2012年01月31日
情熱はお好きでしょ?
ずいぶんと昔の話です。
20代の頃ですから、20年以上も前のこと。
飲み屋のカウンターで、地元の芸術家や編集関係の人たちと飲んでいました。
突然、ママが 「人生で一番大切なものって、なんだと思う?」 と、哲学的な質問を客らにふってきたのです。
まあ、みなさん酔っ払いですし、真面目に答えようともしませんでした。
「金だろ」「感性かな」 などなど、その場の勢いで返していました。
「小暮クンは、何?」
と、ママは最後に、ひと回り以上年下の僕にも問い詰めます。
そのとき、店の中では、僕が一番年下だったのです。
「おお、聞いてみたいね。若い小暮クンの一番大切なものをさ!」
とカウンターの奥から、人生の先輩たちのヤジが飛んできます。
「そうよ、言っちゃいなさいよ。 『彼女です』、とか(笑)」
僕は、そのころ凄くトガッテいたんですね。
大人たちが大嫌いでした。
ピュアだったんだと思います。
「えっ? オレの大切なものですか?」
「そーよ、言っちゃいなさいよ」
「そーだ、早く言っちゃえよ!」
と、なんだか場の雰囲気は、僕の返事待ちの状態になっていました。
で、言ったんですよ。たったひと言・・・
「情熱ですよ」
・・・・・・・・
…………
いきなり店内から会話が消えてしまいました。
シ~~~ン
しばらくすると、目を赤くしたママが、
「なんだか分からないけどさ、感動しちゃった」
と言うと、他の客も、
「ああ、言われてみれば、その通りだよ」
と、しみじみとグラスを口に運びながら言うのでした。
あれから30年近く経った今も、実は僕の “一番大切なもの” は、変わっていません。
いえいえ、何も知らないで言っていた20代の頃よりも、今のほうが心の底から、そう言えます。
生きるということは、情熱そのものだし、
仕事だって、情熱を持てない仕事ほど苦痛なものはありません。
ジョン・レノンの言葉でしたっけね。
「この世で一番不幸な人は、自分の仕事を好きになれない人だ」
とは。
だから僕は、情熱のない人とは、仕事をしません。
技術や才能は、二の次です。
まず、その人に “熱い心” が、あるか、ないかが、仕事を組む条件です。
たとえば、僕が企画を出します。
「いいですねぇ、それ、ぜひやりましょう!」
とりあえず、みんな、そう言います。
でも、違いは、その後です。
情熱のある人は、知恵をしぼって、必ずその企画を通してきます。
たとえ1回では通らなかったとしても、
「小暮さん、知恵をかしてください。どうしても、その企画やりたいんですよ」
と決してあきらめません。
ところが、情熱のない人は、たった1回の壁であきらめてしまいます。
「上司がバカですから」 とか、「うちの社長はワンマンですから」 とか、
他人のせいにしてしまうんですね。
でも、どうでしょうか?
バカな上司もワンマンな社長も、“情熱” を感じたなら、動かされるはずです。
だって、本気で仕事をしている人たちは、みんな情熱が大好きなのですから!
若い頃に、酔った勢いで言った言葉ですが、
今では、すっかり僕の原動力になっています。
みなさんも、情熱はお好きでしょ?
Posted by 小暮 淳 at 18:53│Comments(4)
│つれづれ
この記事へのコメント
久々 「気」 をだして活動をしたくなってます。
大海も一滴の滴から…
果たして続くかは… 情熱の濃さと体力(若さと健康が欲しい)
大海も一滴の滴から…
果たして続くかは… 情熱の濃さと体力(若さと健康が欲しい)
Posted by ぴー at 2012年02月01日 09:22
情熱ですかぁ……
自分は順応ですね
世の中の変化を考察し 素早く順応したいです
自分は順応ですね
世の中の変化を考察し 素早く順応したいです
Posted by momotaka at 2012年02月01日 12:52
ぴーさんへ
持続の秘訣は
「がんばらない、けど、あきらめない」
です。
momotakaさんへ
“順応” とは、高度なテクニックを使いますね。
情熱よるはるかに難しそうです。
持続の秘訣は
「がんばらない、けど、あきらめない」
です。
momotakaさんへ
“順応” とは、高度なテクニックを使いますね。
情熱よるはるかに難しそうです。
Posted by 小暮 at 2012年02月01日 18:03
がんばらないけど、あきらめない 了解!
あきらめない… これが情熱の種!ですよね。
今年は会のみなさんと集合できるの楽しみです。あと3名?
温泉好きの方は、小暮師匠にお声かけてください。
あきらめない… これが情熱の種!ですよね。
今年は会のみなさんと集合できるの楽しみです。あと3名?
温泉好きの方は、小暮師匠にお声かけてください。
Posted by ぴー at 2012年02月02日 09:16