2015年11月28日
失業のすすめ
先日、さる友人から 「会社を辞めたい」 との相談を受けました。
彼は40代半ば。もちろん、妻も子どももいる家庭人です。
年齢を考えると、かなり思い切った決断です。
僕が会社を辞めて、フリーの世界に飛び込んだのは、37歳の時でした。
決して若くはありませんでしたが、自分的には妥当な時期だったと思っています。
ただ、その前年にマイホームを建ててしまったため、経済的な負担は想像以上なものがあり、かなり家族には苦労をかけてしまいました。
それでも今となれば、あれが “人生のターニングポイント” だったのであり、思い切って決断して良かったと思います。
ま、誰にでも人生には多かれ少なかれ、ターニングポイントがあるものです。
もちろん、それは年齢に関係なく、突然、やって来ます。
彼の場合、1つだけ気になることがあります。
それは、会社を 「辞める」 とは断言せずに、「辞めたい」 と希望を告げていることです。
そして、何よりも心配なのは、辞めた後の人生設計が描かれていないことです。
まだ独身で、20代の若者だったら、とりあえず辞めて “自分探しの旅” を勧めますが、彼の場合、抱えている現実が大き過ぎます。
それで本人も悩んでいるようでした。
でも、たった一度の人生なんですよね。
このまま苦痛な環境の中で定年退職まで過ごすのか、1回リセットして、やり直すのか?
「誰に相談しても引き止められました。小暮さんだけですよ、賛成してくれたのは」
と、半分うれしそうに笑う彼。
でも、半分は不安におびえています。
無責任のようですが、僕は 「辞めちゃえば」 と助言しました。
だって人生は、いつだって二者択一だもの!
得るものがあれば、失うものがあるのが世の常です。
だから、きっと彼も世間体と安定を失った代償に、別のかけがえのない何かを得ると思うのです。
また、失ってみないと分からないことって、人生にはたくさんありますものね。
でも、正直言って僕は、ちょっぴり彼が羨ましかったのであります。
だって、彼には今までとまったく違った人生が、これから始まる可能性があるのですから!
ハラハラ、ドキドキもするけど、なんだかワクワクしてきます。
数年後、彼はどんな人生を歩んでいるのでしょうか?
楽しみに見守っていたいと思います。
Posted by 小暮 淳 at 21:59│Comments(0)
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