2013年01月18日
湯宿温泉 「ゆじゅく金田屋」②
昨日は、久しぶりに湯宿温泉の「金田屋」を訪れてきました。
拙著 『群馬の小さな温泉』(上毛新聞社) の取材以来ですから、なんと2年半ぶりのことでした。
宿の創業は明治元年。
現在のご主人、岡田洋一さんで5代目です。
大正11年10月23日。
歌人の若山牧水が、法師温泉の帰りに投宿した宿であります。
時代的には、2代目と3代目の頃のこと。
岡田さんの曽祖父と祖父が、もてなしたと聞いています。
前回、「金田屋」 に泊まった晩は、その牧水が泊まった部屋で、ご主人と一緒に酒を酌み交わしました。
もう、それはそれは、生涯忘れられない記念すべき思い出となりました。
「ぜひ、今晩は、また一緒に飲みましょう!」
と訪ねるなり、ご主人に言われて、気分はアゲアゲ~!
「では、取材も飲みながら、ということで!」
と、早々に部屋で旅装を解いて、広縁のイスに腰掛けて、まずは冷蔵庫の瓶ビールを1本。
でも、これも仕事なんですよ。
実は、この部屋(2階の北の間) は、『群馬の小さな温泉』 の表紙に写っている部屋なんです。
夜の温泉街に、浮かび上がる宿の明かりと女性の影・・・
あの写真の部屋こそが、この部屋です。
今回、撮影のために、あえてこの部屋を指定して泊まりました。
『群馬の小さな温泉』 の表紙写真の逆バージョンを撮ろうという試みなのです。
部屋の広縁でくつろぎながら、旅人(僕です) が、外湯の 「窪湯」 がある路地裏を見下ろしている写真であります。
これは大成功でした。
読者のみなさん、次回作をお楽しみに!
湯上がりは、5代目主人が腕をふるう 「自然流菜根薬膳」 を肴に、まずは地ビールでノドを潤します。
野菜、きのこ、豆腐、川魚、鶏、豚といった地元産の食材をふんだんに用いた創作田舎料理です。
なんでも、夕食と朝食で約60種類の野菜が食べられるんだそうですよ。
ヘルシーな肴だけに、ますます酒がはかどります。
「よっ、待ってました!」 とばかりに、ひと仕事を終えたご主人が、ドブロク(にごり酒) を持って登場!
「また、お世話になります」
「いえいえ、こちらこそ、よろしくお願いいたします」
なーんて、最初の乾杯だけ、堅苦しいあいさつをして、その後は、取材という名を借りた岡田さんの波乱万丈の半生話で大いに盛り上がりました。
老舗旅館の5代目を継ぎたくなくて、世界中を放浪していた頃の話は、最高に楽しかったですよ!
ぜひ、次は、出版記念パーティーで飲み明かしましょうね。
Posted by 小暮 淳 at 17:50│Comments(2)
│温泉地・旅館
この記事へのコメント
岡田洋一さんは、以前勤めた会社の元上司でありました。支配人としてバブル真っ盛りのホテルを毎晩遅くまで勤め上げ、アイデア豊富。人脈多彩と教わる方の多い方でした。世界一周をしたり、ビヤホールを経営したりして本当におもしろい人です。又一緒に、飲みたいですね。。。。
Posted by nakamura tadashi at 2013年01月24日 09:25
nakamura tadashi さんへ
その通り!
岡田さんは実にユニークで、アイデアマンで、経験豊富で、尊敬に値する人物ですね。
“宿は人で持つ”
まさに、老舗旅館のご主人然とした方です。
僕も、すっかりファンになりました。
その通り!
岡田さんは実にユニークで、アイデアマンで、経験豊富で、尊敬に値する人物ですね。
“宿は人で持つ”
まさに、老舗旅館のご主人然とした方です。
僕も、すっかりファンになりました。
Posted by 小暮 at 2013年01月25日 12:07