2013年12月15日
オヤジが消えた!?
つかの間の休息です。
一時帰宅しました。
昨日から明日までの3日間、またしても実家に泊まりこんで両親の面倒を看ています。
ふだんはアニキが常駐してくれているのですが、東京の自宅へ帰ったため、僕がヘルパーをしています。
オヤジは、89歳。
体は健康ですが、頭が不自由です。
オフクロは、86歳。
頭の回転も良く、口も達者ですが、足が不自由です。
よって、2人だけにすることはできません。
朝、昼、晩の食事は、僕が作りに行ってます。
でもね、これが、張り合いがないんですよ。
特にオヤジは、一生懸命作っても、ふた口、み口食べるだけで、残してしまうんですから。
そのくせ、せんべいやキャラメルを隠し持っていて、間食をしているのですから、僕だってついつい大声を上げてしまいます。
「そんなもんばっかり食べているから、飯を残すんだよ! 全部、取り上げるからな!」
と怒鳴れば、
「ごめんよ、ごめんよ」
なんて、悲しそうな目をしてあやまるのです。
オフクロは、僕の料理を 「おいしい、おいしい」 と言って、しっかり食べてくれるのですが、とにかく口がうるさいんです。
「昼は焼きそばを作るけど、いいね?」
と言えば、
「焼きそば? わたしは、おしる粉がいい」
だなんて、ちょーワガママなことを言います。
注文が多いオフクロと、何も言わないが料理を残すオヤジ。
どちらも非常に、骨が折れます。
で、今日の昼のこと。
僕が買い物からもどると、オヤジがいません。
「あれ、じいさんは? 散歩かい?」
オフクロに訊けば、
「あれ、おかしいね。今日は15日だから人丸様へ、お参りに行ってもらったんだけど、帰ってこないね」
人丸様とは、町内の氏神様です。
信心深いオフクロは、毎月1日と15日は必ずお参りに行っているのですが、足を悪くしてからは、オヤジが行っているようです。
「ちょっと見てきてくれないかい。心配だからさ」
と言われれば、行かないわけにはいきません。
ボケ老人のオヤジですが、足だけは丈夫です。
2時間くらいは、平気で市内を徘徊しています。
ただ、不思議なことに、一度も迷子にはなっていません。
(もしもの時のために、名前と住所と電話番号が書かれた札が杖に付いています)
神社までの道のりは、ほんの4~5分。
もしかしたら、お参りを忘れて、別の所へ行ってしまったのかもしれません。
とりあえず、神社までたどることにしました。
神社の境内では、町内の子どもたちが集まって、餅つき大会が行われていました。
イヤな予感がします。
恐る恐る、人だかりへと近づいてみると・・・・
やっぱり、いました!
群れの中に、1人だけヨーダのような格好をした老人が!
手には何かを持っています。
「じいさん、何をしているんだよ?」
と問えば、
「分からんけど、みんなが食べていけっていうから・・・」
と、手にした皿を見せました。
餅、です。
それも、辛味ときな粉の2種類。
「おじいさん、良かったですね。息子さんが迎えにきましたよ」
と、割ぽう着姿の婦人。
聞けば、自分からやってきて、ちゃっかり食事までいただいたようです。
「じいさん! ダメじゃないか。勝手に知らない人たちの中に入って、飯まで食って!」
また、ついつい大声で叱ってしまう僕。
「ごめんよ、ごめんよ」
と、ひたすら詫びる父。
あーあ、いつから親子の立場が、こんなにも逆転してしまったんでしょうね。
もう二度と、オヤジが僕を叱ることは、ないんでしょうね。
オヤジを連れて帰りながら、遠い昔に同じ神社の境内で、夜遅くまで遊んでいた僕を迎えに来たオヤジに怒られたことを思い出していました。
Posted by 小暮 淳 at 20:50│Comments(2)
│つれづれ
この記事へのコメント
お父上はお散歩ですね。
自宅のまえのおばちゃんが徘徊を始めて、毎日うちに来ます。
時には、手に包丁を持って!(怖)
かんべんしてくれよーーーみたいな(笑)
自宅のまえのおばちゃんが徘徊を始めて、毎日うちに来ます。
時には、手に包丁を持って!(怖)
かんべんしてくれよーーーみたいな(笑)
Posted by ぴー at 2013年12月17日 14:13
ぴーさんへ
“子どもを叱るな来た道だ。老人を笑うな行く道だ。”
ですね。
おばちゃんの話し相手になってあげましょう!
“子どもを叱るな来た道だ。老人を笑うな行く道だ。”
ですね。
おばちゃんの話し相手になってあげましょう!
Posted by 小暮 at 2013年12月17日 18:13