2015年04月16日
メニューのない店
JR高崎駅西口から徒歩約20分。
住宅街の一角、青いトタン屋根をのせた長屋の一室。
ここが我らのNPO法人 『湯治乃邑(くに)』 事務所であります。
築ウン十年の昭和の香りがプンプンするあばら家です。
すきま風は入るし、雨もりもするけど、文句はありません。
だって、家賃はタダなんですから!
世の中には奇特なお方がいるもんで、僕らの活動に賛同して、無償で提供してくださったのであります。
昨日は、月例の役員会でした。
僕は、ここの理事長を務めています。
「すぐ近くに、安くて、いい店をみつけたんですよ」
と、役員の1人。
その言葉に他の役員も、「だったら次回の会議は夕方からにして、その後は・・・」
ということになり、いつもは2時からなのに、昨日は4時から会議となりました。
1時間半の会議を終えて、事務所の外へ。
まだ、お天道様は頭の上です。
でも、そんなの関係ねぇ~♪
と歩くこと、たったの1分!
事務所の角を曲がったところに、へ~! 居酒屋があるなんて!
“燈台もと暗し” とは、まさにこのことです。
店の名前は、「TのU」。
なんとも店名らしからぬネーミングであります。
のれんをくぐると、カウンターと小上がりがあるだけの小さな店内です。
カウンターのイスは5脚。でも、うち2脚は荷物が占領しています。
ま、僕らは3人ですからカウンターへ。
「とりあえず、ビール」
と言えば、
「ハートランドとバドワイザー、どっちがいい?」
歳の頃、50代半ばの飾り気のない、でも親しみのある長身のママが応えます。
ほほほ~、ドライでもラガーでもないんですね。
ハートランドを置いているとは、珍しい。
純和風の庶民的な店の雰囲気とは、なんともミスマッチ!
気に入った! 「ハートランドで」
久しぶりに飲むハートランド。
ホップのさわやかな香りと、キレの良さ。
長雨が続いたので、このすがすがしさは大歓迎です。
で、店内を見渡すと、壁にお品書きはなく、メニューも置かれてません。
どうも、ママにお任せのようであります。
突き出しは、良く味の染みた 「こんにゃくの甘辛煮」。
その後、枝豆にミートボール、チーズ揚げ、ほうれん草のお浸し、いか焼き、たこ焼きと、和洋折衷の小料理が続々とカウンターに並びました。
気に入った! この節操のなさ!
ビールから日本酒に替えて、コップで豪快にグビグビと。
銘柄は 「高清水」。秋田の銘酒であります。
サラリとした飲み心地と、しっとりとした深みのある味わいを楽しみました。
「でさ、店名の 『TのU』 って、意味あるの?」
と訊けば、
「前のオーナーがね、LUNA SEA のファンだったらしいのよ。面倒くさいから、看板はそのままなの」
なるほど、ルナとシーの和訳なのね。
でも、そのままというのがママの人柄なんでょうね。
細かいことには、こだわらない。
料理の注文も受けない。
メニューのない店って、好きなんだよな~。
また寄ろうっと!
ほろ酔い気分でトボトボと、雨上がりの街を歩きながら駅へと向かいました。
Posted by 小暮 淳 at 12:28│Comments(0)
│酔眼日記