2018年03月05日
不死鳥のごとく
「大変ですね」
「お母さんの具合、いかがですか?」
この1ヶ月間、たくさんの人から声をかけていただきました。
たぶん、このブログを読んでくださっている方々です。
※(2018年1月29日の「トンカツと温かい手」、2月12日の「小さい手と手」参照)
「病気と寿命は別物だよ」
と気丈に振る舞っていたオフクロでしたが、寄る年波には勝てず、ついに1月、老衰のために入院してしまいました。
病気には滅法強かったオフクロですが、加齢による体力の衰えには、あらがえなかったようであります。
食事がノドを通らなくなり、点滴による生活が始まってしまいました。
「たぶん、もう、帰って来ることはないだろう」
僕もアニキも、今度ばかりは腹をくくって、見守っていました。
と、と、ところが!
なんということでしょう!!
昨日、オヤジを連れて病院を訪ねると……
「ジュン、来てくれたのかい! ありがとうね。あれ、おとうさんもかい。うれしいね」
と、ベッドから起き上がらんばかりに、大きな声を上げ、満面の笑みを浮かべているではありませんか!
「元気そうだね。あれ?」
よく見ると、ベッドの脇に点滴の袋がありません。
「どうしたのよ、点滴がないじゃない?」
「だって、ごはん、食べてるもの」
「えっ、食事しているの?」
「うん、リハビリもしているよ。こうやって、イチ、ニ、イチ、ニって」
そう言って、腕を上げたり下げたりして見せるのです。
おそるべし生命力!
今日、実家にオヤジを送り届けた際に、アニキに報告しました。
「だろ、あの人の生命力は、ただもんじゃないぞ」
「だね、こっちは、これが最期だと覚悟していたのに」
「あんまり 『家に帰りたい』 って言うもんだからさ、『自分で食事ができなきゃ、帰れないんだよ』 って言ったのが効いているのかもな」
「オフクロ、帰って来る気でいるよ」
「ああ、でも、帰って来たら、それはそれで大変なんだけどな」
介護はつづくよ、どこまでも……
いや、いつかは終わりが来るのでしょうけど……
Posted by 小暮 淳 at 13:59│Comments(0)
│つれづれ