2017年05月17日
川場温泉 「悠湯里庵」④
久しぶりに川場温泉(群馬県利根郡川場村) の 「悠湯里庵(ゆとりあん)」 に泊まってきました。
どれくらい久しぶりなんだろうと調べてみたら、2010年12月に僕が講師を務める野外温泉講座で行って以来だったのです。
その年は 『群馬の小さな温泉』(上毛新聞社) を出版した年で、本や雑誌の取材で何度も訪ねています。
昨日は、報道・旅行関係者を集めた 「プレスDAY」 が開催され、僕も招待されたのであります。
実は僕、招待状をいただいた時から、すっごく楽しみにしていたのです。
以前、訪ねた時は宿泊棟がまだ、かやぶき民家を移築した4棟(8部屋) だけだったのですが、3年前に別館(10部屋) がオープンしたのです。
で、その別館 「悠山」 というのが裏山の急斜面に建てられていて、な、な、なんと! モノレールに乗って行くのです。
その話を聞いたときから、一度乗ってみたくて、この日を待ちわびていたのであります。
日本百名山の一座、武尊山(ほたかさん) に湧く川場温泉は、昔から 「脚気(かっけ)川場」 といわれ、脚気患者が多く湯治に訪れていた名薬湯です。
こんな伝説が残されています。
弘法大師が諸国行脚の際、この村で食事をとろうとしましたが、どこにも水がなくて困っていると、一人の老婆が遠方より水を汲んできて世話をしてくれました。
その厚意に心を打たれた大師が、杖を地面に立てたところ、温泉が湧き出したといいます。
この湯は 「弘法の湯」 といわれ、今でも湧出地には弘法大師堂が祀られ、尊像が安置されています。
「悠湯里庵」 は、薬師温泉(群馬県吾妻郡東吾妻町) 「旅籠(はたご)」 の姉妹館として、2010年3月にオープンしました。
「旅籠」 同様、見事なかやぶき民家と長屋門が出迎えてくれます。
圧巻は、長屋門の隣に立つ壮大な本陣屋敷。
山形県から移築したという3階建てに匹敵する古典的な兜作りのかやぶき屋敷です。
初めて訪れる人は、そのスケールの大きさと、展示されている調度品などの絢爛さに、感嘆の声を上げるほどです。
ロビーから本館宿泊棟へは、電動カートに乗って移動。
そこからはモノレールに乗って、別館へ。
さらに展望台まで上がれば、川場盆地を見渡すことができます。
ちょうど田植えが始まったところで、四方を山々に囲まれた棚田が、鏡のように空を映していました。
まさに、日本の原風景を一望する絶景です。
その美しさに、ただただ息をのんで、見惚れていました。
夜の懇親会では、初めて会うプレス関係者がほとんどでしたが、何人かは顔見知りのライターや編集者もいて、温泉談義に花を咲かせてきました。
もちろん、pH9.2の強アルカリ性を誇る源泉かけ流しの内風呂も堪能してきました。
久しぶりに取材から離れて、のんびり温泉と宿を満喫した一日でした。
Posted by 小暮 淳 at 21:26│Comments(0)
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