2012年05月27日
今年も生きてた
今日は、オフクロの誕生日でした。
と、昨日、家内が教えてくれました。
お恥ずかしい話、僕は親の誕生日が、いまだに覚えられないのです。
毎年、毎年、頭に叩き込むのですが、また1年が経つと忘れてしまいます。
ですから、いつもは過ぎてから、
「あれ? 確か、昨日がオフクロの誕生日だったんだよな」
なーんて、ことになっていました。
でも、今年はギリギリ、セーフ!
「明日、おばあちゃんの誕生日よね」
と、内助の功が教えてくれたのでした。
「で、おばあちゃん、いくつになるの?」
「えーと、昭和2年生まれだから……85か!」
そーです。
日本人の平均寿命が、男性79.64歳、女性86.39歳ですから、もう少しで女性の平均に追い付きます。
(オヤジは、今年88歳ですから、とっくにクリアしています)
でもね、オフクロの85歳というのは、息子としては実に信じられないことなのです。
若い頃から病弱で、入退院をくり返していた人ですから、まさかこんなにも、長生きをしてくれるとは思いませんでした。
30代も40代も大病をして、大きな手術を2度もして、運動会へも見に来てもらえず、前橋まつりの鼓笛隊パレードも見てもらえず、ずいぶんと淋しい思いをしたものです。
ですから、子ども心に 「僕の母さんは、そのうち死んじゃう」って、いつも思っていましたもの。
それが晩年になったら、すべての病魔が体から出て行ってしまったようで、“山は登る”“合唱団に入る”“俳句は詠む”・・・と、それまでの人生を取り戻すかのように、謳歌しはじめたのであります。
で、本日、85回目の誕生日を元気に迎えました。
ま、だからって、何かプレゼントを買ってやったわけではありませんけどね。
電話を入れようと思っていたら、オフクロのほうから先に 「買い物へ行きたいから、連れてってほしい」 との電話をもらってしまい、半日、運転手と荷物持ちをしてあげたくらいです。
オフクロをオヤジの待つ実家に送り届けて、あらためて
「おめでとう」って言ったら、
「今年も生きていたね」 と、ポツリ。
「なんていうこと言うんだい! 当たり前じゃないか。まだ平均寿命には追いついてないぜ!」
と僕が返すと、
「去年までは、そんなこと思わなかったんだけどね。歳をとると、だんだん1年1年がしんどくなるんだよ」
と、今までになく弱音を吐きました。
「どこも悪いところないんだからさ、大丈夫だよ」
「ああ、お父さんを見送ってやらなくっちゃね。お前たちにも迷惑がかかるしさ」
そーだよ、頼むよオフクロさんよ!
あのボケ老人を置いて行かないでくれよな!
2人とも、どんなに長生きしてもいいですから、その順番だけはよろしくお願いします。
Posted by 小暮 淳 at 20:57│Comments(3)
│つれづれ
この記事へのコメント
私はまさかの子供だったので、師匠さまの母上と私の母は、ほぼ同じ年です。
同じく大病や手術4回という過酷な人生、父に先立たれても現在元気で、子供の心配をあれこれしてくれています。
ありがたいことです。
同じく大病や手術4回という過酷な人生、父に先立たれても現在元気で、子供の心配をあれこれしてくれています。
ありがたいことです。
Posted by ぴー at 2012年05月28日 08:56
先生おめでとうございます。親がそれなりに元気で生きているってなんとなくうれしいですよね。きっと「私もその齢まで生きておられる」ような気分がするからかも。私の母も3度の大手術(子宮・胆嚢・胃は3分の1を切除。胃は胃がんで83歳の時)で93歳まで生きていてくれました。でもそれなりに元気で、口癖は「病気と寿命は別のもの」でした。親の生き様ってとても大切ですよね。
Posted by しをちゃん at 2012年05月28日 10:56
ぴーさんへ
実は最近、親の長生きを “ありがたいこと” だと思えるようになりました。
「親孝行、したいときには親はいず」 なんてことのないように、今までしてきた親不孝の恩返しをしたいと思っています。
しをちゃんへ
「病気と寿命は別のもの」
まさに、その通りだと思います。
心の病はない2人なので、両親ともに、まだまだ長生きしそうです。
実は最近、親の長生きを “ありがたいこと” だと思えるようになりました。
「親孝行、したいときには親はいず」 なんてことのないように、今までしてきた親不孝の恩返しをしたいと思っています。
しをちゃんへ
「病気と寿命は別のもの」
まさに、その通りだと思います。
心の病はない2人なので、両親ともに、まだまだ長生きしそうです。
Posted by 小暮 at 2012年05月29日 01:09