2013年09月02日
悲鳴を上げる温泉宿
温泉宿をめぐっていて、最近、よく目にする張り紙があります。
浴室の脱衣所に書かれた 「カメラ・携帯電話、持ち込み禁止」 の文字。
ついに、ここまできたか!
と、温泉を愛する者として、見かけるたびに憂えています。
“パチリ症候群” です。
レストランでも、食堂でも、どこでも、何でも、パチリ、パチリと写真に撮って、ところかまわずネット上で公開する人たちが、温泉地にも現れているということです。
「困ったもんですよ。なかには他の入浴客がいるのに無断で写して、訴訟騒ぎになったこともあるんですよ。ですから、うちは、絶対にケータイの持ち込みは禁止です!」
と、キッパリ言い放つ経営者もいます。
どうして、なんでしょうかね?
訪れた記念ですか?
違いますよね。
だって、デジカメやケータイが普及する前は、いつもカメラを持ち歩いて料理や風呂の写真を撮る人なんて、滅多にいませんでしたものね。
それって、僕らプロの仕事ですから!
でも僕たちプロは、ちゃんと、取材許可をとってから撮影をしていますからね。
決して宿に無断で、写真なんて撮りません。
でも問題は、それだけじゃないんです。
ブログやツイッターに写真をアップするだけならばまだしも、そこに “いい加減” なコメントを書き込む “にわか評論家” が、大勢いることです。
「助けてくださいよ。こっちにとっては営業妨害ですよ。料理がまずいだの、トイレが汚いだの、浴槽が小さいだの、従業員の態度が悪いだの、もう、言いたい放題ですからね。規制する方法は、ないんですかね」
と、悲鳴を上げている経営者に、何人も会いました。
さらに、それだけではありません。
今、もっとも困惑しているのは、秘湯の宿です。
そもそも湯治場ですから、観光旅館のような設備やサービスはありません。
なのに、クレーマーたちは、言いたい放題であります。
「露天風呂に洗い場がない!」
「シャワーがない!」
「サウナくらい作っておけ!」
「部屋にクーラーがない!」
「虫がいる!」
「川の音がうるさくて眠れない!」
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もう、枚挙にいとまがありません。
湯治宿だもの、基本、洗い場もシャワーもありませんって。
サウナなんて、もってのほかだよ。近所の日帰り温泉へ行きなさい。
標高1,000メートルの山奥だぞ、日が陰れば寒いくらいだ。
川の音がうるさいだ? そんな自然に癒やされたくて来たんじゃないの?
温泉宿のみなさん、あなたたちは本当にエライ!
客じゃなかったら、とっとと追い返しているでしょうね。
そろそろ、宿が客を選んでも、いいんじゃないですかね?
Posted by 小暮 淳 at 22:00│Comments(2)
│温泉雑話
この記事へのコメント
正しい情報が無い訳ですから 仕方が無いかと?
勿論 消費者が悪いと個人的には 思いますが
情報の質を 検証したり自分で分析する習慣が無いのですから
今の 日本人は退化してますね
追伸
盗撮はしてませんが
盗測はしてました
ご免なさい。
発表する気は ありません。
勿論 消費者が悪いと個人的には 思いますが
情報の質を 検証したり自分で分析する習慣が無いのですから
今の 日本人は退化してますね
追伸
盗撮はしてませんが
盗測はしてました
ご免なさい。
発表する気は ありません。
Posted by momotaka at 2013年09月09日 12:27
momotakaさんへ
温泉自体が、珍しくなくなってしまったのかもしれませんね。
昔は、「お湯に入らせていただく」「宿に泊めていただく」 という感謝の気持ちがありました。
いつしか、お金を払う人が一番偉い世の中になってしまいました。
温泉自体が、珍しくなくなってしまったのかもしれませんね。
昔は、「お湯に入らせていただく」「宿に泊めていただく」 という感謝の気持ちがありました。
いつしか、お金を払う人が一番偉い世の中になってしまいました。
Posted by 小暮 at 2013年09月09日 19:55