2017年09月01日
起承転結の 「結」
僕は電車に乗るとき、必ず駅の売店で新聞を買います。
雑誌でも、なんでもいいんですけど、活字を目で追っていないと落ち着かないのです。
長距離の移動になると、新聞では活字の量が足りませんから、文庫本を持って行きます。
が、「あれ、忘れた!」 と先日は、家を出てから文庫本を持たなかったことに気づきました。
東京までの往復約4時間。
間が持てるわけがありません。
すぐに、書店に駆け込みました。
でも、電車の発車時刻まで、あまり時間がありません。
所要時間は、わずか5分!
もう、衝動買いしかありません。
なんでもいいから面白そうな本を……と、店頭の平積みを眺めていると……、真っ先に目に飛び込んできたタイトルが、
『弘兼流 60歳からの手ぶら人生』(海竜社)
著者は、漫画家の弘兼憲史さんです。
『課長島耕作』 や 『黄昏流星群』 などで知られる有名な漫画家ですが、僕のお気に入りは、なんといっても 『人間交差点』 です。
その昔、全シリーズをコンプリートとし、今でも時々、書庫から引っ張り出して来ては読んでいる “人生のバイブル” であります。
迷うことなく本を手に取り、レジへ向かい、駅へと急ぎました。
マイッタ~!
電車に乗って、ページを開くなり、カウンターパンチを食らってしまいました。
第1章の第1項から、いきなり <60歳というのは起承転結の「結」に突入する年齢です> と始まるのです。
<現在の日本人の平均年齢は、男女ともに80歳を超えています。(中略) 物語的に言えば完全に終盤。いよいよ仕上の時の始まりです。> と。
さすが漫画家らしく、<漫画も人生もエンディングが大事> だと “結末” の大切さを分かりやすく述べています。
人生を4分割すると、
生まれてから20歳までが、「起」。
20歳から40歳までが、「承」。
40歳から60歳まで、「転」。
そして、残りの人生が 「結」 ということになります。
いよいよ僕も来年は、還暦です。
人生の結末を考える時がきました。
振り返ってみると、それなりに生きてきたような気がします。
表現することに目覚めた10代。
表現することを始めた30代。
表現を伝えることを知った50代。
なんとか、起承転結の転までは生きてきました。
さて、問題は最難関の 「結」 であります。
終わり良ければ、すべて良し!
自分は、どうやって、この人生を締めくくるのだろうか?
と、あれやこれやと考えていたら、電車は東京に着いてしまいました。
ま、80歳までは、あと20年もありますので、ゆっくり考えることにします。
Posted by 小暮 淳 at 14:14│Comments(0)
│つれづれ