2013年12月09日
かーちゃん床屋
髪を切りました。
かーちゃん床屋です。
結婚して27年間。
ずーーーーっと、僕の髪の毛は、家内が切ってくれています。
もちろん、3人の子どもたちも、床屋や美容院を知らずに育ちました。
恥ずかしいのでしょうかね。
息子は20歳を過ぎてから、かーちゃん床屋を卒業して、今風のカットハウスへ行き出しました。
でも、その代わり、孫が長女に連れられて、「ばーちゃん床屋」 へ来るようになりましたよ。
きっかけは、30年前。
僕が家内に出会ったとき、彼女は美容学校の学生でした。
やがて美容室に勤めるようになり、我が家にも遊びに来るようになりました。
ある日のこと、
「お前の彼女、美容師だって? だったらオレの髪、切ってくれよ」
とオヤジに言われ、彼女がハサミを持って、遊びにやって来ました。
その時の印象が、とっても良かったんですね。
「ああ、こういう娘が奥さんなら、いいなぁ~」
って。
でも、そう思ったのは、僕だけじゃなかったんです。
オヤジもオフクロも、同じことを思ったようです。
あれから30年・・・
今でも家内は、ときどき僕の実家へ、両親の髪を切りに行ってます。
「よめさん床屋」 です。
で、27年間、一度も床屋へ行ったことがないのか?と言えば、実は2回だけあります。
どんな時って、そりぁあ……
ケンカをした時に決まってますよ。
でも、やっぱり、いくらプロでも他人だと、なんだかシックリこないんですよね。
仕上がりに、文句も言えないし。
「前髪は短く、横は薄くして、後ろは長めで」
と言えば、
「バランスっていうもんがあるのよ。うるさいこと言うんなら、よそへ行きなさいよ」
と返ってくるのが、毎度のこと。
仕上がりを鏡で見て・・・
「もー、言ったとおりに切ってないじゃん。短過ぎるよ!」
と文句を言えば、
「だから、よそへ行きなさいよ。はい、後のそうじ、よろしくね」
と、ホウキとチリトリを手渡されるのが常です。
夏は、日陰を見つけて。
冬は、日だまりを探して。
ネコの額ほどの小さな庭に、イスを出して、チョッキン、チョッキン、
かーちゃん床屋が始まります。
「こんにちわ。あーら、仲良くて、いいわね。奥さんの床屋さんですか」
近所の人たちが声をかけて通ります。
「いやいや、これが本当の “髪結いの亭主” ですよ」
なーんて、照れ隠しで答えます。
きっと、息子には、これが耐えられなくなってしまったんでしょうね。
「その髪、どこで切っているの?」
って、彼女や友だちに訊かれて、
「かーちゃん床屋」
とは、答えられませんものね。
家内は今はもう、美容師ではありません。
とっくに辞めてしまって、別の仕事に就いています。
それでも、
「家族の髪を切るのが、私の夢だったから」
と言って、うれしそうにハサミを動かしてくれます。
今日、ふと、怖い考えになりました。
もし、僕より家内のほうが先に死んじゃったら、僕の髪の毛は、誰が切るんだろうか……
って。
だって、新しく床屋さんを探して、髪を切りに行くなんてこと、とてもじゃないけど僕には勇気がありません。
て、いうことは、何がなんでも、僕のほうが先に死ぬしかありませんね。
そのほうが、家内にとっても、幸せだと思うんですよ。
だから、家内に長生きしてもらわなくてはなりません。
でも、そのためには、僕が、もうこれ以上、心配事を増やさないということです。
う~ん、これが、一番難しい・・・
人生、もう少し、ヤンチャをしていたいのであります。
Posted by 小暮 淳 at 21:46│Comments(2)
│つれづれ
この記事へのコメント
最近は、普通の美容院と1000円カット併用です。
初めはおっさん?てきな感じがありましたが、なれれば安くてお得ですね!
山田べ○子さん情報
知ってましたか?
現在、関西在住でご結婚されて出産まじかなのか生んだのか?
ブログされてます。
専業主婦ということで、新しい人生を歩んでます。
初めはおっさん?てきな感じがありましたが、なれれば安くてお得ですね!
山田べ○子さん情報
知ってましたか?
現在、関西在住でご結婚されて出産まじかなのか生んだのか?
ブログされてます。
専業主婦ということで、新しい人生を歩んでます。
Posted by ぴー at 2013年12月10日 14:26
ぴーさんへ
そーでしたか!
結婚をしたのは知っていましたが、お母さんになられるんですね。
雑誌で対談したのは昨年の1月ですから、もう2年近く経ちます。
笑顔が、とっても魅力的な女性でしたよ。
そーでしたか!
結婚をしたのは知っていましたが、お母さんになられるんですね。
雑誌で対談したのは昨年の1月ですから、もう2年近く経ちます。
笑顔が、とっても魅力的な女性でしたよ。
Posted by 小暮 at 2013年12月11日 20:28