2020年10月24日
はじめてのデジタルデバイド
「このたびは快諾していただき、ありがとうございます。つきましては一度、リモートにて打ち合わせをさせていただけますでしょうか?」
き、き、キターーーーッ!
ついに、この瞬間が来ました。
いつ来るんだろうかと、恐れおののいていたのですよ。
だって、僕は旧人類も旧人類。
できれば原稿だって、原稿用紙に書いて渡したいと思っている古き良き時代を引きずった “昭和の化石” のような人間ですからね。
お恥ずかしながら、いまだにスマホは持っていませんし、パソコンにズーム機能もありません。
それでも現代社会に取り残されまいと、必要最低限の設備だけは整え、仕事先に、なるべく迷惑をかけないように努力はしているつもりです。
そこへ、このコロナ禍です。
世の中は 「3密」 を避けて、会議や商談、呑み会までもがオンラインによるリモートで行われ始めました。
これも時代の流れ、世の常であります。
その昔、といっても30年以上も前の話です。
世の中に、“ファクス” という文明の利器が普及したころ。
ちょうど僕は、雑誌社に勤め出しました。
「ファクスって、便利ですね。でも無かったころって、原稿の受け渡しや校正って、どうしていたんですか?」
そう、編集長に尋ねたことがあります。
編集長、いわく、
「そりゃあ、先方へ取りに行ってたんだよ」
「校正は?」
「それも届けていたよ」
「ひぇ~、大変でしたね?」
「だったね。便利な世の中になったもんだ」
今では、原稿の受け渡しはメールですから、さらに便利になりました。
閑話休題
で、今、問題になっているのが 「デジタルデバイド」 です。
訳すと、“情報格差” という意味のようです。
I T を使いこなせる人と、そうでない人の間に生じる貧富や機会の格差のことを言うそうです。
まさに、そのデジタルデバイドを感じる瞬間が、僕にも訪れたのです。
「あ、あのう……、そうですね。いえ、こちらから伺いしますよ。そのほうが、打ち合わせもしやすいでしょう?」
「えっ、よろしいんですか? わざわざ来ていただいても?」
「ええ、日時を指定していただければ伺います」
「申し訳ありません。ありがとうございます」
ということで、今回は難なくクリアすることができました。
が、今後は分かりません。
「便利になった」 と喜んでいた昭和
「便利になり過ぎた」 と戸惑っている令和
いったい、これから、どんな世の中になるんでしょうか?
Posted by 小暮 淳 at 12:33│Comments(0)
│つれづれ