2019年05月29日
どこかで 誰かが⑭ 一族の輪
今年になって2月にオヤジ、今月になってオフクロを見送りました。
ということは、立て続けに葬儀を挙げたということで、小暮一族のみなさんには、大変お世話になりました。
長年生きてきて、こんな短期間に、親類縁者の方々とお会いした年は初めてです。
これもひとえに、すぐにオフクロを呼んでしまった淋しがり屋のオヤジの我がままと思って、お許しください。
「つい最近まで元気そうだったのに、ビックリしました」
と遠方に暮らす、いとこから声をかけられました。
「……?」
なんで、このいとこはオヤジの近況を知っているんだろう?と思っていたら、
「いつもジュンちゃんのブログで、伯父さんと伯母さんのことはチェックしていたのよ」
とのことでした。
他のいとこも、
「叔父さんが亡くなった後も、叔母さんは元気そうだっのにね。施設で歌をうたっていたブログ、読んだよ」
とのことでした。
つれづれなるままに、気ままに書いていたこのブログが、思わぬところで一族の近況報告の場として活用されていたことに、あらためて驚きました。
「ジュンさん、ジュンさんの記事、読みましたよ!」
声をかけてくれたのは、最近結婚した姪の旦那さんでした。
彼は、都内で美容師を営んでいる青年です。
「えっ、東京でかい?」
「はい、うちのお店に置いてある雑誌です。えーと、確か写真に撮ったんだよな……。あっ、あったあった! これです」
と、スマホの画面を見せてくれました。
のぞき込むと、有名な旅行雑誌の表紙が写っていました。
「この中で、ジュンさんの本が紹介されていたんです」
と今度は、拙著の紹介記事が掲載されたページの写真を見せてくれました。
『金銀名湯 伊香保温泉』 小暮淳・著 上毛新聞社/1,296円
群馬の温泉の特集でもしていたのかもしれませんね。
うれしい限りです。
こうやって、どこかで僕の本が紹介されていて、誰かが人知れず見ていてくれるのですから。
「ありがとう」
と言うと、
「エへへ、お客さんに雑誌を見せて、『最近、親戚になった人なんです』 と自慢しちゃいました」
と、照れながらスマホをしまいました。
オヤジとオフクロは、いなくなってしまったけど、一族の輪は少しずつですが広がっているようです。
Posted by 小暮 淳 at 11:00│Comments(0)
│つれづれ