2020年06月27日
温泉考座 (2) 「日本一のおんせん県」
香川の 「うどん県」 に続いて、観光PRのフレーズとして大分が 「おんせん県」 を名乗り出ました。
それもキャッチコピーは、“日本一のおんせん県” です。
当然ですが、以前から 「温泉県」 として宣伝をしてきた群馬をはじめ、有名温泉地を抱えている県は黙っていません。
「なんで大分が日本一なんだ?」
ということです。
これに対して大分の言い分は、別府や由布院などの有名温泉を抱え、源泉数と湧出量が日本一だからとのこと。
確かに、源泉数は約4,500本とダントツ1位 (群馬は約460本) ですし、湧出量も毎分約29万リットルと桁違いです (群馬は約6万4,000リットル)。
しかし、これが自然湧出の温泉となると、草津温泉が毎分約3万4,000リットルと日本一を誇っています。
有名温泉で比べるならば、群馬県は草津のほかにも伊香保や水上、四万、万座といった名だたる温泉地がいくつもあります。
では温泉地の数では、どうでしょうか?
1位は北海道(約250カ所)、2位は長野県(約200カ所)、3位は新潟県(約150カ所)、群馬県は約100カ所で8位です。
大分県はベスト10にも入っていません。
やはりこれでは、他の温泉県が黙っていないはずです。
日本一といえば、群馬県には草津温泉の自然湧出量のほかにも、標高1,800メートルに湧く万座温泉は、通年車で行ける温泉地としては日本最高地にあります。
総面積約470畳分の巨大露天風呂が源泉かけ流しの宝川温泉、全国でも1%未満という浴槽の足元から源泉が湧く法師温泉。
他にも温泉まんじゅう発祥の地といわれる伊香保温泉や、温泉記号の発祥の地の磯部温泉。
国民保養温泉地の第1号に指定された四万温泉など、枚挙にいとまがありません。
結局、数字で計れないのが温泉の魅力です。
だからナンバーワンである必要もありません。
群馬の温泉は、他では決して味わえないオンリーワンの存在であればいいのです。
<2013年4月10日付>
Posted by 小暮 淳 at 12:16│Comments(0)
│温泉考座