2013年01月20日
日常という名の展覧会
もし、僕に “畏友” と呼べる友がいるとすれば、それは久保繁のことだと思う。
いや、過去に一度だけ、彼のことをそう呼んだことがあった。
<何よりも一緒に灼熱のサイゴンを歩いてくれた畏友の画家、久保繁氏に心から感謝を申し上げたいと思います。ぜひ、また一緒にアジアを歩きましょう! 1999年9月 著者>
これは、僕がベトナムを旅したときに上梓した旅行記 『ヨー!サイゴン』(でくの房) の 「あとがき」 の一文です。
同じくして、その年から、久保氏は絵画の発表を始めています。
彼の、画家としてのスタートのきっかけとなった “旅” が、2人で放浪したベトナムでした。
その後、彼はアジアだけでなく、ヨーロッパへも旅を続け、帰国後には必ず、東京と前橋で個展を開催しています。
今年も、2013年のオープニングを飾る企画展が開催されています。
初日の昨日、僕は、日本酒を手みやげに、個展会場となっている画廊に彼を訪ねてきました。
「おめでとう!」
もちろん、個展の開催に対しての 「おめでとう」 と、今年初めて会うので新年のあいさつも兼ねています。
「ありがとう。ジュンは、相変わらず、忙しそうだね」
と、彼は必ず、僕に会うと、そう言ってくれます。
他の人ならお世辞に聞こえる言葉も、昔の貧乏ドン底時代を互いに知っている彼が言うと、ジーンと胸の奥まで響いてくるのです。
「まあな、でも、忙しいだけだ。一向に金にはならん」
「それで、いいんじゃないの。俺たちは」
「そうだな。金が欲しかったら、お互い、こんな仕事は選んでないものな」
そう言って、思いっきり笑い合いました。
午後5時。
オープニングレセプションの開宴です。
画廊内は、アッと言う間に、立食パーティー会場に変身しました。
見渡せば、そうそうたる顔ぶれであります。
彫刻家のMさん。
絵本作家のNさん。
建築家のTさん。
それに、久保氏を 「先生」 と呼ぶ絵画教室の生徒さんたちも大勢集まりました。
画廊オーナーからのあいさつの後、久保氏からひと言。
「去年も幸せでした。今年も楽しくやっちゃいましょう!」
彼らしいスピーチです。
楽しく生きることの素晴らしさを知っている彼だからこそ、言える言葉です。
久保 繁 展
~ La vie quotidianne ~
日 常
本展では、キャンバスにミクストメディアで描かれた作品数点と、
ホンダカーズ群馬の2013年オリジナルカレンダーの制作にあたって
ペン水彩で描かれた作品8点が展示されています。
●会期 2013年1月19日(土)~27日(日)
10:30~19:00 (火曜休廊)
●会場 画廊 すいらん
群馬県前橋市文京町1-47-1
Tel.027-223-6311
Posted by 小暮 淳 at 17:24│Comments(0)
│つれづれ