2017年06月29日
なぜにあなたはHへ行くの?
一見客 「ネットに、安くて、可愛いママがいる店だって出ていたものですから……」
常連客 「あいにく今日はママ、休みなんだよ」
一見客 「そうなんですか……。それは残念です」
客の会話をカウンターの中で聞いていたママの心の内は、いかばかりだったのだろうか?
ご存知、我らのたまり場、酒処 「H」 でのエピソードであります。
毎夜毎夜、気の置けない飲兵衛たちが、三々五々と集まってまいります。
山梨県へ仕事で行った帰り。
前橋駅前に降り立って、時計を見れば、午後6時半。
まっすぐ家に帰るには、まだ明る過ぎます。
そんな時、僕は迷わず、Hへ向かいます。
「で、ママは、なんて言ったのよ」
「私は、チーママですって言ったわよ」
同席していた常連客から、ドッと笑いが沸きあがりました。
「その一見のお客さん、本当に、ママは休みだって信じたのかな~?」
「どうだかね」
「でもさ、これでその客は、もう1回は来るね。“可愛いママ” に会いに」
爆笑!
枝豆に冷や奴、焼き魚を突きながら、キーンと冷えた生ビールを流し込む。
う~ん、しみるしみる五臓六腑に、しみわたる。
「ジュンちゃん、次はどうするの? もう1杯、ビール?」
「いや、ヒヤにする」
冷蔵庫から取り出される一升瓶。
それがそのまま、デ~ンとカウンターの上に置かれます。
銘柄は、H御用達の 「乱」。
飲兵衛にはたまらない、スッキリとした辛口であります。
♪ ヤッテマレ ヤッテマレ ヤッテマレ ヤッテマレ ♪
誰かが歌う、北国の祭り唄
飲むほどに、酔うほどに、ほろほろと心が、ほどけてゆくのです。
ママ、一見のお客さん、また来るといいね。
Posted by 小暮 淳 at 14:54│Comments(0)
│酔眼日記