2018年08月02日
梨木温泉 「梨木館」④
♪ 梨木よいとこ 赤城のふもと 雲の中から お湯が湧く
西条八十作詞による 『梨木(なしぎ)小唄』 の一節です。
作曲は群馬県伊勢崎市出身の作曲家、町田嘉章。
昭和のはじめ、梨木の湯に惚れ込んだ嘉章は、友人の西条八十と訪れて、この歌を作りました。
今日は雑誌の取材で、赤城山南面の山ふところに湧く、秘湯の一軒宿 「梨木館」 に行ってきました。
最後に訪れたのは2013年の12月、拙著 『新ぐんまの源泉一軒宿』 の取材ですから、約5年ぶりとなります。
梨木温泉といえば?
そう! 鉄分の多い “赤い湯” であります。
なぜか、赤城山の南麓には、赤い湯が湧く温泉が多いのです。
※(詳しくは、当ブログ2013年12月25日 「梨木温泉 梨木館③」 を参照)
今日の湯も、レンガの粉を溶かしたような濃厚なオレンジ色をしていました。
内風呂と露天風呂、両方の湯に入りましたが、やはり歴史の古い内風呂は、相変わらず見事です。
何が見事かって?
はい、塩分や鉄分、カルシウムなど、温泉に溶け込んでいる成分が多いため、浴槽の縁はもちろんのこと、洗い場の床までもが、析出物が堆積して、まるで鍾乳洞の千枚皿のように幾何学模様を描いているのです。
まさに自然の造形によるアート!
開湯1200年の時の重さを感じる湯であります。
6代目主人の深澤幸司さんによれば、「にごり湯は汚い」 と敬遠された時代もあったといいます。
でも代々、かたくなに 「にごり湯じゃなけりゃ、温泉じゃねぇ!」 と守り続けてきた唯一無二の源泉です。
後世へ大切に残したい、群馬の温泉遺産の1つだと思います。
Posted by 小暮 淳 at 19:06│Comments(0)
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