2020年08月12日
温泉考座 (18) 「0泊2食プラン」
「0泊2食」 という言葉を、ご存じですか?
これは温泉旅館が平日に行っている日帰りプランです。
きっかけは観光業の不況による平日の宿の稼働低下です。
打開策として考えられたのが、“泊食分離” でした。
温泉旅館は温泉に入って、食事をして、宿泊するところという考えにとらわれず、それぞれの機能を分離したサービスの提供です。
「温泉」 と 「食事」 と 「客室」 のバラ売りを始めたのです。
これが今、若い女性や主婦層に受けています。
「休みが1日しか取れない。でも温泉へ行きたい」 という忙しい現代女性に支持されたようです。
育児や介護など、もろもろの事情で夜は家を空けられない人でも、手軽に利用ができます。
一般的な例を挙げると、午前11時にチェックインをして、朝食をとり、午後は温泉に入り、散策や部屋で読書などをして自由に過ごします。
夕食後の午後9時までにチェックアウトとなります。
旅館やホテルによって、チェックインとチェックアウトの時刻は異なりますが、約10時間の滞在が可能です。
宿泊で一般的な午後3時チェックイン、翌日午前10時チェックアウトの場合、滞在時間は約19時間です。
夜間の睡眠時間を差し引けば、施設自体を利用する時間は、あまり変わらないことになります。
しかも料金は、どこも宿泊より安く設定されています。
また、0泊2食は昼食と夕食付きですから、料理の内容が充実しているというお得感もあります。
宿によっては、昼食か夕食のどちらかが付いた 「0泊1食」 など、さらに手軽な日帰りプランを展開しています。
県内には日帰り温泉施設が数多くありますが、どこも休憩所は大広間で、食事は麺類や丼物が中心です。
それに比べ温泉旅館の日帰りプランは、客室を利用でき、本格的な料理がいただけます。
何よりも日常生活から離れた自然環境へ出かけることにより、ストレス解消や精神疲労の回復効果が望めます。
温泉旅館のサービスは、私たちのライフスタイルに合わせながら進化しているのです。
<2013年8月7日付>
Posted by 小暮 淳 at 11:38│Comments(0)
│温泉考座