2017年11月30日
ブリっと、シャブっちゃいました!
“贅沢” とは、稀にあることだから 「ぜいたく」 なんですね。
6年ぶりに、寒ブリが届きました。
※(前回の贅沢は、当ブログの2011年12月11日「ブリを食い月を食う」参照)
そもそも海なし県に暮らす僕らにとって “海鮮物” は、贅沢以上のものでした。
現在のように流通経路も冷凍技術も未発達の時代のこと。
子どもの頃に食べたことのある魚なんて、塩ジャケとタラコくらいのものです。
大人になってからだって、大差はありません。
山で出されるマグロの赤身を食べて、喜んでいるレベルですからね。
だもの、寒ブリだなんて……
6年前のあの日、誰もが初体験をしました。
「こんな、うまいものが、この世にあったのか!」
「50年以上生きてきて、初めて食った味だ!」
ってね。
その場にいた誰もが、度肝を抜かれたものでした。
あれから6年。
生涯2度目の贅沢が、富山湾からやって来ました。
今回も仲買人は、建築家のY氏であります。
そして、集まったメンバーも6年前と同じ貧乏な面々。
全員が、フリーランスのクリエーターたちです。
とっくに忘れちまっている “贅沢” を求めて、10人が結集しました。
ただ、今回は6年前と1つだけ異なることがあります。
それは会場です。
前回は、メンバーの家でホームパーティー形式で行いましたが、今回は、なななんと! 飲み屋に寒ブリを持ち込んだのであります。
これは、スゴイ!
他の客には絶対に出せない、特別メニューですからね。
僕らのテンションだって、上がりっぱなしです。
「カンパーイ!」
のかけ声も終わらぬうちに、誰もが我先にとブリの切り身に箸を伸ばします。
「うーーーーめーーーー!!」
「うわぁ~、この味だよ」
「とろける~!」
喚声の中、Y氏がうんちくを述べます。
「えー、刺身としゃぶしゃぶでは、部位が違いますからね。食べ比べてみてください」
言われてみれば、確かに違います。
しゃぶしゃぶのほうが、たっぷりと脂がのっています。
「どのくらい、しゃぶしゃぶすればいいの?」
イラストレーターの I 女史の質問に、にわか “ブリしゃぶ” 評論家を買って出たのは、カメラマンのS氏でした。
「8秒ね、8秒! これ以上でも以下でもダメです」
これに対してY氏いわく、
「レアでも、ミディアムでも、その人の好みでいいんじゃないですか?」
ドッと場に笑いが起こったものの、その後は
「イチ、ニイ、サン……、シチ、ハチ」
と、あちらこちらから声が響いたのでした。
「ね、8秒が一番おいしいでしょう!」
と、悦に入るS氏。
それほどに、夢中になれる “食の祭典” でした。
カニを食べると、人は無口になるといいます。
でも、ブリは人を饒舌にするようであります。
次に寒ブリを食せるのは、いつのことでしょうか?
どうか神様、死ぬまでに、もう一度……
貧乏人の願いをかなえたまえ!
アーメン
Posted by 小暮 淳 at 11:58│Comments(0)
│酔眼日記