2020年07月03日
虫が来る
花鳥風月……
自然な風が心地好いと感じる僕は、基本、エアコンを使いません。
もちろん、熱中症対策として、仕事部屋には設置されていますが、それでも使用するのは年に数えるほどです。
気温が35℃以上になる猛暑日の日中に作動させるくらいなもの。
そもそも我が家は、市郊外の田園風景の中に建っています。
この時季、水が張られた田んぼを渡る風は、ひんやりとしています。
だもの夜は、窓を開け放ち、自然の風を取り入れて過ごしています。
(ちょっとカエルの鳴き声が、うるさいですけど)
ただ、問題が1つだけあります。
そう、虫です!
それも、網戸をくぐり抜けて入り込む、小さな虫です。
ヤツらは、こうこうと明かりが点いているうちは、活発には行動しません。
「さ、今日は、ここまでにして、もう休もうか」
と、こちらが布団に入り、スタンドの明かりを消した途端、活動を開始します。
ヴーーーーーーーーーン
うとうと、と気持ち良く、寝入りばなに差し掛かった頃、必ず、ヤツらは現れます。
ヴーーーーーーーーーン
手で、耳のあたりを追い払い、あわててスタンドの明かりを点けます。
が、時はすでに遅く、ヤツらは身を隠した後です。
こんなとき僕は、いつも、昔読んだ漫画を思い出します。
泉昌之・著 『かっこいいスキヤキ』
泉昌之とは、2人の作家の共作名です。
作画=泉晴紀、原作=久住昌之
そう、久住昌之さんといえば、人気テレビ番組 「孤独のグルメ」 の原作者でもあります。
この 『かっこいいスキヤキ』 という作品集の中に、「蚊が来る」 という短編があります。
主人公の男が、寝ようとすると、ブーンと現れる蚊と、一晩中、格闘するという話です。
でも、彼の場合、格闘していたのは、正真正銘の “蚊” なのですね。
だから、“吸血” という恐怖と闘っていたわけです。
でも、我が家に毎夜、現れているのは、どうも蚊ではないようです。
もっともっと小さな虫です。
だって一晩経っても、血を吸われたような痕はありませんもの。
「だったら、別に気にしなければ、いいじゃないか」
と思われるかもしれませんが、そうはいかないのです。
ヴーーーーーーーーーン
ヴーーーーーーーーーン
これを一晩中、繰り返されたら、寝不足になってしまいます。
ということで、昨晩も僕は闘いました。
毎晩のことですから、こちらも敵の習性を研究して、行動は把握しています。
ヴーーーーーーーーーン
と羽音がしたら、すかさずライトを付けます。
するとヤツらは、すばやく一番近い壁に止まります。
チャンス、到来!
枕元に用意をしておいた新聞紙で、バシーーーーン!
玉砕、完了!
やれやれ、これで、やっと寝られる……
うとうと、うとうと……
ヴーーーーーーーーーン
1匹じゃ、なかったのかーーー!!!!
Posted by 小暮 淳 at 11:47│Comments(0)
│つれづれ