2020年08月25日
完全防備のソーシャル・トーク
こんな体験は、初めてです。
なんとも不思議な空間で、講話をしてきました。
新型コロナウイルス感染が拡大し始めた3月以降、それまで入っていた講演、講座の予定は、すべて中止か延期になってしまいました。
この半年間、不特定多数の人たちに会わず、講話もせずに、本業であるライターの仕事だけを細々とこなして生きてきました。
講演活動を続けて、十数年……
こんな年は、初めてです。
でも、いるんです!
いち早く、“ウイズコロナ” の時代を察知して、前向きに活動を続けようとする人たちが!
6月あたりから電話が鳴り始めました。
勇気ある講演依頼の電話です。
もちろん、“ただし付き” ではあります。
コロナの蔓延状況によっては、中止になることもあるとのこと。
また開催されるにしても、当日は、いくつものチェック項目があります。
■次の場合には参加することができません。
・来館前に検温で37度以上、または平熱比1度以上の発熱があった場合
・息苦しさ(呼吸困難)、強いだるさや軽度であっても咳、のどの痛みなどの症状の場合
・過去2週間以内に感染が拡大している国、地域へ訪問歴がある場合
■参加する場合は感染防止対策のため必ず行ってください。
・マスクを着用してください。
・手洗い、手指の消毒を行ってください。
・人と人との距離を最低2m以上取ってください。
・間近での会話や発声は避けてください。
との書類が、開催前に送られてきました。
そして昨日、まだコロナ禍ではありますが、待ちに待った講演が県内の某公民館にて開催されました。
会場は、一番大きな会議室です。
定員は半数以下に縮小され、対象もシニアから一般へと年齢が引き下げられました。
僕は職員との打ち合わせのため、開講の1時間前に会場に入りました。
入って、ビックリ!
頭の中で想像していたイメージを、はるかに超える徹底ぶりです。
まず、演台の前には、飛沫防止の大きな透明のビニールが張られた衝立(ついたて)があります。
この裏側に立ち、マスク姿のまま、マイクで話すことになります。
聴講席を見渡すと、テーブルとテーブルの間は優に2メートル以上あり、さらに1テーブルに1人、しかも前後の聴講者が重ならないように、交互に着席するよう配列されています。
もちろん、受付には、アルコール消毒液が設置されています。
完全防備であります!
「講演中は、換気のため窓を開けますので、暑くなると思います。先生は、こちらをお使いください」
と、職員が演台の脇に、僕専用の扇風機を1台、持ってきてくださいました。
そして、エアコンはついているのに、窓は開けられているという、なんとも非効率的な空間の中で、開講しました。
今回の演題は、『民話と伝説の舞台』 であります。
一昨年に出版した同タイトルの著書に基づきながら、群馬県内にまつわる民話や伝説、言い伝えなどを面白おかしく話させていただきました。
やりづらかったか?
ええ、まあ、最初のうちだけですけどね。
衝立から、はみ出すたびに、「ソーシャルディスタンス!」 と言いながら立ち位置を直していましたが、だんだん話が白熱して来ると、いつものように演台から飛び出して、身振り手振りで説明をしてしまいました。
ただ一つ、難があったとすれば、マスクをしたまま話していると、お茶を飲むタイミングが取りづらいということぐらいでしょうかね。
それ以外は、いつも通りで、講話を楽しんで来ました。
公民館の職員のみなさん、そして暑い中、足を運んでくださった聴講者のみなさん、お疲れさまでした。
ありがとうございました。
やっぱりライブは、いいですね。
まだまだコロナ禍は続きそうですが、全国のライブ関係のみなさん、知恵を絞って、少しずつ、感動を呼び戻しましょう!
Posted by 小暮 淳 at 12:11│Comments(0)
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