2016年04月06日
表紙会議
前回、本の出版は 「登山」 に似ていると書きました。
そして、最後の原稿 「あとがき」 を残すだけとなり、現在、八合目まで登ったところだと。
おかげさまで、ついに昨晩、その最後の原稿を書き上げ、ようやく山頂に立つことができました。
ところが山頂の絶景を楽しむのも束の間、早くも下山のしたくにかかることになりました。
登山とは、ピークを制覇することではありません。
無事に下山をして、家までたどり着いてこそ、その登山は成功したと言えるのです。
本の出版も同じこと。
原稿を書き上げただけでは、いつまで経っても本は出版されません。
デザインされ、校正され、印刷され、製本されて、初めて販売されるわけです。
この工程を僕は、「登山」 に対して 「下山」 に例えています。
で早くも、表紙会議が開かれました。
表紙会議とは、デザイナー、ディレクター、編集者、そして著者が一堂に会して、本のタイトルおよび装丁を決定する会議です。
すでにタイトルは決まっていますから、その字体をどうするか? 文字の大きさや色、位置などを徹底的に話し合います。
そして、何よりも肝心要なのが、表紙の写真とデザインです。
すでにデザイナーより持ち込まれた表紙のサンプルが数点、会議室のテーブルに並べられています。
実は僕も、この時初めて、写真を見ました。
もちろん、どこの温泉で撮影されたかは事前に知らされていましたが、その出来栄えは、想像以上の迫力で感動しました。
「おおおー、いいですね! ヤツもやるなぁ~」
と僕が感嘆の声を上げれば、
「ええ、今回は彼も粘りに粘ってくれましたからね」
とディレクターも満足そうであります。
今回、表紙写真を撮ってくれたのは、カメラマンの酒井寛氏です。
最後に彼と組んだのは2013年に出版した 『みなかみ18湯〔下〕』(上毛新聞社) ですから、3年ぶりの同級生コンビとなります。
そうなんです!
僕と彼は、小学校~中学校の同級生であり、現在は同じバンドのメンバーでもあります。
ま、そんなツーカーの仲ではありますが、それでも期待以上の出来栄えに、僕も大満足であります。
さてさて、登山は上りよりも下りのほうが危険が伴います。
上りは勢いで駆け上がってしまいましたが、下りは慎重に、かつ丁寧に下りなくてはなりません。
そして下山口までたどり着き、振り返ったときに見上げる山の大きさに、そこはかとなく達成感と充足感を感じるものなのです。
残り1ヶ月半……。
ゆっくりと下り始めます。
Posted by 小暮 淳 at 13:24│Comments(0)
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