2020年07月12日
新鹿沢温泉 「鹿澤館」
また残念なニュースが飛び込んで来ました。
新鹿沢温泉(嬬恋村) の “シンボル” として親しまれてきた老舗旅館の 「鹿澤館」 の本館が、取り壊されることになりました。
昨年10月に東日本を襲った台風19号により、大量の土砂が流れ込む被害を受けて、営業を休止していました。
修復には膨大な費用がかかる上、そこへ、このコロナ禍の追い打ちをくらいました。
やむなく、営業の再開を断念したとのことです。
まさに、新鹿沢温泉のシンボル!
新鹿沢温泉に行ったことのある人ならば、必ず目にしたことでしょう。
その威風堂々とした佇まいは、訪れる者を圧倒しました。
木造2階建ての本館は入母屋造りで、瓦ぶきの屋根には千鳥破風 (屋根の斜面に取り付けた三角形の装飾版) が施されています。
また玄関前の車寄せは、寺社建築に見られる唐草絵の彫刻や格天井で造られています。
「鹿澤館」 の創業は昭和9(1934)年。
当時、洋風の旧本館や木造3階建ての客間などが次々と建築されましたが、同29(1954)の火災で、ほとんどが焼失。
かろうじて難を逃れたのが、現在の本館だといわれています。
温泉ファンは、ご存じだと思いますが、新鹿沢温泉は大正7(1918)年の大火で全戸が焼失してしまった鹿沢温泉から移転し、再建された温泉地です。
湯元である 「紅葉館」 だけが旧鹿沢に残り、かつては7軒の旅館が新天地で営業を続けていました。
これで鹿澤館が再開を断念すると、新鹿沢温泉は3軒になってしまいます。
とっても残念です。
で、ここで、お知らせです。
同館を記録に残し、後世に伝えておこうと、鹿沢温泉観光協会と嬬恋村では、7月19日(日) に、「お別れ内覧会」 を開催します (参加無料、午後1時~5時)。
昔の写真の展示や同温泉街の入浴券の配布、同館を撮影対象とするフォトコンテストなどを実施する予定です。
詳しくは、動画投稿サイト 「ユーチューブ」 の 「さようなら鹿澤館 お別れ内覧会」 を、ご覧ください。
●問合/嬬恋村総合政策課 TEL.0279-96-1257
Posted by 小暮 淳 at 11:35│Comments(0)
│温泉地・旅館