2018年10月26日
風のルーツ
♪ 口笛吹きながら 歩いた小径(こみち)
遠くに霞み見える 越後の山々よ
私は今もなお 忘れはしない
あの日の風の やさしきささやきを ♪
長年、ずーっと気になっていることがあります。
なぜだろう?
なんで、こんなときに、そんな言葉が浮かぶんだろうか?
と……
いつの頃からかは、記憶が定かではありませんが、何十年も前からだと思います。
フッと、ひと息ついたような時、何をするでもなく、ボーっと宙を眺めているような時に限って現れます。
「風」 という漢字です。
それも、漢字が浮かび上がるのではなく、頭の中で、一画ずつ、習字をするように、イチ、二、サン……と、つぶやきながら書き出します。
別に、野外で風に吹かれているわけでもないのに。
場所と時間を選ばず、気が付くといつの間にか、「風」 という字を書いているのです。
これって、なんなんでしょうね?
花占いや夢占いがあるように、もし “漢字占い” というのがあるのなら、占ってみたいものです。
実は今年の夏、ひょんなことから “風のルーツ” を見つけました。
有志たちが開いてくれた 「還暦ライブ」 が、きっかけでした。
30数年ぶりに、昔作った自分の曲のファイルを何冊も引っ張り出して、歌ってみました。
その時、気づいたのです。
タイトルに 「風」 が付いた歌が多いことに……
その中の1曲が、冒頭に記した 『風のささやき』 という歌です。
で、この曲を歌ってみて、分かったのです。
「あっ、だから僕は、“風” が好きになったんだ!」
おのちゅうこう(本名:小野忠孝)、という作家をご存じですか?
群馬県白沢村(現・沼田市) 出身の児童文学者で、詩人です。
代表作に 『風は思い出をささやいた』 という著書があります。
確か、主人公が都会で、故郷への思いを馳せる話でした。
その、きっかけとなったのが、そよ吹く風だったのです。
10代の頃、東京で同郷の作家が書いた小説と出合い、風吹く群馬の景色を思い出していた記憶があります。
きっと 『風のささやき』 という歌も、作家と著書へのオマージュとして作ったのでしょうね。
今年は、おのちゅうこう生誕110年の年に当たります。
書庫を探し回り、“風のルーツ” を確かめたいと思います。
♪ れんげの花摘んだ 少女が微笑(わら)う
川原の土手の上 初恋の人よ
私は今もなお 忘れはしない
あの日の風の やさしきささやきを ♪
Posted by 小暮 淳 at 18:01│Comments(0)
│つれづれ