2020年01月14日
源泉ひとりじめ(5) 川と見間違えるほどの巨大な露天風呂に、しばし圧倒された。
癒しの一軒宿(5) 源泉ひとりじめ
宝川温泉 「汪泉閣」 水上町(現・みなかみ町)
「温泉」 という言葉が一人歩きしている昨今、源泉の本当の味わいを知らずに利用している人の、なんと多いことか。
本来、温泉とは地中深くしみ込んだ地下水がマグマに温められ、長い時間をかけて地上へと湧き上がってきた、いわば地球からの恵みであったはず。
その恩恵に浴するために、先人たちは自然に湧出、自噴した場所に温泉地をつくったのである。
敷地内の源泉は4本、毎分1,800リットルという圧倒的な湯量は、伊香保温泉の旅館で使用される総湯量より多いというから、驚きだ。
目の前には、一見、川と見間違えるてしまいそうな大露天風呂が4つ。
すべて合わせると約470畳分という広さに、二度びっくり。
しかし、二つの驚きとびっくりを頭の中で重ね合わせると、納得できてしまうから不思議である。
不思議といえば、一番手前の湯が 「摩訶(まか)の湯」。
脱衣所をはさんで奥が 「般若(はんにゃ)の湯」。
吊り橋を渡った対岸に見えるのが、約200畳という最大の 「子宝の湯」 だ。
この3つは、すべて混浴。
最下流に女性専用の露天風呂 「摩耶(まや)の湯」 がある。
まずは 「摩訶の湯」 に浸かる。
源泉が流れ込む湯口付近では、かすかな硫黄臭を感じたが、川風のせいか湯に入ってしまうと、ほとんど臭いはない。
無色透明の湯は、流れの速い川面と境がつかないくらいに透き通っている。
要所に 「川へは絶対に入らないでください」 の立て札が……。
なるほど、湯舟の縁から手を伸ばせば届きそうなところに宝川の瀬がある。
酔っぱらいは、くれぐれも注意が必要だ。
が、これが野趣に富んだ露天風呂の醍醐味というものだ。
女性はバスタオルを体に巻いて完全武装の入浴だが、男性はそうもいかない。
小さなタオル一枚で前だけ隠して、次の風呂へと移動する。
慣れてくると、裸で露天から露天へとハシゴする解放感に、心まで解き放たれていくのが分かる。
ただ残念なのは、自分が男であることだ。
4つある露天風呂を制覇できるのは、くやしいかな女性だけなのである。
●源泉名:1号井・3号井・4号井・5号井
●湧出量:147~594ℓ/分(動力揚湯)
●泉温:34.8~68.9℃
●泉質:単純温泉
<2004年8月>
Posted by 小暮 淳 at 11:02│Comments(2)
│源泉ひとりじめ
この記事へのコメント
宝川温泉 「汪泉閣」では、下記の様に入浴方法が変わったそうです。
でも、確かに我々は女性専用の場所には行けないですね。
2019年4月1日より混浴大露天風呂の入浴方法について、
男性、女性とも湯あみ着を着用してのご入浴へと変更に
なります。
海外からのお客様の増加、女性のお客様、家族連れの
お客様などより多くのご要望を頂いておりました
男性用の湯あみ着を導入させていただきます。
全てのお客様が安心して混浴温泉をご利用いただけるよう
皆さまのご理解、ご協力をお願い致します。
※個人等の湯あみ着はご利用いただけませんのでご注意ください。
でも、確かに我々は女性専用の場所には行けないですね。
2019年4月1日より混浴大露天風呂の入浴方法について、
男性、女性とも湯あみ着を着用してのご入浴へと変更に
なります。
海外からのお客様の増加、女性のお客様、家族連れの
お客様などより多くのご要望を頂いておりました
男性用の湯あみ着を導入させていただきます。
全てのお客様が安心して混浴温泉をご利用いただけるよう
皆さまのご理解、ご協力をお願い致します。
※個人等の湯あみ着はご利用いただけませんのでご注意ください。
Posted by 田中 学 at 2020年01月14日 11:58
田中学さんへ
ですね。
上記のシリーズは、復刻版として当時の表記のまま掲載していますので、ご了承ください。
今後もシリーズでは、休業や廃業して、すでに営業をしていない(中には建物自体も無い)温泉旅館も登場します。
最新の宝川温泉の記事は、『グラフぐんま』1月号に掲載されますので、チェックしてみてください。
こちらでは、湯浴み着を着て、撮影しています。
ですね。
上記のシリーズは、復刻版として当時の表記のまま掲載していますので、ご了承ください。
今後もシリーズでは、休業や廃業して、すでに営業をしていない(中には建物自体も無い)温泉旅館も登場します。
最新の宝川温泉の記事は、『グラフぐんま』1月号に掲載されますので、チェックしてみてください。
こちらでは、湯浴み着を着て、撮影しています。
Posted by 小暮 淳 at 2020年01月14日 13:46