2018年03月31日
大事なことは飲み屋で決まる③
昔、僕が雑誌の編集長をしていた時の話です。
編集会議の内容が、だいぶ煮詰まってきたときのこと。
「よし、ここから先は、飲みながら決めよう!」
突然の僕の言葉に、スタッフ全員、目がテンになっていました。
「さ、行くぞ! 出かける用意して」
「編集長、それって仕事ですか?」
「当然だろう、会議は続いているんだ」
「だったら、会議を終えてから飲みに出かけませんか?」
「バカモ~ン! それじゃ、いい知恵が出ないだろう!!」
ま、そんな具合で、昔から “苦しい時の酒頼み” と言って、たびたび 「お酒さま」 の力を借りては、アイデアをしぼり出して来たのであります。
昨晩は、某紙の社長と編集長と、夕方から高崎の街を流しました。
理由は、1つ。
秘密裏に進めている、さる企画についての検討会議であります。
そんな大切なことを飲み屋で?
昔のスタッフの声が聞こえてきそうですが、昔も今も理由は変わりません。
「お酒さま」 の力を借りて、最良のアイデアをしぼり出そうという魂胆であります。
「乾杯!」
「よろしくお願いします」
「こちらこそ、お願いします」
「さっそくでが、例の件ですが、いかがでしょうか?」
「うちとしては、異論はありません。ぜひ、進めたいと思います」
「ありがとうございます。となれば、今後のスケジュールですが……」
生ビールから始まり、ワイン、日本酒へ。
さらに河岸を替えて、地酒の専門店へ。
飲めば飲むほどに頭は冴えて、饒舌になっていきます。
まるで、酔えば酔うほど強くなる “酔拳” のよう。
「では、これは小暮さんの還暦祝いのプレゼントということで」
春の宵に酔いながら、ゆらゆらと電車に揺られる帰り道。
“還暦” という文字が、ちらつきます。
もう、還暦。
まだ、還暦。
でも、こうして酒を飲める仕事がある幸せ。
まだまだ、夢を追い続けますぞ!
酒が飲める限り…
Posted by 小暮 淳 at 16:53│Comments(0)
│酔眼日記