2017年04月26日
上牧温泉 「辰巳館」⑦
2008年の暮れだったと思います。
突然、NHK文化センターより電話がありました。
「来年度の講座の講師をお願いできますか?」
「講師ですか?」
「ええ、里山ハイキング講座です」
当時、僕は高崎市のフリーペーパー 『ちいきしんぶん』(ライフケア群栄) に 「里山をゆく」 という紀行エッセイを連載していたのです。
たぶん、それで連絡が来たのだと思います。
「山登りの講師ですか?」
「はい、いかがでしょうか?」
「いゃ~、山登りは趣味の範疇で素人ですから、お断りします」
と告げたところ、
「では温泉で、新講座の開講はいかがでしょうか?」
あれから丸8年が経ちました。
2009年4月に開講した 「ぐんまの温泉遺産を訪ねる」(現在の講座名は「名湯・秘湯めぐり」) は、今月9年目を迎えました。
そして昨日、今年度の第1回講座が開講しました。
今年度は新受講生を2名迎え、18名でのスタートです。
第1回目ということもあり、ちょっぴり豪勢にしたくって、温泉大使の職権を乱用させていただきました。
訪ねたのは、4代目主人の深津卓也氏が、みなかみ町観光協会長を務める上牧温泉 「辰巳館」 であります。
「お待ちしていました」
「ようこそ、お越しくださいました」
バスが玄関前に着くと、ズラリとお出迎えの列が!
旅館のスタッフだけかと思ったら、観光協会の専務や職員までもが並んでいるではありませんか!
「これは、驚きました。すごい熱烈歓迎ぶりですね!」
「そりゃ~、温泉大使様のお出迎えですから(笑)」
いやいや、“たかが大使、されど大使” なのであります。
その歓迎ぶりには、僕よりも受講生たちのほうが驚いていました。
「温泉講座っていうのは、毎回、こんなにも歓待を受けるのですか?」
今回から参加の新入生に訊かれ、
「いや、その、あの……。これはビギナーズラックというやつですね。毎回は期待しないでください」
と、あわてふためく僕でした。
午前中は、男性が山下清画伯の壁画があることで有名な 「はにわ風呂」、女性が露天風呂のある 「かわせみの湯」 と 「たまゆらの湯」。
昼食をはさんで、午後は男女が入れ替えとなりました。
食事は、宿の名物 「献残(けんさん)焼」。
献残焼とは、その昔、高貴な人に献上した物のおすそ分けを焼いて食べたという上越地方の郷土料理です。
みんなで囲炉裏を囲んで、川魚や地鶏、野菜を焼きながら、和気あいあいといただきました。
もちろん、生ビールや地酒も忘れずにいただきましたよ。
「昼から飲めるって、幸せですね」
「温泉入って、お酒が飲めて、最高の講座です」
と、新入生からの評判も上々でした。
この調子で、今年度も1年間、よろしくお願いいたします。
Posted by 小暮 淳 at 14:33│Comments(0)
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