2014年06月28日
「小山亜兵衛」 の文章術
「小山亜兵衛」 と書いて、「オヤマアヘエ」 と読みます。
でも、人の名前じゃありませんよ。
正しくは、「オヤ、マア、ヘエ」 です。
これは、僕がライターとして文章を書くときに心がけている文章術のようなもの。
雑誌や新聞の記者ならば、誰もが駆け出しの頃に先輩に叩き込まれる文章作成の “三種の神器” であります。
読者に、まず 「オヤ」 と思わせ、次に 「マア」 と驚かせ、最後に 「ヘエ」 と感心させる記事でなくてはならない!ってね。
一般的に言われいてる “起承転結” のことですが、コラムやエッセイは短文が多いため、そこまで完全な文章法を使いこなせません。
そこで、即戦力となるのが 「小山亜兵衛」 であります。
と、いっても、僕が勝手に覚えやすくするために、「小山亜兵衛」 って名づけたんですけどね。
たとえば現在、朝日新聞の群馬版に毎週連載中のコラム 『小暮淳の温泉考座』。
文章量は、高々800字程度です。原稿用紙に換算して、たったの2枚。
この字数で、問題提議をして、読者に興味を持たせ、最後は感心させなくてはなりません。
毎回、なかり頭を悩ませています。
今週の水曜日に掲載されたコラムでは、一軒宿の温泉地について書きました。
見出しは 「温泉は生きている」 「一軒宿に魅せられ感じた」 と付いています。
なんで僕は、一軒宿の温泉ばかり取材しているのか?
これが、「オヤ」 です。
そして、何軒も宿のある温泉地は、一軒の宿が廃業しても温泉地自体がなくなってしまうことはないが、一軒宿が廃業してしまうと、温泉地までもが地図から消えてなくなってしまう事実が、「マア」 です。
でも、消えてなくなる温泉地もあれば、後継者が現れて復活する温泉もあり、また新たに掘削して誕生する温泉地もある。まさに温泉は生き物のようである。が 「ヘエ」 ということになります。
これが、3段落ちの文章術 「小山亜兵衛」 です。
ぜひ、みなさんも文章を書くときの参考にしてみてください。
Posted by 小暮 淳 at 19:50│Comments(0)
│執筆余談