2014年05月09日
またしても幽霊文
まったくもって、不気味で気持ちが悪いのであります。
またしても今日、僕の前に現れました。
幽霊文!
読者の方は、覚えていますでしょうか?
以前、このブログで、筆者名のないエッセーが新聞や雑誌に掲載されている話を。
(2013年6月29日「さまよう幽霊文」参照)
一人称で書かれているのに、“どこ” の “だれ” が書いているのか分からない記事のことです。
本来、新聞や雑誌の記事は、特定の筆者名を載せない限りは、すべて三人称の文体でなければなりません。
「うれしい」「悲しい」 などの感情や、「おいしい」「まずい」 などの嗜好は、NGです。
無記名なのですから、当然です!
新聞の記者や雑誌の編集者、フリーのライターは、それに徹して文章を作成しています。
が今日、某新聞紙上で、またしても幽霊文がさまよっていました。
「三都の魅力」 と題した、大阪・神戸・京都をめぐる旅のエッセーです。
“エッセー” の形態をとった時点で、旅人の存在を明確にするのがルールです。
なのに、誰が旅したのか? 男性なのか、女性なのか? 若い人なのか、年配なのか? 完全にシークレットの文章でした。
大阪では<道頓堀を往復する「とんぼりリバークルーズ」に乗船し><グリコの巨大看板などコテコテの風景を満喫した。> といい、神戸では<革細工の財布作りに挑戦し><予想以上の出来栄えに深い満足を覚え>ています。
また、京都では大覚寺にて、<般若心経の写経に挑戦>するも<なかなか思うように書けない>ので、<悟りには縁遠い自分を改めて確認した。> と感想まで述べています。
あ、あ、あなたは、いったい、誰なんですかーーーーーーッ!!!
と、いうことで、久しぶりに幽霊文を読まされ、朝から少々不機嫌な一日を過ごしております。
編集者のみなさん、くれぐれも一人称の文章には、筆者の記名をお願いいたします。
そうでないと、読者は消化不良を起こし、体調を崩す恐れがあります。
ので、あしからず。
Posted by 小暮 淳 at 21:06│Comments(0)
│執筆余談