2020年01月23日
続・宇宙生物 “ケサランパサラン” 現る!?
昨日、昭和52年に読売新聞に掲載されたナゾの生物 「ケサランパセラン」 の記事を紹介しましたが、調べると、その後も読売新聞は、後追い取材を続けていることが分かりました。
前回の記事では、<近く東北大に依頼して、動物か植物か、その正体をつきとめることになった。> と記載されていますが、その結果報告をしています。
ところが、さらに別の学者が異説を唱え、“ケサランパセラン騒動” は、ますますヒートアップしていきます。
「いずみ」 という小さなコラムですが、その後に掲載された興味深い2つの記事を紹介します。
●一見、タンポポのようで、虫かもしれないとしてナゾの生物 「ケサランパサラン」 が話題になっている(本紙八日付朝刊) が、生物生理学の権威、永野為武・東北大名誉教授が十四日、この “物体” の正体は 「不完全菌類のカビの仲間らしい」 と判定した。
「ケサランパサラン」 は直径一、二センチの白い毛に包まれ、中心部に口のような黒点がある。
宮城県・小牛田町、孝勝寺別院に大正七年に二体が飛来。
おしろいを入れたキリ箱にしまっていたが、最近空けたら十五体に増え、おしろいは減っていたという。
十四日、虫メガネで鑑定した永野さんは「おしろいは鉱物だから、栄養にはなりません。カビは自分の栄養分と水分で増殖します」。
となると、おしろいの減った理由がわからない。
しかも、不完全菌類の専門家は東北大におらず、カビの種類は不明。
で、いぜんナゾは残る?
<昭和52年(1977)7月15日 読売新聞23面より>
●宮城県・小牛田町の孝勝寺別院に伝わるナゾの生物 「ケサランパサラン」 は、先に永野為武・東北大名誉教授が 「不完全菌類のカビの仲間らしい」 と判定した(本紙十五日付朝刊) が、今度は国立科学博物館植物研究部の土井祥兌文部技官が 「アザミの種子の冠毛」 と判定した。
土井技官は顕微鏡で調べたもので、中心部に、口のように見える黒い点は、種子が付着していた跡。
死滅した組織だから、環境さえよければ、何年でも保存できるという。
「ケサランパサラン」 が二体から十五体に増えていた点については 「保存している箱の中にだれかが別の冠毛を入れたのでは」 と推理するが、佐々木友義住職は 「大正七年に亡父が二個とらえてキリの箱に入れ、押入れの奥に入れたままだれも触らなかった」 と反論。
やはり正体は 「ケサランパサラン」 (土地の言葉で 「空から飛んで来た得体の知れないもの」 という意味)?
<昭和52年(1977)7月31日 読売新聞23面より>
Posted by 小暮 淳 at 11:41│Comments(0)
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