2016年05月21日
湯端温泉 「湯端の湯」④
僕が理事長を務めるNPO法人 『湯治乃邑(くに)』 が、設立から2年目を迎え、2度目の総会が開催されました。
「どうせやるなら 『湯治乃邑』らしく、温泉でやりませんか?」
という役員の発案に、
「いいですね。そうしまょう! で、どこでやりますか?」
「それは理事長が決めてください。専門家なんですから」
と言われ、
「分りました。だったら 『湯治乃邑』 らしく、湯治場でやりましょう!」
「湯治場?」
そうです。
観光温泉がはびこる現代において、かたくなに湯に入ることだけにこだわった宿は、温泉大国群馬といえども数えるほどもありません。
「湯端にしましょう! あそこは、完全なる現代の湯治場です」
ということで昨日は、牛伏山のふもとで明治時代から地元の人たちに愛されてきた湯端温泉 「湯端の湯」(高崎市) に、メンバーが集まりました。
「こんにちは、お久しぶりです」
といっても、3代目主人の桑子済(とおる) さんには、半年前に新刊 『西上州の薬湯』(上毛新聞社) の取材でお会いしています。
「その節はありがとうございました。本が届きました!」
「それは良かった。書店には、まだ並んでいませんからね」
部屋には、すでに副理事のAさんが到着していました。
「とりあえず、乾杯しましょう!」
と、来る途中で買い込んできた缶ビールで景気づけの一杯を。
そうなんです。
ここは、素泊まり専門の宿なんです。
だから飲食は、すべて客が用意するのです。
廊下には、各部屋用の冷蔵庫があり、電子レンジで食材を温めることもできます。
まさに、現代の湯治宿であります。
ひと息ついて、A氏は離れの 「湯端の湯」 へ。
僕は本館の 「ホタルの湯」 へと、分れて向かいました。
浴室は2つ、どちらも貸切です。
宿泊者は空いていれば、いつでも入れますが、日帰り入浴の場合は事前に予約が必要です。
湯は、ゆで玉子のような匂いのする塩化物冷鉱泉。
塩辛い、弱アルカリ性の湯は、肌にしみ入るようなやさしい浴感があります。
100年以上の昔から、あせもなどの皮膚病に特効があり、飲用すれば胃腸病に効くといわれてきた西上州を代表する薬湯です。
「ほかの人たちは、遅いですね?」
「まだ仕事が終わらんのでしょう」
「では、来るまでやってますか?」
と、ビールのロング缶をブシュ。
時刻は、午後5時。
初夏の太陽が、まだサンサンと輝いています。
でもここは、牛伏山系の渓流を渡る風の通り道……。
緑の風を湯上がりの肌に感じながら、総会開始までのひと時を過ごしたのでありました。
Posted by 小暮 淳 at 14:43│Comments(2)
│温泉地・旅館
この記事へのコメント
西上州の薬湯
先日、やっと手にしました
お疲れさまでした、出版おめでとうございます
現在、極秘で温泉旅を計画中でして
某 藤岡の宿はほぼ上がっていましたが、本日の宿も近くにあり、料金は安く、一人下山祝いなのでいいかも
先日、やっと手にしました
お疲れさまでした、出版おめでとうございます
現在、極秘で温泉旅を計画中でして
某 藤岡の宿はほぼ上がっていましたが、本日の宿も近くにあり、料金は安く、一人下山祝いなのでいいかも
Posted by ぴー at 2016年05月22日 11:12
ぴーさんへ
ありがとうございます。
すでに入手したとは、早かったですね。
これを機に、ぜひ西上州の温泉を制覇してください。
ありがとうございます。
すでに入手したとは、早かったですね。
これを機に、ぜひ西上州の温泉を制覇してください。
Posted by 小暮 淳 at 2016年05月22日 13:48