2018年12月19日
まつだい芝峠温泉 「雲海」
国境の長いトンネルを抜ける前から雪国であった。
群馬は広い!
前橋から1時間走っただけで、一面の銀世界です。
バスの中では、そこかしこから喚声が上がりました。
そしてトンネルを抜けると、その雪の量は増し、「雪国に来た!」 感に、誰もがどっぷりと浸っていました。
僕が講師を務めるNHK文化センターの野外温泉講座も今年で10周年になります。
毎年、この季節は、豪雪地帯の温泉を訪ねるのが、お約束です。
「やっぱり、雪見風呂に入りたいよね」
「そして、湯上がりは雪見酒でしょう」
という受講生らのリクエストにお応えして、今年最後の講座は、新潟県十日町市の 「まつだい芝峠温泉」 へ行って来ました。
なぜ、まつだい芝峠温泉なのか?
雪も見たいが、別の目的がありました。
それは、ホテル名と同じ “雲海” です。
“まるで雲の上にいるような不思議な感覚と幻想的な景色”
そのキャッチコピーに惹かれました。
雲海が出やすいのは、寒暖差の激しい秋と冬。
一年の中で、もっとも雲海が出る確率が高くなるといいます。
今年は暖冬で、昼間はポカポカ陽気の日が続いています。
でも朝晩の冷え込みは例年通りです。
これはチャンス!
そして昨日は快晴に恵まれました。
もしかして、雲海が眺められるかも!?
「先生、露天風呂は、こっちです!」
「すごい眺めですよ」
「絶景とは、まさに、このことです」
内風呂で体を温めた後、雪景色の露天風呂へ。
す、す、素晴らしい!
ビ、ビ、ビューティフル!!
眼下は一面、雪に覆われた棚田が広がり、遠くには日の光を受けて白銀に輝く魚沼連峰を一望します。
左から巻機山、谷川岳、万太郎山、平標山、苗場山……2,000m級の山々が連なります。
あたかも氷山のようにたたずむ真っ白な山が巻機山のようです。
それぞれの山が雪の量によって、微妙に濃淡を変えているため、まるで一幅の水墨画のよう。
「でも先生、残念ながら雲海は見られませんでしたね」
という受講生に僕は、
「ほら、あの山の下を見てください。“海” と言うほどではありませんが、小さな雲のかたまりが、いくつもありますよ。雲海の子供たちです」
「ですね。ハハハ」
湯上がりは、お約束の忘年会であります。
雪見風呂と雪見酒、2つの願いが叶って、受講生たちもご満悦の様子。
今年も1年間、大変お世話になりました。
来年も、名湯・秘湯をたくさん巡りましょうね!
Posted by 小暮 淳 at 14:22│Comments(0)
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