2017年11月06日
「いまに見ていろ!」 の今
歳を重ねるということは、涙もろくなるということのようです。
それも、くやし涙が止まりません。
この秋にスタートしたTBS系列のテレビドラマ、日曜劇場 『陸王』。
原作は、『半沢直樹』 や 『下町ロケット』 シリーズで人気の作家・池井戸潤さんです。
主人公は、老舗足袋業者の4代目社長。
演じるのは、群馬県民には映画 『眠る男』 で主演を演じた馴染みの俳優、役所広司さん。
足袋の需要が減少の一途をたどる中、会社の存続を賭けてランニングシューズの開発に挑みます。
役所さんの演技に、やられっぱなしです。
目を潤ませて語る、一語一句。
「今やらずして、いつやるんだ!」
「俺は、社員を信じている」
語るたびに、涙がこぼれます。
オレって、こんなに涙もろかったっけな?
テレビを見ていて、何度も自問しました。
悲しいからじゃありません。
くやしいから、その、くやしい思いが主人公から伝わってくるんですね。
たぶん、自営業やフリーランスで生きてきた人ならば、分かると思います。
多かれ少なかれ、くやしい思いを飲み込んで生きていますからね。
幾度となく、「いまに見ていろ!」 という捨てゼリフを吐いたことでしょう。
でもね、僕が一番感情移入をするのは、主人公ではないんです。
主人公に思いを寄せて、開発に力を貸す飯山という人物。
名優、寺尾聰さんが演じます。
彼は過去に、繭で作られた特殊素材の開発のために私産を投じて、会社を潰したことがある町工場の元社長。
くやしさは、人一倍持っている人です。
でも年齢を考えると、自力での再起は不可能でした。
そんな時、主人公と出会い、心を動かされます。
「いまに見ていろ!」 の再燃です。
この飯山という男、原作では前橋生まれなんですね。
そして、作中でポイントとなる新素材の開発は、群馬の産業である養蚕と製糸に深く関わっています。
また先日は、群馬県庁前でエキストラ7,000人を集めたドラマのロケも行われました。
よりドラマが身近に感じられ、熱い思いが伝わってきます。
実は僕、若い頃から 「いまに見ていろ!」 が口ぐせなのです。
若い時は先が長いので、いくらでも口にできたんですけどね。
還暦間近になると、だんだん臆病になって、言葉にするのをためらってしまいます。
「いまに見てろ、いまに見てろって、いったい今って、いつなのよ! そのうち死んじゃいますよ」
何度、家人に言われたことか……
でも、このドラマは教えてくれました。
それは、「今でしょ!」 ってね。
さあ、自営業およびフリーランスの中高年のみなさん!
ネバー・ギブアップですぞ!
いま一度、情熱の炎を燃やしましょう!
Posted by 小暮 淳 at 12:13│Comments(0)
│つれづれ