2014年08月15日
69年後の子どもたちへ
今日、69回目の終戦記念日を迎えました。
“戦争を知らない子どもたち” も、今やおじいちゃん、おばあちゃんとなり、この国全体が “戦争を知らない国民” だらけになろうとしています。
年々、戦争を体験した人たちの数も減って、生の声がだんだん聞かれなくなりつつあります。
今日は、そんな終戦記念日に合わせて出版された本をご紹介します。
上毛新聞社から出版された吉川廣和著 『はだしっ子』 です。
※(「吉」 の字は、正しくは上の 「士」 が 「土」 です)
読者の皆さんは、覚えているでしょうか?
先月、僕は著者の吉川氏をインタビュー取材しました。
※(詳しくは、当ブログの2014年7月31日 「著書に会う」 参照)
氏は、群馬県旧箕郷町(現・高崎市)生まれ。
DOWAホールディング㈱ の元会長で、2007年に出版した 『壁を壊す』(ダイヤモンド社) はベストセラーになりました。
農家の6番目の末っ子として生まれ、3歳の時に終戦を迎えます。
この本は、太平洋戦争直後の貧しい時代を生きた小学校時代の6年間の記録です。
氏はインタビューで、このように話しています。
<70歳を過ぎて人生を振り返ると、少年時代の重要さが分かってくる。戦後のあの貧しい時代を作ったのは大人たちだったんだと……。
「戦争反対!」 なんて軽々しく言うと言葉だけが踊ってしまうけど、生々しい姿を描くことで、今の子どもたちが 「やっぱり戦争はやめようよ」 と思ってくれたらいいね。>
そして、大人たちにも、こんなメッセージを贈っています。
<国家が豊かなら贅沢もいいでしょう。でも日本の財政が破綻している中での国民の贅沢は、さらにこの国を窮地に追い込みます。
我慢のできる範囲でいい。今一度、立ち止まって考えてみてほしい。次の時代を担う子どもたちのために……。>
戦前、戦中のことを著した書物は数多くありますが、終戦直後の庶民の暮らしを描いた本は少ないと思います。
日本の未来が危うい現代だからこそ、いまを生きる子どもたちと親たちに読んでほしい1冊です。
●『はだしっ子』(上毛新聞社刊、本体1,100円+税) は、最寄りの書店または上毛新聞取り扱い新聞販売店でお求めになれます。
Posted by 小暮 淳 at 21:21│Comments(0)
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