活動開始でしょうか?
Posted by momotaka at 2011年05月13日 16:09
momotakaさんへ
そうですね、山ビルの季節です。
が、僕は20年も通っていて、しかも夏登山もしているのに、一度も噛まれたことも、出遭ったこともないんですよ。
相性が悪いようです。
そうですね、山ビルの季節です。
が、僕は20年も通っていて、しかも夏登山もしているのに、一度も噛まれたことも、出遭ったこともないんですよ。
相性が悪いようです。
Posted by 小暮 at 2011年05月13日 21:26