2011年11月04日
桜川温泉 「ふじやまの湯」②
今日は昼から関越自動車道を飛ばして、川場村の温泉民宿 「ふじやのま湯」 へ行ってきました。
2代目女将の中村せんさんにお会いするのは、1年半ぶりです。
あの日と変わらぬ、素朴な笑顔で出迎えてくれました。
田舎の親戚のおばちゃんの家に来たような安堵感を覚えます。
昨年の5月、拙著 『群馬の小さな温泉』 の取材の際に、泊めていただきました。
季節もちょうど良く、女将が手塩にかけたクリンソウの花が、浴室の窓から見える庭一面に咲き誇っていたことを思い出します。
「うちなんかのことを、覚えていてくださり、ありがとうございます」
と深々とあいさつをされてしまいました。
とんでもございませんって。
こちらこそ、本の出版では、大変お世話になりました。
あの晩、ごちそうになった料理の美味しかったこと!
山菜の天ぷら 、ヤマメの塩焼き、竹の子とこんにゃくの煮物、豚の角煮 ・・・・
山と里の幸がふんだんに盛られた夕げの膳は、どれをとっても手抜きのない完璧な田舎料理でした。
特筆すべきは、ご主人と息子さんが作られている川場産コシヒカリの、どえりぁ~うまかったこと!
空気と水のきれいな、川場村だからこその味です。
水といえば、僕が一番感動したのは、宿の前を流れる桜川の美しさです。
サラサラと音を立て、苔むす石をはむ清流は、さながら奥入瀬川の水面を見ているようでした。
あの日は、浴衣のまま、何度も何度も流れを見に、川辺へ出かけてしまいましたよ。
そして、女将さんの山野草に賭ける情熱と愛情の話 ・・・
「何もないところだから、せめて花を見せてあげたい」
と言った言葉、僕は忘れることができません。
でも今回は残念ながら、山野草は咲いていない時季でした。
知ってましたって、いいんですよ。
今日は、花の話を聞きに来たんじゃないんです。
そう、女将さんと息子さんの久さんとの、親子二人三脚の “温泉民宿奮闘話” を聞きに来たんですから。
と、いうことで、お茶を飲みながら3人で、平成2年の開業までのエピソードと、その後の苦労話を、時に笑いを交えながら面白可笑しく、そしてチョッピリほろりとする人情話を聞かせていただきました。
もちろん、ひと風呂いただくことも忘れませんって。
そのために、カメラマンを連れて行っているんですから。
PH値9.5のアルカリ性のまったりとした浴感は、今日も健在でした!
宿のすぐ近くには、「ぐんま百名山」 の1つ、鉱石山の登山口があります。
この時季、ハイカーたちが下山後に汗と疲れを取りに立ち寄ることが多いようです。
撮影の間、次から次へと入浴客がやって来てました。
女将さん、久さん。
また行きますね。
次回は、泊まりますので、美味しいご飯と手作り田舎料理をお願いします。
Posted by 小暮 淳 at 20:55│Comments(0)
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